スピリチュアル剤SPi【5】




【パワー】


「スピリチュアル剤」「SPi」服用義務化について、ヤンピーに意見をしていた漁師で新しい世代若者は…

「ヤ・ミカエル」に凝視された事で…

意見を抑制されたのか?

言葉を失ったのか?

凝視により、威圧されたのか?

さっきまでの勢いは鳴りを潜めていた。

俺は、「ヤ・ミカエル」を凝視していたが…

彼は、ヤンピーに意見していた漁師である、新しい世代若者を凝視していた事で…

彼から発する身体からのオーラは感じていたが…

特に威圧も怖れも…

俺は感じ取れないでいた。

しかし、不思議な事にほんの僅かであったが時間が…

止まった錯覚に襲われた。

それは、「ヤ・ミカエル」が漁師である新しい世代若者を凝視している事に…

気付いた時、会場全体がオブラートの様に包まれ、静寂が訪れ…

漁師である新しい世代若者が
「理解出来ました…」と答える数秒前…

そう、俺が「ヤ・ミカエル」の存在に気づく少し前…

俺の頭の中に、あるイメージが現れた…

それは、俺、岡田、山田が観た同じ夢の…

あの悪夢であった?

そして、ヤンピーと漁師で新しい世代若者の水掛け論が始まる前に戻り…

「ヤ・ミカエル」が現れ…

ヤンピーと漁師で新しい世代若者の論議になる前に戻ったのか…?

それは、会場全体がオブラートに包まれる感覚があったからだ!

しかし、何故俺だけが…

横にいる岡田も山田も論議があった様な感じが無く…

ヤンピーを崇拝している山田において…

「ヤンピーちゃんは、凄いね!」

「皆んなの幸せしか、考えていないんだね!」

そんな事を俺に話していたからだ!

俺だけが「ヤ・ミカエル」の存在を感じ…

彼を凝視した事から…

彼が時間を止めた事がわかったのか?

俺は、その事を理解し始めてた事から…

身体に悪寒の様な寒気が…

全身に走り…

そして…

岡田、山田と観た同じ悪夢の思い出せなかった夢が…

頭の中に朧げに現れては消え…

頭の中で点滅していたが…

言葉に表すことが出来ない…

俺は必死に思い出そうとしているのだが…

焦りばかりが…

先に進み…

どうしても言葉に言い表わせる事が出来ない…

この夢の思い出せない部分がわかれば…

「スピリチュアル剤」「SPi」服用義務化…

国が考える影の部分がわかるような気がしたからだ!

しかし、俺はまだこの時…

この思い出せない夢と「ヤンピ・ミカエル」との関わりがある事に…

気付いていなかったのであった。



【正体】


「岡田…お前は、この島の新しい世代若者がヤンピーと…」

「…「スピリチュアル剤」「SPi」服用について、口論になった事…」

「知ってるよなぁ?」

俺は、諦めていたが、心の奥底で誰かに理解を求めていた…

「え、京介さん…どうしたんですか?」

「ヤンピーさんと誰が口論したんですか?」

微かな望みであった…が

脆くも崩れ…

俺は言い様のない…

孤立感に苛まれていた!

山田はともあれ、岡田までもが…

「ヤ・ミカエル」の世界に入り込んでしまったのか…?

俺だけが「ヤ・ミカエル」が時間を止め…

会場全体を掌握する光景は…

観えていて…

感じていたのだ!

何故、俺だけが?

しかし、ヤンピーも…

とりまきであるマロCも…

確かに…

あの時、会場の雰囲気がマズイと感じていたはずだが…

今は、意見をしていた漁師である新しい世代若者は、あの時と違い…

ヤンピーのメッセージを食い入る様に聴いていた…

起きえない事が現実となっている…

俺だけがまともではないのか?

そんな錯覚に襲われていた…

とき…

誰かが…

俺を凝視している事に気が付き…

俺は、ギョとした…

誰かは…

いつの間にか、ステージの端に移動していた…

「ヤ・ミカエル」であった!

「ヤ・ミカエル」は俺を凝視し…

不吉な微笑みを浮かべ、眼をそらした。

俺は、既に萎縮していた…

踏み込んではいけない世界に入り込んでしまった…

恐怖に動揺しているのか…?

