スピリチュアル剤SPi【13】




【狂った世界】


「スピリチュアル剤」「SP i」全国民服用義務化まで…3日となった。


息子…
翔太が「スピリチュアル剤」「SP i」服用義務化反対派
として射殺された…


高齢者、中年者などの犯罪者、モラルがない人々による痛まし事件、事故の被害者が犯人とされていたが…


それを仕組んだのは…


やはり、「ヤ・ミカエル」からの指示があったのだろうか?


しかし、全国民はすでに「ヤ・ミカエル」が掲げる世界…


「あの世のススメ」の浸透…


スピリチュアル界のカリスマ「ヤンピー」など…

息子…

翔太は殺されたが…


もはやこの国は、民主主義ではなく共産国家…


「ヤ・ミカエル」の独裁国家となっていた。


「ヤ・ミカエル」の考えは…


全国民が清い心で「あの世のススメ」…


3次元を超越した世界…


4次元の体験…


この世…


以外の異空間を体験するため…


全国民は「ヤ・ミカエル」に洗脳されていた…


そんな事から殺された息子翔太は…


反逆者として射殺されたと…


事件の内容がすり替えられていた…


そんな事に対し今の国民は、「ヤ・ミカエル」の行動、思考は絶対であり「神」の言葉と崇められ…


息子…

翔太は殺され犯罪者となっていた。


「ヤ・ミカエル」の狂った世界を俺は…どう生きるのか?


まだ…決め兼ねていた。


「スピリチュアル剤」「SP i」服用義務化反対派の人達へ…


「ヤ・ミカエル」は「異次元への旅立ち」を進めていた…


それは究極の「あの世ススメ」である…


この世からいなくなること…


すなわち…


死ぬ事であった。



【変わる】


岡田、大吾はこの国を去りどこかの国へ亡命を果たした…


俺は奴らからの信頼を失い、詳しく内容を聞くことが出来なかった…


俺はこんな精神であるから、当たり前だと自覚していたが…


なんとも言えない哀しさが俺の心を締めつけてる…


「お前どうしたんだ…」


俺は独り言を呟く…


「勘違いの感性」思い上がりの自負から変わっていった人格…


かみさんを亡くし…


息子…翔太を亡くし…


岡田、大吾との信頼関係を失い…


そして「後悔の念」が俺の心を支配し…


それが現実化していた。


俺の精神は既に限界を迎えていた。


そんな時、直和県で暮らしている山田…なんちゃんから連絡が入った。


「京介さん元気ですか?」


「僕はなんちゃんと幸せに暮らしています」


山田は、昔のようなエリート意識が無くなり、穏やかになったようだ…


自分の事を「僕」と言うようなっていた…


これも「スピリチュアル剤」「S P i」の作用なのか…?


「京介さん…僕もなんちゃんもここの暮らしがとても心地よくて…」



「本当、「スピリチュアル剤」「SP i」には感謝しています」



「なんちゃんは毎日が常にハッピーです…」


「それは、僕なんかより大切な存在である「ヤンピー」ちゃんが県知事として居ますから…」


山田は心から幸せである事を俺に伝え…


俺はそれを感じ取れ…


心の何処かでホッとしているのを感じた…


しかし…


感じ取る事が出来ない…こと


それは…大吾と岡田で改良した「SP iC型」の特効薬を改良した…

服用剤…「SP iB型」改良版でありその効果が山田、なんちゃんにあった事から…


山田は俺と仕事していた頃のプライドが高く…


エリート意識が強い人格では無くなくなっていた…


穏やかになり、誰からも愛されて


なんちゃんを心から愛し幸せになった…


山田は、自らの意志で「スピリチュアル剤」「SP i」を服用して今の人格になった…


俺はますます…


何が真実なのか…?


理解出来ないでいた…


「勘違いの感性」による人格が俺を変え…



「後悔の念」が俺の心に居座り…



俺の前には真っ暗なトンネルが延々に続いていた。



そして、その日がやって来た…


明日…


「スピリチュアル剤」「SP i」全国服用義務化がスタートとなる…


俺は、総理、「ヤ・ミカエル」から…


国民栄誉賞を授与される事になった…


それは事実なのか?



