2月3日に開催された日本オリンピック委員会(JOC)議員会において、東京オリンピック(五輪)・パラリンピック大会組織委員会の森喜朗会長は、「女性がたくさん入っている理事会の会議は時間がかかります」、「女性っていうのは競争意識が強い」「女性の理事を増やしていく場合は、発言時間をある程度、規制をしないとなかなか終わらないので困ると言っておられた。だれが言ったとは言わないが」などと発言しました。

 

この発言はジェンダーに基づく偏見に加え、民主主義を否定するものでもあります。

「男女平等なくして民主主義なし」と辻元大阪府連共同代表の指摘もありました。

 

また、森会長の発言に対して、周りにいた人は笑っていたということで同調されていたということです。委員会の質も問われます。

 

一応、謝罪と撤回をしましたが、その様子は「なぜ、謝罪と撤回をしなければならないか」を理解して行っているものとは思えないものでした。

 

個人及び様々な団体が抗議や要望等表明されています。

立憲民主党大阪府連 ジェンダー平等推進委員会としても声明文を発表しましたので、ここに、掲載いたします。

 

2021年2月10日

 

公益財団法人東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会の森喜朗会長の発言に対して抗議するとともに、ジェンダー平等の実現に向け、一切の差別発言を許さない取り組みを求めます

 

立憲民主党大阪府総支部連合会 ジェンダー平等推進委員会

 

委員長   枚方市議会議員 奥野みか

委員長代理 高槻市議会議員 遠矢家永子

副委員長  豊中市議会議員 宮地和夫

 

 

公益財団法人東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会の森喜朗会長は、2月3日、公益財団法人日本オリンピック委員会(JOC)の臨時評議員会に出席し、JOCが女性理事を増やしていく方針を掲げていることに関連して「女性理事を選ぶっていうのは文科省がうるさく言うんです。だけど、女性がたくさん入っている理事会は時間がかかる。」と発言したことが報道されました。組織の長である会長から、このような偏見に基づく女性蔑視の発言があったことは、委員会の正当性を害する極めて深刻な問題であり、看過できるものではありません。

 

オリンピック憲章は、当然のことながら性差別を容認していません。国際オリンピック委員会も五輪に おける男女平等を掲げていますが、JOCにおける女性理事の割合は20%ほどにとどまっており、目標とされる40%には程遠いのが現状です。

 

東京2020大会では、「すべての人が自己ベストを目指し(全員が自己ベスト)」「一人ひとりが互いを認め合い(多様性と調和)」「未来につなげよう(未来への継承)」を3つの基本コンセプトとし、「史上最もイノベーティブで、世界にポジティブな改革をもたらす大会」の実現を、大会ビジョンとして掲げられています。「Know Differences, Show Differences. ちがいを知り、ちがいを示す。」のアクションワードのもと、互いを理解し、多様性を尊重するからこそ、個々の人材が力を発揮できると、JOCとして、ダイバーシティ&インクルージョンの取り組みも推進されてきているところです。

 

そのような中、森会長の女性蔑視といえる発言は、意思決定への女性の参加やリーダーシップを阻むものであり、オリンピック憲章に違反し、国際オリンピック委員会の掲げる男女平等原則に抵触するものです。そして、ジェンダー主流化が世界的潮流の今日、森会長の発言は、日本の国際的地位さえ貶めるもの であります。

 

私たちは、二度と偏見に基づく女性蔑視の発言、対応をすることがないよう、森喜朗氏の会長としての処遇の検討を強く求めるとともに、一切の差別発言を許さない具体的な再発防止策の実施を求めます。そして、大会がめざす、互いを理解し、多様性を尊重する中で一人ひとりの力が最大限に発揮できる「多様性と調和」の実現のため、JOC組織改革、意識改革、ひいてはスポーツ界のジェンダー平等の実現に向けたさらなる取り組みを強く求めます。