スピリチュアル…虫…SPi


第141章 「ヤ・ミカエル」の迷い…ダウンダウンドンッドンッ


俺の変装は見破られる事無く、順調に軍馬県に着き、リニア線に乗り込み単咲県に向かっていた。



すると、リニア線電光掲示版にニュースが流れていた…



それは、「スピリチュアル剤」「S P i」服用を強化する新たな法令を施行する内容であった。



「国民の皆さまへ「スピリチュアル剤」「S P i」服用は…」



「新たに…」



「制度が改正されます…」



「詳細内容は、厚生省スピリチュアル剤服用大臣掲載…」



「政府機関のホームページをご確認ください」



と右から左へ電光表示が流れていた…



俺は「ハッ」とした…



それは、まだ施策段階である「S P i」が施行される事だ…



「無能な人間」と「有能な人間」の「S P i」服用剤を分ける法案なのだろう…



「ヤ・ミカエル」は焦っていた…



事実上、この国を動かじているのは「ヤ・ミカエル」であるが…



トップは総理である事から、著しく落ち込む経済の対応に…



「ヤ・ミカエル」への苦言が起きていた。



「ヤ・ミカエル」は迷っていた…



増え続けるモラルがない高齢者…



その高齢者の負担からこの国の未来を考えなくなった…



新しい世代若者…



そして、モラルが無い高齢者が引きを起こす考えられない交通事故…



それだけでも、悲劇が続いているのに…



人間の行為とは思え無い…


父親から幼い子への虐待…


そして死亡…



こんな世の中を「ヤ・ミカエル」は…



「スピリチュアル剤」「S P i」を全国民に服用させ…



対応したが…



しかし、意志を無くた国民は自発的行為が失われ…



気づき上げてきた、この国の開発力、技術力は衰退していった。



「私は間違っていたのだろうか?」



「ヤ・ミカエル」は自信を失いかけていた。



そんな時…



なぜ「ヤ・ミカエル」がここまで…



モラルが無い人間…



おかしな人間を…



抑制したかったのは…



それは、愛する家族を奪われたからであった。



決して忘れる事が出来ない悲劇を…



「ヤ・ミカエル」は今でも…



愛児からの手紙を見ては…



「ヤ・ミカエル」の世界を作り上げてきた…



「私の幸せを奪った奴は…」



「私が法を作り…死刑とした…」



「しかし、私の心は何も変わらない…」



「国民は私に服従し…」



「私の言う事を聞くようなったが…」



俺は「ヤ・ミカエル」がサイボーグであると思っていたが…



心を奥に潜んでいる悲しみは決して拭う事が出来ていなかった。



「ヤ・ミカエル」は悩んだあげく…



「もう、後戻りは出来ない…」



「私が信じた道を…」



「今の世界を…」



「私の世界を…」



「ヤ・ミカエル」の野心に再び火がついたのであった。



そんな事を俺は思っていると…



リニア線が単咲県に到着した。