【ニニギの求婚と人間の寿命について】

天孫降臨の後、国つ神である猿田彦神と結ばれた天宇受売命は

猿女と改称する。

猿女は海の大小の魚たちに降臨したニニギノミコトへの忠誠を誓わせるが、

その時に海鼠(ナマコ)ははっきり返事をしなかったので、

猿女は小刀で海鼠の口を割いたという説話が載る。

チェンバレンは、

「海鼠の姿を説明する風変わりな物語」

と興味を示している。

その後には、

ニニギノミコトが木花の佐久夜毘売に求婚する説話が載る。

父の大山津見神はニニギに対して姉の石長姫も同時に娶ることを求めるが、

ニニギは拒否する。

ニニギがほとんど不死身の体を持つ石長姫を娶らなかったことによって、

その後の人間の寿命は限られたものになる。

「死を免れ得ない人間の短い生の起源譚」

となったとしており、

チェンバレンには印象的な説話だったようだ。