スピリチュアル剤SPi【12】
【新薬】
俺は高齢者及び新しい世代若者への「スピリチュアル剤」「SP i」新薬の開発を進めていた…
まずは高齢者向けの新薬の成分配合を考えていた…
必須は「ヤ・ミカエル」の遺伝子…であり、その細胞を唾液から採取していた。
「ヤ・ミカエル」は「SP i A型」順応タイプで考える力があり、命令者に従う人格を作り上げたい…
「スピリチュアル剤」「SP i」を服用して、彼「ヤ・ミカエル」に従い「SP i A型」になる人格が彼の理想である事から、俺は分析していた。
「SP i A型」となった人物は直和ホテルの丸山誠社長であり…
このような人格が望ましいと「ヤ・ミカエル」からの要望であったのだが…
「スピリチュアル剤」「SP i」を服用して心に潜んでいる人格…
「SP i A型」は順応タイプで考える力があり、命令者に従い人格…
「SP i B型」は服従タイプで考える力が無く、命令者に従い学習したことを誠実に実行する人格…
「SP i C型」はA型、B型も襲い感染し…
やがて「SP iC型」として蘇り…
制御出来ない人格である…
「SP iC型」となった人格の共通点は、過去に依存する遺伝子に依るものが大きい事が…
データ分析で解り…
「SP iC型」において90%以上が親族など血縁関係者から形成されていて…
過去に親族が人を殺している…
モラルが無いおかしな行動していた人間…
それは、ストカー、幼児虐待、陰湿なイジメなどなどが上がり…
まずは「SP iC型」としてこの要素が心にある高齢者などをいかに洗浄し…
ゴキブリの遺伝子の代用は…
俺は深く分析していたが…
良い代替えが無く、考えていると…
ある事に閃き確認を取る事に決めたのであった。
ある事…
それは、新薬から新たに採用する「ヤ・ミカエル」の遺伝子であった。
その遺伝子は…
ゴキブリの遺伝子では無く…
「ヤ・ミカエル」の唾液から採った遺伝子をミドリ虫と融合させ、マウス実験を行われ、心の浄化及び人格の改良が確認できた…
浄化作用として、今回から塩化メチレンを使用する事にして1-プロモプロパンは身体の負担及び人格と上手くマッチングしない事から、変更となっていた。
【感染者】
岡田、大吾そして自衛官イシワタ主幹、イシワタ主幹の部下2名トクガワとミヤモトが「SP i C型」感染者の集まる「研究施設」に到着した。
施設の周りは、生臭さが蔓延していた。
冴島は、家族の元に戻り俺達の行動を見守る事となった。
特効薬が「SP i C型」感染者に対応出来れば、冴島家族は「スピリチュアル剤」「SP i 」服用義務を免除される…
そして、岡田、大吾も…
俺は新薬開発を進め、身体を洗浄するの成分を変更する事など考えていた時…
ふと…
岡田、大吾、冴島の今後を思うようになっていた…
施設入口付近の部屋の扉を開けた…
扉を開けた瞬間、熱気と悪臭が鼻孔に入り込み、先頭にいたイシワタ主幹の部下2人は咽びかえり…
鳴咽していた。
イシワタ主幹は咳き込みはしたが、部下2人が風除けとなり、難を逃れマスクを着用し…
岡田と大吾も事前に用意していたマスクを慌てて着けた。
「研究施設」内の「SP i C型」感染者はどのくらいいて、何処の部屋に潜んでいるか…
イシワタ主幹は把握していたようだが…
「岡田さん、大吾さん…」
「事前にこの「研究施設」に来て「SP i C型」感染者の確認が出来て居ます…」
「しかし、現在、化け物が空腹であれば襲って来ます…」
「満腹であれば寝ています…」
「イシワタ主幹…満腹である確率は…」
そんな会話をしていた…
その時…!
入口付近の部屋の奥の扉から、けたたましい音と共に異臭を漂わせ…
「SP i C型」感染者…化け物が想像以上の速さでイシワタ主幹の部下トクガワに飛びついた…
そして、後からもう一体の化け物が現れ…
イシワタ主幹が脳天目掛けて短銃を発砲…
「パン…パン…パン…」
乾いた短銃の音が室内に響きわたり…
岡田と大吾は、短銃音に気を取られ…
襲われたイシワタ主幹の部下トクガワがどうなっているか…
知るよしもなかった。
イシワタ主幹の部下トクガワは無残にも化け物に喉仏を食いちぎれていた…
それに気がついたイシワタ主幹のもう一人の部下ミヤモトが化け物の脳天に発砲したが…
襲われたイシワタ主幹の部下トクガワは…おびただしい鮮血と共に息絶えていた…
化け物は二体だけでは無く…
再びもう二体現れ、イシワタ主幹の部下ミヤモトに襲いかかった…
イシワタ主幹の部下ミヤモトは少し動揺したのか…
脳天に発砲する事が出来ず胸部に銃弾を撃ち込んだが…
化け物はひるむ事無く、イシワタ主幹の部下ミヤモトの右腕に噛み付いた…
「グワゎわ…グワゎわ…」
イシワタ主幹の部下ミヤモトの呻き声が響き渡った…
「プシュ…」
「プシュ…」と水鉄砲から放たれた紙玉のような音…
ライフルのシリンダー音が聞こえた。
水鉄砲のような音を立てたのは、ライフル銃の形をした麻酔銃であった。
それは、突然であった事から麻酔弾を「SP i C型」感染者…化け物に撃ち込む事を忘れていたのだ…
「岡田さん、大吾さん…」
「私とした事が…」
「化け物は、空腹が限界だった…」
イシワタ主幹がライフル麻酔銃を撃ち終わり、詫びを入れた…
しかし、イシワタ主幹は非情であった…
それは、岡田、大吾に詫びたあと…
化け物に右腕を噛まれた部下のミヤモトの脳天に銃弾を間髪なく撃ち込んだ!
その後、何体かの「SP i C型」感染者…化け物がこの部屋に入り込み麻酔弾を撃ち…
特効薬を喉仏に投与したのだった。
すると大吾が一言呟いた…
「もう…」
「人間として生きて行けなくなる…」
俺はこの言葉に重みを感じたが…
しかし…
【提案】
高齢者向け新薬の開発が終わり投与実験を行っている。
人体実験は難しい事から、マウスや猿などで行い…
結論として、問題無いと判明したが…
「スピリチュアル剤」「SP i 」を服用して、1か月後、直和県で異常が起こり…
「SP i C型」が感染し…化け物となった…
この様な事態は…
絶対避けなければならない。
だが、高齢者の全国「スピリチュアル剤」「SP i 」服用義務法令を即座に進めたい事から…
「ヤ・ミカエル」は俺に新薬開発を急ぐよう指示してきたのであった。
それと…
今後、新しい世代若者向けの新薬を開発するが「ヤ・ミカエル」から新たな提案が俺に突きつけられた。
それは…
「スピリチュアル剤」「SP i 」の服用義務化の法令は…
直和県で起きた「SP i C型」感染者の特効薬が上手くいけば…
現在、俺が改良・開発しいる「スピリチュアル剤」「SP i 」新薬は全国展開させる事は時間の問題となっていた。
今だ収まることなく、続いている高齢者の有り得ない暴走行為…
そんな中、高齢者だけでは無く、中年者などにおいて交通関係で…
判別のつかない行為が繰り返された。
それは、あり得ないスピードで一般道路を走り、追突し…
次々に人、自転車、バイク、自動車などを大破させ…
尊い命を奪っていた!
