スピリチュアル剤SPi【8】


【服用拒否】


俺はふと、考えていた?

冴島も「ヤ・ミカエル」に追われているのかと…?

すると、冴島が…

「京介さん、俺はこれからどうしたいのか?」

「解りますか?」

「俺が…」

「…「SPi」の服用を拒否していることが…」

「…「ヤ・ミカエル」にわかるのは、時間の問題なのです…」

「既に、「ヤ・ミカエル」に支配された…」

「直和警察から通達があり…」

「それは、血液検査の要請なんです」

「血液検査要請の原因…」

「それは…」

「かみさんも同じ歳であることから、服用義務があり…」

「俺と同じように拒否したのですが…」

「ある時、錠剤カプセルから「SPi」を取り出したあと…」

「カプセルのオブラートを飲む指定の時間…」

「AM10時を超えてしまった事から…」

「通達があったのです…」

「調べられる前に、俺達家族は港を離れ…」

「人里離れたこの森に家を作り…」

「住む様になったのです…」

「しかし、「ヤ・ミカエル」は…」

「今は、凶暴化した「SPi C型」の対応に追われている事から…」

「今後…」

「京介さん達と一緒にいる事がわかり…」

「直和警察と連携を取り…」

「追って来るはずです…」

俺は、冴島が自分であり続けるため…

自己主張出が来ない…

夢を無くした新しい世代若者…

ボケはじめているのに、自分勝手な行動から、あり得ない悲劇を招く…

モラルを無くした高齢者…

こんな世の中…

こんな世界でも…

誰が自分の中に入り、支配する世界を…

冴島は受け入れられなかった…

その考えに俺も共感したのだ!

それは、

「ヤ・ミカエル」…

政府…

この国に…

反旗を奮う事だった!

「冴島君、君の意志はわかった…」

「まず、どうすればいいんだ…」

俺は、情け無く言葉を返した。

すると冴島が…

「まず、「ヤ・ミカエル」からの追ってから上手く逃れる事…」

「そして、凶暴化した「SPi C型」の攻撃から逃れる事…」

「それから…」

冴島から次の提案を出そうとした時…

けたたましい音と共に…

化け物が…?

スピリチュ



【SPiC型」…攻撃型】


けたたましい音と共に、化け物が家のドアをぶち壊し…

侵入してきた!

「キャー」

冴島のかみさんが頭の先から、金切り声を上げた…

「紗栄子…」

「奥の部屋…行け!」

冴島は、家族を奥の部屋へ移動するよう…

叫んだ!

俺は、直和県ホテルと同じ風景であったことから、焦りは無かった…

冴島に襲いかかる、化け物を…

俺は、ドア付近にあったスコップで…

頭部に一撃を入れたが…

スコップの枝が折れ…

化け物は怯みもせずに、狙いを俺に変え襲いかかる…

冴島の家族を考え、俺は化け物を引きつけ…

外に出た…

化け物は、俺の喉仏を目掛け食らいついてきた…

ドアをぶち壊せる事もあり…

物凄い力である…

俺は、この時…

悟りの境地から眼を閉じ…

力が抜け…

死を覚悟した…

「ガッガッ…」

化け物が大きな口を開け…

俺の喉仏に目掛けて…

襲ってきた!

喉に化け物の唇が触れた瞬間…

「パン…」

「パン…」

乾いた銃声が響いき…

化け物が俺に覆いかぶさった。

俺を助けてくれたのは、冴島だった。

化け物を撃った拳銃 は…

俺達が「ヤ・ミカエル」から譲り受けた護身用の拳銃だった。

俺は、化け物を払いのけ…

「助かった…」

「ありがとう…」

「冴島君…」

化け物を撃った拳銃は、岡田の物だった…

岡田は、化け物を撃とう構えていたが…

自信が無いことから、引き金を引く事が出来ず…

小刻みに震えてた岡田から拳銃を取り上げ…

冴島が…

間髪入れずに化け物の頭部へ…

銃弾を撃ち込んだのであった!