「スピリチュアル剤」「SP i」服用義務化への貢献としてで…


国民の心を豊かにする事に寄与した事が認められたとなっていた。



【もう時期】


大きな講堂に規則正しく人が整列していた…


それらは…



前から順番に幼児3〜4歳が5列…



小生学生低学年が3列…高学年が3列…


中学生、高校生、大学生、新生社会人、中年、高齢者、老人と穏やかな顔をしていた…


しかし、その顔は特徴が無く…


覇気が感じられない…


誰もが宙を見つめていた…


それは、ただ宙を見つめているだけで何も考えていない…


誰かが暗示的な言葉を伝え…


規則正しく並んだ幼児から老人は宙を見つめていたが…


暗示的言葉が伝えられると口を閉じ正面を向くようになっていった。


俺はそんな風景を何処からか観ていた…


規則正しく並んだ幼児から老人は暗示的な言葉を聞き終えると…



静かに眼を閉じ暗示的な言葉に頷き全員で…


「イエッサー!総理!」



「…「ヤ・ミカエル」バンザイ!」


そんな掛け声を幼児から老人が発した瞬間…


何処から…か


けたたましい音が…



「タッタッタ…タッタッタ…タッタッタ…」



それは紛れなくマシンガンを放っ…



銃音であった…


血の海となった講堂…



しかし…


撃たれた幼児から老人は苦悶もわめきも無く…


バタ、バタと床に崩れ堕ちていく…


俺はそれを観ているがどうする事も出来ない…


なんだこの重苦しさは…


そして俺は眼を覚ました…


夢を観ていたようだ…


俺の心に居座る「後悔の念」がこれからのこの国のあり方を…


教えたのか?


暗示的言葉は、何だったのか?


夢ではあるが…


あまりにもリアルであり…


今後の予知を感じた…


すると日付が変わり…


「スピリチュアル剤」「SP i」服用義務…


全国法令化がスタートする日となっていた。


【実現】


「スピリチュアル剤」「SP i」服用義務…全国法令化がスタートとされ…


式典が日本武道館で行われ…


直和県同様「ヤンピー」のイベント形式で進行するプログラムとなっていた。


新内閣人事で「ヤ・ミカエル」が総理補佐として「総理参謀大臣」なるよくわからない役職が設けられた。



「ヤンピー」も閣僚に入り込み直和県知事から「スピリチュアル剤」服用大臣に任命されていた…



そして、直和県知事はなんと山田…



副知事がなんちゃんとなっていた…



この国は、完全に国民の意見は反映されず「ヤ・ミカエル」の思想人事で運営されるようになっていた。



野党は既に意見すら出来なくなり、政治的機能を果たしていなかった…


今後、政局が変わる方針も与党から提案されていた。



俺は、いつの間にか「ヤンケル」を「ヤ・ミカエル」に辞めさせられ…



「スピリチュアル剤」「SP i」の功績が認められ…


今後「スピリチュアル剤」「SP i」の効力など改良し…


開発・研究を国の立場から確認して行くことが俺の業務となり…


俺は厚生省研究大臣に本日任命される事になっていた…


この件は、俺の意見は全く反映されず「ヤ・ミカエル」の一存と総理の決定から半強制的…


命令であった。


俺はそれでも自分自身の心を決める事が出来ず…


「勘違いの感性」と「後悔の念」…


二つの人格が駆け引きをしていた…



俺はそんな事を考えていると…



大音量でダンスミュージックがホールに響…


渡った…!


ヤンピー後援会「ジジババダンサーズ」が武道館中央に集結し…


まちまちでわあるが…


一生懸命…ピップポップダンスを髪の毛を振り乱し踊っていた…



それを見たヤンピー後援会…


政府に関わる関係者は…


唖然としたが…


パワーが凄い!パワーが凄いを連呼していた!