心臓の高鳴りを感じていた。

「ヤ・ミカエル」は「あの世のススメ」を推奨する…

心理集団の代表である事は、知っていた…

俺は、彼「ヤ・ミカエル」の存在を否定していた…

それは、俺の五感からどうしても彼を人間として…

受け入れられ無いからだ。

「ヤ・ミカエル」はこの世に、不可能なものが無く…

すべて、手に入れ…

彼は「見えない世界」までも…

掌握しているのか…

一般的に理解し難い、霊の世界…

その世界でも彼は、権限を持ち掌握している事で、知られるようになり…

政界からも…

厳しい決断事項の忠告などがもとめられ…

彼「ヤ・ミカエル」に従っていた事も政界関係者から聞いていたからだった。

そんな彼「ヤ・ミカエル」を俺は「全て否定(人間ではない)」している事から、ヤンピーと漁師の口論が聞くことが出来たのか?

俺が彼を人間として認めたくない理由のひとつは…

不思議な事に…

彼「ヤ・ミカエル」の生い立ちを…

ほとんどの人が知らないからだ…

そして、今回のメインイベント…

特別イベント講演である…
「ヤ・ミカエル」〜新しい世代若者へ…

そして…

ヤンピー「ヤ・ミカエル」スペシャル座談会が行われる…

事となり…

「ヤ・ミカエル」がステージ中央に現れた…

俺は、そんな彼を直視出来ないでいた…

その時…

あの思い出せない悪夢が…

頭の中…

映像が鮮明に現れた…

それは、やはり…



【生い立ち】


俺は、彼「ヤ・ミカエル」に掌握されているのか?

彼は、俺に向かってまた、不吉に微笑んだ!

彼には、俺の心の中が読めるのか…?

