顔に痣のある娘と、

その娘を愛せない母親

愛されることが当然と思って生きてきた女

すべてを手に入れながら更に権威を求める女

運命に翻弄される女たちをピアノと二胡の生演奏で描き出します。

 

 

すいません

完全にネタバレです

これから観る方はご注意ください

ストーリー書かないと感想書きづらいもので・・・

ので一言

一見の価値あり!

大変見事な作品です!

場所は小劇場でも

しっかりしたプロの仕事と言うべきものでした

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

劇中に登場する「紅楼夢」

(中国・曹雪芹)

まさにその世界のようだった

(確か小6か中1の時に読んだ)

 

お初のAPOCシアター

その中には不思議な雰囲気を漂わせた世界があった

天井から釣り下げられたいくつものロープが

床に書かれた円の上にそれを囲むようにあり

それがひとつの部屋の仕切りにもなっていた

その中央にテーブル

薄暗がりの雷の鳴る夜に生まれた子供(呉葉)

顔半面に痣のある女の子

裕福な商家の子としてはふさわしくない子供

父は不吉だとののしり

母(美羽)は我が罪におののく

殺される運命のその子を救ったのは母の姉(鈴)

彼女はこの家のものではない子としてその子を育てる

やがてその家には健康な娘(柚朽)が生まれ

その縁談が決まる日が来る

呉葉は子と認めない父から

柚朽の嫁ぎ先についていくよう言われ

今まで我慢し続けてきた母への想いを止めることが出来なくなった

しかし自分の罪(美羽は麻薬に溺れていた)の子に

母は心を許すことが出来ない

“痣が無ければ”

その言葉に呉葉は水仙の魔女のもとへ行き

痣を消す代わりに誰かを殺すように呪いの札を渡される

“自分の為に誰かを犠牲にする”

その恐ろしさに怯える呉葉

しかし彼女は母を守る為に自分を育ててくれた鈴に

呪いの札を渡してしまう

その事実を知った美羽は彼女を拒否する

彼女はもう一度魔女のもとへ行き

皆が自分のことを忘れるように頼む

代償を自らの命で払って・・・・・

 

実に優美で切なく

因習が重くのしかかって来るような世界

 

表の顔のまま生きるもの

裏の顔を持ってしまったもの

この対称が感じられる

母は我が子を拒否し

もう一人の母は望まない子を産み

身を投げ出した咎を隠し続けている

愛されない子は愛を求め

求めつつも愛されないゆえに

自分を卑下することを当然とする

それでもすがるような愛情を母に求め

拒まれ絶望する

愛された娘はその裏にあるものを

本能で感じている

誰もが含みを持って暮らす

表面は仲睦まじげに・・・・・

 

この裏ドロドロ感が程よく

呉葉の生き様や思考が痛々しい

 

我が子を疎む母の気持ちもわからないでもない

愛されない子は愛情を欲しても

その感情を相手に上手く伝えられないものだ

自分を卑下して育ったものなら

我が母に対しても引け目を感じないはずがない

本当は自分をこんな風に産んでしまった母を恨んでもいいのだ

悲しいかな呉葉にはそんな思考は全くなかった

対し母はその引け目を大きく被っている

だから恐れ怯え疎む

普通に暮らしていてもこういうことはないとは言えない

子供が有り得ない行動に出たら

親が子供を“怖い”と感じる

そこで親子関係は大きく崩れる

一生そういう感覚とは無縁でいたいものだと

母(私)は切に思う

 

そういう現実の中に現れる魔女

彼女だけがそういうものに囚われない存在に見えるが

実は彼女も様々な過去に囚われ

今の姿になってしまったのではないかと想像する

 

お伽噺というものには裏がある場合が多い

元を探れば人買いだったり

間引きだったり

鬼は奇形だったりすることがある

悲惨な出来事が伝えられるうちに変化して行く

 

そういうことを考えると

魔女も違和感がなく

この話の中に存在するのではないかと・・・

 

といろいろ感慨深い作品でした

 

出演者

先にも書いた通り

全員がプロの仕事をしているという感じです

演技は勿論

唄も素晴らしい

期待の佐藤美貴さん

(BLEACH・ルキア役 

 うちでは繰り返し観ている作品 )

鈴と言うより“凛”とした存在でした

すっかり大人の女性

貫禄さえ感じましたね

 

 

劇場入ってすぐに

あきらかに“知ってるよ”と言う笑顔に出会いました!

へっ?一瞬衣装の感じで分からなかった

演劇レーベル・Bo゛-tanzの羽鳥友子さん

おひさ!

いやいやあっちこっち頑張って出ていらっしゃる

それは知ってたけどこちらにも出演なさってたんですね

ピシッとした刑事役もおしゃべり好きな召使の役も

しっかりこなす女優さんです

久々に会えて嬉しかったです!

次回はBo゛-tanzでぜひお会いしたい

期待してます。

 
 
 
4/28まで
時間があればぜひ!