でぶるまんしゅーじですねん(間もなく閉鎖) -216ページ目

人生最初で最後のステージコント

「や、やばい」

「どしました?」

「○○(芸人さん)が帰ってこーへん!」

「( ̄_ ̄)??」

「やばいやばい」


その日、僕は、某ショッピングセンターで開催された

ミニイベントにスタッフで参加しておりました。


イベントって言っても、スタッフはイベント業者さんと僕だけ。

で、僕の仕事はステージのADと、合間つなぎのトークとゆー

ほんま、なんともアットホームなイベントでしてん(^_^;)



んが!…朝一番に打ち合わせした芸人さん(独りモノマネ)が

「せっかくなんで、時間まで讃岐うどんを喰ってきま~す」

…って会場を離れたまま、時間が迫っても帰ってこーへん。



「わー、まずいまずい。も~10分ないでー」

「時間、変えられませんの?」

「あかんあかん。勝手に変えれんのや~」

「そんなに厳しいんですか?」

「パン屋さんの焼き上がり時間に重なったらマズい…」

「( ̄o ̄;)あら~」


会場にはそろそろ人が集まってきておりますの。


「どーします?」

「ちょっとつないで」

「( ̄_ ̄;)は?」

「つないで」

「( ̄o ̄;)…できまへん」

「つないで」

「(T_T)」


ステージ覗くと、お客さんが100人近くも集まってたりする。


「え~と」

「はよ行け」

「同い年以下やったらぶっとばしとります( ̄へ  ̄」

「10歳も上やからダイジョウブや」

「あとでぶっとばします( ̄∩ ̄」

「はよ行って」



小さなステージに、僕が登場すると、なんかしらん拍手。

一礼。


「えー、みなさま、本日はご来場ありがとうございます」


また一礼。

ぱちぱちと拍手。


「本日出演予定の○○さんですが、間もなく登場されます^^」


会場に高まる期待感。


(あ~、ここで事情説明したらテンションがたオチやろな~)


そうメゲつつ、切り出してみた。


「今準備中ですので、時間まで、私がステージをつとめます」


一瞬の静寂。


(…マズい)


ところが、会場からどか~!と拍手がわき起こったの。


(こらも~、ホンマになんかせんとアカンな)


そう開き直って、客席正面に座ってた7歳ぐらいの女の子に

声をかけましてん。


「お嬢ちゃん、なんかやって欲しいほと、ある?」

「…」

「恥ずかしいか~、じゃあ横の…」

「セーラームーン」

「( ̄_ ̄)うっ」

「セーラームーンやって」

「せーらーむーん…σ(^_^;)」


女の子のうるうるの瞳に、『子どもとの約束は破れん』とゆー

僕の無駄なポリシーがずきずきと心を刺す刺す。


「お…おけー。セーラームーンやります」


なんかしらん、状況を理解し始めた客から拍手がわき起こった。

すると、気を利かせたイベント屋さんがBGMを流し出した。


(なんでここで音楽がキューティーハニーやねんT_T)


怒りを抑えつつ、も~こーなると僕も腹を据えたわけです。


「コント…セーラームーン」


客に背を向け、ポーズをとって振り返る。


「ムーンライトパワー ウェークア~ップ!
 …って、寝てたんかい!」



決死のネタ。

一瞬の静寂。


「わははははははははははははははは」


なんとまあ、会場中が大ウケしましてん。


「あははははははははははははははは」


ちょっと気分よくなった僕やけど、ふと客席を見たら、

リクエストしてくれた女の子、笑ってへん。


(まずい、今のは子どもには理解できんか…(・_・;))


アタマの中に、過去の記憶や情報や印象や感動なんかが

どわどわ走馬灯どころの騒ぎでないぐらい噴き出してきて、

そのうちの一つにハッと気がついた。

ホンジャマカの石塚英彦さんがテレビでやってたネタ。

それに賭けた。


「…コント、中年太りのセーラームーン」


また客に背を向け、お尻を突き出しながらひと言。


「月に代わって…お尻大きいわよ!」



一瞬の静寂。


「わははははははははははははははは」


前にも増して会場大ウケ。

目の前の女の子も今度は笑ってくれてましてん。


(あーよかったー^_^;)


安堵した僕がお客さんの中に見つけたもの。


それは、お客さんと一緒になって笑いながら拍手してる、

出演時間を勘違いしてた芸人さんの姿でした。