でぶるまんしゅーじですねん(間もなく閉鎖) -168ページ目

僕のストロングなカメラ初仕事

26年前、社会に出て最初に入ったケーブルテレビは

本格的なCATV事業を始める前で、

TV局の番組やCMを作る製作会社が本業でしてん。

僕はそこで、テレビの現場を仕込まれたわけです。


まだ入社して1カ月もたってないぺーぺーの頃、

僕はある中継のスタッフに参加することになった。


中継現場は香川県のとあるいなか町。

某殺人事件の再審判決が高松高裁で出ることになり、

これはも~当然ながら全国的な話題になったんで、

高松高裁前など数か所に中継カメラを出して

全国放送にのっける…とゆーお仕事やったの。


「さ…さむいわっ( ̄_ ̄;)」


季節は真冬。寒風びゅーびゅー!…な現場は、

被告だった男性の実家がある場所。


「どーやって電波飛ばすんやろ( ̄o ̄)??」


今みたいなSNG(衛星中継機器)なんてない時代やから、

FPU(マイクロ波送受信機)を2組使って、

いったん裏山の中腹で中継→→岡山に転送…とゆー

ま~メンドーくさい機器をひーひーゆーて準備。


当時の僕は、カメラの電源の入れ方すら知らない

ホンマにド素人やったから、主任務は荷物運び。

中継車にも入れず、東京と結んでのリハーサル時も

カメラマンとレポーターがあれこれやってる横で、


「へ~、こんなふうにリハやるんや~」


…と、ほとんどお客さんみたいに見てた(^_^;)



が、リハ終了後、突然僕に仕事が回ってきた。


『おーい新人、カメラの番しててー( ̄o ̄)』

「はい(^o^)」


田んぼのあぜ道にででんと三脚立ててたんで、

カメラが倒れたりしないようにその番をするだけ~。


『おーい、聞こえるか~』


耳に付けたインカムから中継車の声が聞こえてくる。

いろいろ教えて貰ってた放送局の技術部の人。


「はい、聞こえます」

『ファインダー覗いてみ。今、家が映っとるやろ』

「あ…はい。今、カメラで写してる映像ですね」

『じゃあ、三脚のパン棒の手もとのボタン押してみ』

「手元のボタン…。  お!」


写してる画面が映ってたファインダーの映像が、

ワイドショーのオンエア画面に切り替わった。


『それが"リターン"や。今はオンエア映像が見れる』

「へ~(0。0)」

『つまり、リターンにカメラと同じ映像が出たら?』

「カメラの映像がオンエアに流れてる…わけですね」

『ぴんぽーん!』

「いやこわーですね( ̄o ̄;)」


本番は、全国ネットのワイドショー番組の中で、

短いレポートを3回、現場から入れることになってた。

それは滞りなく終了。

現場からの中継は全部終わったけど、オンエアが

終わるまでとりあえず待つことになって、で…


『おーい新人、カメラ番しとってー』

「はいはい(^o^)」


また、技術さんがインカム経由で話しかけてきた。


『おい。カメラのパン棒握って、左右に振ってみ』

「え…( ̄_ ̄) かまわんのですか?」

『なにごとも練習や。かまへんかまへん』

「は。では…」


初めて動かした油圧の三脚は、気持ちいいくらいに

うにゅ~~、もにゅ~~と滑らかに動く動く(^o^)


『じゃあさ、左の建物から、納屋にパンしてみ』

「はっ( ̄^ ̄)>」

うね~…かくっ…うね~…かくっ…うねうね~~

『あかん、うねうねや! 始まりもぎこちない!!』

「はい( ̄_ ̄;)」 ←わしゃ初めてでんがな

『もいっかいちゃんとやってみ!』

「はっ」


ゆっくりとパン操作に挑戦してみる。

未経験者やからうまく出来るはずもなく、


がくっ…ひくっ…うねうね~…がくがくっ…

「なかなかうまいこといかんもんやなー(^_^;)」


と、突然インカムの声が大騒ぎになった。


『えっつ、なんで!? なんでや!えっ? えっ??』


ワケ分からん僕は、カクカク…とズームにも挑戦。

インカムの声は、今度は僕に向かって飛んできた。


『こら!カメラ―! リターン見ろリターン!』

「へ( ̄_ ̄;)??」


リターンのスイッチを押してみる。

ファインダーにはナゼか、僕が写してる風景画面に

提供のテロップが載った映像が流れてた。


「あ~らら( ̄_ ̄;)」


現場に連絡することなく、東京のキー局側が勝手に

提供バックに中継映像を抜いちゃったわけですね。


「うねうねパンも、がくがくズームも流れたか…」


ぜ~んぶ全国放送に流れちゃったわけです。


これが、僕のカメラマン初仕事になりましてん。



オンエア終了後、インカムの声が静かに言った。


『おめでと。これでお前も一人前のカメラマンや』


んなこたーない( ̄_ ̄;)