それから、危険行為にクラクションを鳴らし忠告すれば、その行為に対しての報復処置であるのか…
必要な嫌がらせ…
挙げ句の果ては、自動車の破損や暴力行為を行う始末である。
この様な行為は世代、年齢を問わず繰り返されていた。
心の病はとどまる事が無く…
おかしな人間…
おかしな人格…
おかしな考え…
おかしな思想…
おかしなが溢れている。
それには、根本を変えること…
それは、全ての人間が「スピリチュアル剤」「SP i 」を服用する事だと…
「ヤ・ミカエル」からの提案があった…
ここで大吾の言葉…
「人間として生きて行けなくなる…」が脳裏をよぎったのだが…
俺の心の中にある…
「勘違いした感性」が…
俺に自問…し始め…
俺は闇の中に落ちて行く…
錯覚に囚われ、顔からあぶら汗が…
したたり落ちていた…
【特効薬】
岡田、大吾そして自衛官のイシワタ主幹は眠っている「SP i C型」感染者…化け物への特効薬の投与を終え、状況を見守っていた…
既に、イシワタ主幹の部下2名は屍となっていてた。
屍の顔に白い布を掛け…
供養として、大吾がタバコに火を付け、イシワタ主幹の部下、トクガワとミヤモト各自の指を組ませ…
右手の親指と左手の人差し指の間にタバコを差し込んだ…
大吾もタバコは辞めていたが…
極度の緊張を抑えるために…
薬として持参していた。
大吾、岡田は屍となったトクガワ、ミヤモトを供養として手を合わせてた。
みるみる内に、顔に掛けたトクガワ、ミヤモトの白い布は、血液が浸透し…
赤ではなく…
ドス黒く変色していた。
イシワタ主幹は感情があるのか?
起きた事態を理解しているのか…
大吾の好意に見向きもせず…
「SP i C型」感染者…化け物を見守っていた…
すると大吾が…
「おい!イシワタお前…」
「人間か?」
するとイシワタ主幹は…
「ん…」
「大吾さん…」
「感情的になったら…」
「命とりになりますよ…ククク」
イシワタ主幹は背筋が凍る様な表情で大吾に笑いかけた。
大吾がたまらずイシワタ主幹に殴りかかったが…
岡田が必死に止めたのだった。
「イシワタお前に俺の感情をぶっけるだけの…」
「価値がある人間じゃあ…」
「なかったな…」
するとイシワタ主幹は…ニャリと笑い
「私は、「ヤ・ミカエル」さんの指示を忠実に従っているだけなんだよ…」
イシワタ主幹はまるでサイボーグの様だった。
そして、「SP i C型」感染者へ特効薬を投与してからどのくらい時は過ぎたのか…?
「SP i C型」感染者が小刻みに…
震える様に動き出した。
動いた瞬間…
岡田と大吾は、「SP i C型」特効薬の効目が無い場合を考え部屋の隅により、イシワタ主幹が短銃を「SP i C型」感染者に向け構えた…
すると「SP i C型」感染者が目を覚ました…
一人は、異常が見られず「SP i B型」と同等な表情をしていた。
もう一人も同じで異常は見られなかった…
「研究施設」全ての「SP i C型」感染者において異常が見られなかったが…
しかし、こちらから話かけなければ、会話が無く…
考える能力が欠如していると感じていたが…
するとイシワタ主幹が…
「これは、「SP i C型」感染者…特効薬成功ですよ…」
イシワタ主幹はそんな事を話したが…
岡田、大吾は愕然として…
天を仰いだ…
その他「SP i C型」感染者の存在する場所を探索し、「SP i C型」特効薬を投与し対応した結果…
「研究施設」と同じ結果となっていた。
この事なら俺達は「ヤ・ミカエル」から解放される約束となっていたが…
【これから】
俺は、直和空港近くに作られた特設施設で「ヤ・ミカエル」監視の元「ヤンケル」研究者と新薬の開発を行なっていた…
投与実験をマウス、猿への実施後…
2週間が過ぎ確認した結果問題無いことが明らかになり…
結果報告を「ヤ・ミカエル」に
伝えるた。
なぜか「ヤ・ミカエル」は上機嫌であった。
「京介…新薬が完成したそうだなぁ…」
「ありがとうなぁ!」
「京介…知ってるよなぁ?」
「岡田君たちの特効薬が上手くいった事を…」
俺は黙っていた…
それは、きっと「ヤ・ミカエル」に都合よく運んだ事を…
俺は察知したからだ…
岡田、大吾が望んでいた「SP i C型」感染者…化け物を治す為の特効薬は…
「スピリチュアル剤」「SP i 」服用前の状態を目指していたのだ!
「ヤ・ミカエル」の目論見通り事が進み、彼の世界に一歩ちかづいた事を感じてた。
俺は今後…どうなるのだろうか?
そんな迷いがあったが…
俺に残された、責任があった。
それは、「ヤ・ミカエル」の要望は「SP i C型」感染者を特効薬で治す事…
高齢者向けの新薬を作る事だったのだ…
ほぼ「ヤ・ミカエル」の要望を俺たちは叶えた…
そして俺が…
「…「ヤ・ミカエル」お前の要望は、ほぼ叶えたよな…」
「残るは、俺が抱えている、新薬での新しい世代若者の「スピリチュアル剤」「SP i 」…」
「そして、新薬の全国展開…」
「その後、全国国民が「スピリチュアル剤」「SP i 」の服用義務の法令化だよなぁ?」
「京介…わかっているじゃ無いか!」
俺は、迷いながらではあるが「ヤ・ミカエル」彼が考えている事をぶっけたのだった!
「そこで「ヤ・ミカエル」冴島が望んでいる…」
「…直和県における「スピリチュアル剤」「SP i 」服用義務の拒否を認めてくれるのと…」
「岡田、大吾においては全国民が「スピリチュアル剤」「SP i 」服用義務化されても…拒否を認める」
「この2点を認めてくれるんだな!」
すると、「研究施設」など「SP i C型」感染者対応していた…
大吾、岡田そしてイシワタ主幹が…
俺と「ヤ・ミカエル」がいる特設施設の扉を開けた。
すると話しの内容がわかっていたのか…
大吾が…
「…俺たちが作った「SP i C型」感染者対応の特効薬は貴様の思うように出来た…」
「…「ヤ・ミカエル」さんよ…」
「…「SP i C型」はおとなしくなり、少し劣るがお前が望んだ…」
「…「SP i A型」に近くなり、お前への忠誠心は…」
「今迄で以上にあるだろう…」
大吾の言葉にやり場の無い怒りを感じた。
「でもな…」
「まだ、俺と岡田さんには残された事…」
「山田くんの心をなんとかしたいんだよ…」
「なんとか、山田くんの望みを叶えたいんだよ…」
「そうだな、大吾…」
俺は黙っていられず…
相づちを入れた。
そして「ヤ・ミカエル」が…
「オ〜麗しき友情…」
「ヤ・ミカエル」は茶化すように言葉を発した。
「大吾、岡田君…」
「君達が達成させた事の功績を讃え…」
「好きにするがいい!」
大吾、岡田は山田となんちゃんの心の記憶を目覚めさせるために…
施策を考え出した…
それは…
「SP i C型」特効薬を「SP i B型」版に改良する事だ!