化け物の頭部から夥しい血液が流れている…

流れる血液から、ミクロ単位で増殖した「Gミド」である…

「スピリチュアル…虫」が血液と共に…

地面に流れ落ちてた。

その事に…

俺達は気づかないでいた。

「京介さん、俺達は、「ヤ・ミカエル」の世界を拒否した…」

「しかし、この凶暴化した…」

「…「SPiC型」に対応しないと…」

「俺達がやられる!」

「今回は、まだ良かったんです…」

「単独で襲う…「SPiC型」であったから…」

「集団化した…「SPiC型」に襲われたら…」

「俺達はきっと耐えられません」

「冴島君…」

「どうすればいいんだ!」

「そこで、山田さんの力をお貸しできないかと…」

「山田の力…?」

俺は、おうむ返しの様に「山田の力と答えた。

「山田さんは、会社で研究、開発をしていたことから…」

「全く知らなかった…「SPi」の成分を調べ仮説を立て立証させた」

「それを知り、俺は掛けてみたくったんです…」

冴島は、熱のこもった言葉で俺達に語った。

俺もわかる様な気がしたが…

「山田、凶暴化した…「SPiC型を食い止める秘策はあるのか…」

まだ、なんちゃんが…「SPiB型」であった事から…

落ち込から抜け出せず…

ウジウジしていたのだが…

冴島から…

「山田さん、特効薬とか何か秘策がありますよね?」

すると今迄とは違い山田がハッとして、こちら観た…

「冴島さん、京介さん、頑張って観ますよ!」

俺は、久しぶりに山田の晴れらかな表情を見る事ができ…

山田の秘策を聞くことになりった。



【特効薬】


冴島は、俺達に「スピリチュアル剤」「SPi」の感染者を元に戻す事を望んでいるようだ?

まず、今直面している危機…

…「SPiC型」の感染者を元に戻す事で…

特効薬が出来無いかの提案であった。

「山田、特効薬なんて出来るのか?」

俺は、何も無いこの島で、特効薬が、作れるのか疑問であった?

すると山田が…

「ある事に気づいたのです…」

「それは、毒には毒をで…」

「なんだそれって…」

俺は、何を言ってるかサッパリわからなかった?