そして、新しい法律…


「スピリチュアル剤」「SP i」服用義務化法令の式典がスタートされた。


進行は、この法律において管轄している「スピリチュアル剤」服用大臣である「ヤンピー」が司会となっていた。


ヤンピーの口火は…


「本日を持ち…誰もが美しい世界…心を持ち…」


「痛まし事故、事件は全て無くなるのです…」


「誰しも…心穏やかに…」


「争う事なく…」


「もうグッスリ寝られるんすよ…」


「私は直和県で得た経験を全国民に伝えたくて…」


「今回、進行を引受ける事としました…」


「…「スピリチュアル剤」「SP i」服用義務…全国法令化がスタートです!」


「ヤンピー」全国法令化をスタートさせ…


セレモニーが開始され…


「はじめに「スピリチュアル剤」「SP i」に関して最大な努力を惜しまず取り組んでくれた…」


「製薬メーカーである「ヤンケル」「ヨリヒロ」に国民栄誉賞を贈ります」


盛大なる歓声…拍手が…


ある意味不気味に思えた。


「同じく「ヤンケル」でお勤めであり、今は厚生省研究大臣である…」


「迎田 京介…」


「彼の独創性あふれる「スピリチュアル剤」「SP i」服用剤の開発改良に携わり多大なご尽力頂いた功績を称え…」


俺は不思議に思った…


それは…



【国民栄誉賞】


俺のいた「ヤンケル」…


そして「ヨリヒロ」は「スピリチュアル剤」「SP i」が全国法令化され全国民が服用を義務付けられた事から…


東日本は「ヤンケル」が西日本は「ヨリヒロ」が「SP i」の生産を行っていた…


今、国民栄誉賞として総理から「ヤンケル」及び「ヨリヒロ」の各取締役 社長へ輝かしい勲章が授与されていた。


しかし…


「ヤンケル」…「ヨリヒロ」両社長は険しい表情で国民栄誉賞を受け取っていた。


それは、内情を知っている事から…


国が認めているのだが…


薬を全国に提供する事から両社長は不安を拭い去る事は出来ない…


心情であると…


俺は感じた…


次に俺の名前が呼ばれ…


総理から勲章を受け取る瞬間…


総理の顔を睨みつけ…


「スピリチュアル剤」「SPi」の今迄の経緯が…


走馬灯のように駆け巡り…



怒りの感情から…


罵声が喉仏まで込み上げて来た…


その時…


何処からか…


「京介さん…」


「おめでとう!」


誰からなのか…


俺に大きな声で…


呼びかける声が…


俺は呼びかける声の方向を追った…


武道館、二階最前列から大きく手を振る姿が確認できた。


それは、今や直和県知事になっていた山田であった。


俺は、総理にかける罵声をすっかり忘れ…


山田に向かい…


大きな声で…


「ありがとう…」


「ありがとう…」を連呼していた。


総理は呆気にとられ、勲章を俺に手渡しし台上から去っていった…


進行である「ヤンピー」はこの状況は好ましくないと感じ…


場を盛り上げようと…


「イヤ〜素敵です!」


「迎田 京介さんはきっと…」


「…「スピリチュアル剤「SP i」に関わり…」


「多くの人と接し…」


「多くの人を愛したのでしょう…」


俺は「ヤンピー」に返す言葉も無く…


台上から降りて山田に会いに、二階最前列にむかった。


山田の横の席には、嫁であり副知事である…


なんちゃんがニコニコして出迎えてくれた…


なんちゃんは、「SP iB型」であり、大吾、岡田が改良薬を作り…


以前とは別人になっていた。


俺は山田の幸せな姿が確認でき…


嬉しさのあまり…


号泣してしまい…


嗚咽したせいか…


山田に話す言葉は呂律が回らないでいた。


「山田…ありがとうな…」


「京介さん…おめでとうございます」


山田は以前とは違い…


少しおっとりしていたが俺の事がわかり…


俺の気持ちもを理解できていた。


「山田…凄いじゃ無いか!」


「直和県知事になったんだって…」


「あ…そう結婚おめでとう!」


「なんちゃんも凄いじゃ無いか…」



「副知事で…」



「夫婦で県の代表なんだ!」



「ありがとうこざいます…京介さん」



「主人…山田のお陰で…」



「私は全て夢が叶ったんです」



「私は「ヤンピー」ちゃんの取り巻きには慣れなかったけど…」



