スピリチュアル剤SPi【4】




【インタビュー】


「直和県でイベントを行いますが…」

「なぜこの島で行おうと思ったのですか…」

山田は、オーソドックスな形からイベントについて聴く事にしていた。

するとヤンピー達は…

直和県について話し…

はじめた。

「そうね…」

「この直和県は、凄く海がきれいで、私にとって…」

「楽園なのよ…」

「ね、ブリちゃん…?」

「そうね…ヤンピーちゃん」

「この国の中で、一番ね…」

「海もきれいだけど、建物や自然が私達が好きなのよね…」

「マロCは、この島に来るたび創作意欲が湧いて来るって言ってるわ…」

「ヤンピーちゃんが僕にイベントの構想を伝え…」

「僕がプロデュースする…」

「僕がヤンピーちゃんの頭の中のイメージをより具体的する…」

「この島は、僕が一番ワクワクする場所なんだ」

マロCなるヤンピーのとりまきが熱く語った!

「パリンはね…」

「ヤンピーちゃんに救われたのよ…」

「皆んなからダメ、ダメ言われて育って来たけど…」

「ヤンピーちゃんは、ダメって人が言うだけで、全く意味が無い事と…」

「そして、教えてくれた…」

「自分を愛して、自分を信じればダメは無くなる…」

「ダメは、ただ自分を信じていない事だと…」

「そして、パリンはこんな素晴らしい仲間に出会えたんだ…」

「パリンは、皆んながワクワクするために、自分もワクワクするために…」

「イベントの日程やヤンピーちゃんのイメージ通りのコンセプトを進める事が…」

「パリン…大好きなの!」

とりまきのパリンは、自分とヤンピーの関係など話していた…

とりまきがヤンピーをしたい、ヤンピーは、とりまきを信頼している事が伝わって来たと…

俺は感じた。

そして、とりまきに入れない…

直和県に移住する…

なんちゃんからは…

「私は、ヤンピー家族のとりまきに入れないけど…」

「私の境遇は、平穏ではなかったの…」

「自分を好きになれず…」

「なんで私は、こうなるのって…」

「いつも考えてたの…」

「それは…」

「朝から晩まで働いても、お金にはならず…」

「何のために働いているか?」

「わからなくなり…」

「常に人と比較して…」

「他人の事の事ばかり気にしていたの」

「そんな時、ヤンピーちゃんの事をネットで知り…」

「ヤンピーちゃんの生い立ちを知り…」

「私と同じ境遇だったんだと…」

「知ったの」

「こんな素敵な生き方がある事を知って…」

「私も…ヤンピーちゃんの様になりたいって!」

「感じたの…」

「ヤンピーちゃんの教えから、今は自分を好きになり、愛せるようになったの…」

「そして、私はスピリチュアルを学ぶ…」

「ヤンピーちゃんのイベントで知った…」

「直和県への移住を決めたの…」

「それは、一度しか無い人生…」

「私は…」

「ヤンピーちゃんと一緒に…」

「いや…」

「近くにいたいと感じて…」

「全てを精算して…」

「決めたの…」

「この島、直和県がヤンピーちゃんのワンダーランドになるんだから…」

このなんちゃんは、崇拝を超えヤンピーに洗脳されている感覚を…

俺は感じた…

そして、新たなキーワードが現れた…

直和県のヤンピーワンダーランド計画?だ!

なんちゃんの話しが終わり…

ヤンピーが語り始めた…


「ヤンピーはね、全ての新しい世代若者が希望をもって…」

「自分の夢実現を叶えるため…」

「後押しをしたいの…」

ヤンピーは熱く語りはじめた!

「スピリチュアル剤」「SP i」について…

ヤンピーの認識は深いと感じ…

熱いヤンピーの語りが終わりを迎えようとしていた…

俺がヤンピーに直接インタビューしてみた…

「ヤンピーさん、「スピリチュアル剤」「SPi」の服用義務化について…」

「お聞きしたいのですが…」

ヤンピーの表情が一瞬変わったことを…

俺は察知した…



【ヤンピーの考え】


山田から聞いていたように、ヤンピーは、ある人…

エイシャーの教えを知り…

学、実践し…

多くの人達の心を癒し…

生きる活力を与えて来たことを…


しかし、どうしてこの島、直和県をワンダーランドにする事を決めたのか…?