「まあ、聴いて下さい…」

「冴島さんは、…「SPi」を服用しなかった…」

「そして、飲んでいたのは…」

「…「SPi」を包むカプセルのオブラートで…」

「中身の…「SPi」を捨てたと言っていましたが…」

「どこに捨てるか迷い保管している事がわかったのです…」

すると岡田が…

「何となくわかって来たぞ!」

俺は、まだわからないまま…

「時間ない…早く教えてくれ!」

俺は、山田を急かすように解答を求めた。

山田から…

「…「SPi」感染者に生成剤を投与又は噴霧する事です!」

「生成剤は、毒には毒をで…」

「カプセルから取り出した…「SPi」を生成して…」

「…「SPiC型」に多く増殖した「Gミド」の主成分…」

「ゴキブリのDNAを抑制するのです!」

「生成には、より多くの「ミドリムシ」のDNAとそれを融合させる、卵の白身が必要です…」

すると岡田が…

「私が思ってた通り、ワクチン的要素を…「SPiC型」に投与するんだな…」

俺も何となく理解できるようになったが…」

岡田の話しが続き…

「しかし、山田…」

「上手く行く確率はどのぐらいあるんだ…」

「そうですね…」

「…40%ぐらいですかね?」

「なに!…」

俺は思わず声を上げてしまった。

山田の説明が続いき…

「生成剤は噴霧より投与方が…」

「確率が高くなりますが…」

そして、岡田から効率良くこの秘策を進める為の計画が出された。

それは、かなり俺達に取って危険を伴う事であった…



【想い】


俺達は「…SPiC型」の特効薬を作製するために、危険ではあるが…

街に向かう事になった。

岡田がこれからの行動の詳細を話そうとしていた…

「京介さんも気づいていると思いますが…」

「…「ヤ・ミカエル」が俺達を必要としていた一つの目的は…」

「今、やろうとしている「SPiC型」の特効薬なんですよ…」

情け無いが、俺はそこまで考えていなかった…

「岡田、おまえ良く気が付いたなぁ」

俺はわかったふりをした。

岡田の話が続いた…

「しかし…「ヤ・ミカエル」達は化け物となった人を治すのではなく…」

「…「ヤ・ミカエル」は凶暴であろうと無かろうとたぶん…」

「自分に都合が良ければそれで良く…」

「きっと…」

「…「ヤ・ミカエル」は下部として使える様…」

「…「SPiC型」となった人の特効薬を…」

「俺達に依頼する事と私は思いました」

「そうだな…」

「俺達は、そんな「ヤ・ミカエル」の世界に協力出来ず…」

「奇跡的に冴島君の助けからこうなったんだよな!」

「もう…」

「後戻りは出来ない…」

「ところで…」

「山田、あのまま「ヤ・ミカエル」に加担していたら…」

「おまえ…」

「恐ろしい物を作らせられる事だったなぁ…」

俺は、山田がどこまで「ヤ・ミカエル」とつながっていたのか探りを入れた。

「ちょつと、京介さん自分は、全くそんなつもりはないです…」

「ただ…」

山田が少し悲し顔になり…

俺は何となく、山田の想いがわかり…

「言いたくなければ…」

すると山田が…

「京介さん…」

「自分は…「ヤ・ミカエル」さんに全く興味がなく…」

「ヤンピーちゃんの考え方が好きでイベントに行くようになり…」

「そこから「ヤ・ミカエル」さんを知ったのです…」

「すると、何故か自分の意識が「ヤ・ミカエル」さんに集中するようになったのです…」

「あるいは、洗脳されたのかも知れません…」

「それを救ってくれたのは…」

「直和県で行われたヤンピーちゃんのイベントで知り合った…」

「なんちゃんだったんです!」

「自分は、はじめて恋をしました…」

「そして彼女、なんちゃんも自分を好きになってくれました…」

「すると、自分の中にあった「ヤ・ミカエル」さんの洗脳から離れる事が出来たのです」

「しかし、なんちゃんはヤンピーちゃんが好きで、好きでしょがないため…」

「この島、直和県に移住しました…」

「そして自分も直和県移住を考えていましたが…」

「なんちゃんが…」

「….「SPi」を服用であんな風になるなんて…」

「自分は考えられなかったんですよ…」

山田は、今まで溜め込んでいた想いを吐き出すとともに…

号泣した…

「山田…」

「すまん…」

「お前の気持ちが理解できないで…」

俺は山田の事を誤解していたのだった。

岡田も涙ぐみ…

そして冴島が…

「全てあの「スピリチュアル剤」「SPi」の服用義務がこんな事を招いたんだ!」

冴島が大きな声で叫んだ!

そして…

岡田がこれからの行動を話し出した…



【計画】


「山田…」

「再度確認するが、特効薬として使う用途は…」

「冴島君が持っている…「SPi」の錠剤カプセルから取り出した成分「Gミド」…」

「…「Gミド」を精製する為の分離器と分離した…」

「…「Gミド」を混ぜる攪拌器…」

「そして、融合させる卵の白身…」

「特効薬として必要なのはこれだけなんだな?」

岡田は、優れものであった!

俺と山田は、ある程度与えられたものを使って会社にて、研究開発を行なっているが…

岡田はやるべき仕事を効率良く出来るように考え…

調達の確認をしていたのだ!