彼は、俺が彼を人間と思っていない事を…

わかっているかの様に、俺の顔を…

たびたび直視する…

俺は彼に何も言っていないのに…

心の…

俺の発言、行動に釘を刺すかのように…

そして、最後は不吉な微笑みを俺に投げかけるのであった。

特別イベント講演である…
「ヤ・ミカエル」〜新しい世代若者へ…の

トークショウが始まろうとしていた。

すると…

俺が怪訝していた…

彼が自ら生い立ち的な事を…

語り始めた…



「今日は、大変おめでたい記念日です!」

「この素晴らしい日に…」

「ヤンピーちゃんから招待され…」

「より良い新しい世代若者の未来を…」

「共にご協力して欲しいと…」

「そして…」

「国、厚生省、直和県の皆様と関わりが持てるようになり…」

「感謝しています」

「はじめに…」

「参加された…」

「新しい世代若者の皆様のこれからの人生の選択…」

「より、素晴らしい人生になっていくように…」

「少しでもお役に立てたらと思います…」

「前置きが長くなりましたが…」

「私の…」

「父親は、多くの事業を展開する…」

「今で言うと実業家でした…」

「私は物心がついた頃から…」

「未来を決められていました…」

「それは、父親と同じ実業家として進む生き方を…」

「しかし…」

「どうにも…」

「私は、その生き方をしたいと思っていなかったのです」

「そんな時…」

「私は、他の人とは…」

「違う事に気が付きました…」

「それは、私が8歳…」

「小学生の時だったでしょうか?」

「突然、目の前の光景が変わったのです…」

「それは…」

「皆さんが観たくない世界」

「あの世…」

「なんです…」

「小学生でもある私は…」

「はじめ理解に苦しみました…」

「それは、突然、血みどろの男の人が横断歩道を歩いているのです…」

「しかし、何故か私は怖れを感じなかったのです」

「そのような人が観えるようになった時から…」

「横断歩道であった血みどろの男の人は…」

「この場所で、亡くなったんだと…」

「わかるようになりました…」

「そんな…」

「あの世の人…」

「あの世…の世界が観え、理解出来るようになって行ったのです」

「そして、私は今で言う…」

「アスペルガーなのでしょうか?」

「好きな事しか出来ないのです…」

「そんな事が分かると…」

「父親が決めた道を進む事が出来なくなりました」

「ヤ・ミカエル」は自分を理解してもらう為に、分かりやすく参加者に語りかけていた…

俺もその話しを聞いている内に…

今迄、彼「ヤ・ミカエル」について思っていた事が…

薄れはじめて来ていた…

のだが…

毎回観る、思い出せなかった…

悪夢映像に…彼が…

まだまだ、「ヤ・ミカエル」の話しは続いていた…



【素姓】


「そして、私はやりたい事しかしない…」

「はじめは、父親からの進めで経済、経営学を学ばされた…」

「私もこの事に対しては、嫌いでは無かった…」

「集中して、学ぶと四年で修得する学問を何とか一年で…」

「修得できたんですよ…」

「そして…」

「音楽の道、海外バンド「ウォーキング・パーク」のギタリストとして参加しワールドツアーに同行するなど…」

「自分が好きな事、思い付いてやりたい事…」

「全て、叶えられたのです…」

「それも、全てが…」

「普通の人には観えない…」

「あの世の…世界が…観え」

「怖れるものが無いからです…」

「そこで、私は気付いたのです…」

「私が一番やりたかった事…」

「それは…」

「単純な事で…」

「皆んなが幸せになる事…」

「好きな事をして生きていく事…なんです!」

「幸せに好きな事をして生きて行くためには…」

「邪魔な事は…」

「怖れを心から消す事なのです…」

「そこで、私が進めて来たのが…」

「あの世の進めなのです!」

「ある人は、生きていながら…」

「死んだ様に暮らしている人…」

「自分を好きに慣れずに…」

「自虐に陥り…」

「犯罪を犯す…」

「たまらないのは、自虐に陥ってた新しい世代若者による…」

「犯罪…特に殺人…」

「むしゃくしゃしてたから…」

「誰でもよかったなど…」

「これから素晴らしい人生があるはずの…」

「夢を勝手な自虐から、断ち切らてしまった人の思い…」

「ヤ・ミカエル」の口調が今迄と違い強くなっている事に気付いた。

「私もそれを経験した一人である事から…」

俺は、ハッとした「ヤ・ミカエル」の話すトーンが変わっている事を…

そして、深い哀しみの表情になっていた事を…

「そこで、この世にいても…」

「あの世を理解して、怖れをなくす事が大切な事だと…」

「私は、皆んな…」

「特に新しい世代若者に理解してもらい….」

「そこで、私は国へ提案したのです…」

「まず、新しい世代若者の心の病を取り除く事を…」

「そして…産まれたのが…」

「この…「スピリチュアル剤」「SP i」なのです!」

「私は感謝したい…」

「私の考えを理解してくれた…」

「国、厚生省、直和県そしてヤンピーちゃんありがとうございました」

「ここからスタートです!」

「より良い人生を…」

「私が応援させてもらいます」


「ヤ・ミカエル」の特別講演が終わり、ヤンピーとの座談会が始まっていた。

俺は、「ヤ・ミカエル」を彼の言葉から聞けた事で…

今迄で感じていた、彼への怖れから来る萎縮が…

無くなっている事に気付き…

悪夢の内容が理解出来るようになっていた…

この島に来て、俺、岡田、山田が…

同じ様な夢を観て…

思い出せないところは…

徘徊する化け物を操っていたやつは…

「ヤ・ミカエル」であり…

「ヤ・ミカエル」の側に…

少女か横たわっていた…



【服用義務化スタート】


ヤンピーと「ヤ・ミカエル」の座談会が始まり…

ヤンピーが「ヤ・ミカエル」に質問を投げかけ…

「ヤ・ミカエル」が答える形式となっていた。


「…「ヤ・ミカエル」さん、ヤンピーは、あの世の事…」

「…「ヤ・ミカエル」さんの「あの世の進め」を知ってから…」

「この世のちっぽけな悩みごとが…」

「嘘のように…」

「心から消えていったの…」

「ヤンピーは、いろいろな悩みごとが心を支配していた時…」

「いつも…」

「宇宙からのメッセージがあり…」

「それに従う事で、ここまできたの…」

「宇宙からのメッセージは、エイシャーから学んだものなの…」

「でもね…」

「待ってることだけでは…」

「心にわだかまりがある事に気づいたの…」

「そこで、ヤンピーは新たなパワーを模索していたの…」

「そんな時…」

「ヤ・ミカエル」さんの「あの世の進め」を知ったの…」

「そうなんだ、ヤンピーちゃん!」

「ヤ・ミカエル」は嬉しそうにヤンピーに答えた。

そしてヤンピーは…

イベント参加者に向かって、叫んだ!

「…「ヤ・ミカエル」さんの「あの世の進めを…」

「ここに居る皆んなに推奨しちゃうからね!」

ヤンピーは、やけにハイテンションになっていた!

「…「ヤ・ミカエル」さん少し前に聞いた事で…」

「…「あの世の進め」って…」

「あの世に行くわけじゃあないんですか?」

ヤンピーは、イベント参加者…

特に…

スピリチュアルに関心がない新しい世代若者へ…

「ヤ・ミカエル」に投げかけると同時に…

客席に大きな声で語りかけていた!

