スピリチュアル剤SPi【11】



【タイ奥地】


俺は女房を亡くし…

後悔の念にさいなまれ続けてきたが…

人間として許す事が出来ない

国、政府…そして「ヤ・ミカエル」が推奨する…

「スピリチュアル剤」「SPi」服用義務化による…

心の浄化について…

俺は葛藤していた。

山田とは違う意味で、俺は「スピリチュアル剤」を服用する必要があるのではないかと…?

考えるようになっていた。

それは、「SPiC型」感染した化け物に噛まれたことから…

女房の夢…

勘違いだらけの感性を許せない息子…

翔太からの屈辱的な言葉…

「父さんは「"猿以下の人間"」…」が甦り…

俺の心に突き刺さったままであった。

俺が勘違いだらけの感性を持ち合わせ生きて来たのは…

異常な好奇心から…

「この世を超越した世界」があるのではと…

探し続けていた。


そこは、タイ都市バンコクから60キロ離れた古都で知られるアユタヤであった…

しかし、「この世を超越した世界」は俺をそう簡単に出迎えてくれず…

俺は、心の興奮を抑えきれず…

下半身を熱くし、淫靡な女神に取り憑かれ…

徘徊するように…

「この世を超越した世界」を探し続けていた。

徘徊し何日過ぎたのだろうか?

俺の淫靡な心は、疲労から空前のともしびとなっていたが…

下半身の熱はまだ終わる事なく、激しい脈を刻んでいた…

すると、淫靡な女神が微笑み…

俺に手を差し伸べたのであった。

そこは…

アユタヤの郊外から50キロ離れた農村であり…

長閑かな風景が俺の眼下に広がり…

俺は、この村が「この世を超越した世界」とは、夢にも考えていなかったのだが…

俺を出迎えてくれた…

長老の連れである…女に…

俺は眼を奪われ…

淫靡な心…

下半身の熱が沸騰していた…?


【2階の部屋】


その長老の女は、俺に優しく微笑んだ…

俺は眼を疑い…

その女の身体…心の中に

吸い込まれるような…?

長老も俺を待っていたかのように肩を叩き出迎えくれた。

この行為に不思議と違和感なく…

長老に引かれるまま…

家へ…

家は農村地帯とは思えない洋風的2階建の豪華な造りをしていた。

家の中には、若い女が5〜6人存在して…

ある者は、佇み…

ある者は、椅子に腰掛けていた。

俺の事に気づいた若い女は、「ハッ」として…

俺を凝視した…

若い女達は、俺の全身を舐めるように見つめ…

口元が緩み…

半開きになり…

凝視が緩み、黒い瞳が上下に移動していた…

表情は何かを、期待してると直感した。

若い女達の容姿は、出迎えてくれた長老の女と変わりなく…

俺の心を虜にしていた…

若い女達の容姿は、幼さがあるが…

眼を細め淫靡な表情を浮かべては…

口を半開きにし…

時々、僅かではあるが唇を舌舐めずりしていた…

この行為に俺は…

理性が身体の中から抜け落ちていった。

長老は、笑顔を見せ頷きながら…

若い女達を俺の前に集め2階に行くように指示した…

俺は長老の女に手を取られ若い女達の後ろから2階に向かった。

すると、2階には部屋が二つあり、一つの部屋に長老と若い女達が入り、俺は長老の女と別の部屋に入った…

俺の下半身はかなり熱を持ち息苦しさを感じていた…

それは、隣の部屋から聞こえてくる…

淫靡な呻き声であった…

すると、長老の女が俺の手を取り、壁に掛けられていた洋画を外した…

そこには、10㎝ほどの覗き穴が開いていて…

その穴から…

淫靡な呻き声がさっきよりも大きく聞こえて来た…

俺は覗き穴からその光景を覗いた…

そこには、想像もしない淫靡な世界が繰り広げられていた。

それは、長老と若い女達の淫靡な行為であった。

すると、いつの間にか長老の女は服を脱ぎ…

全裸となっていた。

俺はズボンを脱がされた

全裸となり…

佇んでいた…

全裸になった長老の女は、均整が取れた身体…

肌は褐色であり、美しいさは例えようが無く…

俺の心を釘っけにした!