そして試行錯誤を繰り返し…
2週間が過ぎなんとか「SP i B型」特効薬改良版を作り上げた…
「SP i B型」特効薬改良版を山田、なんちゃん二人の喉仏に投与した…
結果…
眠り続けて…
48時間が過ぎ…
二人は目を覚ました…
そこには奇跡が生まれていた…
それは、隔離された山田、なんちゃんの部屋から…
会話が聞こえてくるのを俺達は感じた。
隔離された山田、なんちゃんの部屋の扉を開けると…
山田となんちゃんが会話していた…
それは以前のような言葉で山田となんちゃんが楽しそうに会話していたのだ!
俺は思わず山田に声をかけてた。
「山田…」
「分かるか俺だ!」
「京介だよ!」
俺は物凄く嬉しくなり、涙を流しながら叫んだ!
すると、今迄のクールな山田に戻り…
「どうしたんですか…?」
「京介さん…」
「良かったです…」
「なんちゃんが…」
「世界で一番好きな女の心を取り戻す事が出来て…」
「大吾さん、ありがとうございます」
俺はこの時…
この瞬間…
人間である事を感じ取れたのであった。
しかし、そんな思いもつかの間であり…
そして、直和県の「スピリチュアル剤」「SP i 」が法令化され、新しい世代若者は服用義務となった…
「ヤ・ミカエル」は俺達の約束を守り、冴島家族、岡田、大吾の服用義務の拒否を認めたのであった。
【知事】
直和県の「スピリチュアル剤」「SP i 」服用義務化が法令化され、一週間が過ぎようとしていた。
俺は本土に帰り「スピリチュアル剤」「SP i 」全国民向け新薬の開発を進めていた。
直和県での「SP i C型」全ての感染者に特効薬を投与し…
人を襲う化け物は、沈静化した。
しかし、沈静化した「SP i C型」感染者は、「SP i B型」となった新しい世代若者は…
以前よりおとなしくなったが、考える力…脳力の衰えを感じていた。
そんな中…
直和県では新しい知事が誕生したそれは、スピリチュアル界のカリスマ…
ヤンピーであった。
ヤンピーは、以前から直和県をヤンピーランドにする目論見があり…
総理…「ヤ・ミカエル」からの推薦を受け、直和県知事に就任したのであった。
そんな事から、新しい世代若者は公正されていたが…
考える能力が無いことから…
その他の中高年者、高齢者がケアをしていた。
今後、極秘で「スピリチュアル剤」「SP i 」服用剤を山田、なんちゃんに投与した成分に入れ替えることとしていた。
そして、ヤンピーが直和県知事となった事を報道が伝え…
マスコミが騒ぎ…
本土からヤンピーのファンである多くの新しい世代若者が直和県への移住を希望していた。
相変わらず、本土では変わることなく、高齢者、中年者による交通事故が多発し…
さまざまな人が犠牲となっているが…
痛ましいのは…
この世に生まれわずか2年あまりの幼児達の尊い命が奪われた事であり…
俺は憤り…を
再び感じていた。
そんな事から、俺が開発した「スピリチュアル剤」「SP i 」新薬は、全国民対象が服用義務となる法案が早急に可決されると思われる…
人間として「スピリチュアル剤」「SP i 」は必要なのであろか?
すると、「スピリチュアル剤」「SP i 」を受け入れ無かった人間から…
あまりにも痛ましい悲劇的…
出来ない事が届いたのであった…
それは…
直和県で「スピリチュアル剤」「SP i 」服用義務の拒否を認めらせた…
冴島家族の情報であった…
【死】
俺は耳を疑った…
「どういう事なんだ…」
「大吾!」
それは、「スピリチュアル剤」「SP i 」服用義務化法令が開始され二週間が過ぎた頃…
直和県にいる大吾からの連絡だった…
「あ、もしもし京介さん…」
「冴島…死にましたよ…」
「…」
俺は言葉が出て来なかった…
すると大吾が嗚咽を抑え話し出した。
「自殺です…」
「家族の無理心中…」
「かみさんの紗栄子さんも同意していたと思います…」
俺はやっと言葉を返す事が出来…
「どうして…どうしてそうなったんだ?」
「やはりこの島はどうしょもない島になりましたよ…」
「…「SP i 」が服用義務化され、ヤンピーが県知事になり、本土から多くの人が…」
「移民して来て多くの人が「SP i 」を服用するようになり…」
「この島は大きく変わった…」
「一言で言うと…」
「人間が居ないんだよ…」
「え、人間がいない?」
俺は意味分からないでいたが…
直ぐに…
「…「SP i 」が新しい世代若者へ服用義務化され…」
「…「ヤ・ミカエル」を崇拝するヤンピーを県知事させ…」
「県知事権限でこの島…直和県は全ての人が対象となり…」
「…「SP i 」服用が開始され…」
「一週間前の事だった…」
「全ての直和県民がヤンピー県知事に従い…」
「この島の人間は、言われた事しかしない…」
「出来ないんだよ…」
「考えることが出来ない…」
「ヤンピーの指示…いや…」
「それは、「ヤ・ミカエル」の指示だと思う…」
「俺もこの島に居て…限界なんですよ…」
「一番は、人とのコミュニケーションが図れない事…」
「悪い言い方をすればこの島の住民は…」
「白痴だ!…」
大吾が自分自身未来が無く…
自虐的な発言…
俺は初めて聞いたのであった。
そして大吾の話しが続き…
「…「SP i 」を服用しない俺たちは、この島では阻害され…」
「考えれば、考えるほど…」
「頭がおかしいなって行く…」
「俺はなんとか持ちこたえ…」
「今後、この島を出ようとして…」
「冴島にも持ちかけたのだが…」
「彼は、漁師が好きで…」
「家族を愛し…」
「この島を愛して居た…」
「彼はこの島以外の生活は考えられなかったんだと…」
俺はこの現実を怨んでいた…
「大吾…」
「最後に教えくれ…」
「冴島家族は全員亡くなったんだよなぁ?」
「冴島を尊敬していた息子も…」
「冴島の自殺は重りを付け海への身投げであり…」
「冴島と紗栄子さんの遺体は上がったが息子は見つかって居ない…」
「無事生きていてくれたら…」
大吾は心の奥底から言葉を俺に送り…
俺は、冴島の息子の帰還を心から望んでいた。
【スピリチュアル剤】
冴島の息子の消息が付かないままでいた。
とうとう…
「ヤ・ミカエル」の世界になりつつあった。
直和県での「スピリチュアル剤」「SP i 」服用義務化が法令化され、犯罪、モラルがない…
事故など激減していた。
それを受け、新しい世代若者の指示を受けるヤンピーが直和県知事となり、総理も認めていた。
俺が進めている…
「スピリチュアル剤」「SP i 」新薬は全国民が服用を義務化する事に好都合となっていた。
国会では、野党が認めない構えであるが…
もはや、この国は民主主義では無くなてっていた。
それは、あまりにもモラルがない人間が増え過ぎ…
あり得ない事故、事件が起き過ぎ…
野党が「スピリチュアル剤」「SP i 」服用義務化の法案を反対すれば、するほど犯罪が増え続けけるイメージが世間では浸透していた。
野党の反対は…
逆効果となっていた。
高齢者の税金負担を受ける新しい世代若者は、高齢者も服用する事から公平感を持ち…
高齢者の理性が保たれ負担が軽減されると信じていた…
