11月15日()

キャンパスプラザ京都で、「貧困と子どもの健康シンポジウム」が開催され、参加しました。

「なくそう!子どもの貧困」ネットワークのMLに入っていて、そこでこのシンポジウムの案内をいただきました。

和田浩さん(健和会病院小児科)の経過報告、コーディネートにより、

講演「日本の子どもの貧困をどう考えたらよいか」山野良一さん(千葉明徳短大教授)

講演「貧困が子どもの健康に及ぼす影響」阿部彩さん(首都大学東京教授)

調査報告「入院」竹内一さん(佛教大学教授)

    「新生児」山口英里さん(千鳥橋病院小児科)

    「外来」佐藤洋一さん(生協子ども診療所)

そして討論が行われました。


MLで拝見するお名前のご本人から直接お話が聴けること

医療現場からの報告があること

興味を持って参加しました。




山野さんの講演は、日本の子どもの貧困の特徴を他の国との比較などデータに基づいて、説明され、改めて整理ができ確認することができました。

1.継続的な貧困率の上昇

2.貧困家庭における就労率の高さ(ワーキングプアの多さ)

3.ひとり親家庭の貧困率の高さ

4.母親(女性)の貧困

5.所得再分配機能が不十分(働かない)

教育費の問題や奨学金の問題、社会保障費の問題など、すでに知っている内容でも、多くのデータが用意されていたので、切り貼りの知識ではなく、他の国と比べて全体的にどうなのか、がよくわかりました。

家族の力や子育て能力の低下などが問題視されがちですが、個人的な問題ではなく、社会構造の中で考えるべきことであり、極めて政治的なことであることの認識が深まりました。

阿部さんの講演は、大阪市内での小・中学校を対象にした調査データを基に、子どもの健康格差が生じる要因を説明されました。

医療サービスの受診抑制

栄養・食生活

住居

印象的に残ったのが、国民皆保険が日本の誇るべき制度と言われていますが、「皆保険であっても皆医療とはなっていない」という言葉でした。

そうですよね…

子ども医療費助成制度がありますが、自治体任せなので、住んでいるところで異なっています。私は、どこに住んでいても、子どもが健康に育つことに対する責任を国は果たすべきだと思っています。

阿部さんは、子どもの貧困対策における「医療(保健)界」の役割として

母子保健・学校の保健室・ファミリードクターの可能性 を提言されました。

ファミリードクターのついては、会場からもいろいろと意見が出されましたが、

チャイルドパートナーの報告もあり、フィンランドのネウボラのとりくみと私の中では重なりました。

医療の現場からの調査報告は、あらためて見えてきたこともあり、これからも継続しながら、「子どもの貧困」についての議論を深めていくことになるでしょうね。

最後まで居ることはできませんでしたが、活発な討論もあり、大変有意義な時間となりました。