スピリチュアル剤SPi【6】




【悪夢】


「京介さん…」

「良く考えたら、わかったんですよ」

「直和県に行く前に、調査した事を…」

「…「キーワード」は、繋がりなんですよ」

その話しを聞いていた山田は…

瞬きもせず…

岡田の話してを聞いていた。

「今回、情報をくれたのは、友達Mじゃあなくて…」

「…「ヨリヒロ」の臨床実験チームをやっている人なんです…」

「… 研究者の友達Mとは、あまり連絡が取れない様になり…」

「以前、話したヤンピーさんのイベント後の打ち上げで…」

「ヤンピーさん「ヤ・ミカエル」さんそして、「ヨリヒロ」の臨床実験チームの人が話している事を…」

「ヤンピーさんの講演会に入っている、山田くんの友達が、話している事を…」

「山田くんが、京介さんと私に話していた事…」

「京介さん覚えていますか?」

俺は、その話しを聞き記憶をたどっていた。

「その人の特長は…」

「スキンヘッドで後頭部に、せんべいぐらいの大きくなアザがある事…」

「話しましたよね?…」

俺は、勘違いをしていた様だ?

岡田の「ヨリヒロ」研究者からの情報と思っていたが…

「なんとなく思い出した…」

「そう言えば、山田が話していたなぁ」

俺は、その話と…

俺達が観た同じ夢が…

どう繋がっているのか?

理解出来ないでいた。

「岡田…俺達が観た同じ夢…」

「偶然じゃあ無いって事とが繋がっているのか?」

「そうなんですよ…京介さん」

岡田は、ニャつきながら俺に語り始めた。

「ご存知の通り、「ヤ・ミカエル」さんは、チャネラーで不可能な事は無いと自負しています!」

「そこで「ヨリヒロ」の臨床実験チームの人から話しを聞く事が出来たんです!」

その時…

一瞬、山田の表情が険しくなった気がした?

「…「ヨリヒロ」の臨床実験チームの人から聞いたことが…」

「なんで…「ヤ・ミカエル」と繋がっているのか?」

「俺達が観た同じ夢を…」

俺は、岡田の話しを聞く前に頭の中を整理しょうとしていたのだが…

「…「ヤ・ミカエル」が「スピリチュアル剤」「SPi」と関わりがある事はわかったが…」

俺は理解しょうとしていたが…

「京介さん…「ヤ・ミカエル」さんは自分が描いたイメージを映像化して…」

「自分の頭のスクリーンに映す事が出来るのです!」

「ヤンピーさんとの懇親会で「ヤ・ミカエル」さんと話しをした内容を…」

「…「ヨリヒロ」の臨床実験チームの人から偶然聞いたんです…」

「それは、他人の頭の中にも自分がイメージした映像を映し出す事が出来るのかを…」

「…「ヨリヒロ」の臨床実験チームの人が…」

「たまたま、テーマにイメージの映像化を研究していたそうなんで…」

「聞いてみたようです…」

それが、イメージの映像化はわかるが…

しかし、俺の夢の中に入り込む事が出来るのだろうか?