「スピリチュアル剤」「SPi」で新しい世代若者を抑制しょうとしている島を…

そして、俺はヤンピーに尋ねた

「ヤンピーさん…」

「今後、投薬、サプリメントや健康食品に置いて…」

「弊社…「ヤンケル」はこの島直 和県を市場として、マーケティングするつもりです…」

「そこで…」

「ヤンピーさんの新しい世代若者の支持は絶大なので…」

「先程お聴きした…」

「…「スピリチュアル剤」「SPi」服用義務化を交えたイベント…」

「今後、この島、直和県をワンダーランドにする計画があるようですね?」

するとヤンピーは、イベント関係から話しはじめた。

「このイベントのテーマは「皆んなイキイキワクワクするために」で…」

「特に「若者の活力」なの」

「ヤンピーは、今、イベントでイキイキワクワクしている中高年、高齢者…の」

「パワーを新しい世代若者に注入したいの….」

「それが、国とリンクしたの…」

「私も考えに、考えた末…」

「国とコラボして、新しい世代若者…「若者の活力」を得るため…」

「このイベントを計画したの…」

「ね、マロC…」
マロCは、大きくうなずいた。

「…「スピリチュアル剤」「SPi」を服用する事で、新しい世代若者が活性する事は…」

「確認ですが…」

「認識してますね…?」

「迎田さんでしたね?」

「心に苦しみを持った人は、自立する事が難しいの…」

「それが、若者…」

「新しい世代若者だったら…」

「この国の未来は…」

「どうなっていくの?」

「中高年の多くは、私のイベントに参加してくれて…」

「自分が一番大事で、楽しみを知り…」

「ヤンピーのイベントにジジババダンサーズを作り成功したの…」

「しかも、これはオーディション形式で選抜された、人達なの…」

「この中高年の方は、心の病を持った人で…」

「生きる楽しさ、自分を大切にすることを…」

「ヤンピーのイベントを通じて知ってくれて…」

「自立して…」

「ある人は、億万長者になった方もいるの…」

「でもね…」

「中高年の方は、経験がある事から…」

「ヤンピーのイベント、講演など参加して…」

「心の病を救う事が出来るの…」

「新しい世代若者は、経験が無く…」

「高齢者の負担が頭から離れず…」

「心の病は…ある程度ヤンピーのイベントや講演で救えるけど…」

「ヤンピーの場合は、エイシャーの教えに出会い、それを実行して…」

「その考えを上回る「素晴らしい人」に出会えてたの…」

「この国の未来について「素晴らしい人」から協力と提案があったの…」

「それが、国が推奨する「スピリチュアル剤」「SPi」の服用義務化だったの…」

「しかし、ヤンピーさん、新しい世代若者で全てが心の病ではなく…」

するとヤンピーは…

「新しい世代若者…全て心の病では無くても…」

「この錠剤には副作用が無く安全であると国、厚生省、素晴らしい人から聴いていますが…」

俺はヤンピーの話を聞きながら、ハッとした…

それは、この島、直和県を国がヤンピーに任せる…取り引きしていた事を…

ワンダーランドは、この島をヤンピー国?とするような…

「ヤンピーさん…」

「その素晴らしい人は…」

「…「ヤ・ミカエル」さんですね」

ヤンピーに尋ねた

「そうです…」

「…「ヤ・ミカエル」さんです…」

これで、全てが繋がっている確認が取れた…

これから「ヤンケル」のマーケティング…

そんな事を考えていた時…

俺の頭の中に描かれた光景は…

あの悪夢だった…


【インタビュー】


ヤンピーは、「スピリチュアル剤」「SPi」の成分について、認識していた。

そして…

ヤンピー達がこの島、直和県をワンダーランドにする計画は…

近い将来…

具体的に話してはなかったが…

直和県知事も理解している事をヤンピーの話で確認できた。

あとは…

「ヤ・ミカエル」とヤンピーの関わり、この島、直和県についての
今後…は

イベントで「ヤ・ミカエル」の「特別イベント講演」及びヤンピーと「ヤ・ミカエル」の座談会で明らかにすると…

ヤンピーのプロデュースを担当しているとりまきのマロCが答えていた。

ヤンピー達のインタビューが、終わり…

俺達は、ホテルの部屋でこれからこの島、直和県で「ヤンケル」がヤンピーを通じて…

商品化、出来るかを模索していた…

若者が増える事はたしかに確認出来た!