これは、ヤンピーが新しい世代若者へ…

ヤンピーそして「ヤ・ミカエル」の思想を理解してもらうために…

「あの世の進め」について質問し始めた…

「そうだね、ヤンピーちゃん…」

「私が推奨しているのは、さっき話した様に…」

「通常…普通の人は観えない…」

「あの世の人が…」

「観える様になる事で…」

「一般的な世界を超越する事が出来…」

「一般的、普通の人は信じたくない、受け入れたくない事…」

「それを冷静に受け入れ、観る事で…」

「その存在を知ることで…」

「あの世の人が観える様になり…」

「必然的に心から怖れが消えるのです」

「そう…「あの世の進め」は…」

「チャネリングなのです!」

「でも…「ヤ・ミカエル」さん貴方は、その様な特殊な能力をお持ちだから…」

「違うんですよ…ヤンピーちゃん!」

「私は、生まれて直ぐチャネラーであったのですが…」

「チャネラーである事に気づいたのは、小学生の時でした」

「ヤンピーちゃんこれはね…」

「チャネリングを理解して、なりたい…」

「修得したい…」

「気持ちがあれば…」

「誰でもチャネラーに慣れるのです…」

「でも、私が推奨する「あの世の進め」はチャネリングとは少し…」

「違うんです…」

「さっきも言いましたが、あの世の人を観る事により、心の怖れが消し去る事…」

「あとは…」

「この世が最高であり…」

「あの世はそうで無いのか?」

「あの世に逝って観なくては…」

「わからない…?」

「それを見えない世界…」

「あの世の人から聴きたいのです…」

「そんな人が集まるのが…」

「心理集団…「あの世の進め」の会なのですよ!」

「ヤ・ミカエル」はそれとなく、自分が活動している事をアピールしていた?

「新しい世代若者が心の怖れを取り除き…」

「癒され、活気ある人生を送るために…」

「…「あの世の進め」を受け入れる…」

「事なのです…」

「それを早く吸収するために…」

「私が提案した「スピリチュアル剤」「SP i」を服用する事なんです!」

俺は、「ヤ・ミカエル」が話している事が…

国が認めている事なのか?

それが真実なら…

今後、おかしな世界に進む予感がした…

そしてヤンピーが最後に…

「皆んな!」

「…「ヤ・ミカエル」さんの事わかったかな?」

「それでは座談会はお終いにするよ!」

「それじゃあ、今から新しい世代若者が…」

「これからの素晴らしい人生を送るために…」

「お薬の服用義務…の」

「カウントダウンを始めるよ!」

スタッフから紙コップに注がれた水が新しい世代若者に配られ…

「10…」

「9…」

「8…」

「7…」

「6…」

「5…」

「4…」

「3…」

「2…」

「1…」

「0…」

「お薬服用スタート!」

ヤンピーが服用を促し一斉に…

新しい世代若者が服用していた!

そして…

ジジババダンサーズのファイナルダンスが始まり…

参加者は、今迄と変わらずステージを眺めては、半狂乱となり…

イベントのファイナルを惜しんでいた…

「スピリチュアル剤」「SP i」服用義務化がスタートされた!

その後…

俺は、あの悪夢について、思い出せななかった部分の確認を岡田、山田に行うと…

やはり…

夢の場面を異なっていたが、化け物を操っていたのは「ヤ・ミカエル」であり…

同じ様に、「ヤ・ミカエル」の側に少女が横たわっていた事が…
一致した!

イベントが終わり…

俺達は、直和県を後にした…

そして…

社に帰り市場マーケティングに関して、報告書をまとめていた…


「スピリチュアル剤」「SP i」服用義務化がスタートしてから…

1か月が過ぎようとしていた…



【悪夢の真実】


俺達は「スピリチュアル剤」「SPi」に関して報告書をまとめ上げた…

結論として、この薬において…

直和県の市場マーケティングは、見送りが妥当であると…

開発研究常務に報告し理解を得たのだが…

今後、不吉な事が起きるのでは、無いかと…?