そして、岡田、山田にも…

「京介さん…」

「…「ヤ・ミカエル」さんが私達に観せたのは…」

「私達が意識して観たもので…」

「夢じゃあないんです…」

「え、夢じゃあないのか?」

俺は、何が何だかわからなくなっていた。

「京介さん、簡単に言うと、どうしても思い出せなかった…」

「化け物を操っている「ヤ・ミカエル」さん…」

「…「ヤ・ミカエル」さんの側に横たわる少女の夢は…」

「…「ヤ・ミカエル」さんが頭の中で映像化されたもので…」

「私達の頭の中に投影されたんです…」

「しかし、何故俺達に…?」

「それが、私もわからなかったんです?」

「ただ…「ヤ・ミカエル」さんは私達に、この事を教えたかった…?」

俺は何故か…

俺達に「ヤ・ミカエル」が教えてたかった事が…

頭の中にイメージされた…

「やはり…」

「そうだったんだ…」

少女…娘の死の苦しみを…

「ヤ・ミカエル」は俺達にわかって欲しかった…

からだろうと…

そして、俺は遣る瀬無くなり…

涙を隠すように…

天井に顔を向けていた…

俺は、この話をしていて、山田が何か知っているのでは無いかと悟り…

ズバリ聞いてみた…

「山田、お前何か知っているんじゃ無いか?」

すると山田は、奥歯に何か挟まったような言い方で…

「特に無いのですが…」

「ヤンピーちゃんの仲間達から、「ヤ・ミカエル」さんの事…」

「聞いていました…」

「でも、自分も夢…」

「イヤ、「ヤ・ミカエル」さんの映像の事は知らなかったです」

「あと、ここでお話ししたい事があるんです….」

山田がこの話を避けるように…

違う内容の話し…

今迄わからなかった…「スピリチュアル剤」「SPi」の服用後の…

不明確な事を語り始めた…


【経過措置】


山田が語った不明確な事…

それは…

「スピリチュアル剤」「SP i」服用後の経過措置のことであった。

「京介さん、岡田さん…」

「…「スピリチュアル剤」「SP i」は私が立てた仮説通りで…」

「裏づけも取れましたが…」

「服用後の経過措置が確認出来ているのか?」

「自分は、知りたくなり、調べて見ました…」

「すると…」

「やはり、「スピリチュアル剤」「SP i」は服用後…」

「月日の流れで徐々に変化する事がわかったのです!」

山田は、さっきまでの話しとは打って変わり…

目を輝かせ、ハキハキと俺、岡田に伝えていた!

「山田…」

「やはり、前のやり方と同じように…」

「仮説を立てて、立証したのか?」

俺は、山田に質問した。

すると山田はニャリと笑い…

「今回は、シークレットで「ヨリヒロ」の臨床実験チームの人から…」

「口外厳禁と釘を刺され…」

「聴く事が出来ました…」

山田は、自信ありげに話していた。

「しかし…山田…」

「よく聴きだす事が出来たなぁ?」

すると、山田の表情がやや険しくなり…

「問題ありませんよ…」

「京介さんと岡田さん以外の人には話しませんから…」

その時…

俺の頭、心に嫌な感覚が降りて来ていた…?

岡田も嫌な事を察知したのか…?