またヤンピーにより、中高年や高齢者の観光客が増える事も予想され…

新しい世代若者及び中高年をターゲットにした、サプリメントや健康食品など岡田、山田から提案されていた…

それと、岡田が面白い提案をしてきた…

「京介さん…」

「今後、この島で「ヤンケル」の商品として…」

「直和県、ヤンピーとコラボして…」

「お土産的な、何かを開発したいのですが…」

「え、岡田さん…お土産ですか?」

「そうなんだ…」

「それも、この島限定の物で…」

「商品に限らず…」

「まだ、発想だけなんですが…」

「岡田さん…」

「それいいですね!」

「岡田…それ…」

「面白いな…」

「岡田、具体的に商品を決めてから、ヤンピー、直和県に話してみような…」

「そうですね、京介さん持ち帰って企画案を作成します!」

「山田、協力してくれるよなぁ?」

「もちろんです!」

「岡田さん!」

「岡田、山田、イベントを観てからでも…」

「いい企画案が出て来るかもな?」

俺は、頭の中の悪夢を誤魔化す様に…

岡田の提案を進めようとしている自分を感じていた…

「岡田、山田…」

「…「スピリチュアル剤」「SPi」の成分について…」

「ヤンピーは、成分の詳細を理解していない様に、思えたのだが…」

「…やはり…」

「…「スピリチュアル剤」「SPi」の主体成分は…」

「ゴキブリ、化学物質である1−ブロモプロパンなんて…」

「わかっているのは…」

「国の関係者…」

「…「ヨリヒロ」の開発者などと」

「俺達だけなのか…?」

「京介さん…」

「なんか凄く、ヤバイ事が現実的になりそうですね?」

岡田が、深刻な顔で俺に話しかけてきた…

山田からも…

「国が成分の詳細を明らかにしない…」

「訳は…」

「ゴキブリ、化学物質だけでは無く…」

「きっと…」

「安全性に不安があるからです」

「そうだよなぁ…山田」

「この島、直和県を国はダミーとして…」

「ヤンピーを利用し…」

「進めるつもりなのか?」

「山田、岡田…」

「笑わないで聴いてくれ…」

「この島に来てから予知的な…」

「悪夢を毎晩みる様になったんだ」

「不思議に意味が解らない…?」

「え、京介さん…その夢って…」

山田が俺の夢に反応した…

「京介さん…夢の内容は…」

岡田も俺の夢について…興味がある様だ…

岡田、山田共に…

夢の内容を話して始めた…



【共通した予知夢】


「京介さん…自分もおかしな夢を観るんです」

それは予知夢なのか…?

化け物が街を徘徊して、人々を食い尽くす夢の話しを俺が…

した事から…

山田もおかしな夢を語り始めた…

「自分も京介さんと同じような夢を…」

「この島に来た晩から観るようになったのです…」

「この島に来て3日目になりますが…」

「毎晩…似たような夢を観るんです…」

「え、山田…もなのか?」

岡田は、驚いた顔で俺と山田を交互に観ていた。

そして岡田も…

「京介さん…私も同じ夢を観るんですよ」

「岡田さんもですか…」

山田が不思議そうに、相づちを入れた。

そして、山田から…

「自分の夢は、京介さんと同じようなんですが…」

「ゾンビのような、化け物が誕生するまでの夢で…」

「その化け物が大きな部屋に、何人もいるんです…」

「自分がその光景を何処から覗き観ているんです…」

「その光景の前の過程も観て居るんですが…」

「どうしても…」

「思い出せないのです」

山田が余韻を残したまま語りが終わると…

岡田が語り始めた…

「京介さん…山田…」

「私も同じ様に、この島に着いた晩から…」

「奇妙な夢を観るんです」

「それは、化け物は、何かのきっかけで、ゾンビ化し…」

「そのゾンビ化した化け物は、集団化し…」

「その眼差しが、一点に重なり…」

「私にそそがれるのです…」

「私は、その恐怖に苛まれ夜中に何度も目を覚まして居たんです…」

「私も山田と同じように…」

「夢の中の事でどうしても、思い出せない事があるんです…」

「何かのきっかけで…」

「それが、この夢の中で…」

「誰かが、説明していることを…」

「朧げに…」

「脳裏にあるのですが…」

俺達が一緒に観た…化け物化した人びとは…

何を俺達にして欲しいのか…

よくわからない…

「京介さん…待ってください…」

「この夢、一話完結してますよ!」

岡田が、何か気が付いたように話し始めた!