一番は、ヤンピーが直和県知事になり「スピリチュアル剤」「SP i 」を推奨した事が新しい世代若者…
ヤンピーのイベントで活躍したジジババダンサーであった…
中年者…高齢者…大半の国民が服用義務化に理解を示し初めていたからだ。
そんな中、大吾は直和県を離れ海外への亡命を考えていた。
岡田は、本土に戻り「ヤンケル」にて「スピリチュアル剤」「SP i 」新薬について開発マーケティング部長して指揮を取ることとなっていたが…
大吾同様、全国民への「スピリチュアル剤」「SP i 」の服用義務に対して、疑問を抱き「ヤンケル」を辞めたのであった。
そして岡田から連絡があり…
「京介さん、いろいろありがとうございました」
「岡田…すまん…こんな結果になって…」
「いいんですよ…私も大吾さん同様、全国民の服用義務となる「スピリチュアル剤」「SP i 」を服用する気はありません…」
「今は、服用義務の拒否を認められていますが…」
「今後、「ヤ・ミカエル」の、気が変わり…」
「服用する事を命じられたら…」
「だから、私も大吾さんと海外へ逃亡を考えています」
「京介さんはどうしますか?」
俺は一瞬どまどい岡田に返事する事が出来無いでいた。
「岡田…悲しい事に俺はお前や大吾の様にまだ、分別できないんだ…」
「正直….俺の中の違う人格が俺に自問するんだよ…」
「…「ヤ・ミカエル」の世界は人間では無くなる…」
「しかし…」
「この国はここまで来てしまった…」
「ここまでモラルが無い人間が増え過ぎてしまった…」
「どうしょうもなく…」
「この国の全ての人間をリセット出来ればと…」
「もう一人自分が問いかけるんだよ…」
「俺は俺自身も「スピリチュアル剤」「SP i 」服用義務を通じて…」
「試されているんだと…」
「岡田…ありがとう…」
「そして大吾と共に新しいこの国を…」
すると岡田が…
「京介さん…この国は「ヤ・ミカエル」により人間が居なくなる」
「それを認められるか?」
「認められないか?」
「なんですよ…」
「京介さん…」
「京介さんの人格はともあれ…」
「私は、隣国キタチョウセンの様になるこの国は…」
「それだけなんですよ…」
俺は岡田にこんな事を言われたが…
頭はまとまらず…
これから…
岡田、大吾が反対する世界に手を貸している事が…
「法令案可決】
直和県において「スピリチュアル剤」「SP i 」服用効果が認められ…
国会では全国民への「スピリチュアル剤」「SP i 」服用義務法案が可決され…
今後、法案を確認、見直し…
3ヶ月後に…
法令化される…
「ヤ・ミカエル」の野望が現実となっていった。
俺の全てを「ヤ・ミカエル」に洗脳されてしまったのか?
それとも、俺自身の人格は多重人格なのか?
まだ、自分自身のこれからを決め兼ねていた…
「スピリチュアル剤」「SP i 」服用義務法令案が可決されたが、やはり一部の人々が政府へ抗議をはじめ…
国会議事堂を何千人もが押し寄せていた…
その抗議は、大吾、岡田と同じような考えを持ち…
この国に人間が居なくなり…?
民主主義が崩壊し共産主義…
隣国…キタチョウセンの様な政権を怖れたからなのか?
しかし、逆に高齢者、中年者などの犯罪者、モラルがない人々による痛まし事件、事故の被害者からは…
「スピリチュアル剤」「SP i 」全国民服用義務化は絶賛され…
国会議事堂前で小競り合いを行なっていた。
「スピリチュアル剤」「SP i 」服用義務…
賛成派を先導して居るのは…
「ヤ・ミカエル」を崇拝するスピリチュアル界ナンバーツーである「腹中浄」と「すずきごろう」であった…
「腹中浄」も「すずきごろう」もスピリチュアル界ナンバーツーである事から…
「ヤンピー」が直和県知事となり政界デビューを果たした事から彼らも野心が有り…
「ヤ・ミカエル」に近づくチャンスを伺っていた。
国会議事堂前の小競り合いは続き…
その模様がテレビ報道されていた。
そんな中、俺は…
新しい世代若者、高齢者など3ヶ月後…
全国民に服用させる「スピリチュアル剤」「SP i 」の作用効果の最終確認を行っていた…
仕事が一区切りしたので…
俺は休憩し、コーヒーを淹れ…飲んでいると…
休憩場のテレビから国会議事堂前での小競り合いがまだ続いていた…
それは、言い合いだけでは無く、大勢が暴動化していた。
暴動の発端は、賛成派が反対派に罵声を浴びせた事で…
反対派の被害者家族は…
逆上し…
木材の様な物で…
賛成派に襲いかかり…
収集がつかなくなっていた。
そんな時…銃声が響きわたり…
テレビの画面に映った光景は…
パニックとなり慌ただしくうごめく双方であったが…
その銃弾に撃たれた奴が…
悲痛な顔をして…
テレビ画面、アップに映し出された…
アップの人物は…
俺は、驚きのあまり言葉を失った…
そいつの顔…
【翔太】
銃弾に屈した…
テレビに映ったやつは、俺になにかを訴えるように崩れ落ち画面から消えたのであった。
その消えたやつは…
間違えなく…
息子!翔太であった!
翔太は「スピリチュアル剤」「SP i 」服用義務化…
反対派のリーダーとして指揮をとっていたようだ?
翔太と音信不通となったのはいつからだろうか?
俺の心に「勘違いの感性」が入り込み、人格が変わって言った頃からか…
元来、俺の心は、かみさんと結婚し翔太が生まれた時も同じだった…
翔太が俺の心…人格?を知ってから…
かみさんが死に…
俺の心を知り…
離れて行ったのであった。
翔太が俺にかけた最後の言葉は…
「僕は絶対父さんを許さない」であった事が最後の言葉だった。
とうとう、親子として和解されないまま翔太はこの世から消えたのであった?
翔太は、俺の血を分けていたが、自分の心に分別をつけ生きていたのだ…
翔太は幼少の頃から素直で良い子であった。
親に面倒をかけることもなく、賢い子であった。
しかし、今、思えば寂しい思いをさせていた事が…
こんな俺でも感じていた。
それは、幼稚園の運動会の事であった。
父親と行う競技で障害物競走があり…
俺は仕事の多忙?及び「勘違いした感性」から父親として、子供と接する事が出来ず…
全てかみさんに任せていた…
しかし、最後の幼稚園の競技、翔太は俺との交流を望んでいたのだが…
「お母さん、お父さんと一緒に運動会行けるだよね?」
なぜか、翔太は俺の目の前でかみさんに聞いていた。
するとかみさんは…
「お父さんに直接聞いてみれば…?」
話しは聞こえていたが、俺は翔太に歩み寄りはしなかった…
すると、翔太は俺の顔を見て…
諦め…
哀しそうな目をして顔を伏せたのであった。
俺は、家族の繋がりや気持ちがいつの日から…か
出来なくなっていた…
それも「勘違いの感性」により人格が変わったからなのか?
しかし俺は、かみさんが死に…
翔太が俺から去った時から…
「後悔の念」が俺の心を支配し始めて心の分別が出来なくなっていた。
翔太は俺と違い、分別ができ「スピリチュアル剤」「SP i 」服用義務に反対していたのだ…
大吾や岡田のように…
それは俺にとって救いであったが…
なぜ…
誰が…
翔太に銃弾を撃ち込んだのか?
