きのう(2018年12月21日)の朝日新聞朝刊「声」欄に、次のような投稿がありました。
<高校時代、「男子→女子」順の名簿に違和感があった。
自尊心が傷ついた。「男女混合名簿」にすべきです>
という意見です。
「そうか、女生徒はいつも、そんなふうに思ってきたのか」
私は、深く考えさせられました。
(引用します)
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(声) 違和感あった男子→女子の名簿
会社員 清島 愛 (東京都 32)
福岡県教育委員会が県立高校の入学願書から、性別を記入する欄を廃止するという記事(10月18日本紙)を読んだ。福岡県立高校を卒業した者の一人として、この変更を支持する。そしてこの機会に、私の高校時代のように今でも男女別の生徒名簿を使っている高校は、ぜひ変更してほしい。
高校に入学して一番驚いたことは、名簿も教室の席も先に男子、次いで女子という並びになっていたことだ。中学は男女混合だったので、高校の入学式の時、か行に自分の名字が見つからず、「もしかして合格したと勘違いしていた!?」と焦ったことを覚えている。
教員側が管理しやすいなどの理由があるのだろうが、中学では男女混合名簿で特に問題ないようだった。高校だって問題はないはずだ。何でも男子の後に女子というのは、思いのほか自尊心が傷つく。
入学願書の性別欄廃止の理由は「書くことに抵抗のある生徒もいる」ということだそうだ。そのような生徒は、名簿も男女混合のほうが安心できるのではないか。福岡県教委の英断が各高校に広がることを、遠く東の地から期待している。
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「男女混合名簿」の存在さえ知らなかった私です。世の中のことは、かなり知っているつもりですが、恥ずかしい限り。
すべての学校ではありませんが、現在の中学・高校ではクラス生徒の名簿を「男女混合」にしているのですね。つまり、男女別ではなく全員を一括して、(たとえばアイウエオ順に)並べているのですね。いやあ、今の今まで知りませんでした。
私が中学生だった昭和時代の名簿は、「男子名→女子名」がアイウエオ順に並んでいました。それで、何の不思議も感じずに過ごしてきたのです。
というのは、われわれの周囲に「それでよし」とする「決まり?」のようなものが存在していたからだと思います。その決まりは昔から連綿と続いてきたものですから、当然のこととして受け取っていました。
たとえば、戦後すぐの頃を見ても、
①天皇は「男子(女子なし)」
②隣近所の家の表札は家長である「男子」
③学校の書類や公文書などの表記順は「男子→女子」
④学校での学級担任、各学年1組は必ず「男子」の先生
⑤式典の整列順は「男子→女子」
……例を挙げればキリがありません。ことごとく「男子→女子」となっていたのです。それが、私たちの中学~高校時代の“決まり”でした。今から50~60年前のことです。
しかし、現在では「こんなことは考えられない」と言われるのですね。
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そこで、この問題について、現状はいったいどうなっているのか、そしてそのことをどう考えればいいのか、ちょっと調べてみました。
~ つづく ~