20数年前、メンタルをやられ仕事もヤバくなってきて、当時の専務に鬱であることを話したら、とにかく休めということで休職に入った。
 とりあえず実家で療養した。
 その間、薬が効いていたせいもあるが、とにかく眠くいくらでも眠れた。いつも暖かい居間のソファで横になっていた。
 それが3か月くらい続いたと思う。
 復職したが配置換えになっていて、事務から倉庫勤務になっていた。
 折しも年で一番忙しい年末、事務より気楽ではあったが、体力的には辛かった。
 なんとか年を越したが、また具合が悪くなって休職した。

 ソファで横になって眠ったり、目覚めて、今はもう無い隣家の屋根に積もる雪をぼんやり眺めていた。これからどうなるのだろう、と
 そういう状況を見ていた父は、いつも凄い形相で睨んでいたらしい。

 病院には2週に1度、札幌に出て受けていた。
 ある日診察を受け、今は閉店した大手本屋で立ち読みしていたら携帯が鳴った。出てみると総務部長からで、話があるから来いということだった。近かったので、すぐに向かった。
 会議室に通され、「お前はこの会社に向いていない。辞めろ。」と言われた。「まだ若いからなんとかなる」と謎の激励もされた。
 11年勤めてきた会社を解雇されてしまったのだ。
 退職金も、中小企業であったため、大した額も貰えなかった。
 退職後はハローワークに通いつつ、ドライブをしていた。退職金のほとんどがガソリンに消えたと思う。

 その後、就職したり退職したり、クビになったりして、実家へ強制送還されることになり、非常に居心地の悪い日々が1年ほど続くことになるのである。