最初の会社を解雇されて、次に入社したのは生蕎麦の訪問販売の会社だった。
 だんびら蕎麦、更科、そして讃岐風うどんを売っていた。自社工場で作り、箱詰めして営業がそれぞれ売ってくる。
 私も売りに行ったが、そうそう売れるものではない。添加物0なので日持ちもしないので、売り残したものは自爆営業した。そして食べてみると美味しかった。ここから私の蕎麦好きが始まった。

 就職活動の合間に、北へ東へ南へ西へ、車を走らせた。まちBBSに蕎麦についてのスレッドがあるので、そこで情報を仕入れた。
 実は蕎麦の生産量が一番多いのは北海道で、その中で幌加内町が一番生産している町だ。幌加内については良い店の情報が無く、適当な店で食べた。ごく普通の蕎麦だった。
 蕎麦の北限地は音威子府村で、旭川のずっと北にある。車で3時間くらいかかったが、食べに行った。ここの蕎麦は麺が真っ黒なので全国的に有名で、駅の待合室にも店を出している。まあまあ美味しいが、麺にかんすいを使っている。
 工場の後継者がいないと言うことで、閉鎖されもう食べられない、という話が広がったが、有志で復活させようという動きがあるという。

 その他、東は陸別町、日本一寒い町の秦食堂は有名店でいつも混んでいた。池田町(店の名前は失念)の店もコシがあって美味しかった。日高の方だといずみ食堂という名店があるが、ここはお勧めできるほど美味しい。
 南だと、森町の店が美味しかったけれど、1年か2年後に再訪すると、店自体変わってしまったらしく味が落ちていた。

 札幌市内の店も巡った。いろいろ行ってみたが、リピートしたのは多くなく、東区の長庵、(今が撤退したが)大通のさくら、 松の實だけである。本当は西区に名店が多いのだが、公共苦痛期間を使うことになるし、土地勘もなく、かなり混むということで行けていない。

 うどんも好きだが、蕎麦に比べると店がかなり少ない。西区に移転した寺屋は特にお勧めできる。面も汁も非常に美味しい。