「山田くん…大丈夫なのか?」

俺と岡田は、これから山田が話す事に…

何故か躊躇していた…

すると山田は…

「まあ、聴いて下さい!」

俺、岡田の意見を遮り話し始めた…


「…「スピリチュアル剤」「SPi」の成分は、月日が立つに連れ…」

「細胞レベルが進化して…」

「…「虫」として、血管の中に住み着いて…」

「精神をコントロール出来るそうです…」

「いきなり凄い話しになったなぁ」

俺は、思っていた通りのことを言われ…

わかってはいるが…

何故か…

真実を受け入れたくない…

気持ちが、心の中でくすぶっていた。

そして、山田が「スピリチュアル剤」「SP i」の服用後の内容を語り始めた。

「京介さん、岡田さん…」

「…「スピリチュアル剤」「SPi」は服用してから、成分が胃で溶けてから…」

「体内が浄化されるのです」

「浄化される成分は、前にも言いましたが、「1ーブロモプロパン」なる物資です」

「それを身体全体に、浸透させるため…」

「ゴキブリの遺伝子とミドリムシを融合させた「Gミド」が働き…」

「体内を洗浄してから…」

「精神を活性させる効き目が出て来るそうです…?」

「わかりやすく言うと…」

「成分である「1ーブロモプロパン」で体内を洗浄し…」

「…「Gミド」で体内…」

「心…脳を血管を通して活性させるんです!」

「そのため「Gミド」が変化する事により…」

「細胞レベルを超えた成分「虫」として…」

「血管の中に住みつき精神をコントロールするのです」

俺は、不思議にこの事をすぐ理解する事が出来たが…
昔からあるような錯覚に陥り…

不快を覚え…

山田の話しを黙って聴いていた。


「精神を活性させる方法は…」

「口説いようですが…」

「血液に「Gミド」を送り込み身体全体に浸透させるんです…」

「そこで、今迄わからなかった「スピリチュアル剤」「SPi」を服用する事で…」

「服用した人の「DNA」と成分である「Gミド」が融合して…」

「細胞レベルを超えた成分…」

「…「虫」として…」

「血管の中に住みつき、精神をコントロールするまでの期間が…」

「約2ヶ月なのです」

「まとめますと…」

「スピリチュアル剤服用→体内洗浄→体内浸透→DNAとして血液と融合→血管内で孵化→活性虫…となります…」

「その活性虫の名は…」

「心…」

「その人が癒される神秘的な事から…」

「…「スピリチュアル虫」と名付けたんです…」

「ここまでが、「ヨリヒロ」の臨床実験チームの人から聴きだした
情報です!」

山田は、捲し上げるように「スピリチュアル剤」「SP i」服用後の経過措置を話し終えた。


それて、山田が…

「しかし、それが…」

「服用してから2ヶ月を過ぎた頃から…」

「おかしな事が起きだしたのです…」

「直和県で暮らしいる…」

「なんちゃんからの連絡が途絶え…」

「噂では有りますが…」

「直和県でもヤンピーちゃんのイベントに本土から参加した…」

「後援会に入っている友達から聞きました…」

「それは…」

「…「スピリチュアル剤」「SP i」が考えていた以上に…」

「成分が強烈な事から…」

「服用した人の人格までも…」

「変わるのではないかと…」

「…」

山田は、少しトーンが下がった口調で話しを結んだ…



【服用義務化…?】


あの会合から1週間が過ぎ、国が動き始めた…

山田は、かなり直和県に移住したヤンピーを崇拝する…

とりまきに入れない…

なんちゃんの音信不通が気になっているようだ…

そんな中…

直和県での「スピリチュアル剤」「SP i」において、高齢者向けの錠剤を服用義務化する法案が可決され…

施行される事が決定した…

俺は、どうしてこうなったのか…

検討もつかない…

この内容について、国会の論議がありテレビ放送されたわけでも無く…

それをマスコミが取り上げ…

報道する事も無く…

何故…すでに国はそれを決めていたのか?

僅かな理由として、直和県での新しい世代若者の服用効果が認められたからだと…

伝えられていた…

国が高齢者向けの「スピリチュアル剤」を義務化する要因は…

今迄以上に、高齢者の暴走的行動が目を見張るようになったからだ…

これも、新しい世代若者同様、直和県で試作的に服用義務化してから…

全国的に展開する目論見である。

高齢者の暴走は、自動車運転事故だけにとどまらず…

金による家庭内の怨恨からも起きていた…

それは、仕事をリタイアしていることの意識が薄れ…

国からの手厚い恩恵を受けているのに…

欲ばかりが心の中を支配するようになり…

息子、妻子などに多額な保険金をかけ…

簡単に殺害する…

高齢者…が

増加していた!

なんのためにと思っていると…

性欲だけを満たしたい高齢者が増え、保険金殺害…

保険金は、風俗で使い果たしていた…

あとは、年金をギャンブルで使い果たし…

生活苦となって…

強盗殺人を犯しているなど…

手の付けようが無く…

国は、高齢者向けの「スピリチュアル剤」服用義務化を施行することとなった。

俺は、今、この国に居て…

この頃…

人間が、人間として…

人間らしく…

「人間らしくって何だ!」

俺は、遣る瀬無い気持ちが溢れ出し…

思わず叫んでいた!

国民全体が無気力となっていて、考える事…

行動する事を諦め出していた!

マスコミは、どうでもいい芸能界のゴシップや…

金持ち向けの豪華な国の紹介が主であり…

この国の進むべき、重大な事を避けるようになっていた。

国民は、もう諦めていた…

国、政界は手厚い恩恵がある高齢者に対し…

何も措置を取らず、新しい世代若者の負担がのしかかっている事…

それを感じていて…

中間層(31歳〜60歳)の人達は、自分の事しか考え無くなり…

新しい世代若者の事など考える余裕が無くなっていた。

この国では、新しい世代若者の明るい未来が描かれなくなり…

国民全体が「スピリチュアル剤」「SP i」服用義務化はやむをえないと理解し始めていた。

「これで良いのか…!」

俺はまた叫んでいた!

人間の心、精神をこんな薬に委ねていいのか?

しかし…

高齢者の「スピリチュアル剤」服用義務化前に…

国の目論見がもろくも崩れはじていた…

それは、2カ月が過ぎ…

直和県で「スピリチュアル剤」「SP i」を服用していた新しい世代若者に…

異変が起きた事を…

俺は、ある人から情報が送られて来た…


その人は…?



【支配】


俺は、この「スピリチュアル剤」「SP i」に関わってから…

常に…

誰かに…

監視されている感じが…

頭、心から離れなかった。

特に、直和県から戻った時から、頭の中を誰かに覗かれている…

錯覚が日に日に強くなっていた!

そんな中、高齢者向けの「スピリチュアル剤」法案が決まったのであった!

