スピリチュアル剤SPi 【20】

【サブミナル効果】


「私は「SPi」服用義務反対派リーダーを殺害する意志を固めてから…」


「今迄、スピリチュアルの想いが、邪念に変わり…」


「その気持ちが拡大していました」


「そんな事から、私は人間として最低な行為をしてしまいました…」


「それは、私の事を崇拝し…」


「私を神として崇める信者を…」


「暗殺者とする為…」


「洗脳していったのです…」


「信者を暗殺者とする洗脳を短期間に行う為…」


「私が開発した洗脳プログラムにサブミナル効果を融合させた….」


「恐ろしい暗殺プログラムを信者に実行したのです」


「このプログラムの立証する為にまず…」


「違う信者に実験しました」


「実験は、私が開発した洗脳プログラムとサブミナル効果の融合がいかに早く機能するかで…」


「暗殺プログラムを実行し…」


「決して失敗は許されないからです」


「私の信者は元来から、私を崇拝し神と崇めるていて…」


「その選りすぐった信者を選びました」


「私の開発した洗脳プログラムとは…」


「彼ら二人の信者は揺るぎない私への忠誠がある事から…」


「改まったプログラムでは有りませんが…」


「どんな事があっても私への忠誠を誓う洗脳プログラムなのです…」


「まずは、恫喝を行い極度に信者の心を….」


「不安、恐れを恫喝、癒し、悟りを繰り返し…」


「精神的に追い込み…」


「信者に後悔の念を植え付ける…」


ここで俺は「ハッ」とした…


そうだったのだ…


俺が牢屋に入る前は…


完全に「ヤ・ミカエル」からの洗脳プログラムを受けていたのだと…


すると山神が…


「…「ヤ・ミカエル大臣」そこまでやる必要があったのですか?」


「山神さん….」


「この国を変えるため…」


「私がこの国を支配する為には…」


この「ヤ・ミカエル」の発言に山神は黙り込んでしまった。


そして、「ヤ・ミカエル」の話しが続き…


「信者を恫喝すると…」


「信者はその恫喝から心が萎縮して….」


「誰かに助けを求めます…」


「助けを求める人は….」


「私、恫喝者なのです…」


「恫喝者…私が…」


「恫喝後の救いの言葉や…」


「行動の指示は…」


「物凄い効果があります」


「ヤ・ミカエル」は「ニャ」と笑いこの話を山神に伝えていた。


「この洗脳プログラムで…」


「私に服従した信者に…」


「より早く正確に事項を実施する為に…」


「他の作用をプラスしなくてはと考え…」


「映像…視聴によるサブミナル効果を実行したのです…」


(サブミナル効果とは、意識と潜在意識の境界領域より下に刺激を与えることで表れるとされている効果のことを言い、視覚、聴覚、触覚の3つのサブリミナルがあるとされる)


