インタビュー : 再録「詩を書く上で考えていること」 2012年 | ノーナ・リーヴス オフィシャルブログ「LIFE」Powered by Ameba

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西寺郷太・奥田健介・小松シゲル NONA REEVES

★こんにちは、早速ですが質問です。郷太さんの書く詞は絶妙な青臭さで、聴いていて若干恥ずかしいのですが、それが懐かしさや、純粋だったあの頃を思い出せるような気がして泣きそうになります。詩を書く上で考えていることって何ですか?

僕が敬愛するプロデューサー、クインシー・ジョーンズは、これまた僕が敬愛するソングライターであるロッド・テンパートンの類いまれなる作詞作曲術を、このように賞賛しました。

 「ロッドの歌詞は、メロディを抱いているかのようで素晴らしい・・・」

 ちなみにロッドの代表作にはマイケル・ジャクソン〈ロック・ウィズ・ユー〉がありますが、この曲のAメロからサビ、ブリッジに至るまでの言葉と発声の流れに注意を払って聴いてもらうと、まさにクインシーが言っている「メロディを抱く」境地が体感できるはずです。これこそが自分にとっての理想なんです!!!

 僕の場合99%が、作曲の段階ではメロディに合わせて適当に鼻歌英語を歌い、最終的にに言葉を「当てはめる」いわゆる「曲先」スタイルなのですが、その時、無理に「当てはめる」のではなく、「あー」「いー」「うー」「えー」「おー」という仮歌の時に自然にしていた口の開き方や、特にサ行、濁音などがあくまでも「ナチュラル」にスポッとそこにハマることを意識しています。鼻歌とは言え最初の「ひらめき」には、何か意味があるんじゃないかなと。

 もちろん、ただ自然にハマるだけでは、ある種の「インパクト」に欠ける。「えっ?なんて言いました!??」みたいなキャッチーな衝撃も必要。
 それが所謂「青臭い」「若干恥ずかしい」ってところかもしれません。
 出来るだけ、一曲の中に一ヶ所、二ヶ所は、「十代の頃に見ていた景色」や、「ノスタルジックな感情」をうまくまとめようとせず、「産地直送」でぶつける部分を作るようにしてます。
 「いや、その言葉のチョイスはないやろー!」と言うくらいの勢いでも、敢えて突っ切る。

 例えば〈I LOVE YOUR SOUL〉の決めのワンフレーズ。
「君が涙流すなら、、、、僕も泣くぜ!」とか。。。
「え?」みたいな(笑)、「解決してへんやん、一緒に泣くだけなん、、、?」みたいな部分。

 でもそういう自分の「自分じゃないくらい」振り切った勢いのある言葉、意外とそこが繰り返す中でグサッと効いてくるんですよね。あまりにも多過ぎると飽きちゃうんで、バランス感覚は難しいですが。

 あくまでもざっくりおおまかに言えば、こんな感じです。

2012年