そして…俺は徐々に理解出来るようになって来た…

俺…

岡田…

山田…

の夢…

いや…

俺達の頭の中に投影された…

映像…


そして、「スピリチュアル剤」「SP i」服用義務化され…

2ヶ月が過ぎた直和県の状況を教えてくれたのは…

「ヤ・ミカエル」…であった。

何故…

俺達に自分の正体を明かし…

伝えたかったのか?

それは…

やはり…

彼、「ヤ・ミカエル」はこの国を支配する目論見があり…

チャネラーであることから、政財界からも信頼されていた…

若者…

新しい世代若者の心の病を癒やす事を国に提案をしていた…

そして、彼の「ヤ・ミカエル」の発想力…

「ヨリヒロ」開発力…

そして…国、厚生省の決断があり「スピリチュアル剤」「SP i」の服用義務化が法制定され…

「ヤ・ミカエル」を崇拝するヤンピーが広告塔となり…

県下で…

新しい世代若者の犯罪など…

心の病を抱えた人が多い、島である…

直和県で「スピリチュアル剤」「SP i」の服用義務化が施行された!

俺達が、この薬「スピリチュアル剤」「SP i」を調査し始めた頃から…

彼、「ヤ・ミカエル」は知っていて…

俺達の潜在意識に夢として…

彼、「ヤ・ミカエル」が頭の中に描いた映像を…

俺達の頭の中に投影していたのだ!

そして、俺の頭、心にメッセージが届いた…

それは、紛れもなく「ヤ・ミカエル」からであった…

するとその時…

テレビから臨時放送が入り…

直和県が完全閉鎖されたと伝えていた…

テレパシーで俺の頭、心に届いた

「ヤ・ミカエル」からのメッセージは、意外内容であった。



【革命】


俺の頭の中…

「ヤ・ミカエル」からテレパシーでメッセージが届くようになった。

やはり、「ヤ・ミカエル」はこの世…

世界を変える目論見がある事を俺に語り始めた…

「京介さん…」

「同じ世代なので…」

「京介って呼んでいいかな?」

俺は、首を縦に振り…

頭の中に投影されている、「ヤ・ミカエル」に返事した。

「京介、俺はこの世の日常を変えたいんだよ!」

「…私…「ヤ・ミカエル」に不可能は無かったのだが…」

「ある日から、変わったんだよ…」

「私が、一番信頼していた…」

「若いチャネラーに…」

「私が一番大切にしていた…」

「家族を奪われ…」

「この世の中が少しづつ…」

「狂いはじめてきた…」

「それは、高齢者が増え過ぎ…」

「若者…」

「新しい世代若者の負担が大きくなって来た…」

「しかし…」

「新しい世代若者でも…」

「儲けている…奴!」

「儲けられない…奴!」

「二極化が進み…」

「私の家族を奪った…」

「若いチャネラーは、儲けられない奴だった!」

「その若いチャネラーは、私を踏み台にしてのし上がろうと…」

「考えていたのだが…」

「私は彼をチャネラーとして、認めてはいたが…」

「時が経つにつれ…」

「彼は、変わっていった…」

「金が…」

「金だけが、一番大切だと考えている奴だった…」

「そんな奴…は」

「おかしな言動から…」

「チャネラーとして、失態していった…」

「それは…」

「私の説で…」

「チャネラーは、金の事が、頭、心にあると…」

「まともな未来が描けず…」

「人を幸せにする事が出来無い…」

「そして、私はそのチャネラーを…」

「人して、受け入れる事が出来なくなっていた…」

「それでも、その若いチャネラーは私の財産が目当てで…」

「私のチャネラーとしての…」

「地位を奪おうとし…」

「嫉妬から…」

「私の娘に手をかけ…」

「私の家族を崩壊させた…」

「分かるよな….」

「京介…」


俺は、「ヤ・ミカエル」がこの世を…

この世界を…

変える事を心に決めたのは…

本当の幸せを追及したかったのだろうか?