「私はテストとして暗殺者と違う信者に視覚、聴覚からサブミナル効果を試して見ました」


「試した事は、デパートでの万引ミッションです…」


「初めに、デパートで万引きする映像を散りばめた….」


「草原の風景を眺めさせます…」


「そして、聴覚からは微量の低周波で「万・引・き」の言葉を送り….」


「視覚、聴覚から潜在意識にすり込みます…」


「すると、この実験を私の洗脳プログラムと交互に3日行っただけで…」


「翌日に万引きプログラム実施指示を行い…」


「成功しました」


「そして「SPi」服用義務反対派リーダーを殺害する…」


「暗殺プログラムを実行したのです」


「暗殺プログラムは万引きプログラムに」


「サブミナル効果で追加したのは触感で…」


「短銃の手触りを実感させる事でした」


「国会議事堂前での「スピリチュアル剤」「SPi」服用義務反対派抗議時に…」


「暗殺プログラムが実施され…」


「万引きプログラムと同じように上手くいきました…」


「こんなに呆気なく…」


「人を殺害出来るのだと…」


「私は感じた…」


その話を山神が聞き…


その後の「ヤ・ミカエル」が信者である暗殺者に取った行為が…


山神は「ヤ・ミカエル」を許せない…


もっとも悪意がある行為と感じていた。


その悪意は…


【殺意】


「…「ヤ・ミカエル大臣」、あなたが暗殺者となる暗示をかけた…」


「信者の方は暗殺を実行してから、見当たりませんが…」


「ああ…」


「ヤ・ミカエル」はそんな事があったかなあって感じで山神に返事をした。


すると山神が…


「ああって、「ヤ・ミカエル大臣」あなたはどれだけ信者の方を…」


「自分のエゴから陥れ…」


「山神さんお言葉ですが…」


「あなたには、解らない…」


「家族を失い…」


「私がどれだけ苦悩し…」


「この国を変えようと決めたか…」


「そのためなら、信者であった暗殺者も本毛では無いかと…?」


山神は「ヤ・ミカエル」の思考を理解する事が出来ないでいた。


「…「ヤ・ミカエル大臣」、端的に言います….」


「信者である暗殺者は何処に居るのですか?」


「この国を立て直すため…」


「信者である暗殺者となった彼は…」


「この国の為にあの世に旅だったのです…」


俺も山神も「ヤ・ミカエル」が何を言いたいのか理解出来ないでいた。


すると山神が…


「お聞きしましすが…」


「信者の暗殺者があの世に旅だったとの事ですが…」


「具体的に言うと…」


すると「ヤ・ミカエル」は持論的で身勝手な容疑を話し出した…


その内容は…


「さっきも話しましたが、私が推奨する「あの世のススメ」は…」


「この世が全てでは無い事なのから…」


「信者である暗殺者はこの世を去った…」


「この世に残る私はこの国を変える….」


「信者である暗殺者は….」


「この国の犠牲となったのです」


「ヤ・ミカエル」は私感が入り過ぎて話になっていなかった。


話しが堂々巡りになっていたので、山神が痺れを切らし…


「…「ヤ・ミカエル大臣」あなたが何らかの方法で…」


「信者である暗殺者を殺したのですね?」


「山神さん…」


「侵害だなぁ…」


「殺したなんて…」


「私があの世に導いてあげたのですよ…」


「解りました…」


「お話ししましょう…」


「信者である暗殺者は私の洗脳プログラムとサブミナル効果を融合して…」


「…「スピリチュアル剤」「SPi」服用義務反対派リーダーである迎田 翔太を暗殺した…」


「そして、信者である暗殺者にこの国を背負い…」


「全てを背負い自殺するように…」


「私が仕向けたのです…」


その言葉を聞き山神の顔が険しくなり…


怒りに唇が震え「ヤ・ミカエル」を睨みつけた…


しかし、それを感じること無く…


「ヤ・ミカエル」話しを続けた。


「信者を暗殺者に仕立てた…」


「そして信者は二度….」


「精神的なダメージを受けた…」


「一つは暗殺者となった事…」


「もう一つは暗殺者となった事の罪を…」


「これは私と総理が企てたので信者には本当は罪が無い….」


「しかし、信者が殺害後精神的ダメージがある事から….」


「その精神状況を利用し…」


「…「催眠暗示」を彼に与え…」


「あの世に旅だっように仕向けたのです…」


「それは…」


「暗殺実行後、このマイクロテープを聴くように指示しました…」


「ここに収納された音声を聴かせる事で脳が穏やかになり…」


「人を殺害した感覚が薄れます…」


「しかし、穏やかな気持ちになりますが…」


「後悔の念が全身を支配します…」


「これが「催眠指示」といって」


「マイクロテープには催眠暗示による音声であり…」


「内容はヒーリング的で眠りに就きたくなりますが….」


「微妙に散りばめられた周波により、精神は落ち着いていますが….」


「全て諦め的作用になり….」


「信者である暗殺者は、東京湾に重りを付け身投げをしました….」