事実と予感も同時報告書にまとめいた。

そして、俺達のチームは解散した。

しかし…

岡田、山田共に納得いかない、もどかしさが感じ取れ…

誰からとなく、集まる事が決まり…

今、会社から少し離れた個室居酒屋で不可思議だった、あの薬「スピリチュアル剤」「SPi」…

直和県での出来事の確認を行っていた…

そこで、報告書に書けなかった…

3人が共通して直和県で観ていた悪夢の確認を行っていた…

「京介さん、直和県の調査から1ヶ月が過ぎ…」

「ヤンピーさんのイベント終了後…」

「ハットしたのです!」

「それは、直和県に来て、毎晩観続けていた…」

「あの夢…悪夢の…」

「思い出せない場面がはっきり描かれる様になり…」

「そこに、佇んでいたのは…」

「…「ヤ・ミカエル」さんだったんですよ!」

山田が、ヤンピーイベント終了後わずかな時間の中…

同じ観た夢の登場人物を俺、岡田報告した事から…

岡田も驚いた様に…

「私も同じ夢を観て、思い出せない場面の登場人物は…」

「ヤ・ミカエル」さんとわかりました…」

「そうだったな…山田、岡田…!」

「1ヶ月が過ぎてしまったが…」

「時間が無かった事から、あの夢の思い出せない場面の登場人物は…」

「…「ヤ・ミカエル」である事がわかっただけで…」

「細かな事まで、聞かなかったよなぁ?」

「そーなんですよ…京介さん」

「どうしても、そこが引っかかって…」

「スッキリしないんです…」

山田は、まくしたてる様に俺に話しかけ来た!

「京介さん…実を言うと私も…」

「ここ1ヶ月、その事で心がモンモンとしていましたよ…」

岡田も山田も思い出せない夢の場面が…

はっきりして、どうして…

3人は同じ夢を観て…

思い出せない場面に「ヤ・ミカエル」が登場して…

そして…

側に少女が横たわっていたのだ…

ろうか?

「俺もかなり引っかかっていたんだ…」

「何故、俺達はこの島に来て同じ夢を観ていたのか?」

「単なる偶然か?」

「そして、夢で思い出せない場面が…」

「それも、ヤンピーのイベントに登場した「ヤ・ミカエル」が…」

「3人が共通した事…」

「これも単なる偶然なのか?」

「実を言うと、俺は直和県から戻った時から…」

「この夢…悪夢の真実を突き止めたくて…」

「考えていたんだ…」

「そして…調べていたら…」

「夢に現れた「ヤ・ミカエル」の今迄、語られていない過去がわかったのだが…」

「そこで、ヤンピーファンである山田の情報…」

「そして、岡田の意見を聞きたくってね…」

俺は、会社には言えなかった…

あの夢….悪夢の真実をどこまで突き止められるか…

そして、この世界がおかしな方向に進まないよう…

心に語りかけていた…

そんな事を思いながら俺は…

思い出せない夢の場面で登場していた…

「ヤ・ミカエル」の側にいた少女の情報を岡田、山田に伝えようとしていた…


【大切なもの】


「…「ヤ・ミカエル」は特殊な能力を持っていた…」

「それは、何回も言うが彼は…」

「あの世の人が観える…」

「もっと大きく言うと彼は…」

「時空を超えて物を観ることが出来…」

「はっきりでは無いが…」

「未来が観えるとも言われている…?」

「そんな彼なのだが…」

「彼がこのように…」

「あの世の進めを広めるようになったのは…」

「ある事がきっかけだったんだ…」

「それは…」

「彼には愛する家族があり…」

「愛する娘が居たんだ…」

「京介さん…」

「やはりそうだったんですね…」

岡田が小さな声で、言葉を返した。

そして、山田は頷いていた…

「俺達が観た共通の夢の…」

「…「ヤ・ミカエル」の側に横たわっていた少女は…」

「彼、「ヤ・ミカエル」の娘なんだ!」

「彼にとって考えたくない事が起きたのは….」

「彼此、5年前にさかのぼる…」

「彼は、美しい妻とひとり娘とで幸せな生活を送っていた…」

「これは、俺の推測も少しあるが…」

「彼、「ヤ・ミカエル」は自分を過信していた…」

「彼は、自分に危害を与える人は…」

「この世に居ないと…」

「彼は、チャネラーとして、すべてを掌握していることの過信が…」

「根拠となる事は…」

「彼はすべて自分が考えたこと、やりたいことが出来る…」

「出来たと言う事が…」

「彼の心に大きくな過信を生むようになり…」

「悲劇が起きた…」

「それは、信頼して居たチャネラー仲間の…」

「妬みだったのだ!」

「仲間の妬みは、言うまでも無く…」

「彼、「ヤ・ミカエル」の思う事…」

「彼のやる事が全て上手く行き…」

「莫大な富を得る事が出来…」

「同じチャネラーでありながら…」

「どうしてだと言う思いが…」

「周りの仲間に多かったようだ…」

「でも、京介さん…」

「彼、「ヤ・ミカエル」は心を読む事が出来るんですよね?」

山田は理解が出来無い行為から、話の途中で口を挟んだ!