「山田の夢が化け物の…誕生!」

「私の夢は、これから化け物が行動する…警告!」

「そして、京介さんの夢は、化け物が行動を実施する…終演!」

「気になるのが、私と山田の思い出せない…」

「夢の内容なんです…」

「夢であるのですが…」

「それと…」

「京介さん、山田…」

「この夢は3人共用しているから」

「キーワードが「化け物」何ですよ…」

「京介さん…」

「京介さんだけが、夢の内容で、思い出せ事が無いんですよ?」

「そうだなぁ?」

俺は、化け物が徘徊して、人々を食い尽くすと言う…

悍ましい事から…

夢の内容について、思い出せない事など…

考えていなかった…のだ!

「チョと待てよ…」

「どしたんですか…」

「京介さん…」

「あ!」

「引っかかるところが…」

「一点あるなら…」

俺も化け物が徘徊する前の光景をよーく思い出して観た…

「その思い出せない3人の光景が重要なポイントになるのでは…」

岡田が重々しく話して始めた…


【夢が何を…?】


俺は、思い出せない「化け物の夢」に隠された…

その事が…

何か?

それは、人物なのか?

内容なのか?

岡田は、重要なポイントだと言っているが…?

岡田は、この夢についてある仮説を立て…た

「京介さん…」

「この島に於いて、今迄と違う点は…」

「…「スピリチュアル剤」「SP i」の服用義務化なんです!」

「京介さん、山田…」

「我々が観た夢は…」

「潜在意識の中に、植え付けられているんです…」

「我々は、「スピリチュアル剤」「SP i」についての…」

「過程を調査で知り…」

「公表していない…」

「完成までの経緯…」

「あり得ない…」

「成分配合の実態…」

「その内容が解り…」

「この島に着いた…」

「もう、我々は身体の奥底に…」

「…「スピリチュアル剤」「SP i」を服用した結果が…」

「…この島に来る前にインプットされた…」

「情報、記憶が…」

「恐れ、警告と共に夢として、現れたのではないかと…」

「私は、思うのですが…」

「偶然、奇妙ではありますが…?」

「しかし…」

「これが、現実として現れるのは…」

「薄い…と」

「私は考えます!」

岡田は、冷静に仮説を立て…

俺、山田に話していた…

「「スピリチュアル剤」「SP i」を服用する事から…」

「これから異変が起こることを…」

「この夢から…」

「我々に伝えようと、しているのんではないかと?」

「京介さん…」

「我々が観た夢が現実化する事は、薄いのでが…」

「…僅かな可能性もあります」

「だから…」

「3人が思い出せない…」

「光景を知りたいんです!」

岡田がこの夢について、結論を話そうとしていた。

「我々3人は、「スピリチュアル剤」「SP i」を服用する事で、そうなるじゃないかと…」

「イメージだけが出来ていて…」

「夢となって現れた…」

「その夢は、潜在意識から無意識に…」

「現れただけで…あり…」

「重要視する必要が無いんです!」

「さっきも言ったのですが…」

「その夢の隠れ部分に、真実がある気がします」

「それは、化け物の夢は潜在意識の中から現れた…」

「架空の物体…」

「隠された…」

「思い出せない夢には、我々が意図としない事が…」

「あるからです!」

俺達、その場で考え込んで居たが…

思い出せないまま…

1時間が過ぎ…

諦める事にした…

ヤンピーのイベントまであと二日となった。

そこで真実が解る…の

だろうか?


