7月22日(日)
体罰をみんなで考えるネットワーク 夏のつどい
非行の背景にあるもの~臨床の現場から見た「体罰」と虐待~
をテーマに、京都少年鑑別所 医師 定本ゆきこさん
・非行少年の定義
・非行少年の処遇の流れ
・少年法の4つの理念
・少年鑑別所の役割
について、まず説明されました。
保護司会定例会では、あまり聞くことがないのですが、保護観察所の人や交野学院所長からは聴いていた内容です。保護司としても重要な内容です。
非行のリスク因子
・虐待 ネグレクト ・親の犯罪歴 ・学校不適応 ・低学力 学習困難
・不就労 ・平均以下のIQ ・発達障害
これらがなぜリスクとなるのか?
社会から排除されるからではないのか、そんな社会を変えるべきではないか、という意見が後に出てきたときには、大きくうなずいていました。
非行少年を鑑別するための3つの視点
⑴これまでの時の流れの中で理解する
⑵子どもは周囲の環境の影響を受けやすい
⑶子どもそのものを重層的に把握する
虐待についても後遺症やリスク要因などを説明され、ライフサイクルごとの発達課題について丁寧に話されました。
虐待は、それぞれのライフサイクルの発達課題を乗り越えることを阻害するものであること、特に身体的虐待(体罰)の影響についても詳細に。
子どもを重層的にとらえる(生物学的基盤・発達・情緒や行動の問題、症状、心理的問題・環境、社会)ことの大切さを強調されました。
子どもの人となり、個性は一人一人違う 問題の出し方の違いにも通じる
非行少年に見られやすい発達特性についても触れられました。
子どもと環境との間で見られる 正のループと負のループ
・子どもの発達は、資質と環境の相互的循環的営みの中で、成り立っていくもの
・一方的、直線的なものではない
・望ましい循環(正のループ)と望ましくない循環(負のループ)がある
・負のループとは、そのまま子どもにとっての虐待、不適切な養育へと繋がる
負のループから正のループへ
子どもを正しく「知る」→子どもへの「感情」が変わる→親が意識的・意図的に変わる
講演の後は、グループディスカッション
5人のグループですが、それぞれの背景が異なるので、講演内容がさらに拡がっていく感がありますし、より理解が深めることができます。
それぞれのグループから話した内容の報告もあります。
私としては、その過程を経て、引っかかっていたことが納得できたりして、落ち着いて帰ることができました。
新しい出会いにも感謝ですね。