弟とファミコンの話。(2004年09月28日の「ライフ」) | ノーナ・リーヴス オフィシャルブログ「LIFE」Powered by Ameba

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西寺郷太・奥田健介・小松シゲル NONA REEVES

 基本的に、暇なときは活字を読んでいないと、もしくは読める状況にないと落ちつかない性格である。しょうもないチラシや、ピザのメニューでもいいからなんか読んでたいという貧乏臭いおれが、この先三日間大丈夫だろうか(駅とかで買えなかったら?と、すでに今から不安なのだ)。多分、たばこを凄い好きな人が絶対切れないように3箱くらい持ち運ぶ感覚か?ともかく、ほんとうだったらじっくりやまほど本を持って行きたいところである。

 ちなみにニューヨークに行く時、おれは一番好きな作家、学者である猿谷要さんの「ニューヨーク」を持って行った。飛行機でハードカバーを読んでいると、隣で弟も猿谷要氏の「ニューヨーク」を読んでいるではないか!それも文庫本!!!賢い!!次男っていうのは、そういうところがある。

 どうでもいい話だが、小学校の頃、担任だったK先生もそんな話をしていた。その先生は長男で弟がいたらしい。K先生が6年生くらいだった時。弟は4年かそれくらいで、家族でレストランに行った時のこと。K先生は両親に気をつかって「お子様ランチ」を注文した。しかし弟は普通に「ステーキ」などを頼み、親も「いいよー」みたいな感じでずっこけたとか、そんなエピソードだ。ま、勝手に「お子様ランチ」を頼んだだけなので、別にどうということもないのだが、非常に悔しかったとのこと。
 ま、弟(妹)は基本的に賢い動物であるということであろう。

 こんなことを書いていたら思い出してきた。今となってはウンコのような話だが、書いておきたい。おれは73年生まれ、もうすぐ31歳。ちょうど小学校低学年の頃ゲーム・ウォッチというゲームボーイの初期版みたいなのが出て(トライセラトップスのW田氏は大人になってもいっぱい持ってる、渋い色合いでシンプルで確かに集めたくなるほど可愛い)、「パラシュート」とか、「オクトパス」とか、「ドンキーコング」とか大ヒットした。まぁ、時計はデジタルのおもちゃでゲームがメインなのだが、そこからぐんぐんと進歩して、小学校の高学年の頃、空前のファミコン・ブームが来た。
 とにもかくにもみんなファミコンを買って、クラスでも野球とか、テニスとかその後「ゼビウス」とか「スペランカー」とか「けっきょく南極大冒険」とか「シティ・コネクション」とか「マッピー」だ「スパルタンX」だ「ディグダグ」でダグったとかそんな話題ばっかりになった。あっと言う間に、クラスの中でファミコンを持っていないのはおれだけになってしまった!!!!なぜ、おれだけが持っていなかったとわかったかというと、おせっかいなFという友人が普段会話のない女の子にまでリサーチをして、割り出したデータだったのだ。女の子といっても、当時は子供が異常に多かったし、兄弟も多くて、そういった意味でゲームに興味のない子でも家族で1台は持っていた、まさに「ファミリー・コンピュータ」だったのだろう。
 当然、最初はおれも欲しかった。「買ってくれよ」と懇願したのに答えは「ノー」。なんだったのかわからないくらい、あの時の親父は冷たく、そして巨大な壁となって立ちふさがった。しかし、ラッキーなことにおれはその頃マイケルやプリンス、ビートルズにすでにハマっていた。みんながファミコンをしている間もヘッドフォンでノリノリだった。それに、みんなが上達しているゲームに途中から参加しても負けてばかり。これはしょうもなかった。せっかく入っても負ける。じゃあ入らんわ、ボケ!!とまで言ったかどうかは定かでないが、なんか今に至るまで、メガドライヴのマイケルのゲームくらいしか、一生懸命やったことがない。

 その後、数年が経ち、おれは中学生になっていた。もうファミコンの時代は終わり、スーパー・ファミコン(スーファミ)の時代になっていた(と思う)。ソウル・オリンピックが近づいてきて、日本中がアジアでのオリンピックに沸いていた。そのとき、小学校低学年になっていた弟がテレビでやっていたCMを見て「ゲームが欲しい」と言い出した。なんか色んなスポーツをやる、なんとかオリンピックみたいなゲームだった。おれは心の中で「愚かな弟よ、あかんあかん、西寺家はファミコンのファの字もありゃせんよ」とつぶやいた。
 しかし、どういうことだろう。ニコッとした親父は「おし!ソウルの記念にファミコン買ったるわ!」と元気に言ったのだ。そして、弟はゲームが上手になり、今も小松やD島、F沼さんらとウイイレでデッドヒートしている。ちなみに数年後には、親父も弟のゲームボーイを拝借しテトリスにハマっていた。
 おれはといえば、みんながウイイレに熱中してる間寂しいので、うしろから腐ったカニの箱を開けてうちわであおいで、みんなのゲームの邪魔をしたりすることが、ゲームになってしまっている。

2004年09月28日


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