山梨の旅も2日目後半です。
午前中はリニアに乗って
昼からは一路、富士山を目指します。
中央高速なら
大月・河口湖線であっというまですが
リニアは途中にあるので
国道(富士みち)でゆっくり近づきます。
古い街道沿いから建物の間に
かいま見る富士山が
だんだん大きくなってくるのは
良い演出で、気持ちが高揚します。
江戸時代、富士講の人たちも
同じ気持ちを味わったかもしれません。
(江戸から6日もかかったそうですが)
富士吉田の市街地に着きました。
私たちも、まず御師(おし)の家に
わらじを脱ぎましょう。
旧外川家が博物館の付属施設として
見学できるようになっています。
金鳥居(かねとりい)をくぐって
すぐ左側です。
そもそも御師(おし)とはなんぞや、
という話からしなければなりません。
富士山は古くから信仰の対象でしたが
もともとは修験者の修行の場でした。
江戸時代、一般庶民にも信仰が広まり
先達(せんだつ)さんに引率されて
団体(講社)で信仰の登山をしますが
富士講といって、富士山に行くために
何年もお金を積み立て、
一生に一度のお参りを目指しました。
吉田に着いた一行は
御師(おし)の家に一泊します。
宿坊のような役割もあるのですね。
御師は富士山信仰の道者(行者=
修行する人)のお世話役になります。
毎年来るような大きな講社は
自分達の食器や寝具を預けていました。
御師は神主の役目もあり、道者たちは
御師と共に祝詞をあげ、祈祷を受けた後
敷地内を流れる水路で水垢離(みずごり
=清めの水行)をして出発、
浅間神社にお参りして山に入るわけです。
御師は登山には同行しません。
先達が江戸出立から富士登山まで、
すべてのガイド兼お世話担当になります。
それでは、こだまちゃんと
御師の家に上がってみましょう。
「はーい、こちらからどうぞー」
広間です。
富士講ご一行様はこちらに泊まり
祈祷も受けます。
手前から広間、御神前の間、上段の間です。
御神前です。
広間の次の部屋で
こちらも寝泊りにも使われます。
もうひとつ奥の一段高い部屋は上段の間。
ここは先達さんが泊まります。
道者の衣装です。
白衣(はくえ)です。
そう、死に装束なんです。
あれー? どこかで見たことありますね。
ああ、お遍路さんと似ていますね。
どちらも途中で死んでしまったら
そのまま葬れるように、という意味があり
それだけの覚悟でお参りしている、
ということなんです。
(ちなみにお遍路の杖は墓標です)
えっ!?
私のお遍路はどうしたかって?
徳島県が終わったところで中断しています。
全部終わるとそのまま成仏しそうなので・・・
まあ、ゆっくりやりたいと思っています。
夕ごはん。 五菜です。
朝ごはん。
お茶碗の陰に○○講と
預けている講社の名が隠れています。
常連の講社が預けている食器は
他の講社に使わせても良いのですが
壊してはたいへんなので
とても気をつかったそうです。
御師の家には
常連の講社ごとに大量の食器類や
寝具が保管されていたわけです。
寝具は人型の寝袋のような綿入れで
3日分の弁当と一緒に背負子に入れて
強力(ごうりき)が背負っていきます。
御師の居住スペースは2間で
あまり広くないようでした。
宿屋の主じ兼、神主兼、案内人…
みたいな存在だったのでしょうか。
武者人形が飾ってありましたが、
加藤清正公かな?
なんで武田信玄公じゃないんだろう?
場所柄、風林火山の幟にして欲しいです。
旧外川家の隣は駐車場と
御師町お休み処があります。
お休み処にはジオラマがあり
江戸時代末期の御師町を再現、
パンフレットや資料も置いています。
茶菓のお接待をしていただきました。
それでは御師の家を出立して
浅間神社へ向かいましょう。
正式には北口本宮浅間神社といいます。
(きたぐちほんぐうせんげんじんじゃ)
全国(主に関東甲信地方ですが)の
浅間神社の本社になります。
杉の巨木と灯篭が並ぶ参道は
荘厳なおもむきです。
大鳥居です。
木造の鳥居としては
日本一大きな鳥居だそうです。
拝殿と太郎杉。
右側には夫婦杉があります。
お参りして、
順路に従い左の方へ進みます。
日陰には雪が残っていました。
拝殿の後ろに本殿があり、
左の奥には東宮があります。
さらに回り込むと
本殿の背中合わせに恵比寿神社。
いろんな神様が同居してるんですね。
そしてこちらが富士登山道吉田口です。
右側の石柱を見ると・・・
祈祷を受けて、身体を清めて
たくさんの神社にお参りして、
やっとここから富士登山が始まります。
世界遺産に登録された富士山ですが
最初は自然だけでエントリーしましたが
登録ならず~。
富士山信仰を抱き合わせにして
ようやく登録されたような次第です。
結果、海外からの注目度もアップ、
集客効果的には意義があったようですね。
気がつくともう2時近い時刻。
どうりでお腹もすきました。
名物を食べに山中湖まで行きましょう。
途中、丘の上にレーダードームが見えます。
気象衛星ひまわりがなかった時代、
富士山頂に建てられたドームですが
使わなくなったので移築したものです。
新田次郎(実は職員だった)の小説や
プロジェクト×の第一回放送の
モデルになりました。
今回は時間の都合で写真だけ。
山中湖畔にあるお店です。
あらら、とうとう雪が降ってきました。
どうりで寒いなぁ。
ほうとう(うどんの幅が広いみたいなの)で
欠かせないものがひとつ。
肉が入ったりバリエーションはいろいろ
ありますが、
かぼちゃだけは絶対に外せません。
さあこれで心身ともに温まりました。
ホテルに行く前に
もう1ヶ所寄りたいところがあります。
村役場の裏になりますが
かつてここに林間学園がありました。
小・中学生の青春の一コマを飾った施設。
残念ながら跡形もなくなっていました。
午後遅くなり雪もチラつき、
富士山もすっかり姿を隠しています。
少し早いですが宿に向います。
この日は山中湖を挟んで富士山の向い側の
ホテルマウント富士に泊まりました。
1日遊んでくたびれたー。
「足がぼうみたいでーす」
ドールだから当然でーす。(私)
そんなときは甘いものを食べれば
疲れがとれます。
名物の信玄餅を食べれば
疲れも吹っ飛ぶかもね。
なんでこだまちゃんだけ3つなの?
夕方、雪雲も消えて
顔をだした富士山。
(ホテルのベランダから)
明日も晴れそうです。
がんばって早起きして
富士山を見に行きましょう。
そろそろ晩ご飯の時刻です。
レストランに行きましょう。
前日は和食だったので洋食にしました。
はーい、一気に終了。
レストランの窓外には
イルミネーションが見えています。
ちょっと出てみましょう。
うわーっ さ、寒い!
いったん部屋に戻って上着を取ってこなきゃ
なんかロマンチックな
イルミネばっかりだなあ。
ひょっとして結婚式のアルバム用かも。
そういえばロビーに
ウエディングドレスが飾ってありました。
でもこの時期、ドレスで撮ったら
凍りついた表情の写真になってしまうかも!?
明朝も早起きして
富士山を見なきゃいけないので
さっさと寝ることにしましょう。
「おやすみなさーい」
あ・あれ?
ボクの寝るところはー?
思い出の林間学園です・・・
(ホテル Mt.富士じゃありません)