サンライズと言えばスタン・ハンセンのテーマ曲。スペクトラムの演奏が有名だが、それとは関係ない。
 日本で唯一残っている寝台列車だ。
 鉄道がもともと好きで、昨年鉄道系の動画を観ていたら、サンライズが紹介されていて興味を持った。その影響で全国版の時刻表も買い、札幌から乗りに行くにはどういうルートで行ったらいいか、いろいろ考えた。
 サンライズは東京発の場合、瀬戸と出雲が連結されて、岡山で切り離して高松、出雲市へ向かうもの。
 部屋の設備も、基本個室で、雑魚寝タイプののびのび座席がある程度。シャワーもあるが、カードを購入しなくてはならず、しかも枚数限定。食堂車、車内販売は一切なし、と一見不便であるが、個室であることは大きい。ただし喫煙車は1両くらいしかない。喫煙者には辛い旅になる。

 札幌から北斗に乗って新函館北斗駅まで行き、そこから新幹線で東京に向かい、サンライズに乗る。まずは瀬戸に乗って高松を目指し、高松で本場の讃岐うどんを食べる。そしてマリンライナーで岡山に行き、特急やくもで出雲を目指す。出雲大社にお参りし、出雲蕎麦を食べる。帰りはサンライズ出雲で東京に帰る・・・といったことを妄想した。

 私が子供の頃はブルートレイン(寝台特急)が全盛の頃で、東京から九州方面、上野から東北方面に何本も出ていた。大人になったらいつか乗ってやろうと思い数十年、移動手段が鉄路から空路にシフトしていき、ビジネスホテルなども普及していった。すると長距離列車の存在も徐々にその存在意義を失っていき、どんどん減っていって残ったのが、このサンライズのみになった。
 札幌上野間を走っていた北斗星、廃止が決まったときに一度くらい乗ってやろうと、駅のみどりの窓口に1番に並んで、10時開始と共にチケット争奪戦。しかし瞬殺され、夢は散った。

 廃止される前に一度は乗っておきたい、と昨年から今年4月くらいまで1人で盛り上がっていたが、急に気分が萎えてしまった。東京まで出て行くのが億劫なのだ。
 旅行らしい旅行をしたことがないので、なんとか乗りたいとは思うのだが・・・。
 千葉に知り合いがいるので、会いに行きがてら、という思いもあったが、それも無理っぽいので、それも萎えた原因だ。
 現在は鬱っぽいので、そういった気力が出ないせいなのかも知れないが。

 ブルートレインに乗ったのは、修学旅行の往復のみ。青森上野間のはくつるだっただろうか。客車ではなく電車タイプ、583系だろうか?
 男子が3段のB寝台、女子が2段のA寝台だった。3段の一番下はいいが、2段、3段目は狭く、上半身を起こす事も出来ない。それでも小窓から通過する駅を見ては、ここはどこだろう、と胸躍らせたものだ。

 気力が湧いてきたらまた考えも変わってくるだろうから、それまでに廃止にならないことを祈るばかりだ。