「石にかじりついてでも物語を引き摺り出す。あたしはシュリーマンになるんだ!」
人は一体どれだけの自分を嫌うのだろう。
大沢サツキはいつも通りの出勤途中、人生で初めて踵を返し、
家へ、必死に家へと向かいながら、呆然とそんな事を考えていた。
たった一匹のクロネコのせいで、突然えも言われぬ孤独と不安に襲われた最悪の朝、
彼女を家へと運ぶその足のステップは、スラップスティックを思わせ、
50mを10秒かける最大船速で、彼女の身を広大な十畳の部屋に潜り込ませた。
地獄のファンファーレが轟く静謐なその場所は、普通との戦争の最前線。
誰にも聞こえないそれらの音楽は、サツキの頭の中で物語を求める声に変わっていった。
ハインリッヒ・シュリーマン。
ただの空想物語を現実に引き戻した男。
彼女は彼の背中を蹴って、一歩、宇宙に向かってジャンプして、今いる場所に着地する。
その日は、冬の空にお似合いの、天井が高い気持ちのいい朝だった。
観終わって最初に出た言葉は
「疲れた」
主役は
最初から最後までテンション上りっぱなし
絶えず苛つき、
加えて
女性陣キャラの存在の強さは半端ない
こちらまでその苛つきが飛ばされてくるようで
落ち着かず
未来ちゃん
(ゴミ袋の山の中に首だけ出して存在する女の子)
の存在に息をついたような・・・。
狙いはわからないでもないが
もう少し、おふざけではなく
“抜け”を作れないものだろうかと
ついつい思った。
普通という言葉への苛つき
言われれば気にする人はいるだろう
本当はないはずの普通
その言葉を押されたくなくて
抗う女の物語
会社を始めてサボった
ゴミ袋が散乱する部屋
大家が現れ他愛もない話をし
宅急便がやってくる
ゴミの山から
見知らぬ女の子が現れる
ゴミの山から首だけ出して
締めたはずの鍵が
簡単にノックで開いてしまい
隣の男が入ってくる
また合鍵をもったもう一人の男
部屋の中の物の位置を替えて出て行く
会社の同僚たちが現れ
下の部屋の夫婦も入れ替わりに現れ
この部屋にプライバシーはなさそうだ
更に起こるラップ現象
みなが口々に
“いわく付きの部屋”という
こんな部屋で
サツキは自分の物語を探した
隣の男は
海外では名前の通った映画監督
さつきの周りの出来事を書くという
しかし
出来上がったそれは
サツキの周りの人たちのことばかりだった
“私の物語は?”
“君には物語がない”
その言葉にとうとう壊れたさつき
ようやく
彼女にカメラを向ける
映画監督
ざっとこんな感じの話
物語が欲しければ
何かことを起せばいい
そんな大事でなくても
小さな物語は誰でも持てる
部屋に篭るなら想像力と戯れてみればいい
御伽噺でもSFでも
想像力は自分を知る方法のひとつ
何もない自分に苛突く
その考え自体に苛つく
物理的なものは
自分ではどうしようもないこともある
しかし
想いや行動くらい
自分で起せないものかと・・・
話自体に苛ついて終わった
疲れる話は勘弁して欲しい。
人は一体どれだけの自分を嫌うのだろう。
大沢サツキはいつも通りの出勤途中、人生で初めて踵を返し、
家へ、必死に家へと向かいながら、呆然とそんな事を考えていた。
たった一匹のクロネコのせいで、突然えも言われぬ孤独と不安に襲われた最悪の朝、
彼女を家へと運ぶその足のステップは、スラップスティックを思わせ、
50mを10秒かける最大船速で、彼女の身を広大な十畳の部屋に潜り込ませた。
地獄のファンファーレが轟く静謐なその場所は、普通との戦争の最前線。
誰にも聞こえないそれらの音楽は、サツキの頭の中で物語を求める声に変わっていった。
ハインリッヒ・シュリーマン。
ただの空想物語を現実に引き戻した男。
彼女は彼の背中を蹴って、一歩、宇宙に向かってジャンプして、今いる場所に着地する。
その日は、冬の空にお似合いの、天井が高い気持ちのいい朝だった。
観終わって最初に出た言葉は
「疲れた」
主役は
最初から最後までテンション上りっぱなし
絶えず苛つき、
加えて
女性陣キャラの存在の強さは半端ない
こちらまでその苛つきが飛ばされてくるようで
落ち着かず
未来ちゃん
(ゴミ袋の山の中に首だけ出して存在する女の子)
の存在に息をついたような・・・。
狙いはわからないでもないが
もう少し、おふざけではなく
“抜け”を作れないものだろうかと
ついつい思った。
普通という言葉への苛つき
言われれば気にする人はいるだろう
本当はないはずの普通
その言葉を押されたくなくて
抗う女の物語
会社を始めてサボった
ゴミ袋が散乱する部屋
大家が現れ他愛もない話をし
宅急便がやってくる
ゴミの山から
見知らぬ女の子が現れる
ゴミの山から首だけ出して
締めたはずの鍵が
簡単にノックで開いてしまい
隣の男が入ってくる
また合鍵をもったもう一人の男
部屋の中の物の位置を替えて出て行く
会社の同僚たちが現れ
下の部屋の夫婦も入れ替わりに現れ
この部屋にプライバシーはなさそうだ
更に起こるラップ現象
みなが口々に
“いわく付きの部屋”という
こんな部屋で
サツキは自分の物語を探した
隣の男は
海外では名前の通った映画監督
さつきの周りの出来事を書くという
しかし
出来上がったそれは
サツキの周りの人たちのことばかりだった
“私の物語は?”
“君には物語がない”
その言葉にとうとう壊れたさつき
ようやく
彼女にカメラを向ける
映画監督
ざっとこんな感じの話
物語が欲しければ
何かことを起せばいい
そんな大事でなくても
小さな物語は誰でも持てる
部屋に篭るなら想像力と戯れてみればいい
御伽噺でもSFでも
想像力は自分を知る方法のひとつ
何もない自分に苛突く
その考え自体に苛つく
物理的なものは
自分ではどうしようもないこともある
しかし
想いや行動くらい
自分で起せないものかと・・・
話自体に苛ついて終わった
疲れる話は勘弁して欲しい。