報道では、モラルがない高齢者などから尊い命を奪われた…
「スピリチュアル剤」「SP i 」服用義務化…
賛成派の被害者が行なったと報じていたが…
誰かの指図で行なったのは明確であり…
すでにこの国は、独裁社会となり反抗する者は裁かれる仕組みになっていた。
この国は…
こんな世界になっていたが…
昔のように怒りは無く…
息子を殺された事で…
ただただ心が萎縮していた…
俺は「後悔の念」が心を制圧し、どうしょうもなく怯えていた。
【新薬】
俺は高齢者及び新しい世代若者への「スピリチュアル剤」「SP i」新薬の開発を進めていた…
まずは高齢者向けの新薬の成分配合を考えていた…
必須は「ヤ・ミカエル」の遺伝子…であり、その細胞を唾液から採取していた。
「ヤ・ミカエル」は「SP i A型」順応タイプで考える力があり、命令者に従う人格を作り上げたい…
「スピリチュアル剤」「SP i」を服用して、彼「ヤ・ミカエル」に従い「SP i A型」になる人格が彼の理想である事から、俺は分析していた。
「SP i A型」となった人物は直和ホテルの丸山誠社長であり…
このような人格が望ましいと「ヤ・ミカエル」からの要望であったのだが…
「スピリチュアル剤」「SP i」を服用して心に潜んでいる人格…
「SP i A型」は順応タイプで考える力があり、命令者に従い人格…
「SP i B型」は服従タイプで考える力が無く、命令者に従い学習したことを誠実に実行する人格…
「SP i C型」はA型、B型も襲い感染し…
やがて「SP iC型」として蘇り…
制御出来ない人格である…
「SP iC型」となった人格の共通点は、過去に依存する遺伝子に依るものが大きい事が…
データ分析で解り…
「SP iC型」において90%以上が親族など血縁関係者から形成されていて…
過去に親族が人を殺している…
モラルが無いおかしな行動していた人間…
それは、ストカー、幼児虐待、陰湿なイジメなどなどが上がり…
まずは「SP iC型」としてこの要素が心にある高齢者などをいかに洗浄し…
ゴキブリの遺伝子の代用は…
俺は深く分析していたが…
良い代替えが無く、考えていると…
ある事に閃き確認を取る事に決めたのであった。
ある事…
それは、新薬から新たに採用する「ヤ・ミカエル」の遺伝子であった。
その遺伝子は…
ゴキブリの遺伝子では無く…
「ヤ・ミカエル」の唾液から採った遺伝子をミドリ虫と融合させ、マウス実験を行われ、心の浄化及び人格の改良が確認できた…
浄化作用として、今回から塩化メチレンを使用する事にして1-プロモプロパンは身体の負担及び人格と上手くマッチングしない事から、変更となっていた。
【感染者】
岡田、大吾そして自衛官イシワタ主幹、イシワタ主幹の部下2名トクガワとミヤモトが「SP i C型」感染者の集まる「研究施設」に到着した。
施設の周りは、生臭さが蔓延していた。
冴島は、家族の元に戻り俺達の行動を見守る事となった。
特効薬が「SP i C型」感染者に対応出来れば、冴島家族は「スピリチュアル剤」「SP i 」服用義務を免除される…
そして、岡田、大吾も…
俺は新薬開発を進め、身体を洗浄するの成分を変更する事など考えていた時…
ふと…
岡田、大吾、冴島の今後を思うようになっていた…
施設入口付近の部屋の扉を開けた…
扉を開けた瞬間、熱気と悪臭が鼻孔に入り込み、先頭にいたイシワタ主幹の部下2人は咽びかえり…
鳴咽していた。
イシワタ主幹は咳き込みはしたが、部下2人が風除けとなり、難を逃れマスクを着用し…
岡田と大吾も事前に用意していたマスクを慌てて着けた。
「研究施設」内の「SP i C型」感染者はどのくらいいて、何処の部屋に潜んでいるか…
イシワタ主幹は把握していたようだが…
「岡田さん、大吾さん…」
「事前にこの「研究施設」に来て「SP i C型」感染者の確認が出来て居ます…」
「しかし、現在、化け物が空腹であれば襲って来ます…」
「満腹であれば寝ています…」
「イシワタ主幹…満腹である確率は…」
そんな会話をしていた…
その時…!
入口付近の部屋の奥の扉から、けたたましい音と共に異臭を漂わせ…
「SP i C型」感染者…化け物が想像以上の速さでイシワタ主幹の部下トクガワに飛びついた…
そして、後からもう一体の化け物が現れ…
イシワタ主幹が脳天目掛けて短銃を発砲…
「パン…パン…パン…」
乾いた短銃の音が室内に響きわたり…
岡田と大吾は、短銃音に気を取られ…
襲われたイシワタ主幹の部下トクガワがどうなっているか…
知るよしもなかった。
イシワタ主幹の部下トクガワは無残にも化け物に喉仏を食いちぎれていた…
それに気がついたイシワタ主幹のもう一人の部下ミヤモトが化け物の脳天に発砲したが…
襲われたイシワタ主幹の部下トクガワは…おびただしい鮮血と共に息絶えていた…
化け物は二体だけでは無く…
再びもう二体現れ、イシワタ主幹の部下ミヤモトに襲いかかった…
イシワタ主幹の部下ミヤモトは少し動揺したのか…
脳天に発砲する事が出来ず胸部に銃弾を撃ち込んだが…
化け物はひるむ事無く、イシワタ主幹の部下ミヤモトの右腕に噛み付いた…
「グワゎわ…グワゎわ…」
イシワタ主幹の部下ミヤモトの呻き声が響き渡った…
「プシュ…」
「プシュ…」と水鉄砲から放たれた紙玉のような音…
ライフルのシリンダー音が聞こえた。
水鉄砲のような音を立てたのは、ライフル銃の形をした麻酔銃であった。
それは、突然であった事から麻酔弾を「SP i C型」感染者…化け物に撃ち込む事を忘れていたのだ…
「岡田さん、大吾さん…」
「私とした事が…」
「化け物は、空腹が限界だった…」
イシワタ主幹がライフル麻酔銃を撃ち終わり、詫びを入れた…
しかし、イシワタ主幹は非情であった…
それは、岡田、大吾に詫びたあと…
化け物に右腕を噛まれた部下のミヤモトの脳天に銃弾を間髪なく撃ち込んだ!
その後、何体かの「SP i C型」感染者…化け物がこの部屋に入り込み麻酔弾を撃ち…
特効薬を喉仏に投与したのだった。
すると大吾が一言呟いた…
「もう…」
「人間として生きて行けなくなる…」
俺はこの言葉に重みを感じたが…
しかし…
【提案】
高齢者向け新薬の開発が終わり投与実験を行っている。
人体実験は難しい事から、マウスや猿などで行い…
結論として、問題無いと判明したが…
「スピリチュアル剤」「SP i 」を服用して、1か月後、直和県で異常が起こり…
「SP i C型」が感染し…化け物となった…
この様な事態は…
絶対避けなければならない。
だが、高齢者の全国「スピリチュアル剤」「SP i 」服用義務法令を即座に進めたい事から…
「ヤ・ミカエル」は俺に新薬開発を急ぐよう指示してきたのであった。
それと…
今後、新しい世代若者向けの新薬を開発するが「ヤ・ミカエル」から新たな提案が俺に突きつけられた。
それは…
「スピリチュアル剤」「SP i 」の服用義務化の法令は…
直和県で起きた「SP i C型」感染者の特効薬が上手くいけば…
現在、俺が改良・開発しいる「スピリチュアル剤」「SP i 」新薬は全国展開させる事は時間の問題となっていた。
今だ収まることなく、続いている高齢者の有り得ない暴走行為…
そんな中、高齢者だけでは無く、中年者などにおいて交通関係で…
判別のつかない行為が繰り返された。
それは、あり得ないスピードで一般道路を走り、追突し…
次々に人、自転車、バイク、自動車などを大破させ…
尊い命を奪っていた!
