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「ここに居られるのには、いや、この世界に居られるには期限がありそうだ・・・・かなり少ない時間の・・・・」
シンは言葉を選びながら話して来れた。

「かなり少ない時間・・・・」
俺は「かなり少ない時間」その言葉に引っかかった?

「君の身体が透明化し始めている」
「それは、極端な時差により君の身体がこの国の気候に同化し・・・・全て同化してしまうと・・・・」
俺はシンが言う次の言葉の予想はついていた!

「大丈夫ですよ・・・・全て教えて下さい!」
心とは裏腹な事を言っていたが、案外冷静な自分に俺自身、酔いしれていた。

「・・・・全て同化してしまうと君の存在が身体ごと消滅してしまうのだよ!」

「どうして、そんな事が解るのですか?」
俺はシンに訪ねた。

「それは、身体が次元について行けず、身体の細胞が分解、乖離し始めているのだよ・・・しかし、涼くんの強い信念により、乖離が通常より多少遅れていると思われるのだが・・・子供の頃、父親から聞いた事があったのだ・・・」

シンは彼の父親からの話しをし始めた。