康介(こうすけ)/目が不自由
優羅(ゆら)/困ってる人は放っておけない。
康介「あ、すいません…」
康介(外を歩くのは怖い。目が見えないからか、色んなものにぶつかる。点字ブロックはあるが、最近は点字ブロックの上に自転車が置かれたり、邪魔だ!ってワザとぶつかられたり。たまに声をかけてくれる人もいるが…本当にたまにだ…僕だってこうなりたかったわけじゃない…)
康介「はぁ。憂鬱だ。」
優羅(あのお兄さん大丈夫かな?……あ!危ない!)
康介「いってぇ…」
優羅「あ…あのぉ…大丈夫…ですか?」
康介「すいません!大丈夫です!!…あ…あれ?杖が…」
優羅「…これですか?」
康介「あ、ありがとうございます。」
優羅「いえ……」
康介「本当にありがとうございました!」
優羅「…どういたs…危ない!!」
康介「いってて…」
優羅「大丈夫ですか?」
康介「えへへ…大丈夫です」
優羅「あの…差し支えなければ…どちら迄行かれるんですか??」
康介「あ、そこの駅なんですけど…」
優羅「じゃ…じゃあ、私も駅まで行くんで、良ければご一緒しませんか?」
康介「いや…ご迷惑になりますし…」
優羅「大丈夫です!それに、この先の点字ブロックの上にも、何台か自転車が…」
康介「え…ホントですか?」
優羅「はい」
康介「あ〜…すいません。じゃあ、お言葉に甘えてもいいですか?」
優羅「はい!甘えてください!困った時はお互い様ですし。」
康介「ありがとうございます」
優羅「駅着きました。」
康介「わざわざすいませんでした。」
優羅「いえ、それでは失礼します。またどこかで。」
康介「あ!…あの…」
優羅「はい??何ですか?」
康介「お…お礼がしたいのですが…」
優羅「お気になさらないでください。それでは」
康介(あ……あぁ、もう行っちゃったよな…素敵な声の人だったなぁ。また…逢いたいな。)
優羅(素敵な人だったなぁ。また逢えるかな……)
〜3日後〜
優羅「いらっしゃいませ〜」
康介(あれ?この声…いや、違うか。)
優羅 「こちらのお弁当温めますか?」
康介「はい、お願いします。」
優羅「あれ?この間の杖のお兄さん?」
康介「あ!やっぱり、こないだ助けて下さった方ですよね!」
優羅「はい!…あの、よくここで買い物されるんですか?」
康介「はい、ここ家から近いんで。」
優羅「へ〜私ここに入って3ヶ月くらいなんですけど、初めてですよね会ったの。」
康介「そうですね。こんな偶然あるんですね。」
優羅「ホント、びっくりです!!あ、お会計780円です」
康介「ホントびっくりです!…はい。」
優羅「ちょうどお預かり致します。」
康介「あ、あの…ここのお仕事って何時くらいに終わるんですか?」
優羅「18時には上がりますよ?」
康介「あ、だから会わないんだ。普段は20時近いんで。」
優羅「あ!そうなんですね。」
康介「あ…あの、お仕事もうそろそろ終わりますよね?良かったらこの前のお礼…させてくれませんか?」
優羅「え?うーん…」
康介「あ、迷惑ですよね!すいませんでした。また来ます!」
優羅「あ!ちょっと待ってください…あと、10分くらいで終わるんですけど…待ってもらえます…か?」
康介「はい!!待ちます!」
優羅「…じゃあ、また後で……ありがとうございましたー」
康介(やった!まさかこんな偶然があるなんて……)
優羅「すいません。おまたせしちゃって…」
康介「大丈夫です」
優羅「えーっと…どうしましょう?」
康介「まだ晩御飯食べてないですよね?何か食べませんか?」
優羅「え?…でも、さっきのお弁当」
康介「これは……明日の朝ごはんにします!」
優羅「大丈夫…ですか?」
康介「大丈夫です!!」
優羅「じゃあ、夕飯ご一緒します。」
康介「ホントですか!!ありがとうございます」
優羅「あの…私…優羅って言います。お兄さんは?」
康介「あ、僕は康介です!優羅さん…改めて先日はありがとうございました。」
優羅「いえ…こちらこそ突然お声かけしてしまいすいません。」
康介「いや、すごく有難かったです。」
優羅「…良かったです。」
康介「あ!お腹すきましたよね?行きましょう。」
優羅「はい。」
康介「好きな物食べてくださいね!先日のお礼なので、遠慮しないでください。」
優羅「えっと…ありがとうございます……康介さんは、何食べます?」
康介「僕はここのハンバーグが好きなんでそれを。」
優羅「ハンバーグもいいなぁ〜。あ!ハンバーグドリア!!美味しそう!」
康介「ハンバーグドリアもおすすめです!」
優羅「じゃあ、それにしようかな。」
康介「はい。」
優羅「いただきまーす!!」
康介「はい、どうぞ」
優羅「……!?美味しい!」
康介「良かった」
優羅「康介さん今日はありがとうございます!」
康介「喜んでいただけたなら良かった!……あの…またこうやって、ご飯ご一緒していただけませんか?」
優羅「え?私とですか?」
康介「はい。先日助けていただいた時から、気になってまして…」
優羅「…え!?」
康介「すいません!突然こんな事言われたらびっくりしますよね…」
優羅「はい…びっくりしました…」
康介「なんでしょう…僕は昔から目が不自由なので、耳で周りの雰囲気なんかを察知するのが得意と言いますか。なんと言うか…声で人を判断してしまうんです。優羅さんからは、僕を助けた時に嫌な感情とかが無くて、それに優羅さんに声をかけていただいた時…一目惚れ?いや、見えてないですから一聞き惚れ?(ひとききぼれ)ですかね?凄く気になってしまって…あ!すいません…なんか滅茶苦茶なこと言ってますね。」
優羅「ぷッ…一聞き惚れって、初めて聞きました!フフフ…ありがとうございます。私もあの日から気になってました!……でも、私優しい人間なんかじゃ無いんです。」
康介「え?」
優羅「私…見た目に自信がなくて…そんなんだから、人に嫌われない為に好かれるように行動しなきゃって…それで…」
康介「見た目ですか?僕は優羅さんの見た目は、はっきり言って分かりません…でも、すごく心が綺麗な素敵な女性だと思います。突然付き合ってください!なんて言いません。まずは僕とお友達に……」
優羅「私で良いんですか?」
康介「僕は、優羅さんがいいんです!」
優羅「…ありがとうございます…よろしお願いします?」
康介「アハハ…はい!こちらこそよろしくお願いします!!」
康介(僕の恋はまだどうなるか分からない。でも…優羅さんに絶対好きになってもらうんだ。)