12月16日(土) WES定例会

「道徳教科化と私たちができること」 池田賢市さん(中央大学)

最近の大学生の持つイメージが、国=権力⇒安心・安全 となっているようで不安になることがある、という話で始まりました。

「多様な意見があって、自分たちでなかなか決められないので、国に決めてもらえばいいと思います」と、学生が発言していると。

権力こそが人々の権利を侵害し、生命を脅かしてきた歴史が完全に忘れられている。人権侵害に結び付く要素が「安全」という用語には付きまとっていて、「安全のため」と言われ、結果として権利が奪われてしまうことがある、と。

道徳の教科化によって、誤った「安心・安全」を植え付けてしまうのことになるのではないか…と。

新学習指導要領の特徴・問題点を提示され、道徳の教科化を支える発想について具体的に述べられ、教科化の不可能性を明らかにされ、評価できるものではないという問題点も明らかにされました。

そして今後の方向性についても示唆されました。

 

教科となった道徳の授業によって、子どもたちの内心(を表現する行動)が評価の対象になるということ、そのことを通して考え方や行動の仕方が統制されていくことが大きな問題である。人々がそのことに疑問を持たなくなっていくということがもっと問題で、ここから無批判に政策を受け入れる人間が生み出されていくことになる。これは民主的社会の否定である、と。

で、「私たちができること」とは…学校の教員としては、検定教科書に載っている教材に対して「人権」の観点から授業展開ができるような具体的な扱い方を考えていくこと…。と締めくくられました。

その後は、グループになって検定教科書の中のいくつかを教えるならばどのように…を考えました。「人権」の観点から、突っ込みどころ満載の教材でしたが、学校現場の若い教員はどうなんでしょうか。「疑問を持つ」教職員が育っていくことを望みます。

 

12月17日(日) 脱原発政策実現全国ネットワーク関西ブロック主催

「原子力災害を考えるー原発事故から‟少しでも”身を守るためにー」

守田 敏也さん

福島の原発事故による放射能汚染をふり返り、広島・長崎原爆投下後の被爆影響について述べられ、内部被曝は外部被曝曝より深刻であることを明らかに。

大飯原発稼働差し止め判決(2014年5月21日)⇒原発と人権の問題を鮮明に宣言 しているということで素晴らしい判決であることを強調。

最悪170㎞圏強制移住、250km圏は希望者を含む避難ゾーンで、各原発からの枚方市の位置性を示されました。福井県内の5つの原発からに浜岡原発、島根原発が250㎞圏内に引っかかってきます。

ということで、篠山市原子力災害対策検討委員会委員として原子力防災計画を作成した実例を具体的に報告していただきました。

 

 

目から鱗的な感じでした! 原発は危険なものであることを強調する講演は何回も聞いてきましたが、確かに大事故時の防災は基本的に成り立たないし、唯一の防災は原子力を止めることであるわけですが、原発がある限り、完璧は不可能と知りつつ対策を立てるしかない‼ということです。

可能な限り被害を少なくする減災の観点で臨むべき!と。

再稼働がすすめられようとしている中、また原発の必要論を述べられる人がいる中、伊方原発運転差し止めの広島高裁の判断が示されたところでもあり、今までと切口が違う話に、希望を持つことができました。火山や地震による影響による災害を軽視してはなりません!議員として取り組んでいくヒントをいただきました。活かしていきたいです。

篠山市のハンドブック「原発災害にたくましく備えよう」もゲットしました。