NEW EDITION(2003年07月11日の日記) | ノーナ・リーヴス オフィシャルブログ「LIFE」Powered by Ameba

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西寺郷太・奥田健介・小松シゲル NONA REEVES

「ニュー・エディション(以下NE)」はジャクソン5と並ぶほどぼくが大好きなキッズ・ボーカル・グループ。80年代から90年代にかけて大活躍した今となっては大御所といっていいほどのスーパー・グループです。

 平均年齢14歳、ボストン出身の友達5人でデビュー、その後大人になりながらもどんどん音楽的に進化していった。メンバー全員が才能があり、ヒット曲もあるという珍しい集団です(たとえば、ジャクソンズでソロヒットを飛ばしたのはマイケルとジャーメインだけ)。
 今現在NEの構成員と呼べるのは、ラルフ・トレスヴァント、ボビー・ブラウン、ジョニー・ギル、そしてリッキー・ベル、マイケル・ビヴンズ、ロニー・デヴォー(この三人は「ベル・ビヴ・デヴォー」というラップ・グループを組んでいる)、の6人。実際は途中でボビーが抜けて、ソロになり「エヴリ・リトル・ステップ」、「ドント・ビー・クルエル」で一世を風靡し、ボビーの後にジョニーが入ってNEは基本的には常に5人なんですが、ボビーと他のメンバーもかなりの絆で結ばれているので、96年には6人で再結成されました。




 リード・ヴォーカルのラルフはセンシティヴでデリケート。乙女心を揺らすハンサム王子様です。マイケル・ジャクソンをさらにメロウにしたような母性本能をビシバシつきまくる声質で、激しさには欠けるのですが(マイケルほどのスリルはない)、でもそれでもあの甘酸っぱさは最高。少年時代のラルフに会った瞬間、沢山のファンの女の子が興奮しておしっこをもらしたそうです。でも、男のぼくでもそのエピソードがなんかわかる気がするほど、胸キュンボーイなんですよ。全員メインをとれるNEですが、やっぱり彼がいつだって中心です。彼のソロ曲「センシティヴィティ」はぼくにとってもオールタイム・ベスト10に入る大好きな曲です。

 ボビー・ブラウンはこの中で一番やっぱり知名度がありますね。奥さんはご存知ホイットニー・ヒューストン。彼はけして歌のテクニック的には上手いシンガーではないのですが、ほんとに「やんちゃ坊主キャラ」の魅力あふれる男です。性格的には横山やっさん系で、警察沙汰を何度もおこしてます。最初のNEではハスキーで一生懸命歌う子供として、人気があったのですが(例えば「ミスター・テレフォンマン」など)アイドルアイドルした見え方のNEの中で異様にストリート感、ヒップホップ・フィールを持っていたせいで居心地が悪くなり、脱退しソロを選びます。彼が抜けてしばらくNEは4人になり子供と大人の微妙な狭間にはまってしまい少しの間、不遇の時代へ突入します。(ただし、ボビーとラルフは大の親友なので喧嘩別れではない。)
 そうしてソロ・アーティスト、ボビー・ブラウンが誕生します。デビュー・アルバムはそうでもなかったのですが、当時最新のグルーヴだったニュージャック・スウィングを産み出したセカンドで名盤の「ドント・ビー・クルエル」で化けます。名プロデューサーLA&ベビーフェイスや、テディライリー一派の手も借りながら自分で彼らをも操縦し、とんでもない(大きな意味での)プロデュース能力を見せたのです。バウンシーで過激なドラムサウンドに合う声で、新世代のシンガーとして90年代中盤まで大活躍します。彼は残念なことに今回のツアーには来ませんが・・・。

 ジョニー・ギルは、子供の頃からおっさん顔負けのヴォーカル能力でブイブイいわせてた「圧倒的なシンガー」です。でも子供なのに、子供っぽくないので、子供の頃はヒットに恵まれませんでした。「上手すぎる」といつも言われて、ちょっと可愛そうでした・・・。それがボビー脱退後のNEに加入することで、NEにとっては「大人の魅力」が、ジョニーには「躍動するフレッシュネス」がもたらされたのです。
 その後、ソロ活動も並行して続けた彼に超名盤「ロンリー・ナイト」が産まれます。このアルバムは凄い。特に「マイ・マイ・マイ」からのレコードB面のメロウなジョニーには涙が出ます。ただ、やっぱりNEのイメージがかなり確定してから入ったメンバーだし、もともとソロシンガーなので、ちょっとだけ外様な匂いが今でも残っているのは否めません。ま、モーニング娘。と藤本綾さんの関係のような?もんです。(ちょっと違うけど・・・。)

