5月8日は、大阪平和人権センター主催の憲法集会が開かれました。

講演は、「平和も人権もあきらめない―改憲論を批判する―」と題して、高橋哲哉さん(東京大学大学院教授)が話されました。


福島県出身の高橋さんですから、現在の福島の状況も話されました。
原発と基地問題によってフクシマ・オキナワが、日本の中で犠牲を強いられている特異な存在であること、を強調されました。
政府によって県民の人権が侵害されている憲法違反の状況にあるところ
そして、今、憲法の最大の危機 であると。


昨年4月28日に自民党が公表した「日本国憲法改正草案」と現行憲法を比較しながら、詳細に説明をされました。


(前文)について、現行憲法では「日本国民は・・・」、改正草案は「日本国は…」となっています。
この最初の主語からして、自民党は憲法観そのものを変えようとしていることが、わかります。
民主主義・立憲主義(国家権力は憲法によって拘束されるべき)=国民主権 
が 国民が憲法を尊重しなければならない(権力者が国民に課する)ことになり、
立憲主義が骨抜きにされようとしています。
為政者の中に立憲主義の考え方が未だにない、と嘆かれていました。


96条(憲法改正条項)を、今の「各議院の総議員の3分の2以上の賛成で、国会が発議し、国民に提案してその承認を得なければならない」
というのを、「衆議院又は参議院の議員に発議により、両議員のそれぞれの総議員の過半数の賛成で国会が議決し、国民に提案してその承認を得なければならない」
に、まずは変えようとしています。
国民投票についても、「その過半数の賛成」から、「有効投票の過半数の賛成」に草案ではなっています。
要するに、政権をとったモノが、憲法を変えやすくしようとしているわけです。
それは、政権が替わる度に、憲法が変えられることにもなります。
安倍首相は、今夏の参議院選挙で「96条改正」を争点にすることを明言しています。
96条「改正」のその先は、自民党草案を見ていただくとわかるのですが、9条の改悪です。
2項を削除し、自衛隊を国防軍にして軍隊を持ち、戦争ができる国にすることです。
他にも、立憲主義を装い、現行憲法の文言を変えているのですが、
明らかに、現行憲法の三原則「国民主権」「平和主義」「基本的人権の尊重」は損なわれることになります。


私たちは、そんな安倍政権の動きを許していいのでしょうか。
今夏の参議院選挙で改憲の動きにはっきりと「NO!」をカタチにしなければなりません。


他にも具体的に説明をされました。
自民党の「日本国憲法改正草案」の狙いを私たちは確実に知らなければならないと思います。