俺は改めて岡田の配慮に気付き…

感謝して…

心の中で、ありがとう、岡田と呟いていた。

岡田の問いかけに山田が…

「大丈夫だと思いますが…」

泣いて眼頭を赤くした山田が答えた…

「山田!この特効薬をどうやって「SPiC型」に感染者に投与又は噴霧するんだ!」

俺は、山田に聴いて見た…

すると岡田が…

「多分噴霧では効きが薄いと思い…」

「投与が必要と考えます…」

「冴島君、「SPiC型」の感染者はどのくらいるか?…」

「検討がつきますか?」

「岡田…」

「冴島君にはそれは難しいんでは無いか?」

すると、冴島が…

「まず、京介さん達もご存知だと思いますが….」

「…「SPiC型」感染者の多くは…」

「心の中に、負のイメージが多い人がなる確率が高いのです…」

「冴島君良く知ってたね!」

「そのくらい分かりますよ…」

「それとなく、服用していない県知事に探りを入れたんです…」

そして山田が…

鼻をすすりながら…

「そうなんです、負のイメージが多い人…」

「そのエネルギーがゴキブリのDNAを活性化させ増殖させる結果となり…」

「…「SPiC型」に感染するのです…」

山田からの「SPiC型」解説が終わると…

冴島が…

「そこで…「SPiC型」が集団で感染する確率が高い場所は…」

「1番は、警察署…」

「次は、病院…」

「警察署は、犯罪者の大半は負のイメージ…」

「反社会的エネルギーが多い人がいる事から…」

「次の病院は、入院された患者さんは無意識に負のイメージが付き…」

「病魔に侵されていること…」

「この要因が…「SPiC型」に感染するのです…」

俺は漁師であった冴島がここまで、「SPi」について調べいたとは考えていなかった。

冴島の話しでわかるように、…「SPiC型」感染集団者の多くは警察署、病院とわかった。

時間も無いことから、岡田の口調が強くなり…

「ありがとうござい…」

「冴島君…」

「まず、この島に「研究施設」はあるのか?」

「ありますよ…」

「直和警察署の…」

「近くに…」

「そして、そこは病院も近くにあるのか?」

岡田は冴島にこれから行動する場合を想定して…

聴きながら説明を兼ねて行っていた!

「岡田さん、歩いて10分前後で研究施設、警察署、病院と廻れますよ…」

「よし…」

「冴島君、保管している…「SPi」を持って来てくれ!」

「そしてまず、スーパーで卵を調達…」

「次に病院に行って…」

「なんとか…」

「麻酔薬を確保…」

「岡田、麻酔薬か…?」

「京介さん…」

「すいません!説明は後からします」

岡田が次の計画を話そうとした時…

外から…人声が…

「おい!化け物が死んでいるぞ…」

その声は、自衛官であるイシワタ主幹であった!

「ヤバい…」

家は森林でアモフラージュされていたが…

冴島が…

「早くこの家を出ましょう!」

「紗栄子、チビを連れてシェルターに入っているんだ!」

「早く!」

「おーい、人の家があったぞ!」

イシワタ主幹の部下が大きな声で叫んでいるのが聞こえた。

「裏から出ましょう!」

俺達は、冴島の指示により家を出て…

スーパー、病院に向かうことにしたのだが…




【作製】


俺達は、まず卵を調達するためにスーパーに向かう事になった。

この島、直和県は、現在一部のライフラインが閉鎖されていた…

閉鎖されているのは交通機関、制限されたのは通信機関となっていた…

交通機関の閉鎖は…

県民を「SPiC型」感染者の襲撃から被害を最小限に抑えるための手段としてた…?