それから、危険行為にクラクションを鳴らし忠告すれば、その行為に対しての報復処置であるのか…
必要な嫌がらせ…
挙げ句の果ては、自動車の破損や暴力行為を行う始末である。
この様な行為は世代、年齢を問わず繰り返されていた。
心の病はとどまる事が無く…
おかしな人間…
おかしな人格…
おかしな考え…
おかしな思想…
おかしなが溢れている。
それには、根本を変えること…
それは、全ての人間が「スピリチュアル剤」「SP i 」を服用する事だと…
「ヤ・ミカエル」からの提案があった…
ここで大吾の言葉…
「人間として生きて行けなくなる…」が脳裏をよぎったのだが…
俺の心の中にある…
「勘違いした感性」が…
俺に自問…し始め…
俺は闇の中に落ちて行く…
錯覚に囚われ、顔からあぶら汗が…
したたり落ちていた…
【特効薬】
岡田、大吾そして自衛官のイシワタ主幹は眠っている「SP i C型」感染者…化け物への特効薬の投与を終え、状況を見守っていた…
既に、イシワタ主幹の部下2名は屍となっていてた。
屍の顔に白い布を掛け…
供養として、大吾がタバコに火を付け、イシワタ主幹の部下、トクガワとミヤモト各自の指を組ませ…
右手の親指と左手の人差し指の間にタバコを差し込んだ…
大吾もタバコは辞めていたが…
極度の緊張を抑えるために…
薬として持参していた。
大吾、岡田は屍となったトクガワ、ミヤモトを供養として手を合わせてた。
みるみる内に、顔に掛けたトクガワ、ミヤモトの白い布は、血液が浸透し…
赤ではなく…
ドス黒く変色していた。
イシワタ主幹は感情があるのか?
起きた事態を理解しているのか…
大吾の好意に見向きもせず…
「SP i C型」感染者…化け物を見守っていた…
すると大吾が…
「おい!イシワタお前…」
「人間か?」
するとイシワタ主幹は…
「ん…」
「大吾さん…」
「感情的になったら…」
「命とりになりますよ…ククク」
イシワタ主幹は背筋が凍る様な表情で大吾に笑いかけた。
大吾がたまらずイシワタ主幹に殴りかかったが…
岡田が必死に止めたのだった。
「イシワタお前に俺の感情をぶっけるだけの…」
「価値がある人間じゃあ…」
「なかったな…」
するとイシワタ主幹は…ニャリと笑い
「私は、「ヤ・ミカエル」さんの指示を忠実に従っているだけなんだよ…」
イシワタ主幹はまるでサイボーグの様だった。
そして、「SP i C型」感染者へ特効薬を投与してからどのくらい時は過ぎたのか…?
「SP i C型」感染者が小刻みに…
震える様に動き出した。
動いた瞬間…
岡田と大吾は、「SP i C型」特効薬の効目が無い場合を考え部屋の隅により、イシワタ主幹が短銃を「SP i C型」感染者に向け構えた…
すると「SP i C型」感染者が目を覚ました…
一人は、異常が見られず「SP i B型」と同等な表情をしていた。
もう一人も同じで異常は見られなかった…
「研究施設」全ての「SP i C型」感染者において異常が見られなかったが…
しかし、こちらから話かけなければ、会話が無く…
考える能力が欠如していると感じていたが…
するとイシワタ主幹が…
「これは、「SP i C型」感染者…特効薬成功ですよ…」
イシワタ主幹はそんな事を話したが…
岡田、大吾は愕然として…
天を仰いだ…
その他「SP i C型」感染者の存在する場所を探索し、「SP i C型」特効薬を投与し対応した結果…
「研究施設」と同じ結果となっていた。
この事なら俺達は「ヤ・ミカエル」から解放される約束となっていたが…
【これから】
俺は、直和空港近くに作られた特設施設で「ヤ・ミカエル」監視の元「ヤンケル」研究者と新薬の開発を行なっていた…
投与実験をマウス、猿への実施後…
2週間が過ぎ確認した結果問題無いことが明らかになり…
結果報告を「ヤ・ミカエル」に
伝えるた。
なぜか「ヤ・ミカエル」は上機嫌であった。
「京介…新薬が完成したそうだなぁ…」
「ありがとうなぁ!」
「京介…知ってるよなぁ?」
「岡田君たちの特効薬が上手くいった事を…」
俺は黙っていた…
それは、きっと「ヤ・ミカエル」に都合よく運んだ事を…
俺は察知したからだ…
岡田、大吾が望んでいた「SP i C型」感染者…化け物を治す為の特効薬は…
「スピリチュアル剤」「SP i 」服用前の状態を目指していたのだ!
「ヤ・ミカエル」の目論見通り事が進み、彼の世界に一歩ちかづいた事を感じてた。
俺は今後…どうなるのだろうか?
そんな迷いがあったが…
俺に残された、責任があった。
それは、「ヤ・ミカエル」の要望は「SP i C型」感染者を特効薬で治す事…
高齢者向けの新薬を作る事だったのだ…
ほぼ「ヤ・ミカエル」の要望を俺たちは叶えた…
そして俺が…
「…「ヤ・ミカエル」お前の要望は、ほぼ叶えたよな…」
「残るは、俺が抱えている、新薬での新しい世代若者の「スピリチュアル剤」「SP i 」…」
「そして、新薬の全国展開…」
「その後、全国国民が「スピリチュアル剤」「SP i 」の服用義務の法令化だよなぁ?」
「京介…わかっているじゃ無いか!」
俺は、迷いながらではあるが「ヤ・ミカエル」彼が考えている事をぶっけたのだった!
「そこで「ヤ・ミカエル」冴島が望んでいる…」
「…直和県における「スピリチュアル剤」「SP i 」服用義務の拒否を認めてくれるのと…」
「岡田、大吾においては全国民が「スピリチュアル剤」「SP i 」服用義務化されても…拒否を認める」
「この2点を認めてくれるんだな!」
すると、「研究施設」など「SP i C型」感染者対応していた…
大吾、岡田そしてイシワタ主幹が…
俺と「ヤ・ミカエル」がいる特設施設の扉を開けた。
すると話しの内容がわかっていたのか…
大吾が…
「…俺たちが作った「SP i C型」感染者対応の特効薬は貴様の思うように出来た…」
「…「ヤ・ミカエル」さんよ…」
「…「SP i C型」はおとなしくなり、少し劣るがお前が望んだ…」
「…「SP i A型」に近くなり、お前への忠誠心は…」
「今迄で以上にあるだろう…」
大吾の言葉にやり場の無い怒りを感じた。
「でもな…」
「まだ、俺と岡田さんには残された事…」
「山田くんの心をなんとかしたいんだよ…」
「なんとか、山田くんの望みを叶えたいんだよ…」
「そうだな、大吾…」
俺は黙っていられず…
相づちを入れた。
そして「ヤ・ミカエル」が…
「オ〜麗しき友情…」
「ヤ・ミカエル」は茶化すように言葉を発した。
「大吾、岡田君…」
「君達が達成させた事の功績を讃え…」
「好きにするがいい!」
大吾、岡田は山田となんちゃんの心の記憶を目覚めさせるために…
施策を考え出した…
それは…
「SP i C型」特効薬を「SP i B型」版に改良する事だ!
