歪み〜レトロウイルス リメイク

第十一章 サイコパス…ロイ!ハートダイヤクラブスペード


リクが殺され、俺達の最大の目的はテクの救出だった。


「涼!テクのいる場所は、もうすぐです」

「周りをよく見て進めんで下さい」
俺はロイであるソウの指示に従っていた。

五階の扉を開き進んで行くと、真っ白な壁となり、病院のような光景であった。

「ここは、留置所じゃないな?」
俺は物凄く、嫌なことが頭の中をグルグル回っていた。

レオは、朝が早かったせいか眠気におそわれていた。

「お前ら、いつまでダサイ、芝居をしてんだよ!」
ロイは、初めから、俺、レオが騙されている振りをしている事を…

彼、ロイは知っていたのだ!

「わかってたのか?」
俺は釈然としないが…

「え、俺は、お前らがここまで来れた事は、褒めてやるよ!」

「おい!ロイ!」

「シンの居る場合を教えろ!」
俺は苛立ちと嫌な汗を背中にかき初め…

頭の中には…

自分が消滅するイメージが出来上がっていた!

そして、病院のような白い廊下を歩き…

一番奥にテクの部屋があった…のだった!



俺の嫌な想いが…

この白い廊下を通る事で…

…嫌な想いが確信に変わろうとしていた。

たかだか、十メートルぐらいの通路奥に…

テクが居るのだが…

その部屋まで…

かなり遠く感じる…

出来ればその場所には行きたく無い…

ここが、病院であることが…
確実では無い…

それは…

部屋の中では、普通では無い行為が繰り広げられていた。

「レオ!真っ直ぐ前を見て歩け!」

「部屋を見るな!」

「涼!何故・・」

「訳などない!」
俺は苛立ち…レオを怒鳴りつけた!

俺はレオに見ないように言い…
手でレオの眼を覆った。

部屋の中では、あるものは錯乱状態で吠え続け…

なにかの薬物で鎮圧していた。

違う部屋では、痛みを感じ無いのか?
頭に何かの実験か…
電気ドリルを突き刺している。

俺には意味があることに思えないのであった。

そう、ロイがサイコパスであり…

や・は・り・・・ここは

人体実験…の場であった!

俺の中の…

恐怖は吹っ飛んだが…

奴が…
ここまでするのは…?

奴、ロイはどうやって、ここの政権を…



ロイが政権を掌握したのは、飴と鞭の使い分けだった。

政権者に徹底的にレトロウイルス、動物絶滅、人口の増加など恐怖を植え付け…

その政権を決める選ばれた人間に…

手厚く扱う、ロイのやり方に…

考えることを辞めたシンボル内で働く政権者を含む関係者は…

ロイのあり得ないやり方に賛同したのであった!

「ここの連中は、自分が無いんだよ」

「自分を信じて、自分がこうしたい」

「自分でこうやるんだがね」

「まったく無いんだよなぁ」

「俺は特に何した訳じゃねぇよ!」

「ただ、俺の考え、俺の想い、俺のやり方を…国民に伝える…」

「国民の賛同?違うか!」

「ハッハッ…国民を制圧だな!」

「まあ、邪魔な奴も多かったがね!」
俺は「ハッ」と思った…テクだ!

ロイは、身勝手な有り得ないことを簡単に言ってのけた!

俺は、怒りを通り越していた!

言葉では表せない、憤りが心を締め付け…

とめどなく涙が流れていた。



俺は、今頃気が付いた。

これはロイの罠だ!

レオを逃さなければ!

「レオ!ここの連中はまともでは無い…」

「わかるな…引き返して…」

「なんとか、生き延びてくれ!」

「この世界を立て直すのは、レオ、お前たちの世代だ!」

「そして、レオがリーダーだ!」

「だから…すぐ逃げるんだ!」

「父さんは…」
切ない声で俺に訪ねた。

「言わなくてもわかるよな!」
俺は言葉を選び、感情を抑えながらレオに伝えた!

「涼!もし、父さんが生きていたら、この手紙を渡して欲しい!」

「それと、涼には、もし?」

「もしもだよ消えてしまっても、どこかでこの手紙を見て欲しいんだ!」

「涼と今迄、一緒に生きて来た何かを残したいんだ!」
レオは、俺が消えて行くのをわかっているようだ。

「レオ!俺がテクを確認するから…」

「今だ…」

「走れ!」

レオはロイの配下となった、狂ったこの世界を理解したようだ!

レオは、テクが収容されている、わずか三メートルのところで逆戻りさせた!
追って来る、職員を振り払って!

俺は、テクの収容されている部屋の前まで来た…

扉を開けた瞬間、職員に取り抑えられ…

「待ってたよ!」

「別の世界から来た…」

「涼?だったなあ」
ロイのふざけた話し方に口を聞きたくなくなっていた。

部屋の中には、テクが後ろ向きに座っていた。

なんだ、大丈夫だったんだ?

心で、呟いた…が…

頭部が目に入った瞬間…

絶望にかわっていた。

そして、最低な奴!

ロイが立っていた!



テクは、やはり人体実験されていた。

ロイは才能があるテクの脳にだけ興味があったのだ!

「まあ、テクの脳みそを抉り取り、バイオ液に漬け込んだのさ」

「脳から端子をつけ、映像と言語をテレビモニターでわかるようにしている」

「映像は、やつ、テクのイメージだ」

「脳以外は、お前らをおびき出す為…」

「ホルマリン漬け後、着色し完成したのだ」

俺は直視出来ないでいた!

彼に会うことを…

そして、彼からいろいろ学びたかったのだ!

違う世界の開拓者、真の勇者に…

しかし、おかしすぎる?

何故?こんなやつに…

一時は同じ志しを目指していたのに?

俺は涙が溢れ、顔がくちゃくちゃになっていた…



俺はもう1/3が透明化して来ていた。

透明化して無いのは、頭、右手、右足だったが…

右足ふとももは、透明化していた。

まだ、なんとかなる!

こんなに、なりながらも俺は…

この世界をどうにか、したかった…

「おい!このサイコパス野郎!ロイ!」

「貴様、人間では無い!」

「お前は・・・」

「もういいだろ!負け犬が!」
ロイはこんな言葉を俺に浴びせた!

「まあ、お前の命も俺がさばく前に消えるな?」

「おい、ロイ、じゃあ最後に、今迄のこの世界のいや…」

「お前が作った世界を教えろよ…」

俺は、貪欲にロイに詰め寄り、これからの…

この世界のために…