その証拠に

今迄に無い期待と興奮が全身の血液を沸騰させ…

興奮した血液は一点に集まった。

そこは…

下半身であり…

その部分は天井に向かいそそり立ち…

「この世を超越した世界」がこれから繰り広げられると…

俺は…

確信した。



【超越した世界】

俺がタイ、アユタヤ奥地にこの様な「この世を超越した世界」があることを知ったのは…

とあるきっかけから、探す事になった…

大学時代、俺には結婚を考えていた彼女が存在していた。

俺は、彼女を心の底から愛していた…

彼女も俺のこと…を

そんな事を考えていたが…

それは俺の勘違いであった。

この頃から俺の感性が少しずつズレはじめた…

俺が結婚を考えていた彼女は、多重人格者であった…

彼女は「一夫一妻制」の考えが無い女で…

彼女はそれを俺に語れず、清楚を飾っていた…

しかし、彼女の中にある「一夫多妻制」は…

俺と付き合っている彼女では無くもう一人の人格が彼女の中にあり…

その人格が多数の男と淫靡な行為を繰り返していた。

俺は人格が変わる彼女を理解出来ずに、別れを決めたのであった…

その後…

俺が「勘違だらけの感性」になっていったのは…

一夫多妻の人格を持った彼女と深い仲になってからであった…

そんな彼女から俺は、このタイ、アユタヤの奥地には…

「この世を超越した世界」があると聞いた事からだった…

はじめは、俺も何を言っているか良くわからず…

興味も無かったが…

人格が変わる前の彼女が心の中に存在するもう一人の人格に誘導されたのであろうか?

「京介…この世には不思議な村があるそうよ?」

「どうしたんだい…唐突に…」

俺は、上手く返事が出来なかった。

「それがね…普通は「一夫一妻制」なんだけど…」

「特にアフリカ大陸などでは…」

「経済力がある男は…」

「…「一夫多妻制」が当たり前のようなの…」

「そうそう、この国に来ている…

「外国芸能人…」

「ポピーさんが住んでいたナイジェってところは、「一夫多妻制」で…」

「ポピーさんも何番目かの奥さんの子供なんだって!」

俺はまだ彼女は何が言いたいのか?

よくわからなかった。

それでも彼女は、話を続け…

俺に理解を求めようとしていた?

「それでね、アジアにも同じように「一夫多妻制」を国では認めていないんだけど…」

「若い女が一人の男に囲われているんだって…」

俺は、彼女が多重人格であり、潜在意識の中にある淫靡な彼女がこの事をつたえて…

俺に理解を求めたのか?

今では、定かでは無いが…

「京介…タイにあるその場所は、奥地にあり…」

「その体験は、別世界で「この世を超越した世界」って言われているの…」

俺はこの話を聞いているうち…

身体の血液が下半身に集中し勃起していた…

すると、俺の心の奥に潜んでいる、何か…

淫靡なものが疼き…

俺の理性は排除され…

「この世を超越した世界」を受け入れる…
いや、望んでいる事が彼女を通じて俺を変えていた…?



【ecstasy】


俺と長老の女は、隣の若い女の呻き声に…

触発され…

我を忘れ…

貪りつくように求めあった。

俺は、今迄に無い淫靡な行為によりecstasyが下半身を悦楽に導き…

脳が下半身の悦楽に同調して…

心の中へ…

心の中へと…入り込む

まるで…

麻薬?

魔薬?

でも服用したような幻覚からか…

俺だけでは無く、長老の女も強烈な淫靡によるecstasyが襲い…

恍惚化していた…

そして、俺は長老の女と淫靡な行為をするが…
射精する事が出来ず…
朦朧として寸止め状態であった。

しかし…

淫靡によるecstasyが俺を襲い「この世を超越した世界」を…

俺は感じた…

なぜこの空間が淫靡によるecstasy…

「この世を超越した世界」が作り出されたのか…?

わからなかったのだが…

幻覚から覚醒された時…

俺はタイ、アユタヤ奥地にあるトウモロコシ畑に横たわっていた。

その時…
俺は、なぜか射精している事に気がつき…

我に返ったのであった。



【俺の変化】


俺が体験した「この世を超越した世界」は現実だったのか?

幻覚だったのか?

タイ、アユタヤ奥地農村での出来事?が…

俺の中に過信が生まれ…

「勘違いした感性」が心を支配し始めた。

そして…

気が付いた時、トウモロコシ畑に倒れていた。

俺は…
長老の女と淫靡な行為をした事から…

不思議な悦楽ecstasyを憶え…

反応し…

射精をしていた。

俺は今迄感じた事がない「この世を超越した世界」をもう一度堪能したく…

徘徊したのだが…

叶わなかった。

しかし…

俺の下半身と脳がそれ…

「この世を超越した世界」を記憶していて…

自慰をしなくても排尿の際…

俺は、悦楽ecstasyを感じ…

射精した…

それは…
俺の心に長老の女が存在しているからなのか…?