 そしてNEの一番凄いのはこの3人の存在です。ベル・ビヴ・デヴォー!!!。なんていうゴロ合わせのいい名前なんでしょう。リッキー・ベル、マイケル・ビヴンズ、ロニー・デヴォーで「ベル・ビヴ・デヴォー」。「ビヴ・デヴォー・ベル」ではおかしい。「デヴォー・ベル・ビヴ」でもめっちゃ言いにくい。やっぱり「ベル・ビヴ・デヴォー(以下BBD)」で、これ完璧です・笑。

 まずこのグループ内グループのリード・シンガーはNEではラルフやボビー、ジョニーに隠れて第三のシンガーだったリッキー・ベル。この人のヴォーカルは(最高ばっかリ言ってて信じてもらえなさそうだけど)ほんとに凄いのです。ぼく自身は自分のヴォーカルの師匠だと仰いでいます。NEの中でも一番好きなんです。なんていうか・・・、バランスがいいんだよなー、甘くて、弾んでて、上手いんだけど、センシティヴ。
 このNEの中で言うとラルフ、ボビー、ジョニーはひとりひとりとてもクセがあってアクが強いから歌によって得意不得意がすごく出てくる(だからこそリードシンガーなんだけど)。それと比べるとリッキーはどんな歌でも歌えるのです。だからBBDで、リッキーが突如全面に出てきた時みんなは驚いたのです。「こんな奴がなんで今までメインじゃなかったんだ?」ってな感じで・・・。もちろんラルフやボビーのような強烈なカリスマ性はないのですが、本当にぼくは大好きなシンガーです。

 そして残りのマイケル・ビヴンズ(通称ビヴ)、とロニー・デヴォー。このふたりはラッパーです。低音のノド声が気持ちいいビヴはNEの中でも屈指のおしゃれボーイ。20年前の写真とかだと、けっこうださくなったりするんだけど、ビヴはいつみてもサイズ感がよくて、どの時代もひとりだけ飛び抜けて今でも着れそうな服をチョイスしてるのです。特に帽子や眼鏡を上手に使うので、印象はハードなのにも関らずとっても可愛い格好をしてます。やっぱりもともとNEはアイドル集団なので、どうしても大人の作った世界観にあてはめられることが多かったと思うのですが、ビヴはとても頭がいいので、BBDをパブリック・エナミー周辺のプロデューサーに頼んでみたり、NEの「お子様化」を防ぐバランス感覚を持ってます。その後彼はその特性を活かし、プロデューサーとして「ボーイズ・II・メン」を大ヒットさせました。

 最後のロニー・デヴォー(通称ロン)はブラック・ミュージック界の「研ナオコ」と呼ばれている男です(ほんまか・笑?)。なんかねー、ユーモラスで憎めない顔をしてるんですよ。ほんまにアイドルかー?って思う時もあったくらいです。ジャクソン兄弟って姉妹も含めてみんなハンサム揃いなんだよなーってロンを見てると思います・笑。
 でも、いつも彼はモテモテなんですよねー。ほんとに。写真ではあんまり伝わらないんですが、動いてる姿を見るとそれも完全に納得のセクシーな魅力の持ち主なのです。ダンスの振り付けもかなりロンがやってるそうで、体も大きいのでステージでめちゃ目立ちます。ラップ的にはワインとか、ディナーとか、ちょっと選ぶシチュエーションもゴージャスでかなりかっこいいです。

 BBDはリッキーという本格シンガーにビヴとロンのふたりのラッパーが絡むというポップ、ソウルとR&Bに、ヒップホップがグワンと混じった(今では全く珍しくないですが)当時としては画期的な形態でした。お茶の間感とアンダーグラウンド・カルチャーの融合。テンプテーションズやミラクルズ、スタイリスティックスのようなオーソドックスなコーラスグループの側面も持ちながらも、あくまでも自然にヒップホップ世代のグルーヴを醸し出したサウンドとラップ。
 その新鮮さ、ストリート感がバカ受けして、ファースト・アルバム「ポイズン」はラルフやジョニーのソロよりも売れたはずです。ぼくは高校生の頃、このアルバムの英語のラップ部分を全部暗記するまで聴きました。今でもけっこう、その時の言葉のビート感が体にやきついていて役に?立っています。ぼくが3年前から急に?ラップをしはじめたのも彼らあってこそです。リスぺクトの気持ちを表して、ノーナのラップでもベルビヴデヴォーの名前は「ターンテーブルズ・オンリー」で登場します。大好きです。

07/11/2003