その芽と気力を摘んでしまう?
汎ジャーナリズムの現状
昨今の政界を眺めて、果たして日本はこの後、
他国に伍してやっていけるのか、と溜息が出る。
「そう思うなら、あんたもその輪に入ってなんとかしたら…」と言われても、なんのかの言えるほどの立場も見識も実績もなく(大抵の人はそう言う?)、ただ金魚鉢の水中を泳ぐ金魚のごとく、我が家の周辺をぐるぐる回っているだけといった塩梅。
そして、あげくの果ては明治を生きた漱石のように、<非人情>の感覚だけがアタマの中をぐるぐる回っている。こんな人間がいちばん厄介なのだと了解しつつ、『草枕』の「智に働けば角が立つ…とかくに人の世は住みにくい」という言葉に行き着くのだが、最近は「智に働く」ことも少なくなってきた。
そして思い至る先は、この「自我の世界」で真面目に物ごとを考える人間はアタマがおかしくなってしまうのでは、と心配する。「人間はいつまで、こんなややこしい世界で苦労するのだろうか? 一刻も早く清澄な霊的世界を招来させねば」と思う。
まあ、こんなことを考える人間は、もうこの世には必要ないのかも……。
たださいわい、私自身は「梵の世界」に入るすべを少し心得ているので、すっとそこへ入ってこの世を見渡すことも……。
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ところで、少し前の朝日新聞「声」欄(8月5日付
朝刊)に、次のような意見が掲載されていました。
(引用します)
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(声) 日本の危機管理は本当に大丈夫か
無職 満田 誠 (大阪府 62)
安倍晋三元首相の事件により、政治家と世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の関係が取り沙汰されています。多くの自民党の国会議員が関係を報じられています。そのことに対して苦し紛れの説明や、不誠実な対応が目につきます。
己の危機管理もできない議員が、コロナや経済、国防などへの対応が求められる状況で国の危機管理ができるのでしょうか。ただでさえ今の日本には難問が山積しています。自民党政権下では少子高齢化、財政、年金、介護など多くの分野で問題が生じながら、何一つ解決していません。むしろ、問題をどんどん増やしている印象です。
一連の報道を見る限り、政権の危機管理能力に期待はできません。政治家が反社会的な組織と関係を絶てば問題が解決するわけではなく、本当の問題は、危機管理能力がない政治家たちが政権を担っていることです。日本の未来は、本当に大丈夫なのかと感じてしまいます。
自民党と岸田文雄首相は、様々な問題の解決や膿(うみ)を出そうとしているようには全く見えません。明るい未来を見いだせない日本の若者が、かわいそうです。
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現在の日本を嘆き、かつ心配されています。
「日本の未来は、本当に大丈夫なのか」――私もそう思います。
それは、安倍・自民党一強政権が長く続いた(2006~2007年、2012~2020年)せいでもあり、当の自民党内はむろん、野党においてもその意志と力を削がれたからでしょう。とくに野党に迫力がなくなってしまいました。
国会は形骸化し無力感しか残らない、という状況。一人ひとりの政治家はたいした人物なんでしょうが、集団になったとたん、すべてがだめになってしまうのですね。
一方で、週刊誌メディアのセンセーショナルな記事に影響されて、議員たちが委縮しています。ここからも、議員の無力感が増幅しているのではないか、と私はみるのですが……。
どうにもならん……こんな状況ですかね。
しかし一方で、新聞や雑誌、テレビなどの媒体では、名の知れた学者やジャーナリスト、それに元外交官、コメンテーター、キャスターなど専門家と呼ばれる人たちが活躍しています。その意見は的確です。そこで、いっそ彼や彼女らと国会議員を総入れ替えれば、すこしマシな議会になるのでは……と思ってしまいます。名前は挙げませんが、彼や彼女らが政界のリーダーとしてやってくれれば、国会の景色も変わるはず。
そうならないのは、現在の「選挙制度」に大きな瑕疵があると言わざるを得ません。議員になってほしい人がならず、そうでない人がなっている?
具体的な案は、こうです。
①衆議院のみ小選挙区制を見直し存続(比例復活は無くす)。
②参議院は無くすと同時に改組して、司法の「裁判員制度」の
ような趣旨の「議員管理議院」とする。職務は衆議院に対す
る「法案監視」「選挙監視」「議員監視」を徹底し、形骸化
した議案審議をマトモなものにする。
それによって、安倍元総理が関わった「モリカケ、サクラ」や「赤木さん問題」、襲撃事件によって表面化した「統一教会との癒着問題」なども、うやむやには出来なくなります。
どうでしょうか? 子どもたちが「末は博士か大臣か」を
望む日本にしたい、ものです。
(記 2022.9.19 令和4)