大阪府性的指向及び性自認の多様性に関する府民の理解の増進に関する条例(大阪府 大阪府 性の多様性理解増進条例)が、2019年10月30日に施行されました。

11月29日(金)午後
その関連事業「性の多様性を考えるセミナー」に参加しました。
性的マイノリティ当事者の方が抱える困りごとは? ~だれもが利用しやすい‟トイレ”について一緒に考えてみませんか~


第1部 基調講演及び先進的取組み事例
⑴ 性の多様性に関する基礎知識、国際的な人権の動向と人権保障から見たトイレ 金沢大学 準教授 岩本健良さん
⑵ 企業の先進的取組み事例とあわせて、これからの公共トイレのあり方とは? について
 株式会社 LIXIL スペースプランニングG 日野 晶子さん
 コマニー株式会社 製品開発部 高橋 未樹子さん

金沢大学・コマニー株式会社・株式会社LIXIL が共同でオフィストイレのオールジェンダー利用に関する研究会をたちあげ、「トイレ利用は、人間の尊厳にもかかわる人権のひとつである」という認識のもと、性自認に関わらず、オフィスで働くすべての人が「安心して快適に利用できるオ フィストイレ環境」を明らかにすることを目的に、オフィスで働く 18 歳~59 歳の 3 万人以上を対象と した WEB 調査を実施されました。

その調査結果を報告をされ、LIXILさんは、、車いすユーザーや乳幼児連れ、高齢者、オストメイト、訪日外国人や性的マイノリティなど さまざまなユーザーのニーズに応える配慮を検討し、誰もが利用しやすいパブリックトイレの提案を行い、利用者のアンケート結果も示されました。

トランスジェンダーの人は、多機能(誰でも)トイレに対して57.5%が利用時に気まずい思いをした(注意や指摘を受けるなど)
多機能トイレでは、車いす利用者で待たされた経験がある人が80%


男女に分かれたトイレ利用が難しいひとたちに男女共用の広めのトイレが提案、性別を問わない・異性親子・異性の介助者・シニア等に。また子ども連れ(同性)、オストメイトは男女別一般トイレに集約すればよいのでは…等々
利用したいトイレの希望と実態の不一致度は、公共の場では46.7%、職場・学校では63.1%。 希望するトイレを使えていないひとが多いです。


ひとりひとりの性自認とプライバシーが尊重され、利用者の意思に沿う選択肢があるパブリックトイレをめざしている思いがしっかりと伝わってきました。

 

第2部 パネルディスカッション
前述の3人と性的マイノリティ当事者の塩安九十九さんが加わりました。
まずは、塩安さんがトランスジェンダー当事者が抱えている困りごと(実体験から)を示され、1部での調査結果とやっぱり同じです。
トランス女性の場合の困難として、犯罪者と見られることのリスク・通報される危険性・心理的負担に伴う身体的不安・カムアウト後でも周囲からの拒絶 が提示されました。
性自認に基づいたトイレの使用が可能になるための社会的コンセンサス
・基本的人権としてどのような個人も性自認に基づいて生きれる保障
・性差別を許さないという一貫した態度
・属性、外見、状況に関わらずハラスメントは許されないという認識
・みんなが世の中の不平等とそれぞれの特権を自覚している


⇒どんな外見の人でも安全にトイレを利用でいることが重要
前日のSOGIECSの言葉を思い出しました。

後は、休憩中に集められた質問にそれぞれ応えられました。

 

今日様々な角度で語られたトイレが、早く身近にできるといいなあと思います。

ただ、男女別のサインの色分けのことは、気になりました。

男性は青、女性が赤がほとんどですが、色分けと性別の一致はおかしいのではないか、と考えています。

青を男色、赤を女色 という認識が強いです。青であろうと赤であろうとそれで性別を表す必要はないと思います。

色分けがされていないと、公共の場でのトイレが見つけにくいというアンケートの結果があったそうですが、外国では特に色分けされていない方が多いのではないかと思います。あくまでも習慣の問題であり、色分けされていないことになれれば、それはそれで他のサインに慣れてくると思うのですが…

実際大阪のドーンセンターは、色分けされていません。