イチロー | 野村孝博のブログ

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  シアトル・マリナーズのイチロー選手が引退を表明、昨夜、1時間半に渡る記者会見をしました。日本のファンの前で、そして前途ある日本の若手投手のメジャーデビューの試合で引退というのは、なんとも感慨深いものがあります。


   記者会見の中で印象に残ったことをいくつかピックアップしたいと思います。イチロー選手がトレーニングの時に来ている「もう限界」とか「もうマヂ無理」なんていうメッセージ性の強いTシャツについて説明を求められた時、「野暮ったくなるから言わない方がいいんだよね。」と言っていました。やり取りの中で、記者から「言わない方が粋だと?」と問われて、「まぁ、粋って自分で言えないけど、言うと「無粋」であることは間違いないでしょうね。」と言っていました。粋って言葉はたしかに、そうありたいと思いたいものですが、自分で言う言葉ではないし、その上で反意語を用いた切り返しはお見事ですね。野球とは関係ない、言葉の使い方に感心させられました。


   「成功した」と言われたことに対しても

「成功」と言う言葉について哲学的にお話をしてくれました。

「成功という言葉は嫌い」として続けて「ここはあえて「成功」と表現しますが、「成功すると思うからやってみたい。それができないと思うから行かない」という判断基準では、後悔を生むだろうなというふうに思う。やりたいならやってみればいい。「できる」と思うから挑戦するのではなく、「やりたい」と思えば挑戦すれば良い。その時に、どんな結果が出ようとも、後悔はないと思うんですよね。自分なりの成功を勝ち取ったところで、じゃあ達成感がるのかといったらそれも僕には疑問なので。基本的にはやりたいと思ったことに向かっていきたいですよね。」

   これは大変反省させられました。仕事をしていて「やりたい」、「やりたくない」よりも「成功するか」、「成功しないか」で判断していたことが多々あるように思います。「成功するか」というのは、要は「上手くいくか」、「儲かるか」にあたりますが、その辺りもなんとも浅はか、同じ学年なんだけどなぁ


   弓子夫人のエピソードがとても微笑ましかったです。数々の記録を打ち立てたイチロー選手、ここの記録についてはあまり頓着していない様子でしたが、ホームゲームでは弓子夫人が握ったおにぎりを持って出かけて球場で食べていたと話していました。このおにぎりが2800以上になっていたそうで、夫人としては「3000行きたかった」のだそうです。自らの偉大な記録の数々のは横に置いて「3000握らせてあげたかったなと思います。」なんて言えるイチロー選手は素晴らしいですね。


   人望がないから監督はやらないなんて、自虐的なことも言っていましたが、今後の人間・イチローがどう進んでいくのか楽しみでなりません。