「そうなんだけど…山田」

「チャネラーは、自分の偽りを消す事が出来る…そうだ…」

「彼、「ヤ・ミカエル」の仲間のチャネラーは彼と接する時だけ…」

「妬みの感情を消す事が出来るそうだ…」

「そして、仲間のチャネラーは彼に対する妬みが増長し…」

「彼の家族の破滅を考えていた…」

「仲間チャネラーの妬みの感情は…」

「もう…」

「度を超えてしまっていた…」

「仲間チャネラーは「ヤ・ミカエル」の一番大切なもの….」

「かけがえのないものを…」

「この世から、消す事しか考えられなくなっていた…」

「そこで、一人娘に手をかけ…」

「殺害した…」

「京介さんでもどうして…」

「そこまで知る事が出来たのですか?」

山田が悲しい表情で…

俺に問いかけた…

「それが不思議なんだ誰かに導かれるように…」

「この事を知って欲しいと…」

「誰かが俺の心に囁くんだよ…?」

「何故…この事に対して報道されなかったのですかね?」

岡田が質問した。

「俺にもよくわからないんだ?」

「…「ヤ・ミカエル」の娘が殺害された事の…」

「マスコミは報道は無かったが…」

「心の誰かの囁きから、新聞から小さな記事を探す事が出来たそれは…」

「直和県から帰って3日後の事だった…」

「そして…」

「…「ヤ・ミカエル」の美しい妻は、一人娘が殺害されたショックから…」

「責任を感じ…」

「…この世から消えたんだよ!」

「自殺したんだ…」

「しかし、俺の心に響いたのは…」

「自殺よりも…」

「この世から消えた印象が強く伝わって来たんだよ…」

「京介さん…同じ事ですよね?」

岡田が質問した…

「自殺すると、どこに行くかわからない…」

「しかし、この世から消えたとは…」

「あの世に行く事のように…」

「俺に誰かが伝えるんだよ…」

「俺はこの事を知った時、背中に悪寒が走り…」

「恐怖心が湧き上がったんだよ?」

「…「ヤ・ミカエル」の娘を殺害した…」

「仲間チャネラーは、若くして「ヤ・ミカエル」と同じ志を持っていたのだが…」

「妬みの増長から「ヤ・ミカエル」の娘を殺害した…」

「仲間チャネラーは27歳…」

この仲間チャネラーは、新しい世代若者だった事を知り…

「スピリチュアル剤」「SP i」服用義務化に関して…

繋がりがあるのでは無いかと…

俺達は感じていた?



【効きめ…作用?】


直和県で「スピリチュアル剤」「SPi」が服用義務化され、2か月が過ぎ…

新しい世代若者は、心に余裕をもち…

活気ある生活を送っていた?

本土では…

それに反し、高齢者の珍事が相変わらず増えていた。

それは、自動車運転による…

多発する事故で…

事故の多くは、ボケている事から…

酒を飲んだ事すら忘れてしまい…

自動車運転をし…

かけがえのない人…

家族を失う…

被害者が増えていた…

事故後、警察からの事情聴取でわかった事は…

罪を犯したボケ高齢者は、自己中心的で、モラルが無く…

変なプライドが高い…気質で…

何にも出来無いのに、出来たふりをする…

何となく、働き…

何となく、定年を迎え…

何となく、年金が入り…

何となく、生きていた!

そんな暮らしをしていた高齢者は

気が大きくなると…

自分が全くわからなくなり…

ボケ高齢者が犯す多い事故の内容は…

赤信号であるにも関わらず…

自己中心的な考えが全脳を満たし…

赤信号を無視して…

あってはならない悲劇が起こるようになり始めた…

それは…

これからの未来を支える子供達であったはずが…

その夢は、ボケ高齢者の行動から、無惨に…

打ち砕かれたのだった!