【イベント】


俺達は、「ヤンケル」のマーケティング調査の為に、この島に訪れたのだが…

しかし、事前に調べた調査から…

何か違った部分に…

この国の陰の部分を知ってしまったようだ…

俺達は「ヨリヒロ」が国から請け負った新しい世代若者の活力を蘇らせる事から…

「スピリチュアル剤」「SP i」を研究開発して…

国はこの錠剤を服用義務化しょうと進め…

まず、この島…直和県をヤンピーのイベントと共にトライアル的ターゲットとしていた…

「ヨリヒロ」のライバル会社である弊社「ヤンケル」は、このビッグビジネスに、関与しょうと考えたのだが…

俺は、当初から気付いていたが…

不穏が脱ぐれないまま…

ここまで来ていた…

もう後戻りは出来ない「ヤンケル」の社運…

そして…この国の行末を見届ける事を…

俺達は理解していたのだが…

余りにも…

不可欠な事象が多すぎ…て

俺はともかく、岡田、山田に危険な思いはさせられない…

奴らも危険な事だと理解はしているが…

「岡田、明日ヤンピーのイベントが開催されるが…」

「スケジュールには、イベント中に…」

「服用の開始を宣言するようだが…」

「どのタイミングで…」

「…「スピリチュアル剤」「SP i」服用が始まるのかぁ?」

「京介さん、私もそのタイミングがつかめないんですよ…」

すると、山田が口を挟んで来た。

「京介さん、とりまきに入れない…」

「なんちゃんの話ですが…」

「ヤンピーさんと「ヤ・ミカエル」さんのトーク終わってから…」

「参加者が一斉に服用するそうです!」

「それも…」

「カウントダウンが始まり一斉にに服用するそうです!」

「カウントダウンは、もちろんヤンピーさんが行うようです」

「山田、かなり細かい所まで分かっているなぁ?」

「イヤ〜なんちゃんは、ぽっちゃりして、可愛いんでついつい…」

「話しが弾んで…」

「山田…おまえ…」

「惚れたのか?」

岡田が少し茶化すように、山田に話しかけた。

「そこから、この島、直和県「スピリチュアル剤」「SP i」の服用義務が一斉にスタートするんだな!」

「新しい世代若者の服用率は、90%以上です!」

「該当する、新しい世代若者は、直和県の条例により、必ずヤンピーのイベントに参加して…」

「一斉に「スピリチュアル剤」「SP i」を服用するのです!」

この事に関して…

岡田が県知事に確認を取っていた。

ともかく、ヤンピーのイベントを確認してからだな?

「あ、そうだ!」

「…「ヤ・ミカエル」について、ヤンピーとの関わりはわかり…」

「政界とも繋がっていることが、おぼろげにわかったが…」

「イベント前にもう少し…」

「情報が無いか?」

「そうですね…」

俺は、少し苛立っていた。

岡田に、「ヤ・ミカエル」が国との繋がりについて…

これからビジネスにおいて、交渉していく上で…

確信が欲しかったのだ!

「京介さん…大丈夫ですよ…」

山田が俺を絆すように…

話しを続けた。

「…「ヤ・ミカエル」さんは、本当に次元を超えた人なんですよ…」

「前にも話しましたが…」

「一般的にこの世に存在しないもの…?」

「霊とか言霊とか…」

「全て感じとれ…」

「日常的生活の中で…」

「観えていているんです…」

「ある人は、観えてるだけでは無く…」

「操る事が出来る…と」

「言われています…」

「また、ある人は…」

「操るでは無く…」

「一般的にこの世に存在しないものを支配しているとも言われています」

山田は、ヤンピーを崇拝している事から…

「ヤ・ミカエル」に於いて、敬意を払っていた。

「…「ヤ・ミカエル」さんは、多くを語らないんですよ…」

「こんな事から、特別イベント講演と…」

「ヤンピーさんとのスペシャル座談会で解ると思います…が」

「そうだな…」

俺は、どうしても「ヤ・ミカエル」事を…

心のどこかで…

認めたくなかった…

俺は、彼「ヤ・ミカエル」をよく知らないが…

彼を観た時から…

彼は人間では無いと…

感じていたからだ…

ヤンピーのイベントが明日となり…

この島、直和県において…

「スピリチュアル剤」「SP i」の服用義務化が制定される…


【イベント開演】


午前10時…

ヤンピーのイベント…

【タイトル】
「ヤンピーなんかワクワクして来た!」

〜皆んなイキイキ、ワクワクのために!〜

【サブタイトル】
「スピリチュアル剤」「SP i」は皆んなのためのお薬だよ!