「もうかなり前なので…」


俺はやはり「ヤ・ミカエル」はアスペルガーであり…


サイコパスであったのだと…


そして山神が…


「ヤ・ミカエル」この自供であなたが「スピリチュアル剤」「SPi」服用義務反対派リーダー迎田 翔太殺害…」


「主犯である事を認めますか?」


すると「ヤ・ミカエル」は小さく頷いたのであった。


【行方】


「ヤ・ミカエル」は留置所に連れて行かれ監禁された…


そして、裁判にかけられ法で裁かれる事となった。


法令となっている「スピリチュアル剤」「SPi」服用義務化法令は…


推進者である「ヤ・ミカエル」が「SPi」反対派リーダー…


俺の息子翔太殺害の主犯である事から…


岡田、大吾が「スピリチュアル剤」「SPi」服用義務化法令など経緯に関し…


警視庁 警案部隊 成島総長に話し事実を知ってもらい…


この国に向かっている元総理の事情聴取を行う前に…


「SPi」服用義務化法令は1年足らずで廃止となった。


そして、元総理の側近であった腹中は…


全く罪の意識が無く…


知らぬ、存ぜぬを繰り返し罪を免れたが…


国民からの非難を浴び…


国会議事堂を後にしたのであった。


そして、「スピリチュアル剤」「SPi」服用義務化法令の施行に当たり力を貸した…


当時「スピリチュアル剤服用大臣」であった…


「ヤンピー」に関して、「ヤ・ミカエル」を崇拝するあまり…


「SPi」法令化に力を貸したが…


「ヤ・ミカエル」は国民の事を考え無い法令に「ヤンピー」反旗をふり…


自殺を図り下半身付随となった…


そして、山田の妻であるなんちゃんを通して…


今の政府のやり方に岡田が考えた劇画的ストーリーで…


ドラスチックに「ヤ・ミカエル」が法令とした「スピリチュアル剤」「SPi」服用義務化を壊滅させるため…


俺、同様「ヤンピー」は役者として徴集され…


「ヤ・ミカエル」との関係が全く無いと立証されたのであった。


現在、この国の政界はストップしていた。


それは、代表である元総理の帰国を持ち…


逮捕後、新しい政権…


新しい閣僚が発足されるからであった。


現在は治安を確保する為、この国のトップとなっているのは…


防衛省の柳田幕僚長が行なっていた。


すると、国会議事堂に緊急放送が流れた。


「緊急放送、緊急放送…」


「成田国際空港に元総理大臣が到着しました…」


「身柄確保は、警視庁 山神課長が行い…」


「空港内の留置所に連行致します」


「さあ、山田大臣、迎田大臣、「ヤンピー大臣」成田空港に向かいましょう…」


「そして、岡田さんと大吾さん、山田直和知事は直和県から成田空港に向かうように支持しております…」


この国を早急に立て直すため、柳田幕僚長が指揮を取り…


元総理の尋問を新しい体制となる…


防衛省 柳田幕僚長、警視庁 警案部隊 成島総長…


岡田、山田夫妻、大吾、「ヤンピー」そして俺となっていた。


そんな事から今後、この国を動かす代表は意外にも…?



【尋問】


俺達は成田空港に着き元総理が待機している空港内の留置所に向かった。


部屋の前に山神課長が出迎え…


すると先頭を歩いていた柳田幕僚長が…


「山神課長、ご苦労様です…」


「元総理の状態はどうだい?」


山神は、慌てる事は無く…


「柳田幕僚長…やはり…」


「元総理は、弁護士を立て…」


「自分から事の事実を話そうとしないのです…」


「そうか…」


柳田も山神も言葉とは裏腹に全く焦りが無く…


穏やかな口調で尋問をこれから…


俺達と共に行おうと考えていた。


柳田は、防衛省のトップになる前は警視庁 警案部隊で総長を務め…


現在は、後輩である成島が総長を務めていた。


すると、柳田が山田に…


「山田大臣相談があります…」


「あなたは元総理にかなり好かれていたと…」


「柳田幕僚長、お言葉ですが…」


「どなたがおっしゃっていたのですか?」


俺は、山田が岡田、大吾と共に「スピリチュアル剤」「SPi」服用義務化法令を廃止させるため…


岡田が考案した劇画的ストーリーシナリオを作り計画を進めた…


過程から…


山田は、元総理に信頼されるようになり…


直和県知事になり「スピリチュアル剤」「SPi」服用義務を推進してるかの様に見せかけ…


元総理、「ヤ・ミカエル」を欺く事が出来たのだった。


「山田大臣…」


「誤解しないで欲しい…」


「あなたの役者的芝居…」


「岡田さん…大吾さんから聞いていたのです…」


大吾の知り合いである柳田は、元総理の行動、発言から…


山田の事をかっていたのだと…


「そうなんですか、やはり柳田幕僚長は洞察力が鋭いですね!」


山田は柳田、山神と話している内に元総理が自分を認められていたのだと…


そして山田が…


「柳田幕僚長…」


「元総理に僕が尋問しますよ….」


「あ、京介さん…」


「…「ヤ・ミカエル」さんの件もあるので元総理の尋問…」


「同行してもらえますか?」


俺が必要あるのだろうか?