制限された通信機関は…

「ヤ・ミカエル」からの指示で、政府が打ち出した…

この島の状況を…

隠ぺいする事から…

通信機関情報を制限していた。

そして、食糧の関係から暴動を避けるため…

スーパーの営業に制限をかけ許可していた…

制限は「SPiC型」に感染された化け物が…

人が集まる場所を襲撃する事から…

制限がかけられていたが…

感染者に襲撃され、被害を受けても自己責任である事が条件で営業を許可していたが…

この条件で営業しているスーパー等はわずかであった。

「冴島君、この条件で営業しているスーパーがあるのか?」

「京介さん…」

「まあ、この状況でまともに営業しているスーパーはありませんよ…」

「しかし、俺と共に漁師をしていた仲間がいて…」

「40歳を過ぎていた事から「SPi」の服用義務が無く…」

「俺は、その仲間にいろいろ相談していたんですよ…」

「そいつが服用義務が無かった奴らを束ね…」

「俺は京介さん達の情報を奴と共有していたんです」

「その奴は、仲本大吾といって…」

「変わり者で…」

「大学では心理学をはじめ化学も学びましたが…」

「その学問に飽きた事から、この島に来て漁師になったんです」

「しかし、学んだ学問がこんなところで役に立つとは思いませんでした…」

「奴、大吾はスーパーほど大きく無いのですが…」

「この島の雑貨屋を漁師のかたわら経営しています…」

「まず、そこで卵を調達する予定ですが…」

「冴島君、そこまで考えていたとは…」

「俺が…「SPi」服用を拒否した時から、大吾は良いアドバイスをしてくれて…」

「奴は…「SPi」の成分も大筋わかっていました…」

やはり、「ヤ・ミカエル」に同意出来ない県民がいる事を

俺は知り、冴島に礼を言った!

「冴島君…感謝するよ」

俺は冴島がここまで、…「SPi」の成分など理解しているとは思ってもいなかった。

「しかし、京介さん、山田さん、岡田さん少し気がかりな事があります」

「卵はこの状況なので、新鮮な物はありませんよ…」

「冴島さん腐っていなければ問題ありませんが…」

山田が答えた。

「そうですか…冷凍にしていたら…」

「え、卵を…」

山田が驚の声を上げた…

「なんか偶然ですが、その方が鮮度が良いと思います…」

山田は、思わなかった偶然に驚きの奇声を上げたのだった。

そして山田が…

「冷凍した卵を熱湯で解凍して…」

「分離器かければ問題なく融合剤となります…」

冴島の表情から安堵が感じられた。

仲本大吾の雑貨屋に行くまでに、俺は、いつ…「SPiC型」感染者に襲われるか…

不安を感じていた!

冴島が事前に話していた…

「SPiC型」感染者の行動パターンで…

感染者の行動パターンには、個人パターンと集団パターンがあり襲撃すると言っていたが…

俺達が襲われたのは個人パターンの「SPiC型」感染者であり…

感染者は、我々人間などの喉仏を主食とするそうだが…

それ以外にも主食があるのでは無いかと…

冴島が話していた?

それは、俺も感じていたのだが…

根拠がつかめない…

「SPiC型」感染に襲われると…

唾液感染し、「SPiC型」となる…

しかし、何故主食が健常者又は「SPiC型」感染者以外の喉仏なのか?

俺は理解できなかった?…


【アマチュア無線】


俺達は、卵を求め仲本 大吾がいる雑貨屋に向かっていた。

通信機関は、この島、直和県において…

現在、規制がかけられていることから…

冴島は仲本大吾との連絡は、ハム…

アマチュア無線の電波を利用していた。

その事を聞き、懐かしく感じていた。

俺も高校時代、コールサインが欲しくて修得した。

そして…

仲間が増え…

とても嬉しく楽しかった!

そんな思い出が脳裏に蘇り…

心が和んだが…

今は、携帯がある事から陳腐化されている…

だが、一部、根強いファンもいて…

生きてこの島を出られれば…?

俺は、ふとそんな事を思っていた。

すると…

「京介さん…」

「どうかしましたか…」

「俺もハムだったんだよ」

俺は思っていた事を冴島に不意に聞かれ答えていた。

「そうだったんですね…」

「…奴、大吾と俺のコースサインは二人が独自で作ったんです…」

「本当は、法違反ですが…」

「周波数、ハムバントの割り当ても自分達で決め連絡出来るようにしたのです!」

「まあ、京介さんもご存知の通り…」

「不便なのは携帯電話と違って持ち運びが出来ないですから…」

「卵の調達について、事前に大吾に話してあり、卵を解凍しておいてくれって言ってありますが…」

冴島の行動を知り…

この島を「スピリチュアル剤」「SPiC型」に感染された人々を助けたい気持ちが理解出来た…

すると冴島が…

「山田さん…」

「解凍した方が、特効薬を作るの…」

「早くできますよね?」

冴島は、山田に尋ねた…

「冴島さん配慮…」

「ありがとうございます」

「卵が解凍されていれば…」

「研究所に持って行き早く特効薬が出来ると思いますが…」

山田の返事は歯切れが良くなかった?