起きた事故の内容の一例として…

手をあげ横断している…
保育園児の群れにボケ高齢者の車が突っ込んみ…

次々と園児を跳ね飛ばした…

辺りは、騒然とし地獄絵となっているのだが…

しかし…

事故を起こしボケ高齢者は…

地獄絵を前に口をあんぐり開け…

立たずんでいるだけであり…

ボケ高齢者は、事の大きさを理解出来ないでいた。

事故を起こしたあとも…

自己中心的な考えを主張するだけであった。

「俺は一所懸命生きてきた…」

「国のために働き….」

「俺の人生を捧げたのだよ….」

ボケているのか?

言っている事が支離滅裂である…

この様な事故を犯したボケ高齢者の多く…

自己中心的であったが、自分を大切…

自分の事が好きでなかった事が…

調査の結果わかったのであった…

本土で多発する高齢者が起こす事故?事件に…

国は…

直和県で行った新しい世代若者への「スピリチュアル剤」「SPi」服用義務化の成功?に端を発し…

高齢者向けの「スピリチュアル剤」「SPi」の服用義務化…

本土…

全国的に法令を改定する方向に進んでいる事を…

マスコミが報じていた…

そんなマスコミ報道報道を聞き俺達は、いつもの様に居酒屋で会合していた。

「岡田、山田、凄い事になったなぁ?」

「そうですね…京介さん」

岡田が俺に声をかけ、山田が頷いた。

「直和県での「スピリチュアル剤」「SPi」の服用義務化からまだ2か月しか経っていないのに…」

「国は、本当に全国的に服用義務化を法改定するんだろうか?」

「それは、あながち噂ではないようですよ…」

「あまりにも高齢者の事故、事件が多いいようなので…」

「官僚に勤めている友達から…」

「それとなく聞きましたよ!」

岡田が俺の質問に答えた。

「京介さん…」

岡田が深刻な口調で俺に話しかけ出来た…

「国は「スピリチュアル剤」の服用義務化を全国的に進める様ですが…」

「…「ヨリヒロ」に勤めている「スピリチュアル剤」に関わった友達から…」

(「ヨリヒロ」とは、国と共に「スピリチュアル剤」「SPi」を開発した会社である)

「マスコミ報道はまだ無いのですが…」

「公表とは裏腹に直和県が少しヤバイようです…?」

「え、どう言う事なんだ!」

「岡田…!」

俺は、生ビールを片手に持ち…

岡田の前に、身を乗り出していた!



【服用後…2ヵ月】



「ヤバイって…岡田どう言う事なんだ?」

俺は、何が何だかわからず岡田に言葉を投げかけた!

「私も友達が何を言っているのかよくわからなくて…」

岡田の友達は、「スピリチュアル剤」「SPi」に関わった「ヨリヒロ」の研究者であるはずだが…

岡田は、冷静に話をしているが…

「京介さん、お分かりのように「スピリチュアル剤」「SPi」は国と「ヨリヒロ」が共同開発し…」

「直和県にて、ヤンピーのイベントと共に…」

「新しい世代若者に対して…」

「スピリチュアル剤」「SPi」が服用義務化されたのが…」

「2ヵ月前です…」

「1ヵ月が過ぎ、画期的に新しい世代若者の心が改善され…」

「自ら変わって行ったのです!」

「今迄には、考えられない心の癒し…」

「心が改善されました…」

「そして…」

「直和県は活性化されたのです!」

「…「スピリチュアル剤」「SPi」服用義務化前は…」

「必ず、地元民の新しい世代若者の犯罪…」

「特に性犯罪が1日2〜3件起きていました…」

「しかし、服用義務化が、始まり…」

「翌日から犯罪が無くなったのです…」

「これも、たまたまではないかと思っていたのですが…」

「1週間続き…」

「1ヵ月続きました…」


「あと、京介さん…」

「ヤンピーを崇拝する心に痛みをもつ…」

「新しい世代若者にも…」

「目を見張る改善が見られるんです!」

山田が俺と岡田の話に割って入ってきた。

「山田…」

「何故、それがわかるんだ…」

「ひょっとすると…?」

「京介さん、自分はヤンピー家族が好きだから…」

「山田…言いたく無ければ言わなくていいが…?」

「お前、ヤンピーのとりまきに入れない…」

「なんちゃんと付き合っているのか?」

山田の目は泳ぎながら…

焦点が定まらないまま…

「付き合っているとか…でなく」

「自分は、直和県を離れ、都心に戻り…」

「なんちゃんは直和県に残り、直和ホテルのフロントで働いているんですよ…」

「なんちゃんは「スピリチュアル剤」「SPi」を服用するようになり…」

「今迄、なかった心の癒し、生きがいを感じているそうです」


「なんで、山田、お前…」

「そんなに、なんちゃんの事を知っているんだ?」

俺は、少し意地悪く山田に質問をしていた。

「もー京介さん、ただのメル友ですよ…」

山田は、顔を赤らめて話していたのだが…

しかし…

「それが…」

「1ヵ月が過ぎ、2ヵ月を迎えるようになった時に…」

「全く…」

「音信が取れなくなったんです…」

山田の話し方のトーンが下がっていた…

この山田が言うことが…

岡田の「ヨリヒロ」の友達が言っているヤバイ事なのだろうか?

