でぶるまんしゅーじですねん(間もなく閉鎖) -140ページ目

映画エイリアンを一緒に見た少女

久しぶりに「でぶるまんのフシギ話」でおます。


中学の頃、将来の夢を"映画監督"と決めた僕は

週末に高松まで映画を見に行くための小遣いを

なんとか確保するために無駄遣いが出来ず、

あまり友人と遊ぶことをしなかったのね。



2年生のある日、学校から英語塾に行く途中で、

同じ中学の制服を着た女子に声をかけられた。


「○○くん…やよね」

「うん。…あの、何年生ですか?」


坂出市立東部中学校は、当時1学年3~4クラス、

全校生徒400人いない小さな学校やったんで、

ほとんどの生徒の顔は見たことあるハズやのに、

彼女の顔にぜんぜん覚えがなかったのよ。


「3年生ですか?」

「別にええやん、そんなんどーでも。うふふ」


短い黒髪に、日本人形みたいな可愛い顔立ちで

彼女はくすくすと笑った。


「あのさ、今度、一緒に映画に行かん?」

「映画? 僕とですか?」

「そ!」


実は当時、僕は周囲から『人畜無害』などと

誉め称えられるほど(?)の草食系男子でして、

クラスメイトの女子からボディガードとして

よく高松に同行させられることもあったんで、


『あ、またそのクチかー(T_T)』


と、可愛い女の子に声かけられたヨロコビも

どっかに吹っ飛んでいっちゃった。


「別にいいですけど、何を観るんです?」

「これ!」


彼女が見せたのは【エイリアン】のパンフ。

リドリースコット監督の当時の話題作でしたの。


「えーですね、それ(^o^)!」

「でしょ!」


結局、翌々週末に一緒に行く約束をしたの。



実おところ、このヘンちょっとフシギなんやけど、

それからの10日間、彼女が何年生なのかとか、

そーゆーことを確認しようとする意識が、

僕、全然働かなかったのよね。



日曜日、坂出駅で落ち合った時、彼女はもう

駅のホームに立って僕を待ってた。


快速列車(当時はディーゼル車^_^;)の中で、

互いに【エイリアン】について調べたことを

わいわい話しあって盛り上がったなー(^o^)/


周囲の『なんだこの2人は( ̄_ ̄;)』的な

冷たい視線が気にはなったんやけど…



映画館に着くと彼女は、思い出したみたいに

「ジュース買うから先に入っててー」

といって走っていなくなった。


「はい~( ̄_ ̄)」


先にチケット買ってロビーのベンチへ。

しばらくして彼女が、手にチュウチュウを

2本持って戻ってきた。


「へへへ。これ、一緒に食べよ」

「あ、ども」


中学2年の男女が、映画館のベンチに並んで

チュウチュウをちゅーちゅーと吸ってる姿は

なかなかビミョー(^_^)やとは思うんですが、

ま、いーではないですか。


あまりお菓子を買うことのなかった僕は、

チュウチュウの甘い美味しさにびっくりして

「ちゅ~」と音を立てて吸ったんですよねー。



映画は実に面白かった。

隣の彼女が『わっ』とか『えっ、えっ』とか

リアルな観客効果音を発してくれたのもあって

2時間めちゃめちゃ楽しんだ。



帰りの汽車でも、まー盛り上がる盛り上がる^^

その時に僕は、普段は女の子にこんなことを

思ったことなんてなかったのに、

『お、この子って、意外と可愛いんでないかい』

…などと正直思っちゃったわけですなこれが。



ところが、坂出駅で汽車を降りようとした時、

彼女は「わたし、このまま行くね」と言った。


「あれ、丸亀とかに行くんですか?」

「…うん、まあ」

「そうですかー」


そこでのお別れはちょっと残念やったけど、

まあ、同じ学校の生徒なわけですから…


「楽しかったです。じゃ、明日、学校で」

「うん。わたしも楽しかった」


僕は彼女と握手をして、一人で汽車を降りた。




この直後から、僕、彼女の記憶が飛びますの。





次に彼女のことを思い出したのは、翌年の夏。

【スターウォーズ/帝国の逆襲】を観ようと

一人で高松行きの汽車に乗ってた時。

突然、1年前の記憶がわわっ!と蘇ってきたの。


「え? あ…え( ̄o ̄;)?」


それまでの1年間、彼女を思い出す…とゆーか、

彼女の存在自体が意識から消えちゃってたの。


「…んー、なんなんでしょーねー( ̄. ̄)」


結局、彼女はいったい誰で、どこに住んでて、

あの時、どうして僕に声をかけてくれたのか、

今も僕には分かりませんです。



ただ、今でもふと、子どもがチュウチュウを

美味しそうにちゅーちゅーやってるの見ると、

あの女の子と映画館のロビーで一緒に吸った、

あま~い美味しさを思い出すのですよ。