「京介、だから私は…」

「あの世の進めを広めようとしたんだ…」

「この世…三次元の世の中が本当なのか?」

「私は…知りたかったのだが…」

「しかし、あまりにもこの世の…」

「人間は、心が荒み過ぎている…」

「私は一時的に、この世を諦め…」

「あの世に幸せを求めようと考えたが…」

「それでは…」

「ただの集団自殺にしか過ぎないでは無いかと…」

「まだ知れねあの世、異空間を追及してもいないのに…」

「そこで私は考え出したのは…」

「全ての人の心を浄化し、活力ある人間に出来ないかと…」


俺は、この話聞いていたが…

この思想は間違っていると感じていた。

「そこで、まず悩みが多い若者…」

「新しい世代若者に…」

「薬の投与を考え…」

「…「スピリチュアル剤」「SP i」の服用義務化が制定したのだった…」

「私は、今、裏政府と国を統括している…」

「しかし、私が考えていなかった…」

「想定外の事態が起きてしまったのだ…」

「京介、お前もわかっているように…」

「直和県において…」

「…「スピリチュアル剤」「SP i」服用義務化して、二ヶ月が過ぎた頃から…」

「服用者に、異常が見られ…」

「手に負え無い状況から…」

「京介…」

「お前に協力してもらいたくて…」

「連絡したんだ…」


俺に何を協力してもらいたいんだ?

さっぱり見当がつかない…

すると…

「直ぐにでも、直和県に行って対応したいので…」

「京介、俺と同行してもらいたいんだ!」

「京介の部下であった…」

「山田くんは承諾してくれたよ」


ん、山田が?

俺は、意外な「ヤ・ミカエル」のメッセージに少し戸惑っていた…




【判断】


「ヤ・ミカエル」は俺の事を古くからの友人だったように…

直和県に同行して欲しいと言って来た!

俺の意志をメッセージで「ヤ・ミカエル」に伝える事は出来ない…

それは、俺がチャネラーでもなく…

超能力者でもない…

そのため、「ヤ・ミカエル」に返事を返すことが出来ない…?

唯一、上半身の動きは、「ヤ・ミカエル」に通じているようだ…

それは、彼が「京介と呼んでもいいか?」の問いに…

俺が首を縦に振った事が理解されたからだ。

しかし、直和県で起きた想定外の出来事…

ある程度想定していたが…

「ヤ・ミカエル」から協力要請があるとは…

そして…何故俺なのか?

あと…

この事に関して…

何故、「ヤ・ミカエル」は山田の事を知り…

直和県同行の山田の承諾を確認しているのだろうか?

飲み会での会合時では…

話していなかったのだが…?

「ヤ・ミカエル」が山田にコンタクトが取れたのは、ヤンピーからであろうか?

待てよ、違うな?

俺と同じように、テレパシーでメッセージが送られて来たのか?

そうだよなぁ…

俺、岡田、山田が観た夢…

イヤ…

「ヤ・ミカエル」の頭の中の映像が俺達に…

伝える事が出来るのだから…

すると岡田にも依頼があったのか?

俺は、「ヤ・ミカエル」と直和県同行を承諾したわけではないが…

俺の頭の中に、届いたメッセージである事から…

どのタイミングで、「ヤ・ミカエル」に返事をするか…

タイミングを決めかねていた。

「ヤ・ミカエル」からのメッセージが届いてから1日が過ぎようとしていた。

俺は、岡田に連絡して…

「ヤ・ミカエル」からのメッセージが届いたか聞いて見たが…

岡田には、メッセージが届いていなかった…

俺は、直和県同行に関して理解したつもりであったのか?

山田に連絡したのだが…

休暇を取っていた…

それも長期休暇である事を…

上司から、電話で聞くことが出来た。

山田は、「ヤ・ミカエル」が言うように、直和県に向かうつもりなのか…

するとその時…

「京介…私…「ヤ・ミカエル」です!」

「ヤ・ミカエル」からテレパシーによるメッセージが届いた。

「直和県に向かう事…承諾してくれたんだね?」

俺は、身体が一瞬膠着してしまい…

頭がだけが膠着を忘れ、媚びを売るように…

首の神経が薄れう…

なずいてしまった。

「京介、ありがとう…」

俺は、俺の意志では無く直和県同行を承諾してしまったのであった…

そして、「ヤ・ミカエル」が俺が知りたかった、山田の同行を話してはじめた。

「京介、知らなかったようだね?」

「君の元部下…」

「山田くんは、私「ヤ・ミカエル」の…」

「あの世の進めを推進してくれる…」

「会員なんだよ!」

「それと、山田くんが恋した…」

「今回の「スピリチュアル剤」「SP i」服用義務化が直和県で施行され…」

「移住した、ヤンピーを崇拝する、なんちゃんの消息を確認したいそうだよ」

俺は、やはりと思い…

この時、自分の意志で直和県に行く覚悟を…

決めたのであった!