山田が不安しているのは、ゴキブリのDNA抑制をどうするのか?

思案がまとまっていないからであった。

そんなやり取りをしていて…

仲本 大吾が居る、雑貨屋に到着した。





【ミドリムシ】


「おう、冴島大丈夫だったか?」

雑貨屋の店主である、仲本大吾が冴島に話しかけて来た。

「なんとか…大丈夫だったよ!」

「大吾は?」

かなり、冴島より年上だが…

冴島は呼び捨てしていた。

「…1回2体の感染者に襲われたが…」

「なんと難を逃れた…」

大吾は、あっさり「SPiC型」からの襲撃を冴島に話していた。

俺はこの話を聴いて、命がいくつあっても足りない様な感じがした。

「それより冴島…」

「紹介してくれよ…」

「状況が状況だから手短に頼むよ…」

俺はこのやり取りを聞き自分から話し始めた。

「俺は迎田 京介…」

「京介さんの元部下の岡田です…」

「同じく、山田です…」

「仲本さん…」

「京介さん、大吾って読んでくれ!」

俺が思った通り、仲本大吾は竹を割った様な性格であり、信頼できると感じた。

「それじゃあ、大吾!」

「冴島君から聴いているから、細かい話しは辞めて、用意してもらった解凍した卵を確認したい…」

すると、大吾は俺の顔を見て頷き…

…「SPiC型」特効薬を作る山田に話しかけた…

俺は冴島がどこまで、大吾に話しているか知らないが…

重要である「SPiC型」特効薬に作製に協力する姿勢が感じ取れた。

「山田くんだよね、冷凍の卵は解凍しておいた…」

「その後「Gミド」と融合するんだよな…」

「え、なんでそんなことまで…」

山田は、大吾からこの話を聴けると思ってもいなかった様だ。

「しかし…「Gミド」におけるゴキブリのDNAを抑制する思案まだの様だね?」

「どうしてそこまで…大吾さん」

「まあ、俺も漁師の前は化学物質…」

「遺伝子関係を少しかじっていたんだ…」

俺は冴島が変わり者と言ってたこと…

しかし、俺は大吾はある意味天才ではないかと感じていた。

「山田くん、ゴキブリのDNAを抑制したいんだよなぁ…」

「簡単に考えると…」

「ミドリムシのDNAを増やせばいいだけと思うが…」

「そんな単純じゃあ無いよねぇ?」

「大吾さん、ミドリムシのDNA…」

「どうにかなるんですか?」

山田は、少し興奮気味に大吾に食いかかっていた。

「山田くんここは、雑貨屋店だよ…」

「え、あるんですか!」

「あるよ、粉末状にしたミドリムシならね?」

大吾は、この島に来て漁師をしていたが、大学で学んだ事も生かしていた…

それは…

この島の住民の健康を常に考えていた事から…

そこで、ビタミン、ミネラルが豊富なミドリムシに目を付け…

緑色の顆粒は葉緑体の前身となる光合成の原核生物が真核生物を増殖させ…

ミドリムシを作り上げたのであった。

「大吾さん…凄過ぎますよ」

「しかし…山田くん…」

「…「Gミド」は1プロもゴキブリのDNAも入っていて…」

「ミドリムシを多目に入れた事で「SPiC型」の特効薬になるのか?」

「大吾さん、ミドリムシの粉末を戻し活性化する事は可能ですか?」

「そうか…活性化か…」

大吾が山田の意見に頷きながら、話していた。

大吾と山田は特効薬について活路が導き出せたのであるのか?

