2月8日(日) 枚方市青少年育成指導員連絡協議会40周年を記念して、市民啓発事業がメセナひらかたで開催されました。


雨宮 処凛 講演会「生きづらさを感じている若者たちへ」


連絡協議会副会長のYさんと担当のTさんが、雨宮処凛さんに質問・インタビューしながら、

雨宮さんが応えていく という形の講演会 でした。


導入に「自死」について話されました。

15~39歳を5年の階層にしても、死因のトップはそれぞれ「自死」であり、、

20~29歳では、死因の半分以上が自死であるそうです。


それだけ、生きづらさを抱えている若者が多い。


雨宮さん自身が、生きづらさを感じていた当事者であり、自殺未遂もされたと・・・

そこからの脱出は、生きづらさの原因は、自分が悪いのではない、ということを知った時。

同じ生きづらさを抱えている人たちと出会い、自分一人だけではない、とわかった時。

そして、自分の思いを発信、表現するようになったこと、だそうです。


生きづらさはなぜ感じるのでしょうか?

当事者が、自分の存在を無条件に受け入れることができないから・・・

生産性のない人は、価値がないという、条件付きでないと生きててはだめ

という、間違ったメッセージを社会から受け、圧力となっているから・・・


キーワードは、「自己肯定感」と「無条件の生存の肯定」です。


雨宮さんが、今活動されている内容は、プレカリアート(新自由主義の中で不安定な雇用・労働状況にある存在)問題。労働・格差・貧困についてですね。

「生きさせろ」というデモであり、反原発のデモなど・・・


何をやっても変わらないという無力感 も生きづらさであり、

それを打ち破るという、「イヤ」なことは、「イヤ」と発信していくこと、それがデモ(お祭りみたいなもん)につながっている。



ちょうどランチを一緒にしていた友人と、同じ年頃のそれぞれの息子の話をしていました。

生きづらさを抱えながら、一歩を踏み出せない。

「生きているだけで、いいんや」と思うことやね、とか

今の子どもたちは、様々な枠にはめられていて、自分の意思がないのか、気づけないのか…

野に放たれるべきやねえ、なんて話していたところでした。


質問者の質問は・・・「障害」のことや、原発、「イスラム国」にまで及びました。

どれについても端的に応えられた雨宮さん。

特に、「障害」について「学習障害」や「発達障害」などカテゴリーにはめ込まれている子どもが増えているのでは、という質問には、「排除されてるってことですね」と言われたことには、会場から拍手も起こりました。

支援について「野に放すべきですね」という言葉に、ピタッと思いが通じた感がありました。


会場からも、活発に質問や意見が述べられ、充分すぎる有意義な時間となりました。


もちろん、生きづらさを抱えている若者が、なかなかこのような場所に出てくることはありませんが、

このような講演会をきっかけに、そんな若者に寄り添える人が増えること、

そして、「弱さ」を持った大人はいっぱいいてて、成功することがすべてではない、そんな人たちの存在を知ることだけで、自分自身も無条件で生きてていいんだ、と思えることが・・・いいんですよね。


現在の「競争がベースにある社会」が、多くの人に、生きづらさを感じさせている。

そんな社会を変えるために、わたしたちに何ができるのか、

それを考えること、そして、同じように弱さを感じている人たちと繋がって行動すること、が大切なんですね。


2015年1~3月

枚方市は、いろいろに切り口から、講演会と開いています。

1月は、上野千鶴子さん(シングルマザーに) 

2月は、雨宮処凛さん(若者に)

3月は、竹信美恵子さん(家事ハラについて)

講師を選ぶその感性が、いいなあと思っています。