今は酒はほぼ飲まない。自分は酒が弱いため、気持ちよくなる前に具合が悪くなる。

 酒が弱いのは高校の頃、父親からコップ1杯のビールを飲まされ、ふにゃふにゃになってしまって、知った。

 

 学生の頃は飲まされた。サークル活動をしていると、コンパで無理矢理飲まされる。その度に戻していた。だから強制的に飲まされるのも、他人(後輩)に強要するのは嫌だった。

 社会人になって市民バンド在籍中も初めのころはよく飲まされた。そのうち無理に飲まなくても良いポジションになり、ちびちび飲み、悪酔いすることもなくなった。

 

 実は酒に関しては複雑な思いがある。父が酒飲みで、とにかく飲みたがる。そして外ではいい顔してるかも知れないが、帰って来ると不機嫌満開で説教、罵倒が始まる。母と私がいつも被害に遭っていた。なので酒は人の人格を変える怖いものだと思っていた。

 反面、サザエさんの波平さんやマスオさんがよく飲んで気分良くなっているのを見ると悪いものでもないような気もしていた。

 独り暮らしを始めて、ちょくちょく少し酒を飲むようにしていた。でも別に気持ちよくなるものでもなかった。

 一時期実家に戻されたときは、毎晩紙パックの日本酒を飲んでいたが、特に酔わなかった。ただ飲まずにはいられなかった。父からは説教とも罵倒ともとれることを言われ続け、パート先でも不当な扱いを受けていたため。外に出るのも制限されていたと思う。それが36~7歳くらいの時だったと思う。きっと近所の人にふらふらしていることを視られたくなかったのだろう。

 

 昔の、バンド仲間で飲むのは楽しかったし、学生時代の仲間と飲むのも楽しかった。でも独りで飲むのはつまらない。元彼女(黒歴史)と飲むのは特に楽しくはなかった。酔わないように飲んでいたからだ。結局心を許した人と飲むのが楽しいのであって、気を遣う相手(会社の人など)と飲むのはクソつまらないということだ。

 

 ちょうど今頃の暑い日、汗だらだらかいて、風呂入ってからキンキンに冷えたビールを飲むのは美味いと思うが、今はその気になれない。爽快感を求めるなら炭酸水で十分だ。

 

 友人も仲間も近くに居ない今、昔のバンドの飲み会が懐かしく思える。そういう飲み会なら参加したいが、もうそんな団体に所属することもないだろうから寂しく思う。