「岡田、話しが前後するが…」

「お前の友達は、何がヤバイと言ってんだ?」

「京介さん…」

「薬…「スピリチュアル剤」「SPi」の試作段階において…」

「どうも…」

「テスト段階の服用期間が短かったことで…」

「異変が起きたと聞いています…」

「しかし、その情報の深い内容がわからないんですよ…」

「私の友達も「ヨリヒロ」で「スピリチュアル剤」「SPi」に関わっていましたが…」

「深い内容は…」

岡田はこの事に対して…

深く関われない何かを感じとっていた。


【真実は果たして】


「岡田、何か引っかかるよな?」

「…「ヨリヒロ」の友達が言っている事…」

「山田が言っている…」

「なんちゃんの音信不通…」

「それで、京介さん…」

「私達が、マーケティング調査のために、直和県と関わっていた事から…」

「…「ヨリヒロ」の友達が言っている事が真実なのか…?」

「直和県庁に電話して見たのですが…」

「出ないんですよ…」

岡田は、不思議そうに俺に話しかけていて…

「ヨリヒロ」の情報を得た事で…

今後、俺達の身に危険が生じる事が…

あるのでは無いかと話していた。

すると、山田が…

「京介さん、自分もなんちゃんの事が気になり…」

「直和ホテルに電話したのですが…」

「話し中で、何回かけても繋がらないんです…」

山田も同じように、アクションを取っていた。

俺は感じた…

それは、直和県でのリサーチ調査が終わり…

チームは、解散したが…

スッキリしない「スピリチュアル剤」「SPi」の服用義務化…

直和県を調査し始めた頃から…

誰かの陰謀めいた策略…を

俺達は、感じ始めていた…

だだ俺は、真実を知りたいだけで…

仕事では無いのに、岡田、山田と共に、この様な会合に…

付き合わさせているが…

危険で関わってはいけない事なのかも知れないが…

俺達は…

この事について、ワクワクしていた。

「岡田、山田、仕事でも無いのに、良く調査しているなぁ…」

「実は俺も…」

「直和警察に連絡したんだ…よ」

「当時の署長は、異動になっていて…」

「連絡がつかないと思っていたんだが…」

「俺の名前を言うと…」

「新しい署長が電話に出て…」

「…「スピリチュアル剤」「SPi」の服用義務化後の
様子を聞いたんだ…」

「すると…」

「驚くなかれ…」

「直和県の新しい署長は、28才で…」

「新しい世代若者なんだよ…」

「京介さん…もちろん」

「…「スピリチュアル剤」「SPi」を服用しているんですよね?」

岡田が俺に質問してきた。

「そうだな…声が若かったから年齢を聞いたら…」

「あの、ヤンピーのイベントに直和県警察官とし、参加していて…」

「あの時から、服用していると、話していた…」

「あまり、心配する事じゃあ無いのかなぁ?」

山田の言葉が少し投げやりになっていた!

「その署長、口調は穏やかだったが…」

「声が無機質的で、感情が感じられなかったんだ…」

俺は、電話での事を頭にイメージして、岡田、山田に伝えた…

会話が途切れ、どのぐらいの時間過ぎたのだろうか?

「もう一度直和県に行く必要があるかもしれませんね?」

沈黙を破り岡田が話し始めた…

「直和県の状況がハッキリしないんですから…」

「京介さんあと…」

「…「ヤ・ミカエル」さんについて、わかった事があります…」

「私達が共通して見た夢…」

「あれは、偶然では無い気がします」

「岡田、どう言う事なんだ?」

俺は、あの夢について調べたのだが…

ハッキリ、どうして俺達3人が同じ夢を見たのか…

俺は、偶然と思っていたが…

そんな話しをしていると…

山田の顔色が変わった様に思えた…

「山田…どうかしたか?」

「え、何がですか?」

山田の返事は少しうわずていた…?