下半身は抑制が効かないままであった。

毎回の排尿時の射精は身体が持たず…

俺は、射精を抑制する為に、違う人格を作り出し…

下半身の抑制を保てる様にした。

それは…

「この世を超越した世界」を知った事から俺の中にある…

もう一人の俺…

理性を保つ心を持つ人格が…

変えたのだ…

下半身の抑制が効かない人格は"猿以下の人間"であると…

俺の心の中から聞こえて来るのであった。

そして、タイを離れ放浪の旅を続けていると…

母親から親父が死んだ訃報届き…

俺の放浪の旅は終わりを告げ、
二度と「この世を超越した世界」を体験する事が出来なくなった…

俺はこの頃から、「勘違いの感性」が心を満たす様になり…

人格が俺を変えていたのだった。

そんな過去が思い出され…

俺は、「スピリチュアル剤」「SPi」の服用義務をはっきり拒否する事が出来ないが…

岡田、大吾、冴島に…

俺の人格…
そして、俺の事を詳しく話し…

服用義務化に関して意見を聞くことにした。



【決断】


俺は、過去の自分を岡田、山田そして大吾、冴島にわかりやすく話した。

自分は多重人格で今は問題無いのだが、過去は「勘違いだけの感性」が俺を支配していたが…

女房を無くし一人息子である、翔太から…

父さんは「"猿以下の人間"」と言われた時…

下半身の抑制が効かない…

人格であったとき…

心の底から誰かが囁いた言葉と同じ言葉を…

翔太から伝えられ…

俺は、「勘違いだけの感性」から解放された…

しかし、この「勘違いだけの感性」から女房を無くし、翔太は俺を怨む様になり…

後悔の念が俺の心を支配していた。

俺の心情を岡田、山田そして大吾、冴島に話し…

「ヤ・ミカエル」との取引きである…

彼の政策に協力する事かを…

再度確認した結論…

「no」であった。

そして、山田は条件として、この島、直和県に残り「スピリチュアル剤」「SPi」を服用し…

感情の変化を大吾にモニタにングさせ…

なんちゃんを元に戻す特効薬を開発する事に決めていた。

悩みに悩んで…

岡田は「SPiC型」感染者を治す特効薬の協力…

なんちゃんの「SPiB型」の分析そして治療を考えていた。

大吾も岡田と同じで感染者の正常化を語っていた。

冴島は、この島、直和県が正常化すれば「スピリチュアル剤」「SPi」を服用しないで漁師として家族を養っていく事を考えていた。

この条件を「ヤ・ミカエル」は了解するだろうか?