「わかった…山田…」


「非力ではあるがつきあうよ…」


そして、俺と山田が元総理が待機されている留置所の部屋に着き…


扉を開けた…


すると元総理は…


【開始】


扉を開けるとそこには、元総理が目を瞑り椅子に腰掛けていた。


俺と山田が入って来たのがわかったのか…


目を開き慌てることなく…


俺達を凝視した。


「総理…」


「久しぶりです…」


すると元総理は…


「山田大臣もう…」


「総理じゃあ無いよ….」


俺は今迄、黙秘を続けていた総理が…


山田には…


「総理…山田大臣はよして下さい」


「山田とか山田くんとかで…」


「そうか山田くん…」


「山田くん…あ…」


「迎田大臣も…」


「お久しぶりです…」


俺は何のためらいもなく挨拶をかわしていた。


「迎田大臣には色々と苦労をかけたなぁ…」


総理は、「ヤ・ミカエル」が俺に「スピリチュアル剤」「SPi」の無理な改善を促していたことをしっかり認識していたのだ…


そして、元総理が…


「山田くん….君は奥さんの為に「SPi」を服用したのかね?」


「私がこの国の為、私が認めた薬「SPi」を国民に服用させる法律を改訂した…」


「しかし、私は疑わし物を国民に提供し…」



「国民が自分を失う薬…」



「…「スピリチュアル剤」「SPi」を…」


「私の私益の為に認めてしまったのだ…」


「モラルが無い高齢者の交通事故、虐待死、通り魔殺人などの犯罪を封じ込めようと…」


「私と「ヤ・ミカエル大臣」は国をドラスティックに変えると決めていたのだが…」


「歪が出て来て…」


「やはり、人間の心を制御するなど…」


「根本が私は理解していなかった」


「そして、私は国民を配下にする決意が無かったのだよ」


「その甘さが…」


「でも、廃案になったこの「スピリチュアル剤」「SPi」法令を何とかできないかと…」


「悪かったな…」


「迎田大臣….」


総理は俺に詫びを入れ…


涙ぐんでいた。


「山田くん、話しを戻すが「SPi」を服用していたのか?」


すると山田が…


「…「SPi」は服用していませんでした」


「これもこの国を元に戻す為…」


「岡田さんが考案した劇画的ストーリーの役者として僕が…」


「総理と「ヤ・ミカエル」さんを陥れたのです…」


「包囲されていたのだ…」


元総理は今までの事を喋り続けて…


ある程度は…


そして、「スピリチュアル剤」「SPi」服用義務反対派リーダー迎田 翔平を殺害した指示と関与は…



【真相】


「総理…」


「暗殺の真実を…」


「…「スピリチュアル剤」「SPi」服用義務反対派リーダー京介さんの息子…」


「翔太さんを暗殺する指示は…」


「総理だったのですか…?」


「…」


元総理は黙り込み…


決して黙秘では無く…


言葉を選んで山田と俺に伝えようとしていた。


すると元総理が…


「そうだな…」


「私が指示を出した…」


「すまなかった…」


「迎田大臣…」


「あなたの大切な息子さんを…」


元総理は落ち着いた口調で経緯を話そうとしていた。


「この国は、行き詰まっていました…」


「モラルが無い高齢者の問題…」


「実の子供をいたぶり…」


「挙げ句の果て…」


「虐待死させる…」


「人間として動物より、劣る夫婦….」


「未来を描けない新しい世代若者….」


「自虐から誰でもいいから人を殺したかった…」


「通り魔殺人など身勝手な犯罪…」


「私は国民に….」


「どう接すれば良いのか悩んでいた….」


「一番は高齢者の負担から未来を描けない….」


「新しい世代若者…」


「彼らは心に病を持ち…」


「全ての気力が「無」になっていた…」


「そんな中…」


「私を総理の座に導いてくれたのが…」


「…「ヤ・ミカエル」だったのだよ…」


「彼の宇宙理論などこの世を超越した…」


「壮大な思考に私は…」


「納得し理解を得た…」