…の開演を迎えた。

不思議な事に、このイベントは、ヤンピーが主催するもので…

主は、ヤンピーを崇拝する…者

ヤンピーのファンから行われているが…

このイベントは、この島で法令化した…

「スピリチュアル剤」「SP i」服用義務化を今度、国が進めていく上で…

この島、直和県…

政府関係者に対し…

アピールする場であると思っていたが…

まるで、そんな様子が感じられないのであった。

俺達は、山田が事前に購入してくれた、チケットでイベント会場入りした!

「山田…」

「なんか、おかしくないか…?」

「この雰囲気…」

「京介さん、岡田さんは初めてなので…」

「この雰囲気がつかめないと思いますが…」

「ヤンピーさんのイベントは、こんな風ですよ…」

山田は、俺の思っている事を理解していなかった?

すると岡田から…

「山田…違うんだ…」

「京介さんが知りたいのは…」

「この島、直和県で「スピリチュアル剤」「SP i」が服用義務化される…」

「ので…」

「マスコミ、報道関係が待機され…」

「テレビ放送されると…」

「想像していたんだ…」

俺は、岡田の話しに頷き…

「そうなんだ…岡田」

「仮に、この島、直和県が服用義務化のトライアルとしても…」

「国は、今後、服用義務化を全国的に展開して行くはず…」

「なので…」

「ヤンピーのイベントと相乗効果を狙ってと…」

「俺は、思っていたんだ!」

すると、山田が涼しげな顔で…

「政府関係者、マスコミ、報道関係をシャットアウトしたのは…」

「ヤンピーさんなんですよ…」

「ヤンピーさんのイベントは、マスコミ、報道関係を嫌うのです」

「聞くところでは、直和県知事、南国市、御国市の各市長…」

「直和警察署…」

「国からは、厚生省の部長補佐官が来る事になっています」

「山田…そこまでわかっているなら…」

「先に京介さんと私に教えて下さいね…」

「ちょと、もったいぶったのです…」

「すいません…」

「まぁいい…」

「しかし、山田…おまえ…」

「ヤンピーのに関して…」

「詳しくなぁ…」

「まあ、ヤンピー家族が好きですから…」

山田は、屈託の無い笑顔を俺にむけ…

話しを続けた…

「自分も京介さんや岡田さんと同じで、国からの法令化される事なのにと感じますが…」

「ヤンピーさんは、マスコミに騙された事があるんです…」

「それは、無い事を有るように報道され…」

「あるヤンピーさんのファンが絶望して…」

「自殺をしたんです…」

「自分も詳しく内容はわからないのですが…?」

「そんな事から、ヤンピーさんのイベントには、マスコミをシャットアウトするんです」

そんな話しを山田から聞いていた…

その時…

大音量が鳴り響き…

天上からピンクの風船が何百個と舞っている…

なんと…

風船の切れ間からゴンドラに乗った…

ヤンピーがド派手にステージに降りて来て!

そして…

ヤンピーがタイトルを宣言をはじめた!

「ヤンピーなんかワクワクして来た!」

「〜皆んなイキイキ、ワクワクのために!〜」

「そして…」

「スピリチュアル剤」「SP i」は皆んなのためのお薬だよ!

「それじゃ!始まるよ!」

ヤンピーの開幕宣言は、少し異様に感じた…

それは、示し合わせたように、参加者がヤンピーと一緒にタイトルコールを叫んでたからだ…

ヤンピーは、サブタイトルも叫んだように…

「スピリチュアル剤」「SP i」の服用義務について…

イベントと共に重要である事が…

この宣言で理解出来…

俺は、例え用がない…

違和感を感じた…

マスコミ報道を嫌うヤンピーに…

裏があるのでは無いかと…

思えたからだ…

そんな事を考えていると…

ジジ・ババ ダンサーズのオープニングダンスが始まり、ボルテージが上がりはじめ…

ヤンピーのイベントが始まった…



【服用義務化宣言!】



異様な雰囲気を醸し出すジジババダンサーズの踊りに…

俺は、目が点になり、笑いを通り越し…

不思議な感情が湧き上がっていた?

それは、綺麗でも素敵でも無い六十を超えた、ジジババ…が

周りを気にせず…

一糸不乱に踊る…

光景があったからだ!

あるジジイは、この日の為に…

禿げた頭…

僅かに残った髪の毛を整髪剤で固めているのだが…

しかし、踊りが激しい事から、汗で整髪剤が溶け出し…

おかしな形で頭の中央部がエッジになり…

冴えないウルトラマンの様であった?

