25年前の今、子供を産み、実家へ帰った。障子に飛んだ嘔吐。何度も何度も着替えさせた洋服は100枚以上。未だに捨てることはできないあの時の洋服とガーゼ。
本当に医者になることまでは考えていなかった。あーちゃんの夢を掴みたいとまで考えていたかな。振り返ると、諦めなければ、夢を掴むことができる。それを教えてくれたのはあーちゃん。
この時期になると、いつも考える。
実際、欲があった方が成長し、そして成功できていたと思う。しかし、成功の裏には、失うものもある。本当の幸せを掴み成長し成功していくのだろうか?
ママ達も考えたよ。
あーちゃんが、産まれてくるまで、夫婦で税理士になろうと頑張った。
仕事が終わり専門学校へ行ったこともあった。
結果は、税理士の科目合格で、終わった。
パパやママの両親からすると、
諦めてほしくなかったかもしれない。
だって、日商簿記1級とって、税理士試験の科目合格まで、取得しているのだから、、、
それも、夫婦とも。
そう思っていたとしても、両家とも子育てに協力をする親ではなかった。
自分が好きで産んだ子供だから、、、。
って、何度も言われ、
パパの両親からは、つわりの人を雇うより
〇〇を雇った方がいいですよね。って言って、盛り上がっていた。
実際のところ、出産や子育てはドラマがあり、頭で考えている様にはならないのが現実。成人するまで生きるかわからない。これは突然死になる原因を持っている。子供を産むことも、結婚することもできない。そこまで言われた。
手術をするまでは、突然死にならない様に、必死に隣で寝て、少しでも動いたら目を覚まスことがてきる様にあーちゃんの身体のどこかに触れて軽く寝る毎日が2年9ケ月。ママの体重は減る一方で、今とは大違い。
あーちゃんが2歳9ケ月、
無事に手術が終わり、
麻酔がうっすらととけた時、
お医者さんから呼ばれた。
「娘さんが、話があるそうです。」って。
手術室の自動ドアから入り、ボーッとなるあーちゃんが言った。
「ママ、座って抱っこして。
小児外科医になりまちゅ。
先生ありがとう。」
また、すやすやと寝た。
泣いた。
感動で泣いた。
先生たちも泣いた。
税理士なんてどうでもいい。
これからは、あーちゃんのために生きる。
時間がちょっと過ぎ、
感動から冷静になり、
パパとママには、能力が無いことに気がついた。
医者の子は、医者なんだよ。
ママたちなんて、大学にも行っていない。
大袈裟かもしれないけど、
自我を捨てる。
一時的ではなく恒久的な幸せを手に入れる。ママには、それしかないと考えた。
価値観は、人それぞれ。
他人と比較するものではない。
他人と比較するから、きつくなる。
人は感情のある生き物。
感情を豊かにし、表情は穏やかになり、毎日、幸せだよねって思うことが幸せ。
明日っていうのは、保証されない。
今、今のこの時間は二度と戻ってこない。
幸せは自分の感情からうまれてくるもの。
医者に近付くために今できることをする。
のびのびと、なんの縛りもない中で、夢を掴む。
1番理解して欲しかった叔母(娘が医師と結婚)が来た。
医者の家系は医者なんだよ。
医者の世界は、うちらとはちがうんだよ。
医者は医者の世界でプライドがあり、
〇〇ちゃんの家も1億近いよ。
あなた達の何倍も稼いで、
この家を3つくらい買えるわよ。←お互い新築だと2軒分だぞ。馬鹿にすんな!
普通の家の子ほ、普通がいいんだって。
あなた達とは違うのよ。
信頼していた医師からは、
親が病気の子に勉強や習い事を押し付け、そうさせてるだけだ。
つまり、親の エゴ
だから、なに?
家族と一緒に過ごせること、
ご飯が食べられること、
仕事ができること、
子どもの笑顔がみられること、
家族で喧嘩ができること、
普通にしていることが、
普通にできなくなる。
その時、普通が1番の幸せって気付く。
その時は遅いのよ。
子育てに借金はしない。
あーちゃんが医者になりたい。
そう考えることは、自由なのよ。
綺麗事じゃないのはわかってる。
そうはいっても、
どこかで、あーちゃんとまわりの赤ちゃんを比べてしまうママ。
何故?
毎日、毎日、泣いた。
何も悪いことしてないのに、、、。
他人と比較するのではなく、
そのままの自分を認めてあげて、
自分の価値を考え、感じることが大切だったと思う。
やることだけやって、
もし、医者になれなかったとしても、、、
その時は、
自分の夢を叶えた彼氏と出会うことでも救われはず。
わかってる、
わかってる。
どんなに悩み、親族からの反対があり、腹を立てたとしても、
あーちゃんの夢を一緒に追いかけていく。悩んでも貫き通す。
そう何をしようと自由。
しかし、自由とは責任が重い。
人に責任をなすりつけることはしない。
スポーツ、ピアノ、お勉強
ただ勉強だけではなく、いろんなことをさせる。色んな所へ行き思い出を作り経験をさせる。
予定日より早く産まれ、3月末に出産。
1年遅れて大学へ行っても大丈夫。
ママたちも子育ての勉強なんだ。
子供の夢を掴むために、子供を中心とした。税理士の勉強を辞めるのに迷いは無かった。
子ども達の病院や習い事のため、パパは昼から出勤。フレックスを利用したこともあった。
子育ては比較しない。
自分たちの子育てなんだから、
やり直しができることは失敗ではない。
ボチボチ、夫婦で、家族で楽しむ。