2月17日(土)午後は

枚方退女教しおん会主催の「憲法カフェ」に参加しました。
講師はあすわか兵庫の田崎弁護士
「あすわか」とは、明日の自由を守る若手弁護士の会のことです。
今できること…まずは知憲活動で、多くの人に日本国憲法の基本を確実に知ってもらうこと、ということで、弁護士の本業以外に「あすわか」の活動をされているそうです。


憲法カフェは紙芝居で始まりました。「人の支配」から「法の支配」を示した紙芝居で、立憲主義とは何か、憲法=国家権力を縛るルールであることを全員で確認しました。..第98,99条には、憲法を守らなければならないのは天皇や国会議員や公務員である、と記されています。l

 

憲法の定めた三大原則にも言及されました。

①「国民主権」(この国のことは私たちが決める) ②「基本的人権の尊重」(国は私たちの人権を守りなさい) ③「平和主義」(国は戦争だけは二度とするな)

絶対に覚えておかなければならないことですが、3つともが重要だとの認識でそこに差はないと思っていたのですが、あえてどれが一番重要だと思われますか、と尋ねられました。その答えは、一番の目的は、「国が人権を守る」(立憲主義)ことで、「私たちが決める」や「戦争はしない」は、その目的を達成するための手段である、と…。なるほど!納得です。

「三権分立」についても、おさらいです。立法府(国会)・行政権(内閣)・司法権(裁判所)なんですが、内閣総理大臣の「私は立法府の長として」という発言や、裁判所は本当に独立してる?という疑問が残る判決など、問題が多いと思うのは私だけでしょうか。

 

続いて自民党改憲草案について

自民党改憲草案の特徴は、

・立憲主義の否定

 憲法を守る義務がある人に、「国民」が明記(草案102条)、天皇は憲法を守らなくてよい。第97条の基本的人権の尊重が、消されている。

・基本的人権の変容

 国民の義務として、国と郷土を誇りと気概を持って自ら守る義務・家族でお互いに助け合う義務・領土、領海及び領空を保全し、その資源を確保する義務等々国民を縛る。国民の権利、特に人権の中でも最も重要で価値のある自由の「表現の自由」について、「公益及び公の秩序に反しない限り」と制限される。表現活動によってこそ民主主義のプロセスが高められていくのに…

・戦争放棄から戦争ができる国へ

 第9条1項:国際紛争を解決するための戦争や武力は一切放棄する

      2項:軍隊(戦力)は持たないし、交戦権も放棄する  ですが、

 個別的自衛権・集団的自衛権を全面的に認め、「国防軍をもつ」ことにより、国際紛争にもより積極的に介入していくのが、草案の中身です。 

 「平和」というのは、外交努力を積み重ねていくことによって実現させていくものであり、現政府はその努力を怠っているということには、大きく頷きました。

・三権分立(立憲主義)の破壊

 緊急事態条項:草案第98,99条により、緊急事態において内閣は法律と同一の効力を有する政令を制定することができる⇒全権委任がすでに記されている。

 災害対応で一番重要なことは、現場に権限をおろすことで、そのための法律はすでに整備されている。だから、緊急事態条項の必要性はない!と。

 

自民党改憲草案は、復古主義の下、立憲主義・個人主義を否定し、権力者が思うままに政治をすすめていくことに繋がります。

問題点を詳細に丁寧に説明していただき、私も含め参加した退職者や現職の人たちは、理解を深めることができました。
選挙の結果では、改憲派が衆参両院で2/3以上を占めることになり、私たちは少数派になってしまっているのですが、
「立憲主義をないがしろにする安倍政府のもとでは、改憲は絶対に許さない‼」
ことを共有し、それぞれの場で「戦争する国づくりを許さない」歩みを進めていくことを確かめ合うことができたと思います。