「この島、直和県に来て「ヤンピー」ちゃんの側で生活でき…」


「愛する人と巡り会えて…」


「そして「ヤンピー」ちゃんから引き継がれ主人が県知事…」


「私が副知事に慣れんなんて…」


「夢でしかなかったんですよ」


なんちゃんは幸せを噛みしめるように俺に話してくれた。


俺の気持ちは複雑であった…


いろいろな事があり過ぎた事…


「勘違いの感情」「後悔の念」と俺の心で駆け引きしている事…


俺は、山田、なんちゃんのように「スピリチュアル剤」「SPi」を服用して幸せになれるのなら…


それは、昨日もいたたましい事件が起こっていた…


通り魔による殺傷事件で、幼い子供の生命が奪われていた。


この国はおかしな人…


モラルがない人…


…心が無い人間が増え過ぎた…


山田もなんちゃんも…


人格がすべて変わったわけではなく…


むしろ山田は、穏やかで…


俺はしかし…


心の何処かで自分を誤魔化していると感じているが…


俺はやっと決意する事が出来た…


それは…



【覚悟】


「スピリチュアル剤」「S P i」服用義務…全国法令化式典は佳境を迎え…


「スピリチュアル剤」「S P i」を今日から毎日服用する事となっていた。


この薬服用について経緯を厚生省の大臣が話していた…


「このスピリチュアル剤は元来「新しい世代若者」の心の活気を向上させる為開発しました…」


「それがあまりにも効果が大きく、高齢者にも…」


「いや、全国民が服用すれば全ての人が心豊かになるのではと…」


「総理の大親友である「総理参謀大臣」の「ヤ・ミカエル」さんの提案で実現しました!」


俺はあまりにもこの大臣はこの薬を知らな過ぎる事を感じていた。


全国民は、この「スピリチュアル剤」「S P i」を服用する事になるが…


国家を預かる政治家は服用しない法律となっていた。


まあ、どうしても服用したければ、服用後「ヤ・ミカエル」が問診する事となっていた。


この細部の法律内容が独裁国家として…


国民を支配する内容である事だと…


誰もが理解していなかった。


厚生省大臣の話しは…


「ヤンピー」講演会関係者の騒しい会話から…


今となって大臣の言葉は必要なのか…


俺は感じていた…


俺は山田と別れ与えられた席に戻った…


すると「ヤ・ミカエル」が…


「京介…このおめでたい席にやってくれたなぁ…へへへ」


「ヤ・ミカエル」は嫌味を込めて俺に話しかけていた…


俺は黙り込み目の前の「ヤンピー」講演会の騒ぎを眺めていた。


「京介…これからも頼んだぞ…」



「…全国民向けの「S P i」はこの短期間で仕上げ…」


「まあ、お前が仕上げたんだから問題ないと確信しているが…」


「私は未来を考え…」


「常に進化すること…」


「国民の幸せを考えているんだ…」


俺が一番「ヤ・ミカエル」を好きに慣れないわけは…


心にも無いことを最もらしく話す事であった。


国民の幸せは…


薬を飲む事なのか?


しかし俺は怒りをぶつける意欲が無くなっていた。


俺に「ヤ・ミカエル」が話しかけていると…


厚生省大臣の話しが終わり…


進行の「ヤンピー」がファイナルである直和県のイベント同様…


式典参加者及び全国テレビ中継されている国民へ…


「スピリチュアル剤」「S P i」服用スタートセレモニーが実施されようとしていた。


そして俺は「ヤ・ミカエル」に提案した…


「…「ヤ・ミカエル」…」


「なんだ…京介…」


「俺も「スピリチュアル剤」「S P i」を服用する事にしたよ…」


「おい …京介…本当か?」


「今、問診で来るか?」


「服用スタートされるぜ…」


「おい、ちょっと待てよ…」


「ヤ・ミカエル」は少し慌て…


俺の顔を口を開けて見つめていた…


【国民の変化】


「スピリチュアル剤」「SP i」全国服用義務化がスタートして、1か月を過ぎようとしていた。


服用後、特におかしな事は起きず…


大きな変化はないが…


今迄、頻繁に起きていた、高齢者による自動車事故が激減していた…


激減とは…


「スピリチュアル剤」「SP i」を服用するようになってから…


高齢者…は


心にゆとりを持てる様になったのか?


