スピリチュアル…虫…SPi



第138章 東京のブティック…ダウンダウンダウンダウンダウンドンッドンッドンッドンッ


薄暗い路地の奥に山田から指示されたブティックが存在していた。



そこは、湿気があり…



いつの間に、汗ばんでいる事に気づいた。



そのブティックの扉を開けると、店内には衣装は無く、ファイルに入った写真がいくつか、見本であろうか?



展示されていた。



すると、奥から店主と思われる男が…



俺の前を素通りし…



ブティックの扉の鍵を閉めた。



「迎田 京介さんですね?」



訪ねて来た…



その男は30代手間であり、山田と同じぐらいでは無いかと…



「はい…」



俺は素っ気なく応えた。



「山田さんから依頼を受けています…」



俺はこの時「アッ」と身の危険を感じた…



それは、国民は「スピリチュアル剤」「SP i」を服用している事から、「ヤ・ミカエル」に服従している…



政府関係者なら…



俺がこんな事を考えていると…



「迎田さん…」



「この度は、申し訳有りませんでした…」



「えっ…」



俺はなぜ謝られたのか…?



理解出来ず、素っ頓狂な返事を返した。



「翔太さんだけを犠牲にして…」



「え、翔太の事…」



「知っている…だ!」



「私も翔太さんと一緒「SP i」服用義務化に反対していたのです…」



「本当に申し訳なく…」



「どうして俺のこと…」



「山田さんからの連絡で…」



「山田から…」



俺はまだ理解出来ないでいたが…



「翔太さんと私そしてもう一人は…」



なぜかもったいつけた言葉を投げかけ…



「私の名前は、矢田 陽一…」



「息子さん…迎田 翔太さんと「スピリチュアル剤」「SP i」服用義務化法案に反対していました…」



「そして、我々は政府のみならず…」



「あらゆる団体にも了解を得るため掛け合って来ましたが…」



「高齢者ドライバーが引き起こす悲惨な交通事故、身勝手な親から受ける子どもへの虐待…そして…死」



「あまりにも悲惨な事が多すぎた…」



「この世の中は、どうしようも無くなっていった…」



「国民の目は、政府の意見に多くが賛成していた…」



「…「スピリチュアル剤」「SP i」を国が作り全国民に服用義務化させようと…」



「しかし…私と翔太さんはこの制度に納得しなかったのです」



「そして…翔太さんはかなり悩んでいました…」



「それは、絶縁状態では有りますが父親が「スピリチュアル剤」「SP i」を推進する…」



「政府の大臣であることに…」



俺は言葉を返すことがてきなかった。



「あれは…」



「…「スピリチュアル剤」「SP i」服用義務が正式に決議され法令化される前日…」



「結果は虚しいものでした…」



「…「SP i」推進派の圧力…」



「おかしな人間に殺められた人々の…家族、恋人、親族…が反対派を制圧していったのです」



「そんな中、翔太さんはやり切れない思いがあったのですが…」



「ひるむ反対派の人々を賛同させる事が出来ずに、推進派の行動に押し返された…」



「その時…」



「翔太さんひとりで…」



「推進派の中へと突進していったのです…」



俺は翔太の無念が徐々に心に浸透していき…



止めどなく涙が頬を伝い流れ落ちていた…



そして、この後の矢田の話を…



俺の心が拒んでいた…



だが…



その悲劇は起きていた…



「翔太さんの突進を止めるため…」



「誰が…」



「翔太さんに銃弾を撃ち込んだのです…」



俺は以前の「勘違いした感性」は心から無くなっていたが…



「後悔の念」が心を締め付けていた。



「翔太さん…ひとりが犠牲になったのです」



「翔太さんが殺され…」



「多くいた反対派の人々は「SP i」服用を認めました」



「しかし…私は「SP i」服用を認めたくなく…」



「翔太さんの後を追う事を考えましたが…」



「そんな時…」



「直和県知事である山田さんから連絡が入ったのでした…」



「それは…」


この後話す矢田の話に…



隠された信じられない事実を知る事になった。