あるババアは、太った身体を左右に揺らしながら一生懸命踊っているが…

身体が硬いせいか…

周りのジジババとのタイミングが取れず…

ぎこちなく…

俺には観えた…

それでも観ている参加者は歓声を上げ…

ある者は、涙を流して…

手を叩いてた。

山田もその光景を…

俺とは違う目線で観ていた。

ヤンピーのとりまきに入れない…

なんちゃんは感情が溢れ出で…

涙を流しながら…

「凄いパワー!凄いパワー!」

を連呼していた。

開幕のオープニング!

ジジババダンサーズの踊りが終わり…

余韻を残したまま…

ヤンピーが口火を切った!



「イベントを始める前に、皆んな…」

「特に新しい世代若者へ…」

「お願いがあるの…」

「それは、サブタイトルにもある様に…」

ヤンピーは、スケジュール通りに話しを始めた…

「今日から、新しい世代若者の苦悩、心の病いを少しでも緩和するお薬…」

「…「スピリチュアル剤」「SP i」の服用義務がこの島、直和県で行われるの…」

「ヤンピーのメッセージ、著書、イベントなどを読んで、観て、感じて…」

「ヤンピーも辛かった時期を乗り越えて…」

「皆んなと一緒に、行動して来てわかったの…」

「新しい世代若者が…」

「もっと良く、もっと素敵な人生を歩んでいくには…」

「このお薬は…」

「必要なの!」

「ヤンピーがこのお話を国、厚生省から提案され…」

「慎重に考えたあげく賛同する事にしたの…」

「それは、国、厚生省からのお薬の成分結果など…」

「この薬「スピリチュアル剤」「SP i」の実績が理解出来たからなの…」

「だから、皆んなヤンピーについて来て!」

「そして、新しい世代若者は…」

「今日からもっと、もっと素晴らしい人生をスタートさせようね!」

「後から皆んなで一緒にお薬を服用スタートさせよ!」

「はい、おしまい…」

「あと、直和県知事からお話しがあるよ!」

「只今、ヤンピーさんのお話しの通り今日から、新しい世代若者の皆さまには…」

「この薬「スピリチュアル剤」「SP i」を服用して頂きます!」

直和県知事の話しは、ヤンピーが言っていた事を繰り返しているだけであった。

俺は、「スピリチュアル剤」「SP i」服用義務化について…

ヤンピーの策略めいたものを感じていた…が…



【イベント開催】



スケジュールでは、正しい「スピリチュアル剤」「SP i」服用方法となっていたが…

細かな服用説明はされなかった…?

そして、オープニング同様…

またしてもジジババダンサーズの踊りが始まり、ステージに上がっているダンサーなる…

素人のジジババに…

客席から悲鳴のような声援が飛びかっていた!

ダンスの曲は「Choo Choo TRAIN」であり、ヒップホップのダンスとなっていて…

ジジイとババ、各4人がダンス合戦で闘う形式であるのか…

交互にダンスを披露するようだ…

オープニングで踊っていた禿げのウルトラマンジジイと太った身体が硬いババも参加していた…

俺は初めは…

この様な異様な光景を受け入れる事が出来なかった…

なかば、馬鹿にしていたのであったのか?

しかし、観客の声援、会場の雰囲気から…

少しづつ気持ちが…

揺さぶられている事に…

気付き始めていた…

隣に居る山田と同じ目線になった様な…?

これが…

「ヤンピーマジック」ということなのか?

山田から聴いていた事は…

ヤンピーのコンセプトは、なりたい自分に慣れる!

夢は、自分を信じれば実現する!

そんな事を後押しする考え方から…

多くの人が崇拝しているんだと…

山田は、言っていた!

その事が俺も理解出来ようになってたのか?

それが納得出来たのは…

ステージに上がっているジジババの眼の輝きが凄かった

からだろうか…?

心の闇、苦しみを抱える人…

自分の容姿、身体に劣等感がある人…

さまざまな悩みを持つ人をヤンピーは受け入れ…

そして…

悩みを持った人の…

居場所を確保し、輝かせることができるのではないかと…?

俺は考え始めていた…

ジジババダンサーズのダンスバトルが終わり…

そして、ヤンピートークショウが始まった…

MCは、ヤンピーのとりまきマロCが行なっていた。

トークショウのテーマは、「新しい世代若者へ」だった!