免許証を返納する高齢者が続出していた。


子供への虐待をしていた年齢を問わない男女なども…


「スピリチュアル剤」「SP i」の効果として…


心を洗浄する効果が如実に現れ…


遺伝的に続けられて来た虐待は…


今迄は、親から受けた虐待は自分の子、腹違いの子…


そして、その子供も…


途中で断ち切る事ができなかったのだが…


俺が新たに開発した「SP i」は…


洗浄能力を極め、心の浄化に最も力を注ぎ、その成果が国民に現れて来たのでは…


と考えられる。


虐待する親の効果として…


毎日寄せられていた児童相談所の電話通報189番はここ1カ月途絶えていた。


そして、「SP i」服用前通報を受けていた家族を全て確認したところ…


おだらかに暮らしている事が確認できたのであった。


「SPi」の効き目は虐待していた親だけでは無く…


虐待されていた子供も「SP i」服用後…


少しずつではあるが…


虐待のトラウマが心から消えていき…


親の愛情を感じ始めていた。


高齢者への効き目としては…


「SP i」を服用した事で、心が洗浄されおだらかになり…


頑固、捻くれ、思い込みなど年寄りのエゴが解消されたのか?


無理する事なく自主的に自動車の運転を辞めて免許証を返納していた。


ここ1カ月で、このように劇的変化が起きていた。


そして、俺も「スピリチュアル剤」「SP i」を服用する事に決め…


「ヤ・ミカエル」の問診を受ける事になったのは…


「スピリチュアル剤」「S P i」服用義務…全国法令化式典の時であった…


服用前の「ヤ・ミカエル」の問診は、俺にとって、どうでもいい事であったが…


彼はやはり俺の思ったような人間であった。


「京介…お前正気か?」


政府関係者が「SPi」を服用しないわけは…


やはり…


国民の「SPi」服用義務は自分達政府機関の…


いや「ヤ・ミカエル」が国民を奴隷としてコントロールする…


はじめの一歩だったのだと…


俺は理解でき、彼の手先として動くのだったら…


今、心の中で葛藤している「勘違いの感性」と「後悔の念」の苦しみから逃れる為…


「スピリチュアル剤」「SP i」服用を望んでいたのだが…


やはり…


「ヤ・ミカエル」には見抜かれていた。


「京介…お前の精神がこんなにももろいとは…」


「私は思わなかったよ…」


「…「ヤ・ミカエル」もういいだろう…」


「俺は疲れた…」


「俺の好きにさせてくれ!」


「このように、お前の世界に成ったのではないか…」


俺は今迄の強い気持ちが打ち壊され…


本心を「ヤ・ミカエル」に打ち明けたのであった。


すると「ヤ・ミカエル」は…



「京介…お前はどこまでもぬるい男だなぁ!」


「私の世界はこれからなんだよ…」


「何も達成していない…」


「国民が私の言うことをきくのは当たり前であり…」


「これからこの国が世界1の経済国に躍進していくんだよ!」


「そのために国民はもっともっと順応に私のいう事をきくようにしないと…」


「駄目なんだよ…」


「京介…お前まだわからないのか?」


俺は疲れ果ていたが…


そんな事、御構い無しで鬼の形相で俺を睨み付け…


「おい!」


「警備員…連れて行け」


「京介…お前少し頭を冷やしてよく考えろ!」


「これだけは言わせてもらう…」


「私はお前が必要だ!」


「二人で世界を変えようぜ!」


俺は警備員に連行され政府機関内にある独房へ押し込まれた…



【多重人格】


俺はどうしょうもなく疲れきっていた…


俺は俺自身が作り出した「スピリチュアル剤」「SP i」を服用して…


今の自分から逃れたかったのだが…



「ヤ・ミカエル」の野望は留まる事無く、5年後…10年後のこの国を考え…


「スピリチュアル剤」「SP i」…薬を進化させるため…


薬の開発者である俺に、服用の許可は降りなかった。


それは、服用する事で俺の人格が変わる事を「ヤ・ミカエル」は恐れてたからだった。


俺を独房に入れる前…


「ヤ・ミカエル」は…


「京介…まだ国民が「SP i」を服用して1ヶ月しか経っていないが…」