そして俺は、反対してもここ直和県から法令化され、本土にて条件化されるのは時間の問題である事は知っていた。

それなら、岡田、山田、大吾、冴島の想いを叶える為…

俺は…

俺たちの条件を話し「ヤ・ミカエル」に理解を得ることを…

そして、俺は後悔の念が心を支配していたが…

それを浄化したく…

眠っていたもう一人の人格…

「勘違いした感性」を目覚めさせ…

本当の自分を目覚めさせる事から、俺の本心が語れると感じたのだったが…

すると、扉を開け…

「ヤ・ミカエル」が部屋に入って来た…


【回答】

「京介…私に協力してくれるんだね?」

「…」

「俺達の回答は…」

「no…だ!」

すると「ヤ・ミカエル」の顔がこわばり…
怒りの表情となっていた。

そして…
「ヤ・ミカエル」は…

「京介…お前達どんな立場で私に回答したんだ…」

「ヤ・ミカエル」は鋭い眼差しで俺を睨みつけ、叫ぶように怒鳴りつけた。

俺はあまりの迫力に心が脅えていた。

「…「ヤ・ミカエル」正直に言おう…」

「no…ではあるが、岡田、山田、大吾、冴島…」

「そして俺の考えが各個人で違うだよ…」

俺は脅えていたが、話しかけが雑になってた。

「各個人の考え、その条件を受け入れてくれれば!」

「協力…する」

「まず、お前の要望「SPiC型」特効薬の条件は受ける…」

「この件だけは協力する…」

「その他、冴島家族の「スピリチュアル剤」「SPi」の服用は拒否したい!」

「これからに於いて、年齢が上がっても服用義務が発生した場合…」

「岡田、大吾に於いても同様服用を拒否する…」

「山田は、スピリチュアル剤」「SPi」を服用し、自らモルモットとなり…」

「特効薬などの効き目およびなんちゃんが侵された「SPiB型」などの解明を大吾に託す!」

「それて…俺は…」

「俺の過去を…心を清算したい事から…」

「…「ヤンケル」において、高齢者向けの「スピリチュアル剤」「SPi」を開発したい…」

すると「ヤ・ミカエル」の表情が変わり…

微笑みながら頷いていた。

「ヤ・ミカエル」が俺達の条件を全て受け入れる事を承諾したが…

「SPiB型、C型」を直す特効薬の条件を俺達に出された…

その条件は、特効薬は服用前の人格に戻すことを俺達は考えていたが…

「ヤ・ミカエル」は服用する全ての人間が「SPiA型」となり、指導主である者に忠誠を誓う事だった。

それは、すなわち「ヤ・ミカエル」への絶対服従と言う条件であった。

「京介…この条件を受け入れられないのなら…」

「お前達には未来は…ない!」

俺は、言葉が出て来なかったが…

これは、条件では無く命令と俺は感じた。



【多発】


「SPiC型」感染者への特効薬対応につき6ヶ月が過ぎようとしていた。

本土では、高齢者による考えられない事故・事件が多発していた。

それは、高齢化によるボケからの…
高速道路の逆走…
アクセスとブレーキの踏み間違えによる、建物へ暴走…
被害を出さなければ救いはあるのだが…
身体の不自由と頭の老化を考えず
身勝手な行動をし…
猛スピードで駆け抜け、自動車、自転車、歩行者を…
次々と跳ね飛ばし尊い命が失われていた。

有り得ない交通事故が懲りなく繰り返されていた。

高齢者による免許返上は昔話になり、悲惨な事件・事故は50年が過ぎても繰り返されていた。

国は、どこまで高齢者へ恩恵、支援をするのか…

あと、事件では…

長年連れ添って居るのにも関わらず、どこかで心の糸が切れ…
金の為に平気で奥さん、旦那さんを殺す人達…

もう、限界を遥かに超えていた。

直和県での法令化が正式に政令されれば、本土への「スピリチュアル界」「SPi」の施行が行われる…

本土では「新しい世代若者」と「高齢者」を対象に「スピリチュアル剤」「SPi」服用義務化の法令が進められていた。

そこで…

「ヤ・ミカエル」を崇拝する、スピリチュアル界のカリスマ「ヤンピー」は芸能界に進出し老若男女問わず、人気を集め広告塔となっていた。

直和県のイベントからどのくらい時が過ぎたのだろうか?

「ヤンピー」は変わらず「スピリチュアル剤」「SPi」に関し服用義務の法令化をイベント前に参加者に語りかけていた。

そんな事もあり、本土において国民の大半が「スピリチュアル剤」「SPi」の服用義務化を望んでいた…



もうすぐ「SPiC型」感染者の特効薬が出来上がろうとしていたが…

そして、「SPiB型」も山田がモルモットとして服用し、大吾が監修をした事から、「SPiA型」に近くなりっていた。

山田は、以前と変わり無いようではあるが…

自分で考える能力が欠けてるように感じた。

そして、「SPiC型」「SPiB型」の特効薬は「ヨリヒロ」と大吾、岡田に、任せ、俺は「ヤンケル」で高齢者向けの「スピリチュアル剤」「SPi」の服用剤を思考していた…

すると「ヤ・ミカエル」から「高齢者向け」及びこれからの「新しい世代若者」の「スピリチュアル剤」「SPi」の服用剤に投入してくれと、あり得ない成分の要望…
支持されたのであった。

その成分は…



【要望】


俺は、この国が取り返しのつかない方向に進んでいる事を理解していた…

「ヤ・ミカエル」があり得ない成分の要望をしてきた。

それは…

彼…「ヤ・ミカエル」の遺伝子であった!

成分化した「ヤ・ミカエル」の遺伝子をこれから実用化する「高齢者向け」及び「新しい世代若者」の「スピリチュアル剤」「SPi」に採り入れる事であった。

俺は「ヤ・ミカエル」が独裁意識がここまで強かったのかと…

国民の大半に自分の遺伝子を強要してどうしたいのだろか?