【完全閉鎖】


俺は、長期休暇を取り「ヤ・ミカエル」の依頼で…

再度、直和県に向かう事になった。

直和県に向かう案内は、彼「ヤ・ミカエル」からテレパシーでのメッセージで…

内容は、明日、空港に9時待ち合わせと…

素っ気ない通達であった。

その為、俺は最低1週間の身支度をキャリーバッグに詰め混んでいた…

すると、携帯に着信が入った…

画面を見ると…

「山田着信…」と表示されていた!

俺は、言いたい事を押さえて…

瞬時に頭の中を整理し…

言葉を選び…

怒らない、怒らないと言い聞かせ…

心を落ち着かせ…

準備をしていた。

すると…

開口一番、山田から…

「京介さん、すいませんでした」

この言葉で、俺も怒りが治り…

冷静になり…

「心配したぞ…」

「…「ヤ・ミカエル」から聞いたんだが、直和県に行くんだなぁ?」

「京介さん…」

「信じて下さい!」

「決して自分は、京介さんや岡田さんを騙したわけではありません!」

「自分は、「ヤ・ミカエル」のあの世の進めを推奨していますが…」

「わかった…」

「でも、少し哀しかったぜ…」

「全てを話して…」

「くれていたんだと…」

「思っていたんだぜ…」

山田は、黙り込んで…

鼻をすする音だけが携帯から流れていた。

「山田…」

「俺も…」

「付き合うぜ…」

「え…京介さんどうして?」

「何故か、「ヤ・ミカエル」から直和県行きを誘われてね…」

「山田、お前の紹介か…?」

「京介さん…」

「自分は、あの世の進めを推進していますが…」

「…「ヤ・ミカエル」さんと話した事がないんです」

「あの世の進めの会で…」

「…「ヤ・ミカエル」さんの存在は…」

「神…」

「なのです!」

「山田でも…」

「…「ヤ・ミカエル」は俺を直和県同行に誘ってから…」

「お前が、直和県に向かうことを俺に話したんだぜ!」

「お前が直和県に行く動機も知っていたぞ…」

山田の声は少し上ずり…

「そうですか…」

「自分が直和県に向かうのは、「ヤ・ミカエル」さんが話した通り…」

「消息が無い、直和県に永住する事になった…」

「なんちゃんの存在を確認したいんです…」

さっきとは打って変わり…

山田のはっきりした声が、携帯から聞こえた!

「京介さんは、どうして…」

「俺か?」

「そうだなぁ…」

「真実を知りたいだけかな?」

「不可欠な事だらけで….」

「この目で、真実を観たいんだ!」

俺は、山田に穏やかな口調で言って聞かすように語り…

理解しあい…

「山田、それでは明日、空港でよろしくな!」

俺は、携帯通話の赤ボタンを押した…

そして…



翌日になり…

俺はリムジンバスで空港に到着した。

時間は、1時間早い…

8時だった…

直和空港行きの飛行機は、何時発なのか…

「ヤ・ミカエル」から聞くことが出来なかった。

俺は、空港から直和空港に到着する便を確認しよう思い…

時刻便パネルを見ていた…

そんな時、背後から山田が現れ…

「京介さん、おはようございます」

「おう、おはよう!」

そして、見覚えがある姿が俺と山田に近づいて来た…

「京介さん…」

「ずいぶん冷たいですね?」

「私に連絡くれないで…」

それは、岡田だった。

「私は、この件について…」

「納得がいかない事ばかりで…」

「京介さんが長い休暇を取った事を…」

「職場の人から聞いたんで…」

「絶対、直和県に行くんだと思ったのです…?」

「これで、チーム再結成ですね!」

「京介さん、山田…!」

「そうだな!」

「そうですね!」

「でも、なんか変なんだ…」

「どうしたんですか?」

「京介さん…」

「2か月までは、直和空港行き飛行機の時刻表パネルが…」

「この辺にあったはずだが…」

俺が、そんな事を岡田、山田に伝えていると…

「ヤ・ミカエル」を筆頭に、黒服を来た政府関係者らしい5〜6人男、女が俺達の前に止まり…

「ヤ・ミカエル」が俺達に話しかけて来た…

「京介、ありがとう…」

「かっての部下も集めてくれて…」

「それでは、搭乗しようか…」

俺は、戸惑っていた、どの飛行機で直和県に向かうか?

