うみこですニコニコ


前回ブログからのつづき花

以前働いていた考古学関係施設の

お仕事についてです知らんぷり



ダイヤオレンジ考古遺物の保存処理


発掘現場からは様々な遺物が出土します

ある種の遺物は保存処理をしないと

消滅したり破損したり

見るも無惨な姿になってしまいます昇天


保存処理って何はてなマーク

って思う方もいるかもしれませんが

簡単に言うと

遺物の治療です予防接種


遺物の状態を診察して

腐食や破損をどのように治療していくか検討して

実際に治療することです電球


保存処理を行うことで

劣化を抑え

発見された考古資料を

博物館で展示したり

教育普及などに活用したり

未来に受け継いでいくことが

できるようになるのですスター


さて

私が働いていた職場では

木製品の保存処理を担当させてもらいました電球


ポリエチレングリコールという薬剤を使って

約1年かけて木製品を保存処理していきます

大学で文化財学の保存科学などを受講した方は

ご存じかもしれませんが

PEG含浸法ってやつですおいで


保存処理の知識のない方は

なんのこっちゃって感じだと思いますが

私も正直

実際に体験してみて

こういうことだったんだ〜って思ったくらいで笑

テキストだけでははてなマークはてなマークはてなマークって感じだった爆笑


実は縄文時代や弥生時代など遠い過去の木製品は

水分のある環境下でないとほとんど残りません


縄文時代や弥生時代など遠い過去の木製品が

残っているなんて

奇跡の木製品といってもいいわけですグー気づき


木製品は発掘調査で取り上げた瞬間から

劣化が進み

破壊へのカウントダウンが始まりますドクロ

それまで土の中で守られていた

というよりも

辛うじて残っていた のに

乾燥や紫外線、虫や微生物の餌食に魂が抜ける

うっかり放置して乾燥させてしまうと

縮んだり変形したりして

せっかくの過去からのタイムカプセルが

壊れてしまうのですドクロ


発掘現場で出土する木製品は

水分の多い土壌から出土するので

木の繊維内に水分を含んで

ふやけた状態です指差し

なので、木製品の場合は

保存処理をするまでは

水漬け状態で一時保管しますスライム

コンテナ箱などに水を張って

漬けておくのです電球


実際に保存処理前の木製品に触れてみて

知ったのですが

木の種類や埋まってた環境によるのか

触っただけで木の繊維がぼろぼろなものや

ふやふやのものもあれば

意外としっかりと硬さが残っているもの

樹皮がまだ残っているものなど

木製品の状態は様々でした電球


木製品の保存処理は

ざっくりいうと

ふやけたうどん麺を乾麺に戻す…

イメージですかね指差し


木の繊維内の水分を薬剤などに

置き換えて強化します電球

ふやふやな木製品が硬くなるのです指差し


PEG含浸法の手順


四角オレンジ木製品のクリーニング

木製品には砂や泥がついているので

筆や刷毛を使って除去します

当然、水を張ったコンテナ内に漬けながら

行うので自分の手もふやける笑

下矢印

四角オレンジ観察記録の作成

木製品の状態観察や記録、写真を撮ります

木の繊維の感じでこれはサクラ、カシなんて

樹木の種類がわかる職員さんに感心ひらめき

こればっかりは経験拍手

下矢印

四角オレンジ不織布で一点ずつ木製品を包む

遺物番号札をつけたり、なかなか大変グー

不器用な私は大変でしたおいで

ラッピングのセンスが問われる…笑

お局様にキャラメル包みよって言われたけど

キャラメル包みが分かんなかった笑

下矢印

四角オレンジ水槽に木製品を漬け込む

不織布に包んだ木製品を一点ずつ

水槽に入れるわけですが、ホント重い笑

当然ながら不織布で包んだ後も

水槽に入れるまで水漬けなので

不織布が水を吸ってるわけです笑

そして、自分もびちょびちょになる笑

下矢印

四角オレンジ水温を60℃くらいにしてPEGを溶かす

約1年かけた長い漬け込みの始まりですグー

週一で濃度を測定して、PEGを追加投入し

徐々に濃度を上げていきます

PEG投入作業は粉舞うし、服汚れるしで

3Kを実感笑

サラサラだった水槽内の水溶液は、濃度が上がるにつれ、ドロドロになりますスライム

下矢印

四角オレンジ取り出し

濃度100%近くになって

いよいよ水槽から取り出します

重いゾウ

PEG処理をすると木製品は重くなるんですおいで

取り出したら

まずは熱湯で洗浄→乾燥

次にアルコールで洗浄→乾燥

2段階を経て

記録用の写真撮影

その後

接合できそうなものは接合したりして

収蔵庫へ収蔵しますグッ


取り出しは一大イベントらしいです指差し

お局様のおかげで

私は経験できませんでしたけどねもやもや


次のブログでは

実際に見学させてもらった

上三角トレハロース含浸法

上三角金属の保存処理

について書いてみようと思いますルンルン