12月6日(火) 於たかつガーデン 午後は、

「憲法第9条を誇りにする会」の総会と記念講演に参加。

 

映画「教育と愛国」の監督斉加尚代さんの講演を聴きました。

MBS報道ドキュメンタリー「映像‛17 教育と愛国~教科書でいま何が起きているのか」(2017年7月放送)に追加取材、再構成した作品。斉加さんは担当ディレクターです。

5月に封切り、私は22日に第七藝術劇場で観ています。今もなお大阪シアターセブンでロングラン上映中、すごいですよね。

 

「教科書検定制度」に疑問を感じ、ドキュメンタリーで取り上げられたそうです。道徳が教科化された時の教科書で、」小学校道徳の教科書でパン屋さんが選ばれていたのに、文科省の意見で、和菓子屋さんに変わっていたというのは、当時有名な話でした。

だって、は⁈て感じですよね。

政治家が関心を示すのは、歴史と道徳。「従軍慰安婦」も「強制連行」も不適切な用語として、教科書には今はとりあげられていないです。

 

学び舎発行の教科書採択校に異議を唱える葉書が殺到したことがありました。私立の有名校なので、校長が毅然とした態度でおられたわけですが、あれが公立校ならば、完璧に替えられているだろうな、と思っていたことを思い出しました。

日本会議の指示によって葉書が送られたことは、森友学園の籠池さんへのインタビューで明らかになっていました。「教育再生首長会議」の集合写真が講演の中でも使われたのですが、枚方市長がしっかりと納まっているんですよね。

 

第一次安倍政権の時に「教育基本法」が改悪され、道徳の教科化などで、政治が教育に介入するようになってきました。そして教科書検定制度によって、教科書の内容が政府の都合の良いように変えられていき、憲法改定にもつなげていこうとしているわけです。「閣議決定」によって歴史用語が消えていく。学術的な研究を経て使われている言葉が、実証的な根拠のない『政府見解』・政治によって変えられるのはおかしい!と。

その現実にどう向き合い、教育の普遍的な価値をどう堅持していくのか、しっかりと考えていかなければならないと思いました。

 

大阪発の政治主導の教育改革「維新は、教育をビジネスの言葉で語る」ということが、ストンと自分の中に落ちました。

「グローバル社会に対応できる人材育成」というのはよく使われる言葉です。

それが意味するものは、①学校間、教師間、自治体間で競争させるという価値を重視「競争統治」 ②教育から「ムダ」を排し、効率化、自己決定、自己責任を強いられていく

でも教育はビジネスではないんですがね。

 

最後に、大切にしたい言葉を披露されました。

「教えるとは、希望をともに語ること。学びとは、誠実を胸に刻むこと」(ルイ・アラゴン)

私も大切にしたいな、と思います。

 

斉加さんのお話から、改めて「教育と愛国」を観たくなりました。