そして試行錯誤を繰り返し…
2週間が過ぎなんとか「SP i B型」特効薬改良版を作り上げた…
「SP i B型」特効薬改良版を山田、なんちゃん二人の喉仏に投与した…
結果…
眠り続けて…
48時間が過ぎ…
二人は目を覚ました…
そこには奇跡が生まれていた…
それは、隔離された山田、なんちゃんの部屋から…
会話が聞こえてくるのを俺達は感じた。
隔離された山田、なんちゃんの部屋の扉を開けると…
山田となんちゃんが会話していた…
それは以前のような言葉で山田となんちゃんが楽しそうに会話していたのだ!
俺は思わず山田に声をかけてた。
「山田…」
「分かるか俺だ!」
「京介だよ!」
俺は物凄く嬉しくなり、涙を流しながら叫んだ!
すると、今迄のクールな山田に戻り…
「どうしたんですか…?」
「京介さん…」
「良かったです…」
「なんちゃんが…」
「世界で一番好きな女の心を取り戻す事が出来て…」
「大吾さん、ありがとうございます」
俺はこの時…
この瞬間…
人間である事を感じ取れたのであった。
しかし、そんな思いもつかの間であり…
そして、直和県の「スピリチュアル剤」「SP i 」が法令化され、新しい世代若者は服用義務となった…
「ヤ・ミカエル」は俺達の約束を守り、冴島家族、岡田、大吾の服用義務の拒否を認めたのであった。
【知事】
直和県の「スピリチュアル剤」「SP i 」服用義務化が法令化され、一週間が過ぎようとしていた。
俺は本土に帰り「スピリチュアル剤」「SP i 」全国民向け新薬の開発を進めていた。
直和県での「SP i C型」全ての感染者に特効薬を投与し…
人を襲う化け物は、沈静化した。
しかし、沈静化した「SP i C型」感染者は、「SP i B型」となった新しい世代若者は…
以前よりおとなしくなったが、考える力…脳力の衰えを感じていた。
そんな中…
直和県では新しい知事が誕生したそれは、スピリチュアル界のカリスマ…
ヤンピーであった。
ヤンピーは、以前から直和県をヤンピーランドにする目論見があり…
総理…「ヤ・ミカエル」からの推薦を受け、直和県知事に就任したのであった。
そんな事から、新しい世代若者は公正されていたが…
考える能力が無いことから…
その他の中高年者、高齢者がケアをしていた。
今後、極秘で「スピリチュアル剤」「SP i 」服用剤を山田、なんちゃんに投与した成分に入れ替えることとしていた。
そして、ヤンピーが直和県知事となった事を報道が伝え…
マスコミが騒ぎ…
本土からヤンピーのファンである多くの新しい世代若者が直和県への移住を希望していた。
相変わらず、本土では変わることなく、高齢者、中年者による交通事故が多発し…
さまざまな人が犠牲となっているが…
痛ましいのは…
この世に生まれわずか2年あまりの幼児達の尊い命が奪われた事であり…
俺は憤り…を
再び感じていた。
そんな事から、俺が開発した「スピリチュアル剤」「SP i 」新薬は、全国民対象が服用義務となる法案が早急に可決されると思われる…
人間として「スピリチュアル剤」「SP i 」は必要なのであろか?
すると、「スピリチュアル剤」「SP i 」を受け入れ無かった人間から…
あまりにも痛ましい悲劇的…
出来ない事が届いたのであった…
それは…
直和県で「スピリチュアル剤」「SP i 」服用義務の拒否を認めらせた…
冴島家族の情報であった…
【死】
俺は耳を疑った…
「どういう事なんだ…」
「大吾!」
それは、「スピリチュアル剤」「SP i 」服用義務化法令が開始され二週間が過ぎた頃…
直和県にいる大吾からの連絡だった…
「あ、もしもし京介さん…」
「冴島…死にましたよ…」
「…」
俺は言葉が出て来なかった…
すると大吾が嗚咽を抑え話し出した。
「自殺です…」
「家族の無理心中…」
「かみさんの紗栄子さんも同意していたと思います…」
俺はやっと言葉を返す事が出来…
「どうして…どうしてそうなったんだ?」
「やはりこの島はどうしょもない島になりましたよ…」
「…「SP i 」が服用義務化され、ヤンピーが県知事になり、本土から多くの人が…」
「移民して来て多くの人が「SP i 」を服用するようになり…」
「この島は大きく変わった…」
「一言で言うと…」
「人間が居ないんだよ…」
「え、人間がいない?」
俺は意味分からないでいたが…
直ぐに…
「…「SP i 」が新しい世代若者へ服用義務化され…」
「…「ヤ・ミカエル」を崇拝するヤンピーを県知事させ…」
「県知事権限でこの島…直和県は全ての人が対象となり…」
「…「SP i 」服用が開始され…」
「一週間前の事だった…」
「全ての直和県民がヤンピー県知事に従い…」
「この島の人間は、言われた事しかしない…」
「出来ないんだよ…」
「考えることが出来ない…」
「ヤンピーの指示…いや…」
「それは、「ヤ・ミカエル」の指示だと思う…」
「俺もこの島に居て…限界なんですよ…」
「一番は、人とのコミュニケーションが図れない事…」
「悪い言い方をすればこの島の住民は…」
「白痴だ!…」
大吾が自分自身未来が無く…
自虐的な発言…
俺は初めて聞いたのであった。
そして大吾の話しが続き…
「…「SP i 」を服用しない俺たちは、この島では阻害され…」
「考えれば、考えるほど…」
「頭がおかしいなって行く…」
「俺はなんとか持ちこたえ…」
「今後、この島を出ようとして…」
「冴島にも持ちかけたのだが…」
「彼は、漁師が好きで…」
「家族を愛し…」
「この島を愛して居た…」
「彼はこの島以外の生活は考えられなかったんだと…」
俺はこの現実を怨んでいた…
「大吾…」
「最後に教えくれ…」
「冴島家族は全員亡くなったんだよなぁ?」
「冴島を尊敬していた息子も…」
「冴島の自殺は重りを付け海への身投げであり…」
「冴島と紗栄子さんの遺体は上がったが息子は見つかって居ない…」
「無事生きていてくれたら…」
大吾は心の奥底から言葉を俺に送り…
俺は、冴島の息子の帰還を心から望んでいた。
【スピリチュアル剤】
冴島の息子の消息が付かないままでいた。
とうとう…
「ヤ・ミカエル」の世界になりつつあった。
直和県での「スピリチュアル剤」「SP i 」服用義務化が法令化され、犯罪、モラルがない…
事故など激減していた。
それを受け、新しい世代若者の指示を受けるヤンピーが直和県知事となり、総理も認めていた。
俺が進めている…
「スピリチュアル剤」「SP i 」新薬は全国民が服用を義務化する事に好都合となっていた。
国会では、野党が認めない構えであるが…
もはや、この国は民主主義では無くなてっていた。
それは、あまりにもモラルがない人間が増え過ぎ…
あり得ない事故、事件が起き過ぎ…
野党が「スピリチュアル剤」「SP i 」服用義務化の法案を反対すれば、するほど犯罪が増え続けけるイメージが世間では浸透していた。
野党の反対は…
逆効果となっていた。
高齢者の税金負担を受ける新しい世代若者は、高齢者も服用する事から公平感を持ち…
高齢者の理性が保たれ負担が軽減されると信じていた…
一番は、ヤンピーが直和県知事になり「スピリチュアル剤」「SP i 」を推奨した事が新しい世代若者…
ヤンピーのイベントで活躍したジジババダンサーであった…
中年者…高齢者…大半の国民が服用義務化に理解を示し初めていたからだ。