「すると面白い様に運気が上がり…」


「私はいつのまにか政財界トップである総理になっていたのだ…」


「そして私はこの国を劇的に…」


「ドラスティックに変える事を決意した…」


「そこでこれまでの私の運気を上げてくれた…」


「…「ヤ・ミカエル」を私の側近になってもらう様にお願いしたのだが…」


「しかし、なかなか返事がもらえなかったが…」


「ある時、「ヤ・ミカエル」は人が変わった様に…」


「私の側近になる事を承諾してくれた…」


「そしてある条件を受ければ…」


「その条件が…」


「…」


「新しい世代若者の心を癒す…」


「…「スピリチュアル剤」「SPi」だったのだ!」


「初めは、若者限定と考えていたが…」


「高齢者のモラルがないありえない行動…」


「虐待など親としてやってはいけない犯罪など…」


「全く…後をたたない…」


「これは、迎田大臣も山田大臣も知っている事だ…」


「私もこの法案をどうするのか悩み続け…」


「理解を求めたのが…」


「私を成功に導いてくれた…」


「…「ヤ・ミカエル」なんだよ…」


「そして私は決断した…」


「この法案…「スピリチュアル剤」「SPi」服用義務化法令を…」


「その時私は気付いていたんだ…」


「それは「ヤ・ミカエル」の心情を…」


「家族を亡くした苦しみを…」


「その事が彼を動かしこの法令を私に提案したのだ!」


「そして彼の言葉に私は従った….」


「この国を劇的にドラスティックに変えましょうと…」


「反対派リーダーの殺害も…」


「総理…」


「これから歴史に残る総理になる為…」


「ここは….」


「私が殺害計画を立て落度なく進めますから…」


「私はやってはいけない判断を…」


「…「ヤ・ミカエル」の指示に従ったのだよ」


その後、元総理は涙を流し…


嗚咽をこらえ…


天井を見上げていた。



【旅立ち】


俺の息子…


翔太…


「スピリチュアル剤」「SPi」服用義務反対派リーダーの殺害の主犯は元総理と「ヤ・ミカエル」であった。


取調べが終わり…


1週間が過ぎようしていた。


元総理は殺害指示及び容疑者隠ぺい容疑。


「ヤ・ミカエル」は殺害実施及び容疑者を隠ぺいする為の殺害容疑。


となっていた…


元総理と「ヤ・ミカエル」の容疑の詳細は以下となっていた。


①殺害計画立案→「ヤ・ミカエル」


②殺害計画立案指示→「元総理」


③容疑者へのマインドコントロール→「ヤ・ミカエル」


④殺害計画実施→「ヤ・ミカエル」


⑤容疑者隠ぺい指示→「元総理」


⑥容疑者を隠ぺいする為殺害→「ヤ・ミカエル」


そして本日、①〜⑥の犯罪に対して裁判が執行される事になった…


初めに「ヤ・ミカエル」の犯罪計画及び実施の件について審議…裁決され…


次に「元総理」の犯罪への関与及び指示等審議…裁決され…


「ヤ・ミカエル」「元総理」は翔太殺害に関する事項を全て認め…


1カ月後判決が下されることとなった。


元総理、「ヤ・ミカエル」は国会議事堂側にある警視庁内の留置所に拘束される事になった。


警視庁は高層ビル20階建てで…
ありとあらゆる犯罪の取り締まりや留置など行っている。


元総理と「ヤ・ミカエル」は警視庁の高層ビルに護送されていた…


俺は、何気なく護送される「ヤ・ミカエル」の顔を見ると…


「ヤ・ミカエル」の表情は穏やかで…


今迄…


見たことがない清々しい表情をしていた…


俺はその「ヤ・ミカエル」の清々しい表情が…


「ヤバイ…」


俺がそう叫んだ瞬間…


「ヤ・ミカエル」は護衛を払いのけ…


走り込み…


警視庁高層ビルの建物に入り込んでいった。


「まさか…!」


俺は咄嗟にあることを予知し「ヤ・ミカエル」の後を追い走った。


そして俺は大声で叫んだ!


「….「ヤ・ミカエル」早まるな!」


しかし、「ヤ・ミカエル」は走り続けた…


俺と「ヤ・ミカエル」の距離はどのくらいあるのだろうか?