「ジジババダンサーズのエネルギーは凄かったね!」

「マロC…」

「そーだね、ヤンピーちゃん」


「それでは…」

「ヤンピーちゃんのトークショウを始めます!」

「このトークショウは、ヤンピーちゃんが新しい世代若者へメッセージを送り…」

「ヤンピーちゃんへ質問などを受けるコーナーです!」

和やかな雰囲気で始まったその時…

ある新しい世代若者から…

不穏な意見が寄せられた…



【無言の圧力】


ヤンピーのトークショウが始まろうとしていた時…

突然、参加者の一人、新しい世代若者が…

発言した!

「俺は何故…?」

「このような訳の分からない薬を飲まなきゃあいけないのか…?」

「事前説明では…」

「心の病…?」

「犯罪防止…?」

「しかし…」

「誰もがこの薬…「スピリチュアル剤」「SPi」を飲む必要があるのか?…」

「よくわから無い事を…」

「聞かされている…」

「そもそも、何故こんな事が法令義務化されるのか…」

「俺は知りたい…」

「だから、事前に役所に聞きに行けば…」

「決まり事ですからの…」

「一点張りで…」


この若者は、穏やかに話そうと心がけているのだが…

感情が溢れでて…

だんだんと声が大きくなり…

怒りあらわに…

なっていた。

俺はこの若者の怒りの発言に、何故か…

心が「ホット」していた。

この薬…「スピリチュアル剤」「SPi」服用義務化を怪訝している事を…

この若者は主張したからだ!

そして、この若者の発言が続いた

「俺は、この島に生まれ…」

「親から引き継いだ漁師をして暮らしている…」

「裕福ではないが…」

「俺には、家族がある…」

「かみさんが居て…」

「3歳の一人息子が居て…」

「そんな俺の仕事…漁師…を」

「息子は、憧れていて…」

「3歳になり、片言ではあるが魚釣りしたい…」

「パパの仕事をする…って」

「俺にこんな薬…」

「必要無いんだ!」

俺は、この時心の中で…

拍手をしていた…

真っ当な考えの若者…

新しい世代若者が居たんだと!

するとヤンピーから…

「ご意見ありがとうございますね」

「大丈夫なんだよ!」

「何も怖れる事ないよ!」

俺はヤンピーが根拠なく返事をした事が読み取れた?

そして、この若者が言葉を返した…

「はっきり言わせてもらうが…」

「俺は、あなた…」

「ヤンピーさんの主張、行動など…」

「俺にとって、どうでも良い事なんだよ!」

「今日のイベントも県知事からの参加要請があり…」

「この薬…「スピリチュアル剤」「SPi」服用義務化の事を…」

「半分以上理解、無いまま…」

「参加したんだ…」

「ヤンピーさんを崇拝する若者は納得するかも知れないが…」

「俺は、どうにも理解出来なにんだ!」

するとヤンピーは…

「このお薬を飲んで、心の病が無い方も今迄通りなの…」

「より良く、身体が活性化されるの…」

「だから、俺は納得したいんだ!」

「この薬の信頼と保証を…」

「あのね…この島、直和県を良くするために…」

「新しい世代若者のチカラが必要なの…」

「そのために、新しい世代若者皆んなが…」

「統一する必要があるの!」

ヤンピーの回答は、この若者の回答になっていない事に…

俺は気づいた。

この若者から、ヤンピーへの質問が続いていたが…

水掛け論的となっていた!

そして、ヤンピーのとりまきであるMCのマロCが…

これはまずいと察知し…

「ヤンピーちゃん…」

って話しかけた…

その時…

異様なオーラを発した男が…

ヤンピー、マロCの背後に現れた…

いつの間か仁王立ちしていて…

質問を繰り返す…

新しい世代若者を凝視していた!

すると、若者の顔が引きつり…

今迄、ヤンピーに質問していた勢いは消え…

立ち竦んでいた…

そして…

「…この薬…「スピリチュアル剤」「SPi」の服用義務化…」

「理解出来ました…」

と質問を打ち切ったのであった。

俺は不穏な気持ちが込み上げてきたのだが…

会場全体がオブラートに包まれた様に静まり返っていた…

俺は、仁王立ちしている男を凝視した…

その男は…

やはり…

「ヤ・ミカエル」であった!