8月9日(日)

教育オンライン第2弾

本田由紀×嶋崎量「〈やりがい搾取〉の構造に斬り込む」

聞き手:斉藤ひでみ(現職教員)

に参加致しました。

 

「やりがい搾取」の言葉を生み出した東京大学教授・本田由紀さんと、「給特法=教師の定額働かせ放題」の問題をいち早く提起して来た、弁護士・嶋崎量さんの対談です。教員の労働問題を科学的・構造的に解き明かします。

と案内に書かれていました。

 

「やりがい搾取」実は初めて聞く言葉でした。

「やりがい」を仕事に付加して「自己実現系ワーカホリック(仕事中毒)」を生みだすこと、だそうです。

「やりがい」の種類

①趣味性:自分の好きなことを仕事にする

②ゲーム性:裁量に基づいて成果を最大化する

③奉仕性:顧客のニーズに最大限応えようとする

④カルト性:高揚した雰囲気や身振りで巻き込む

⑤神聖性:崇高な価値や魅力、美を追求する

 

教員には「やりがいの搾取」が当てはまる面もある

①趣味性:自分が興味を持っていることを教えられる

②ゲーム性:自分の教え方によってクラスの「まとまり」ができたり児童・生徒の「学力」が上がる

③奉仕性:「子どものため」!「献身!」

④カルト性:児童・生徒と熱く燃える!

⑤神聖性:「子どものため」!「聖職」!

なるほど‼ 私自身教員でしたから、よ~くわかってしまいました。

その上、残業代なし、部活の労働報酬は無いかわずか

ほとんどの教員が「やりがい搾取」にとらわれていますよね。

Twitterでの教員=「やりがい搾取」の指摘や、教師の言葉も紹介されました。

 

しかし、近年の職場では「やりがい」すら感じられない場合もある

ということで、コロナ治療の医療現場からの言葉(悲鳴)も紹介され、教員のストレスの要因等をデータで説明も…

「やりがい搾取」を防ぐには? 具体的な提案を

〇「やりがい」(子どもへの献身)の過剰増殖を防ぐ「オルタナティブな語り」 例:教職間の転換

〇「搾取」への対策、「やりがい」が発揮でき報われる労働条件を

①労働時間規制、残業代適用 ※年単位の変形労働時間制は機能しない!

②教員1人当たり児童生徒数の削減、少人数学級

③事務作業の効率化(IT含む)、事務職・専門職の増員、部活の外部化

本当にこれらの対策案、実現させてほしい‼ 教員時代から部活の外部化は願っていました。その時は、組合にも受け止めてもらえなかったので・・・

 

弁護士の嶋﨑量さんは、以前にお話を聴いています。

教員の長時間労働の弊害について

非正規教員の増加 多職も同じ状況(本当は正規職員に)

長時間労働は社会全体の課題であり、是正は社会全体にプラスになる 

・子どもたちのためにも時間を気にしない働き方をしている、クラブ顧問が長時間労働を気にしていない(過労死・過労自死が起きる現実をしらない)→過労死防止教育の必要

・同僚に有害

・子どもたちに悪影響(働き方の悪い見本)

子どもらが社会で「若者使い潰し」に遭っている現実

・今も昔も「先生」は魅力とやりがいがある仕事。あらゆる仕事に「やりがい」はある。しかし使用者から「やりがい」をおしつけるべきものではない。

・ジェンダー不平等

校長は男性ばかり→子どもたちへの影響は?えらいのはやっぱり男性⁈

 

給特法及び給特法改正の問題点

・上限時間について

・虚偽の記録等について

・持ち帰り業務について

1年単位の変形労働時間制の問題点 

も丁寧に説明されました。

 

質疑で、どうすれば変えていくことができるのか。

少人数学級の推進⇒教職員の増加

教職員だけでなく、一般の人にも広げていく

少数派では抵抗しにくい

連帯の可視化

労働条件は、組合が交渉できる→組合に対して否定的な人も多いようだが、変える必要性があるなら、中に入って変えていくことが重要。という言葉には大きく頷いてしまいました。

 

毎回思うのは、これまで考えていたことが、整理され、さらに自分の中でパワーアップされる感が強いです。

長時間労働の解消で、教職員が健康と豊かな生活時間と「やりがい」を取り戻す「働き方改革」のためにも日政連議員としての役割を果たしていきます!