「ヤ・ミカエル」は警視庁の高層ビル…


非常階段を駆け上っていた。


俺も「ヤ・ミカエル」の後を追い走り始めた…


歳のせいか速度が出ない…


「クソ…」


「まて…「ヤ・ミカエル」…」


俺は息絶え絶え走り続け…


警視庁の高層ビル屋上にたどり着いた…


すると俺の予想が的中し「ヤ・ミカエル」は屋上の鉄柵を乗り越え…


バンジージャンプでもするかの様に…


ダイブを試みようとしていた…


「…「ヤ・ミカエル」早まるな!」


俺は大声で「ヤ・ミカエル」に語りかけた…


「…「ヤ・ミカエル」罪を償えば…」


「また、お前の本当の理想…」


「誰もが穏やかで争いが無い世界を築けるのではないか…?」


「お…お…京介」


「ありがとうな…」


「やっぱり私の事を考えていたのは…」


「お前だけだったんだな…」


「でも、京介勘違いしないでくれ!」


「私は死ぬわけでは無い…」


「この世を超越した世界を自分で体験するのだよ!」


「私を崇拝する人間に教えて来た…」


「…「あの世のススメ」を我が身を持って体験し…」


「蘇り…」


「教えを….」


「後は…」


「先にあの世に旅立った…」


「家族の元に…」


「私には…」


「おかしな高齢者、虐待を繰り返す夫婦….」


「おかしな妄想から自虐し沢山の人々を殺害する身勝手な新しい世代若者達など…」


「私はもうウンザリなんだよ…」


「京介…」


「ヤ・ミカエル」の目から涙が落ちていた…


「しかし、「ヤ・ミカエル」お前そんなもんか…!」


「京介、ありがとう…」


「もうお前のハッタリも…」


「まあ、京介…」


「私はあの世に行くため…」


「旅立ち….」


「空へ飛び立つのだよ…」


「決して地上には…」


すると「ヤ・ミカエル」は屋上からダイブを決行した…


「…「ヤ・ミカエル」…!」


俺は大声で叫んだ!


それは錯覚では無く…


「ヤ・ミカエル」が屋上からダイブ後…


空へ…


羽ばたき…


舞い上がったのだった!



【この世】

 
「ヤ・ミカエル」が空に舞い上がったのは…


錯覚だったのか?


それは、屋上からダイブした「ヤ・ミカエル」の肉体が警視庁入口正門に存在していたからだ…


しかし、屋上からのダイブ後…
肉体が地面とぶつかる衝撃音や…


地上にいた人の言動がなかったような…?


不思議なことに警視庁正門にある「ヤ・ミカエル」の肉体は心臓こそ停止していたが…


検死結果…臓器の損傷がなく死因は、極度の心ダメージからなる精神疾患と診断されたのであった。


俺は、この検死結果「ヤ・ミカエル」は「この世」を超越したのではないかと…


それは「あの世」に旅立った「ヤ・ミカエル」は魂の離脱を確立し肉体だけを「この世」に残した…


俺が見た「ヤ・ミカエル」が屋上からダイブ後…


空に舞い上がったのは…


錯覚でも…


幻覚でもなく…


真実なのだと…


しかし、それは‥‥


現実とは言い難い…


それは、今が本当の世界なのか?


誰もわからない…


今こうして「この世」を自負して生きている誰もが…


俺は「スピリチュアル」を肯定も否定もしない…


しかし「ヤ・ミカエル」の生き方、考え方を知り…


何が幸せなのかが…


「この世」とされている今も世界…


2075年を過ぎようとしているが…


アフリカ、中東など紛争は治まらず…


多くの罪のない子供たちが犠牲となっている。


環境は悪化をたどり、地球温暖化の影響で海水が異常に増え‥


この国の領土が2050年から減少し…


今、2075年は1/3の領土となっていた。


原因は、異常気象による雨量と北極などの氷山が全て溶けてしまった事が要因であった。


影響はこの国だけでは無く…


他国にも起こり…


2020年での地球は30%が陸、70%が海となっていたが…


2075年現在は20%陸、80%が海となり陸が10%も減少していた。


専門化の予想では2100年には地球の陸は「0」となると言われていた。


この現状を俺は受け…


この世が全てなのかと‥‥?


俺がそんなことを考える中…


1か月が過ぎ、元総理とあの世に旅立った「ヤ・ミカエル」の判決が下された。


元総理からの不服申し立て無く、容疑を全て認めたことから…


十分反省しているとみなされ、懲役20年が求刑され…


そして「ヤ・ミカエル」は家庭を無くした悲しみから…


犯罪を無くすことへの執念から生まれた殺害であることから…


容疑者が死んでいる事ではあるが懲役30年が求刑された。


そして、この国の新たな政策がスタートされることになった。


初めに‥‥


内閣人事が発表された。