すると隠されていた、ゲートが現れた…

隠されたゲートは、大きなスポーツイベント広告パネルの裏に存在していた!

既に直和県は閉鎖されているため…

民間機は、飛んでい無かったのだ。

国の政府専用機で向かう事がわかり…

「京介さん、直和県はかなりヤバイ状態になっていますね?」

岡田は、冷静に答えているが…

不安も感じ取れて…

「岡田、今ならまだ間に合うぞ…」

「辞めるのも…」

「勇気ある事だぞ!」

俺も少しビビっていて…

こんな言葉をかけていた。

そして、俺達は国が用意した専用機に乗り込んだ…



【スケジュール】


政府専用機に乗り込み「ヤ・ミカエル」から支持された、席に着いた…

やはり、政府専用機である事から、席は二人ぐらい座れ、ゆとりがあった。

これからのスケジュールなど…

「ヤ・ミカエル」から何も話されていない…

岡田、山田にいろいろ話したいこたがあったが…

俺は、途方も無いく疲れきっていた…

疲れと、座席の心地よさから眠りについてしまい…

夢を観ているのだろうか?

その夢の中で…?

走り…歩き続けること…

逃げる事を…

誰かに指示されていた…

なんの為に逃げるのか理解出来ないでいたが…

それは、以前、夢?に現れた得体の知れ無い…

化け物から逃れる為であろうか?

すると、突然、化け物から逃げる場面がクローズされ…

逆再生されたように…

場面が一コマ、一コマ過去に戻って行く…

夢なのか?

脳は、眠っているのに?

また、あの時と同じようなに、刺すような…

眼差しが…

俺の頭の中を覗いている…

それはやはり…

「ヤ・ミカエル」なのだろうか?

その時…

俺は、ふと気が付いた…

これは、俺の頭の中を覗かれているのでは無く…

あの時と同じように…

テレパシーで俺の頭中に、映像を映し出しているのだ…

そして、逆再生されている頭の中の映像は…

直和県だと思われる、島が映され…

俺が後ずさりしながら、早回しで再生されていた。

その行動を確認すると、後ずさりする俺が腕時計を観ている…

時間は、12時…

空港のような建物にいるのだが…

窓がみやたらない?

一箇所鉄格子の扉がクローズアップされ…

時間は11時30分…

俺はやっと気付いた!

それは、「ヤ・ミカエル」から直和県での行動スケジュール?であった…

テレパシーを使いスケジュールを映像で俺達?の頭の中に…

映し出されている事を確信した。

逆再生ではあるが、直和空港に着き、空港で打ち合わせがあるのはわかったが…

その後が謎で…?

日程が読めずにいた…

俺は深い覚醒から解放されたように…

目覚めた…

その時、俺達を乗せた…

飛行機が直和県に離陸したのであった…

俺はなぜか心臓の鼓動が早くなることに気付き…

気持ちは高揚していたが…

かなり怯えていた。



【異変】


政府専用機は、無事直和空港に離陸し、頭の中の映像通りロビーに向かっていた…

面白い事に、さっき頭の中に描かれていた映像が目の前にあった…

変わっていたのは、頭の中の映像は、逆再生である事から、動きが忙しなかった。

怯えを拭うことが出来ない…

すると…

岡田が声をかけて来て…

「京介さん、顔色が良くないですね?」

「そうか?」

俺は、怯えを隠すように強がった口調で答えた。

「京介さん…」

「専用機内でうたた寝していると…」

「この前と同じよう…」

「頭の中に映像が描かれ、直和県でのスケジュールのような…」

「内容が映り…」

「理解が出来ました…」

「岡田…」

「俺も同じだよ…」

俺が岡田の話しに同意すると…

岡田は、安堵な表情に変わり…

俺に笑顔を見せた。


山田は、なんちゃんの事が…?

気にかかり…

不安を隠しきれず…

俺に話しかけて来た!

「京介さん、頭の中の映像は「ヤ・ミカエル」さんからなんです….」

「山田、お前はある程度の事…」

「…「ヤ・ミカエル」から聞いているんだろう?」

「え、京介さん…」

「知りませんよ…」

「ただ…なんちゃんから音信が途絶えたことについて…」

「かなり、危険な状態だと…」

「…「ヤ・ミカエル」さんが教えてくれたんです…」

「これもテレパシーで…」

「そうなのか…」

「それは…心配だなぁ」

俺達は直和空港に着きロビーに向かう通路で会話していた。

しかし、不思議なのは「ヤ・ミカエル」が…

俺達の頭の中にテレパシーで送る映像が決して…

過去の出来事でない事…

それは、今俺達が会話していた映像は記憶に無かったからである。


だだっ広い空港に、俺達の足音が響き渡る…

異様光景である。

2ヶ月前に訪れた時の直和空港とは…

まったく変わっていた。

窓は、閉ざされ、外光を封じているのか…

なぜ…?

