♦コロナ禍(12) 「気が利きすぎて間が抜けている」コロナ対応の図書館 | のむらりんどうのブログ       ~君知るや ふたつの意識~

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2002年9月22日の早朝。目覚めて布団の上に起きあがった瞬間、私は「光の玉(球)」に包まれたのです。以来、「自我」(肉体と時間に限定されたこの世に存在する私)と、「真我」(肉体を超えて永遠に宇宙に実在する私)の、ふたつの意識を持って生きています。

 

 

                     こういう時こそ図書館の本が必要なのに!

 

     コロナウイルスの感染拡大で、東京都内の図書館はきょう

    5月10日現在、全館が休館となっています。その期間は政

    府の「緊急事態宣言」発表(4月7日)後から5月7日まで

    でしたが、「宣言期間の延長」で5月31日まで延びました。

 

 で、都民は約2カ月間、図書館に入ることが出来ない状態です。しかし考えてみれば、われわれ都民にとっては外出を控えなければならないこの時期こそ「図書館の本」が必要なのです。この措置については、図書館を運営する方々の知恵が足りないのではないでしょうか。

 

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 「なぜ図書館を閉館するのか」については、次のようなことが考えられます。

 

  <図書館に来る人>と<館内にいる職員>双方が感染しないようにしなければならない。したがって、密閉された館内で多数の人が長時間、机やソファで新聞や本を読むことは絶対ダメ。それを解消するには来訪者の入館を禁止するしかない――と運営者が考え、閉館を決めたのでしょう。

 しかし、ちょっと待ってください。あわてて「閉館」にまで持っていくのはやりすぎです。要は「館内滞在者」をなくせばいいだけの話で、いまは「ネット予約貸し出し」という方法を採用しているのですから、何ら問題はないはずです。

 

  そこで、どうして現行の「ネット予約貸し出し」まで禁止してしまうのでしょうか。「ネット予約」の本を受け取りに来る人の館内滞在時間はほぼゼロに近いわけですから、感染する・あるいは感染させることは「皆無」です。なぜ、これを止めてしまうのか理解に苦しみます。

 たとえば私の場合、メールで「ネット予約本の受け取りOK」の連絡が来れば、すぐさま図書館に出かけ、取り置きされている本棚から予約していた本を取り出し、貸出機を操作して3~5分後には図書館を出ています。入館から出館まで、館内の職員と会話することは一切ありません。まあ、目が合えば互いに笑顔を返すといったくらいです。

 

 もしこれでも「危険な状態」だというのなら、区役所などで対面しながら会話を続ける受付業務は一切できない、ということになります。しかし、役所では日々、“危険な状況”にあっても仕事を遂行しているのです。それから見れば、図書館のやり方は、失礼ながら「気が利きすぎて間が抜けている」としか言いようがありません。

 

 

 

   さて話は変わりますが、別の図書館では、これまた“異常な仕事”

  が紹介されていました(5月8日付の朝日新聞夕刊社会面)

   みなさん、これをどう思われますか?

                         (引用します)

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    学び止めないで、図書館が宅配

               貸出延長、遠隔授業へ専門書も

 

 新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、全国の図書館の休館が長引いている。政府が4日に示した方針で再開は認められたが、終息が見通せず、二の足を踏む図書館が多い。そんな中、本の宅配サービスを始める図書館が出てきている。

 

 「#図書館は動きつづける」。長野県立長野図書館(長野市)は4月22日、そう掲げて、宅配による本の貸し出しを始めた。全国に緊急事態宣言が広がり、18日から全ての来館サービスを休止。政府の再開容認後も「安全を守るため」と、今月15日まで延長する。 

 宅配サービスは、ホームページの蔵書検索で本を探し、ウェブや電話、ファクスで予約してもらう。1人あたり10冊までで、司書らがゆうパックなどで自宅に送る。送料は利用者負担だが、貸出期間を4週間に延ばし貸し出し可能な本も増やした。森いづみ館長は「学びを止めて欲しくない。この機会に電子書籍のサービスも始めたい」と意気込む。 

 図書館などの支援に取り組む民間団体「save MLAK」によると、5月6日時点で宅配サービスを始めた全国の公共図書館は少なくとも50館ある。一方、全国の計1692館を調査したところ、来館利用を止めているのは9割超の1553館に上った。4日に政府は図書館などの開館を認めたが、再開を決めているのは鳥取県や岩手県などで計245館にとどまるという。 

 学校や大学の図書館でも宅配は広がる。「図書館城下町」をうたう神奈川県大和市は、市立小中学校28校の子どもたちに、休館中の市立図書館や学校図書館の本を教職員が宅配したり、学校で渡したりしている。31日まで休校の東京都立産業技術高等専門学校は、学生向けに、品川区と荒川区の二つのキャンパスの図書館の本を無料で宅配している。

 文部科学省は都道府県などに対し、休館中でも図書館の本の配達や時間を区切っての来館貸し出しをすることなどを提案している。担当者は「図書館という場がなくても、知識や情報を得るための利用ができるように工夫して取り組んで欲しい」と話している。

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 記事の中に、<宅配サービスは、ホームページの蔵書検索で本を探し、ウェブや電話、ファクスで予約してもらう。1人あたり10冊までで、司書らがゆうパックなどで自宅に送る。>とあります。

 しかし、こんなことをしていたら、郵送料もムダだし、コロナの影響で宅送する郵便物が増えすぎて困っている郵便局に、さらに手間と迷惑をかけることになります。これもまた、「気が利きすぎて間が抜けている」例でしょう

 

 大人も子どもも図書館へ本を取りに行けばいいのです。ただ、館内で生じる「密」が心配なら、入り口の前にじゅうぶんな間隔をとって順に並べばいいのです。館内での貸し出しは数分もあれば済むのですから。来館者が多くなるといっても、スーパーの混雑ぶりに比べれば月とスッポンです。 

 

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 そして、先日の朝日新聞の「声」欄には、ある方からこういう提案もありました

 <館内の書架(本棚)を前から撮影し、図書館のホームページに載せれば、背表紙から「本の名前」がわかる。それを見て利用者はネット予約すればよい>という趣旨でした。このアイデアも、本来なら図書館側から出て来てよさそうなものです。人と人が接触しなくてすむ「ネット予約の有用性」を利用しないテはありません。

 

 で、最近の「私」と「本」の関係といえば――

 大勢の客で濃密状態になっている近くの書店で店員と話しながら新刊本を買い、借りたい本がいくつもある誰も居ない図書館の前を通りすぎて家路につく、といった始末です。「ああ、旅に出られるのはいつの日か」

 

 

                     (記 2020.5.10 令和2