インタビュー : 再録「なんでそんなにジャニーズすきなんですか?」 2012年 | ノーナ・リーヴス オフィシャルブログ「LIFE」Powered by Ameba

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西寺郷太・奥田健介・小松シゲル NONA REEVES

★なんでそんなにジャニーズすきなんですか?

 ジャニーズが好きというより、厳密に、そしてかなり究極にまとめて言えば洋邦問わず「80年代のポップ・ミュージック(70年代後半含む)」が好きなんですよね。。。

 「あの頃の音楽の水準が高かったとか、純度が濃かった」とかそういうことじゃなくて、単に73年生まれの僕が、子供の頃/ものごころついた頃に全身に衝撃を受けたのが、その時期の音楽だった、ということが大きいと思ってます。
 日本だとTVでは「ザ・ベストテン」「トップテン」「夜のヒットスタジオ」に夢中で、ラジオだと「歌謡ベストテン」「ポップス・ウィ・ラヴ・ユー」などをよく聴いてました。小学校高学年からはMTV的な、当時大流行していた洋楽プロモーション・ビデオ番組にハマりました。

 当時の日本のTVやラジオのチャート番組だと、演歌もかなりチャートインしてましたけど、子供の僕には渋過ぎて^^;。
 やっぱりキラキラしたポップソングを歌う若いアイドルに夢中に。そうなると必然的にジャニーズ・アイドルが多くなるんですよ。

 で、10代中盤であることに気づきました。
 トシちゃん、マッチ、聖子ちゃん、イモ欽トリオからはじまってシブがき隊、吉川晃司さん、チェッカーズ、C-C-B、少年隊、光GENJIと聴くたびに、むしろ自分が「楽曲を制作している作家陣」筒美京平さんや、松本隆さん、大滝詠一さん、佐野元春さん、細野晴臣さん、大澤誉志幸さん、松任谷由実さん、飛鳥涼さん、CHAGEさんなどのスキルに心酔していることに・・・(ちなみに、自分もバンドで歌を歌いながら、並行してアイドルに楽曲提供出来るようなミュージシャンになりたいなぁ、というのがその頃の夢でした)。

 80年中盤以降、バンドブームなどが全盛になったことで「アイドル的な存在」が軽く見られはじめ、しばらくして吉川さんや、チェッカーズ、C-C-Bなど「ロック畑」の人たちが「アイドル」から「アーティスト」になり、どんどん自分で曲を作るようになると、(吉川さんには好きな曲沢山ありますが)急激に興味がなくなっちゃうことが多くなりました(あくまでも当時の意見です、今聴いたらまた別の感想を持つかも)。

 それと違ってジャニーズの楽曲は、今も多くの場合その時代の旬の作家陣を集め、曲・詞・アレンジ・演奏ともに鉄壁の布陣で「プロ」として制作し続けることが多い、というところに魅力を感じているんだと思います。

 自分が作家/プロデューサーになってからも「ちょっと芝居がかっている」「非日常的な」音像や、シンガーの方が曲を書きやすいし、楽しいですしね。

 といってもさほど詳しい訳ではないし、ライヴや舞台も曲を書かせてもらった少年隊、SMAP、V6のそれぞれ1回ずつしか観てません。いわゆる「マニア」ではないです。ただし、もともとが歴史上の人物の人間関係などにとても興味がある性質なので、「戦国武将」のような感じでひとりひとり、それぞれのグループのサヴァイヴァルを見るのは興奮しますね。
 冷静に考えて、ここ数十年間、ジャニーズほど凄まじい才能、言い換えれば「魅力的な武将」が集結している場所は、日本では他にないんじゃないでしょうか?

 自分に曲・詞やプロデュースを依頼してくれたグループやシンガーにはめちゃ肩入れしますし、「どうやったら勝てるか、さらに数年ヴィヴィッドに生き残れるのか」ってのをもの凄く分析します。そして、自分が好きだった「80年代のアイドルにしか出せなかった魔法のフレイヴァー」を、ふりかける・・・。
 夢のような仕事だなぁって、いつも思ってます。

2012年



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