俺達は、足音を響かせながら…

ロビーにある政府専用VIPルーム入った…

そして、俺達…

俺、岡田、山田は2ヶ月ぶり…

「ヤ・ミカエル」から発する肉声を会話を耳にした…

「本日は、ありがとう…」

「政府厚生省の方…」

「…「ヤンケル」の方」

俺は、黙っていたが?

心の中で"え"…と言う…

思いがした…

なぜ俺達なのか?

なぜ「ヨリヒロ」では無いのか?

「ヤ・ミカエル」の話しは続き…

「テレパシーでスケジュールをお送りして、概略はご存知であると思いますが…」

「皆さんへのお願いは…」


そのお願いは、意外な事だったが…

この島…

直和県に考えられ無い事態が起きていた事を…

「ヤ・ミカエル」が伝えた!



【条件付き承認】


俺は、「ヤ・ミカエル」に話しかけた…

「ワクチンの投与ありがとう…」

「…「SPiC型」の対応ワクチンとは…」

「よくこの短期間で…」

俺は素直に「ヤ・ミカエル」に聞いてみた…

「京介、これは「ヨリヒロ」に対応させたんだよ…」

「いや、彼らも罪の意識があるらしい…」

俺は「ヤ・ミカエル」のその言葉に怒りを感じた。

そもそも、「ヤ・ミカエル」と国、政府の策略で「スピリチュアル剤 SPi」を「ヨリヒロ」に作らせて…

問題を起こしたので罪の意識などと言ってのけた「ヤ・ミカエル」の腹の中が俺はどうにも…

気に食わなかった。

「京介で…」

「このワクチンの効果を実証出来た…」

「おい、俺は実験材料かよ…」

俺は少しあきれて「ヤ・ミカエル」に言葉を返した。

「すまない京介…」

「まあ、結果として良かったんだから…」

「それより、京介、俺に協力してくれるよな?」

ここで「ヤ・ミカエル」が本題を話してきた…

俺はまず、探りを入れる事にした…

「…「ヤ・ミカエル」俺は、囚われている仲間の意志が確認出来ない…」

「まず、説得の前に奴ら意見を聞いてみたい…」

「素直に言えば…」

「俺は悩んでいる、お前が考える世界は…」

「人間が人間で無くなる…」

「おい待てよ、京介…」

「お前もわかるだろ…」

「この世の中、普通じゃない奴らが多すぎて…」

「今、人間として生きている奴がどのぐらい存在するんだ…」

「京介…教えて欲しい…」

俺は、心に迷いがあるが…

「ヤ・ミカエル」の世界は、人を配下として…

従わさせる…

俺が最も嫌う…

共産国家的イメージあったからで…

隣国である「北朝千」と同じになる事を…
怪訝していたからだ!

俺は、まず仲間である、岡田、山田、冴島、そして大吾の意見を…

聞きたかったのだ…

「…「ヤ・ミカエル」俺達だけで、話しがしたい…」

「前のように逃亡はしないから…」

俺は、声を抑えて「ヤ・ミカエル」伝えてた。

すると…

「京介…信用したいのだが…」

「ヤ・ミカエル」はベッドに固定されている俺の顔を見下ろし…

「京介…わかった…」

「京介達だけで話をする…」

「一つ条件として、「SPiC型」感染者を治す手段があるような事を聞いたが…」

俺は、顔色を変えないよう…

俺の目を見ている「ヤ・ミカエル」の目を覗き込むように直視した…

そして…

俺が結論を話した。

「俺はベッドに固定されて居れば、逃げられない」

「この状態で、仲間と話しをしたい…」

「そして、話しが終わってから、「SPiC型」感染者を治す手段を教える…」

「約束する…」

「それと、俺達がお前に協力するかどうかの話しもする…」

「これでいいのか?」

すると「ヤ・ミカエル」は、大きく頷いた。

そして数分後…

岡田、山田、冴島、大吾が部屋に入って来た…

俺は思わず涙を流し…

頷いて…

良かったを連呼した。