1089日は、宝塚へ

「地方自治と子ども施策」全国自治体シンポジウム2016宝塚 に参加しました。

全体テーマは、子ども支援・子育て支援と子どもにやさしいまちづくり

2002年から始まり、今年で15回目の開催となるそうです。久しぶりの参加です。

 

プログラムは

1日目:

オープニングセレモニーで、兵庫県立宝塚北高等学校演劇科によるミュージカル「ともに生きる」 全国で公立高校演劇科が設置されたのが初めての学校だそうです。

高校生のエネルギー溢れるミュージカルで、桃太郎と鬼の物語を鬼の立場から、考えてみたって感じでした。内容も素晴らしかったですが、さわやかでパワフルで…笑顔が素敵な高校生たちでした。

開会あいさつは、実行委員長 荒牧重人さん 

子ども支援(子育ち支援)・子育て支援の両輪ですべての子どもの育ちをまち全体で支えるとりくみを確認する場であり、子どもの命と暮らしを守るために私たちが動くことを確認する場であることを強調されました。  それがすべてですね。

宝塚市長 中川智子さんも、「子どもたちも大切な市民」として、宝塚市のとりくみを披露され、子どもたちが生まれてきてよかったと思える社会をつくるため、何ができるかをともに考え、施策に生かしていきたいと述べられました。

 

全体会「子どもの格差・貧困問題と子ども支援・子育て支援~こどもにやさしいまちづくりをめざして~」

パネルディスカッション

基調報告「子どもの貧困解決に求められること」森田明美さん(東洋大学教授)

パネラー

・「未来へつなぐ あだちプロジェクト」(足立区子どもの貧困対策実施計画)について 秋生修一郎さん(足立区子どもの貧困対策担当部長)

・北九州市における子どもの貧困対策の取り組み 蓑田昌一さん(北九州市子ども家庭局子ども育成担当部長)

・特定非営利活動法人こどもの里による子供の貧困に対する取り組み 荘保共子さん(特定非営利活動法人 こどもの里理事長)

コーディネーターは、浜田進士さん(子どもの権利条約総合研究所関西事務所所長) 福田みのりさん(鹿児島純心女子大学准教授)

 

印象に残ったのは・・・

森田さんの報告では、大人社会の貧困が子どもの貧困につながり、貧困は子どもの責任ではない、①子どもの貧困は子どもの希望を奪う ②子どもの希望は子どもががんばる(生きる、努力する)支えである を確認し、ひとり親家庭の貧困率を例にして特徴を述べられました。児童福祉法の改正で子どもの権利という視点が入ったことを前進ととらえ、「子育て世帯の地域での暮らしを支える予防と回復支援の構築」を強調され、日本社会全体の問題として取り組む必要を訴えられたことです。

足立区のとりくみでは、「貧乏と貧困」の違いを確認、共有し、始め福祉部にあった子どもの貧困対策を政策経営部に置き、調整の権限のみで動いているところです。とにかく全庁的な取り組みがすすめられている所ですね。

北九州市では、「子どもの貧困対策」に関する新たな取り組みで、北九州市子ども食堂運営事業、不登校等の困難を抱える子どもたちへのアウトリーチ事業、「こどもひまわり学習塾」等で、民間や地域との連携がしっかりと行われていることです。

「こどもの里」については、「さとにきたらええやん」という映画を観ているので、内容は把握しているつもりですが、荘保さんの理不尽さに対する憤りや子どもに寄り添うその強い思いがストレートに伝わってきました。

 

特別報告「子ども施策の現状と課題~『子ども施策全国自治体調査』の結果から」内田塔子さん(東洋大学準教授)

印象に残ったのは、1995年の1回目の調査から10年、この間で進んだところは、・子どもを主たる対象とした施策、調査 ・子ども計画に子どもの声を取り入れている ・子ども参画(子ども議会など)。 変化が見受けられないのは、子どもの権利の記述。 減少しているのが、子どもの権利に関する広報、啓発 と分析され、 ・子どもの権利条例が制定されている ・全庁的に子どもに関わる調整組織がある ・市民(NPO,NGO)との連携がなされている 自治体に子ども施策の進捗状況に優位性が見える 

ということです。このことは、決算特別委員会でも報告いたしました。

 

特別コメント「インドネシアにおける子どもにやさしいまちづくりの実践」レニー・ロザリンさん(インドネシア女性エンパワーメント・子ども保護省副大臣)

国全体で、こどもにやさしいまちづくりの計画推進が行われていることに驚きました。着実にそれも実現しているのですから…すごいですね。