「こんな画期的に効き目が有るとは…」


「だから、先の事を考えると…」


「犯罪も事故も無くなり…」


「人口が増え続ける…」


「有能な人物は外貨を稼ぐことなど出来るが…」


「無能な人物や年金で暮らす高齢者など…」


「増えていき、この国の経済は暴落して行く…」


「その為に今から考える必要がある事…」


「京介…わかるよなぁ?」


俺は「スピリチュアル剤」「SP i」薬の進化を求められていた。


まだ、はっきりした事は言わなかったが…


今後の「スピリチュアル剤」「SP i」に求められる事は、有能な人物が飲む薬「SP i」と…


無能な人物が飲む薬「SP i」の成分を変え…


開発する事だと…


遠回しに無能な人物、高齢者は「死」を意味する…


恐ろしい「ヤ・ミカエル」の考えを察知したのであった。


そんな中…


俺は独房の中で考えていた…


それは…


俺の中の違う人格が現れ…


俺を苦しめる…


俺の決断を彷徨わせるのであった。


俺を苦しめる、二つの人格が強く身体の中に住み付き出したのは…


息子、翔太の葬儀からだった…


俺は、息子を撃ち殺した奴ら…


総理、政府官僚そして「ヤ・ミカエル」であり…


息子を殺した奴らと仲間である


俺は…


俺の中にある二つの人格「勘違いした感性」と「後悔の念」が常に争うようになった。



俺は多重人格であるが…



多重人格は、例えば…


二人の人格があり、「凶暴な人格」が突然現れ今までの「穏やかな人格」を一掃する。


本来は「穏やかな人格」であるが…


突然、トラウマなどから「凶暴な人格」になり回りの人に危害を加える…


多重人格者は、それを繰り返すのだか、俺の場合は常に二つの人格が俺の身体の中で言い争いをしていることだ…


それが如実に現れたのは、息子、翔太の葬儀…


翔太が火葬場で焼かれた瞬間…


俺の頭の中で…


何かが弾け…


身体が得体の知れない者に、支配されている事を…


感じとれたのであった。


それは、俺が俺自身では無くなる…


変な錯覚に襲われ…


それが今…


暗い独房で頭を抱え…


身体の中で争い続ける人格…


「勘違いした感性」と「後悔の念」に襲われた錯覚に堕ちて行きながら…


俺は俺自身をどこかで傍観していた。



【独房】


俺は俺であり続ける事が出来るのであろうか?


ひとり独房で考え続けていたが…


違う人格が俺の冷静な気持ちを剥ぎ取って行く…


冷静な気持ちを剥ぎ取って行く人格は「勘違いした感性」であった。


もうひとつの人格「後悔の念」は「勘違いした感性」を言って聞かせようとしているが…


「勘違いした感性」は聞く耳持たない…


俺の中の二つの人格はこんな事を常に繰り返していた…


俺の人格は俺自身である事を理解しているため…


二つ人格が常に言い争っていても傍観出来ていたのである。


二つの人格で「勘違いした感性」は…


元々俺自身が持っていた人格である。


しかし、俺は…


国が「ヨリヒロ」と開発研究して作り上げた…


「スピリチュアル剤」「S P i」を調査し、岡田、山田と共に…


「S P i」の成分を解読し直和県で条例化されたが…


俺は異変に気付き…


島で暮らしていた、冴島、大吾と共に「スピリチュアル剤」「S P i」の異変を治す特効薬を作り出し解決させた。


そして俺達…


岡田、山田、冴島、大吾…


そして俺は…


充実した日々を送っていた。


「S PiC型」感染者…
化け物を特効薬で修復し…


しかし…


化け物に襲われ感染した事から…射殺された若き自衛官の死…など


大変ではあったが、俺はこの時、何かに取り憑かれたように…


「スピリチュアル剤」「S P i」の副作用「S P i C型」化け物を治す特効薬作製に明け暮れていた。


以前…学生時代から存在していた俺の心にある人格…


「勘違いした感性」…は


一端は俺の心の中から抜け出て居たのだが…


いつの間にか心に入り込み俺の人格をまた変えていた。


「勘違いした感性」が一端俺の心から抜け出たのは…


どうしてだったのか?