そんな中、大吾は直和県を離れ海外への亡命を考えていた。
岡田は、本土に戻り「ヤンケル」にて「スピリチュアル剤」「SP i 」新薬について開発マーケティング部長して指揮を取ることとなっていたが…
大吾同様、全国民への「スピリチュアル剤」「SP i 」の服用義務に対して、疑問を抱き「ヤンケル」を辞めたのであった。
そして岡田から連絡があり…
「京介さん、いろいろありがとうございました」
「岡田…すまん…こんな結果になって…」
「いいんですよ…私も大吾さん同様、全国民の服用義務となる「スピリチュアル剤」「SP i 」を服用する気はありません…」
「今は、服用義務の拒否を認められていますが…」
「今後、「ヤ・ミカエル」の、気が変わり…」
「服用する事を命じられたら…」
「だから、私も大吾さんと海外へ逃亡を考えています」
「京介さんはどうしますか?」
俺は一瞬どまどい岡田に返事する事が出来無いでいた。
「岡田…悲しい事に俺はお前や大吾の様にまだ、分別できないんだ…」
「正直….俺の中の違う人格が俺に自問するんだよ…」
「…「ヤ・ミカエル」の世界は人間では無くなる…」
「しかし…」
「この国はここまで来てしまった…」
「ここまでモラルが無い人間が増え過ぎてしまった…」
「どうしょうもなく…」
「この国の全ての人間をリセット出来ればと…」
「もう一人自分が問いかけるんだよ…」
「俺は俺自身も「スピリチュアル剤」「SP i 」服用義務を通じて…」
「試されているんだと…」
「岡田…ありがとう…」
「そして大吾と共に新しいこの国を…」
すると岡田が…
「京介さん…この国は「ヤ・ミカエル」により人間が居なくなる」
「それを認められるか?」
「認められないか?」
「なんですよ…」
「京介さん…」
「京介さんの人格はともあれ…」
「私は、隣国キタチョウセンの様になるこの国は…」
「それだけなんですよ…」
俺は岡田にこんな事を言われたが…
頭はまとまらず…
これから…
岡田、大吾が反対する世界に手を貸している事が…
「法令案可決】
直和県において「スピリチュアル剤」「SP i 」服用効果が認められ…
国会では全国民への「スピリチュアル剤」「SP i 」服用義務法案が可決され…
今後、法案を確認、見直し…
3ヶ月後に…
法令化される…
「ヤ・ミカエル」の野望が現実となっていった。
俺の全てを「ヤ・ミカエル」に洗脳されてしまったのか?
それとも、俺自身の人格は多重人格なのか?
まだ、自分自身のこれからを決め兼ねていた…
「スピリチュアル剤」「SP i 」服用義務法令案が可決されたが、やはり一部の人々が政府へ抗議をはじめ…
国会議事堂を何千人もが押し寄せていた…
その抗議は、大吾、岡田と同じような考えを持ち…
この国に人間が居なくなり…?
民主主義が崩壊し共産主義…
隣国…キタチョウセンの様な政権を怖れたからなのか?
しかし、逆に高齢者、中年者などの犯罪者、モラルがない人々による痛まし事件、事故の被害者からは…
「スピリチュアル剤」「SP i 」全国民服用義務化は絶賛され…
国会議事堂前で小競り合いを行なっていた。
「スピリチュアル剤」「SP i 」服用義務…
賛成派を先導して居るのは…
「ヤ・ミカエル」を崇拝するスピリチュアル界ナンバーツーである「腹中浄」と「すずきごろう」であった…
「腹中浄」も「すずきごろう」もスピリチュアル界ナンバーツーである事から…
「ヤンピー」が直和県知事となり政界デビューを果たした事から彼らも野心が有り…
「ヤ・ミカエル」に近づくチャンスを伺っていた。
国会議事堂前の小競り合いは続き…
その模様がテレビ報道されていた。
そんな中、俺は…
新しい世代若者、高齢者など3ヶ月後…
全国民に服用させる「スピリチュアル剤」「SP i 」の作用効果の最終確認を行っていた…
仕事が一区切りしたので…
俺は休憩し、コーヒーを淹れ…飲んでいると…
休憩場のテレビから国会議事堂前での小競り合いがまだ続いていた…
それは、言い合いだけでは無く、大勢が暴動化していた。
暴動の発端は、賛成派が反対派に罵声を浴びせた事で…
反対派の被害者家族は…
逆上し…
木材の様な物で…
賛成派に襲いかかり…
収集がつかなくなっていた。
そんな時…銃声が響きわたり…
テレビの画面に映った光景は…
パニックとなり慌ただしくうごめく双方であったが…
その銃弾に撃たれた奴が…
悲痛な顔をして…
テレビ画面、アップに映し出された…
アップの人物は…
俺は、驚きのあまり言葉を失った…
そいつの顔…
【翔太】
銃弾に屈した…
テレビに映ったやつは、俺になにかを訴えるように崩れ落ち画面から消えたのであった。
その消えたやつは…
間違えなく…
息子!翔太であった!
翔太は「スピリチュアル剤」「SP i 」服用義務化…
反対派のリーダーとして指揮をとっていたようだ?
翔太と音信不通となったのはいつからだろうか?
俺の心に「勘違いの感性」が入り込み、人格が変わって言った頃からか…
元来、俺の心は、かみさんと結婚し翔太が生まれた時も同じだった…
翔太が俺の心…人格?を知ってから…
かみさんが死に…
俺の心を知り…
離れて行ったのであった。
翔太が俺にかけた最後の言葉は…
「僕は絶対父さんを許さない」であった事が最後の言葉だった。
とうとう、親子として和解されないまま翔太はこの世から消えたのであった?
翔太は、俺の血を分けていたが、自分の心に分別をつけ生きていたのだ…
翔太は幼少の頃から素直で良い子であった。
親に面倒をかけることもなく、賢い子であった。
しかし、今、思えば寂しい思いをさせていた事が…
こんな俺でも感じていた。
それは、幼稚園の運動会の事であった。
父親と行う競技で障害物競走があり…
俺は仕事の多忙?及び「勘違いした感性」から父親として、子供と接する事が出来ず…
全てかみさんに任せていた…
しかし、最後の幼稚園の競技、翔太は俺との交流を望んでいたのだが…
「お母さん、お父さんと一緒に運動会行けるだよね?」
なぜか、翔太は俺の目の前でかみさんに聞いていた。
するとかみさんは…
「お父さんに直接聞いてみれば…?」
話しは聞こえていたが、俺は翔太に歩み寄りはしなかった…
すると、翔太は俺の顔を見て…
諦め…
哀しそうな目をして顔を伏せたのであった。
俺は、家族の繋がりや気持ちがいつの日から…か
出来なくなっていた…
それも「勘違いの感性」により人格が変わったからなのか?
しかし俺は、かみさんが死に…
翔太が俺から去った時から…
「後悔の念」が俺の心を支配し始めて心の分別が出来なくなっていた。
翔太は俺と違い、分別ができ「スピリチュアル剤」「SP i 」服用義務に反対していたのだ…
大吾や岡田のように…
それは俺にとって救いであったが…
なぜ…
誰が…
翔太に銃弾を撃ち込んだのか?
報道では、モラルがない高齢者などから尊い命を奪われた…
「スピリチュアル剤」「SP i 」服用義務化…
賛成派の被害者が行なったと報じていたが…
誰かの指図で行なったのは明確であり…
すでにこの国は、独裁社会となり反抗する者は裁かれる仕組みになっていた。
この国は…
こんな世界になっていたが…
昔のように怒りは無く…
息子を殺された事で…
ただただ心が萎縮していた…
俺は「後悔の念」が心を制圧し、どうしょうもなく怯えていた。