俺は、まだ半信半疑であった。



【仲本 大吾】


仲本大吾の生まれは、東京であった。

親は、大学教授をしていたことから…

大吾は、必然的に、勉学に励んでいた。

家族は専業主婦の母親と2つ違いの兄がいた…

父親は、化学における研究、物理的な思想が優れていて…

大学教授として、生徒からも慕われてた。

その様な父親だったが、大吾には放任主義であった。

父親が期待をかけていたのは兄であった…

大吾は親の影響を受け…

化学の道を選び、勉学に励んでいた…

そして、大吾は化学が好きであり…
そして…
生物も好きであった事から…

大学は化学専攻を2年でマスターし…

生物専攻も2年でマスターしてしまい。

4年で2つの学部を卒業した。

この様に勉学に励んでいた大吾であったが…

父親の愛情は長男の兄に注がれていた…

父親は、大吾の自由奔放な性格を好きになれず…

大吾を愛せなかった…

しかし、父親が期待していた長男は化学の道に進まず…

家を離れて行った。

化学、生物は好きではあったが…

父親との関係がギクシャクして…

愛されていないことがわかり…

学んだ事を生かし、製薬会社に勤めていたが…

3年で退社した。

それは…
仕事で父親との兼ね合い出来た事から…
化学、生物に対しての魅力が薄れ…

何もかも捨てて…

この島…

直和県に住むようになった…

大吾は兼ねて、生物、特に海洋生物が好きな事から…

この島で漁師をはじめたのであった。

「冴島、京介さん、岡田さん、特効薬は俺と山田くんとでなんとかなりそうだなぁ?」

大吾が俺達に話しかけ…

俺は特効薬への理解が半信半疑だったが…

大吾の生い立ち、素性から…

信頼できると確信した。



【感染者】


俺は、大吾の説明から「SPiC型」感染者を治す特効薬が…」

「作れる事が分かるようになったが…」

まだ、「SPiC型」感染者の主食が喉仏とは…?

しかし、感染者は都度、我々の様な健常者、「SPiA型・B型」感染者の喉仏が主食となるのか?

この事を大吾に聴いてみたが…

「大吾、「SPiC型」の感染者の主食とするのが喉仏だけなのか…?」

「あまりにも希少であるが?」

「この状況で、それを考えているって…」

「京介さんは、やはり、岡田さん、山田くんの上司である事がわかりましたよ…」

俺は、「SPiC型」感染者が希少な物が主食でありながら…

思ったほど襲撃が少ないことから…

「SPiC型」感染者の主食に対して疑問を持っていた。

すると大吾が…

「主食と言うか、好物が喉仏であって、肉類ならなんでも貪りつく習性があり…」

「襲われれば、何処でも食いちぎられますよ…」

「…「SPiC型」の、感染者は肉であればなんでも問題なく、食らいついてきます…」

「その要因は、嫌悪感、罪悪感など心に負のイメージを常にもっていた人が感染して…」

「同じ「スピリチュアル剤」「SPi」であっても…」

「ゴキブリのDNAが服用後、体内で増殖してしまい「SPiC型」に感染する…」

「ことは京介さん、理解ありますよね?」

大吾が、ここまで理解しているとは思わなかった。

「京介さん、「SPiC型感染者は、どうして肉を好むのかは…」

「化学物質である1-ブロモプロパンは負のイメージを常に持っている人には…」

「洗浄能力が落ち着かず、ゴキブリのDNAが強調されてしまい「SPiC型」を作り出します…」

「そんな事から、ゴキブリのDNAが体内で増殖する事になり…」

「凶暴化されるのです…」

「そこで…」

「タンパク質を常に取り続ける事が必要となってくる事から…」

「…「SPiC型」感染者は人を襲い肉を貪るのです」

「喉仏が好物なのは、コリコリした食感が好きな事からと…」

「わかっていますが…」

「深い事は理解していません」

大吾は、化学物質の要素、生物の要素から調べ上げここまで理解していた。

こればかりは、山田も大吾に頭を下げ…

礼を述べていた。

そして、俺達は、研究施設に到着した。

「冴島君…「SPi」粉末はあるね!」

「大吾、解凍した卵…大丈夫だね!」

「山田、頼むぜ…」

「岡田、研究施設の後の行動計画をたのむ…」

俺は、…「SPiC型」感染者を治すため…

指示していた。