ザイム真理教 2 | 野村孝博のブログ

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 続きです。

 

前回書いたジャイアニズムは経済の理論で、著者曰く「日銀に国債を買ってもらった分は、政府は利益を得たのと同じことになる。」ということでした。著者はそれを「通貨発行益」と呼んでいると言っていましたが、この通貨発行益と言うのは著者独自の用語なのか、一般的に使用できる用語なのか今一つ分かりませんでした。また、政府の発行した国債を中央銀行に直接引き受けさせることを「財務ファイナンス」と呼ぶともありました。こちらは「中央銀行」という言葉を使って説明しているので、国際的に通用する言葉なのでしょう。財務省の方々はこうした論理を理解せずに、財政均衡主義に凝り固まっており、それを正義と思っているということでした。いやいや、流石に優秀な方々ですからそんなはずはないと思うのですが本書の論調はそうでした。

 

 あと一つ、富裕層も財務省のサポーターとあり、「富裕層は消費税を払わない」とありました。これが何のことかわからなかったのですが、まず、消費税について「逆進性が高い」と説明していました。確かに同じものを買って、同じ税率がかかるのですから、収入が高い方の方が税負担はかるくなります。それはそうなのですが、「払わない」とはどういうことかと思ったら、「富裕層は自分の会社を持っているか、会社の経費を自由に使える人たちだ。消費税には仕入控除という仕組みがあり、経費で支払った消費税は、会社が消費税を納税するときに控除できるのだ、その仕組みを使えば、消費税を負担せずに、モノやサービスを購入できる。(中略)私の知っている富裕層は全ての支出が会社の経費だ。消費税をほとんど支払っていないことになる。」とあり、ちょっと頭に来ました。私は富裕層とまで言えるレベルではありませんが、会社を経営していて支出の全てを会社の経費に出来るはずがありません。「私の知っている富裕層は」とありますが、著者こそ自ら会社を運営し、テレビ出演や講演のマネジメント、著作物の印税などを自らの会社で管理しつつ、支出をすべて経費に計上しているのではないかと簡単に想像がついてしまいます。

 

 朝日新聞の世論調査の件もそうですし、富裕層の消費税論についてもそうですし、著者の立ち位置がフラフラしている印象でした。本書の印書としてはそうですが、財務省が強い権限を握っていることは間違いないでしょう。政治主導で何とかして頂きたいものです。