♦ニュースから(58) 心愛さん虐待事件、どうして彼女は死んだのか | のむらりんどうのブログ       ~君知るや ふたつの意識~

のむらりんどうのブログ       ~君知るや ふたつの意識~

2002年9月22日の早朝。目覚めて布団の上に起きあがった瞬間、私は「光の玉(球)」に包まれたのです。以来、「自我」(肉体と時間に限定されたこの世に存在する私)と、「真我」(肉体を超えて永遠に宇宙に実在する私)の、ふたつの意識を持って生きています。

 

          

        先生、どうにかできませんか」

 

     「お父さんにぼう力を受けています。夜中に起こされたり

      起きているときにけられたりたたかれたりされています。

      先生、どうにかできませんか。」

 

学校のアンケートに、こう書いて死んで行った小学4年の栗原心愛(みあ)さん(当時10歳)――。彼女を死に追いやったのは、あろうことか実の父親だった。 世間は首を傾げた。「どうして?」

 

しかし、死に至る直前まで、彼女は「救いを求めるサイン」を出していたのです。が、それに気づかなかった周囲の人たち。いや気づいていたにもかかわらず、無責任に放置していたことが露見して――。

 

 

 

 

                 +

 

 その経過と、加害者である父親の裁判を朝日新聞から引用します。

 

 ▼2020年3月19日夕刊・社会面から(見出しのみ)

………………………………………………………………………………

  小4虐待死 父に懲役16年

            日常的な暴行指摘 千葉地裁判決 

………………………………………………………………………………

 

 ▼2020年3月20日朝刊・社会面から(見出しと記事の一部)

………………………………………………………………………………

「人格全否定」懲役16年 

 父の虐待「最も重い」 心愛さん死亡

 

千葉県野田市で昨年1月、小学4年の栗原心愛(みあ)さん(当時10)を虐待して死亡させたとして傷害致死罪などに問われた父親の勇一郎被告(42)の裁判員裁判で、千葉地裁は19日、懲役16年(求刑懲役18年)の判決を言い渡した。前田巌裁判長は「尋常では考えられないほどに凄惨な虐待だった」と指摘。死者1人の傷害致死罪では「最も重い部類だ」と述べた。

 

判決は、虐待が長期間に及んでいることや、徹底的な支配で肉体的にも精神的にも追い詰めていたことを挙げ「先例の量刑傾向を大きく超える極めて悪質性の高い事案」と結論づけた。

判決によると、被告は昨年1月22~24日、心愛さんに食事や睡眠をとらせず、ぬれた肌着姿で浴室に立たせ、シャワーで冷水を浴びせ続けるなどして死亡させた。被告が否認していた、2017年11月に心愛さんが小学校のアンケートで暴力を訴えた暴行罪について、判決は「(心愛さんは)身に起こったことをありのまま精いっぱい伝えようとしていた」と認めた。公判で被告が反論していた点は、妻や解剖医の証言などをもとに「被告の供述は脈絡がない不自然なもの」などとして、起訴された六つの罪を全面的に認めた。

被告が否定していた虐待の日常性についても「長期にわたり虐待を繰り返した」と認定。「虐待をエスカレートさせ、人格と尊厳をも全否定した。傷害致死の犯行はその行き着く果てだった」と述べた。

18年7月に心愛さんに便を持たせて撮影した強要罪は「恥辱と屈辱以外の何物でもない」と指摘。証拠の動画などから、心愛さんは直前に30分近く屈伸を繰り返すよう強いられたとし「虐待を受けて極度に畏怖していたのに乗じた」と述べた。

心愛さんは虐待を逃れようと学校や被告の実家で助けを求め、被告と離れて暮らすこともあった。だが、その度に自宅に連れ戻された。判決は「助けてもらえず、理不尽極まりない虐待を受け続け、絶命した悲しみや無念さは察するにあまりある」とした。

………………………………………………………………………………

 

                                      

  

判決で裁判長はこう述べています

<「長期にわたり虐待を繰り返した」「虐待をエスカレートさせ、人格と尊厳をも全否定した。傷害致死の犯行はその行き着く果てだった」>と。心愛さんの言葉からしても、その通りであったことが推量されます。

 

しかし、それで事が解決したことにはなりません。問題の核心は、「父親の心の奥に潜んでいる“深い闇”」を知ることが必要だと私は思います。愛すべき実の娘にこのような仕打ちを繰り返す親というのは、「精神」のどこかに異常をきたしているのでしょう。

 

どういうことか――。じつは子どもの頃、私にもそれに近い状況がありました。いずれこのブログの「自分史(自伝)」に書くつもりですが、この問題は「養育者自身の成育環境と成長過程で形成された性格に、(周囲から)どのような負の力が作用したのか」ということを追究しなければならないのです。

 

父親が幼少の頃、娘にした行為と同じような行為(虐待)を親などから受けていたかどうか、とくに「人格否定」といった態度をとられていたのかどうか、を探る必要があります。

 

また、医学や犯罪心理学における知見が必要で、検討されるべきです。それに、「生前意識」といった面からの学識を援用することも考えるべきで、生まれ変わる前の「世界」においての行動や悲劇も考慮に入れる必要があります。これは脳のはたらきと関係する「夢分析」や、「退行催眠」といった催眠術の専門家の力を借りなければなりません。

 

いずれにせよ、この“事件”には「深い闇」が横たわっています。加害者だけの問題で片づけらるものではありません。私は考えつづけます。

 

 

                            (記 2020.3.22 令和2