そして、「ヤ・ミカエル」は成分に彼の遺伝子を採り入れる理由として…

俺にこう語った…

「京介…私はモラルがない人間を一掃する必要があると感じたんだ…」

「私の理想は、「あの世のススメ」で次元を超えた世界の探求なんだよ」

俺は「ヤ・ミカエル」が何を言いたいのか?

次元を超えた世界の探求とお前の遺伝子を成分とすることの意味が…?

すると…

「ヤ・ミカエル」が…

「何回も言うが俺は、この世で一番であった…」

「掛け替えのない家族を失ったんだよ…」

「この想いは、私と同じめにあった人間しか分からない!」

「…「あの世のススメ」はこの世を超越している事…」

「すなわち、あの世とこの世の垣根を外す事が私の役目…」

「わかるだろ…」

「虐待していた親は、親の父親又は母親に虐待されていたんだよ…」

「虐待された子どもは、親になって虐待をする…」

「あとは、モラルが無い高齢者も同じ事で、過去をさかのぼると、同じような事をしている」

「確率的に、人殺しをした父親はその子どもも人殺しをするんだよ…」

「私の家族を奪った若いチャネラーの過去を調べたところ…」

「母方の父親がサイコパスであり、レイプ殺人を犯していたんだよ…」

「それは、モラルが無い変な人間は、遺伝子が引き継がれ…」

「スパイラルするんだよ…」

「それを断ち切る為には…」

「この国を正常化する為には…」

「直ぐれた遺伝子が必要なんだよ…」

俺は背筋に悪寒が走り、「ヤ・ミカエル」を直視する事が出来ずうなだれていた。

そして「ヤ・ミカエル」が追い討ちをかけるように…

「京介…答えはイエスしか無いんだよ…」

「やってくれ…」

「いや…やれ!」

俺は、返す言葉を失い…

心が怯えている事に気付いた。



【特効薬】


俺は完全に「ヤ・ミカエル」に洗脳され、黙々と高齢者及び新しい世代若者への「スピリチュアル剤」「SP i」新薬の開発を進めていた…


「ヨリヒロ」と岡田、大吾共に「SP iC型」感染者の特効薬対応に力を注いでいた。


前にも伝えたが、かって山田の恋人であった…

なんちゃんが「スピリチュアル剤」「SP i」を服用し「SP iB型」になった事から山田の存在がなんちゃんの心から消えてしまった。


山田は自ら未完成である「スピリチュアル剤」「SP i」を服用し、大吾にモニタ二ングさせた結果…


勝気でプライドが高い山田は…


何事も理論付けし、頭の回転が速く…
物事の結論を導き出す…
人格であったが…


「スピリチュアル剤」「SP i」服用後、彼は恋人のなんちゃんと同じ「SP iB型」となっていた。


山田は勝気な人格が無くなり、大吾の話しをしっかり聞くことが出来…
会話は以前と変わりなかったが…


おっとりした口調になり、質問に対しての回答が遅く、考える力が劣っていると感じた。


それて、恋人なんちゃんの存在はやはり…
心から消えていた…


大吾はこの時、この薬の恐ろしさを痛感し、天を仰ぎ涙を流していた。

俺は、この結果を電話で聞き

愕然としたが…

大吾は山田となんちゃんを元に戻すため…

現状、取り組んでいる「SP iC型」感染者の特効薬を改良し「SP iB型」の特効薬を作ることを決意した。


そして、俺も初めに高齢者向けの「スピリチュアル剤」「SP i」の新薬を「ヤンケル」の薬品開発と取り組んでいたが…


㊙︎である「ヤ・ミカエル」の遺伝子投与について …

明かさないまま進めていた。

そして…

3ヵ月が過ぎ…


「ヨリヒロ」と岡田、大吾が対応していた「SP iC型」感染者の特効薬が完成した…


投与の仕方は…
「SP iC型」感染者は化け物である事から…


錠剤投与は難しく、麻酔銃を利用し眠らせ…

間髪入れずに喉仏に注射で投与する方法と決め…


自衛官であるイシワタ主幹が指揮を取り効き目の確認を大吾、岡田が行う事とした。


ここで問題なのは…

麻酔が切れ、効き目が無かった場合…

それを考えると…

岡田、大吾をこの場に連れて来た責任を俺は感じ…


イシワタ主幹に完璧に援護して欲しいとお願いしたのであった。


「SP iC型」感染者が密集した場所は…

俺が左手を噛まれた「研究施設」である。


病院の別棟にいる岡田、大吾そしてイシワタ主幹、イシワタ主幹の部下2名は「研究施設」に向かった…

俺は只々成功を祈っていた。