実は趣味が合う人って居ない。
 中学頃から吹奏楽、もっと言うと小学5年の頃から楽器をやっていて、楽器演奏や音楽鑑賞が趣味だ。しかし、双極性障害のため、不満のため周りに当たり散らし、人間関係が壊れてしまったので、楽器歴20年で辞めてしまった。
 そんな感じで、聴く音楽は専ら吹奏楽とクラシックだった。部員、団員にそういった趣味の人は1人2人くらいは居たが、クラシックひとつとっても、古典派、ロマン派、印象派などなどいろいろあるので、趣味が合致する人は居なかった。もっともいろいろ紹介し合って、刺激を受けたのも事実だ。
 その他クラシックマニアの友人、いつも電話をかけてくる奴もいるが、彼は誰が好き、というのではないようだ。
 私は印象派と呼ばれるドビュッシーが好きだが、同じ趣味の人を見たことが無い。大学のゼミの先生もクラシック好きで、プレーヤーを研究室に持ち込んで聴いていたようだったが、どうもドイツ正統派の音楽が好きなようで、ドビュッシーなんてBGMにしかならん、と言っていた。

 小説は高校の頃からいろいろと読んでいた。きっかけのひとつが、進研ゼミで取り上げられていた、北杜夫の「どくとるマンボウ青春記」の一節だった。興味を持ったので即本屋に行って購入して読んだ。それ以来のファンだ。
 もうひとつは、高校の頃友人に「これ凄いから読んでみ」と紹介された、筒井康隆の「宇宙衛生博覧会」。それから氏の小説、エッセイを読むようになり、SFに傾倒していった。梶尾真治、かんべむさし、新井素子、岬兄悟、火浦功、などなど読みふけった。
 大学に入ると自然とグループが出来、そこで読んでいる本の話題になったことがある。SFを読んでいる人は居るものの、系統が違うため話が合わなかった。

 その他鉄道も好きだが、これはそもそも鉄道ファンは居なかった。

 音楽だと、その後電気グルーヴも聴くようになったが、これもイロモノみたいな感じなのだろう、好んで聴く人は居なかった。

 現在趣味を語れるのは例の友人くらい。ただ彼は聴く範囲が広く、ちょっとついていけないところがある。

 本当は人にたくさんお勧めしたいものがある。でもそれはただの押しつけにすぎない。デイケアのプログラムに音楽鑑賞というものがあるので、そこで紹介するのも手だとは思う。ただ、爺さん婆さんに理解してもらえるかどうか。

↓昔吹奏楽アレンジしたものを演奏したことがある、ハービー・ハンコックの「カメレオン」。これをカッコイイと思ってくれる人が居るかどうか。
Herbie Hancock - Chameleon - 8/10/2008 - Newport Jazz Festival (Official)