それはもう25年くらい前になるだろうか。会社をクビになり、他斜に就職したものの、胡散臭さと社長と愛人らしき人とのいちゃつきが嫌になって辞めた頃。
 就活に毎週ハロワに通い、面接の予定を入れて、という毎日だった。当然金があるはずものない。
 食事はパン耳、煙草はゴールデンバット(90円)だった。
 食べるものが3食パン耳というのは想像以上に辛いもので、100円くらいのジャムを買ってきて付けて食べていたが、とにかく飽きる。味変しても大して変わらない。もう一生分パン耳を食べたので、もう見たくないほどだ。
 煙草は、以前勤めていた会社で外回りしていたときたまたま昼飯を買いに入った店で売ってた。そこでカートンで購入していた。20本入り90円は有り難く、かつそこそこ旨い。しかし今は終売となってしまった。

 ・・・結局就職しても理不尽な理由で解雇され、仕事も教えてもらえず無能と呼ばれ、心も折れて、家族の要請もありこの現在の生活に入ったわけだ。
 もうあのような貧乏生活は御免だ。贅沢も出来なくて慎ましやかに暮らす他ない。それにしても私は金に苦労する性分なのだろうな。ケチなのに。