独房でひとりになり考える事が出来…


俺は気付いた…


それはあの時、とにかく「スピリチュアル剤」「S P i」の副作用で起きた…


「S P i C型」化け物を治す特効薬に集中し…


没頭していたからだったからのだ!


そして、全国民対応向け「スピリチュアル剤」「S P i」が完成した矢先…


息子、翔太が射殺された…


そこからまた…


いつものように「勘違いした感性」が心の中入り込み…


翔太からの呪縛…


「父さんを俺は絶対許さない」の言葉から俺の心の中に「後悔の念」が生まれ…


やがて二つの人格が育っていったのだ…


俺がこの独房に入り込み1ヶ月が過ぎようとしていた…


国会では新たな取り組みが「ヤ・ミカエル」から提案されていた。



【俺の人格】


俺の人格はまだ俺の中で争っていた。


俺の本来の人格を知るため…


俺は何をすれば良いのか?


俺が日々充実していた時は…


「あ!そうか…」


俺は独り言を発し…


振り返ってみた。


そう…あの日の事を俺は繰り返しイメージしてみた…


それは、俺が任された極秘プロジェクト「スピリチュアル剤」「 S P i」の調査であった。


調査は国から依頼され、共同開発しているライバル会社「ヨリヒロ」の内情…


「スピリチュアル剤」「 S P i」を今後どのように展開していくのか?


その時から俺のワクワク感が今迄の人格…



「勘違いした感性」が、どこかに亡くなっていた?


それは、新しいパートナーの出逢い…


岡田、山田だったのだ…


俺はここ1カ月、何故こんな感性になり、二つ人格が現れるようになったのか?


考え…そして、そんな人格が消え去った時の記憶を手繰り寄せ…


やって来た事のイメージを繰り返していた。


俺達…岡田、山田が「スピリチュアル剤」「 S P i」に関わり、調査し…


山田は、「スピリチュアル剤」「 S P i」成分の仮説を立て立証させた事…


マーケティング調査において、岡田は市場リサーチを行い「ヤンケル」として直和県ニーズを断念した事など…


俺達の判断で物事が進んで行った事…


俺は独房の中で来る日も来る日も充実した日々をイメージしてた。


そんな時、国と「ヨリヒロ」が進める「スピリチュアル剤」「 S P i」の不可思議な事に気づき…



過去の人格が再び現れたのであったが…


俺は独房を1カ月ぶりに出ることになった。


すると早速「ヤ・ミカエル」が現れた。


「京介、どうだ分別が付くようになったか?」


俺はなぜか「ヤ・ミカエル」への怯えが心から消え去っていた。


「分別?」


「お前…何を言ってるんだ…」


俺は「ヤ・ミカエル」の態度にイラッと来て思わず言葉を返した。


「ヤ・ミカエル」も驚いた表情で…


「京介…やっとお前らしくなったなぁ…」


と言葉を返して来た。


「京介、早速だが問題が起きた…」


俺は半分内容を理解していた。


「それは、お前が独房に入っていた間…国民に異変が起きんだ…」


俺は初耳であった。


「ん…異変…?」


俺はてっきり「 S P i」国民服用者で有能な人物が飲む薬「SP i」と…


無能な人物が飲む薬「SP i」の成分を変え…


開発する事だと思っていたのだが…


「それが京介…」


「…「 S P i」の国民服用を行い2カ月が過ぎようとしているが…」


「高齢者の交通事故や子どもへの虐待…は」


「減少したのだが…」


「京介が独房に入り1週間位過ぎた頃…」


「深夜、デパートなどに侵入し…」


「商品を略奪する事件が立て続けに起きているんだ…」


俺は「ハッと」感じる事が脳裏に現れた…


その「ハッと」感じた事から俺の中の「勘違いした感性」が消え去ったのか…


今迄に無く心が清々しく…


「クールミント」が身体に浸透していく感じを受け…


頭が冴えわたっていた。


「…「ヤ・ミカエル」俺にどうして欲しい…んだ!」


すると、少し変わった犯行声明があった事を「ヤ・ミカエル」が語り出した…


俺はその「ハッと」した事に共通してると感じ…


微笑んでいた。