8月19日(金)~20日(土) ホテル大阪ベイタワーにおいて、2011大阪教組夏季セミナーが開催されました。
講演?「ビッグイシューの挑戦ー人々を排除しない社会への提案」ビッグイシュー・日本支社代表 佐野章二さん  ホームレス問題にとりくむビッグイシュー事業、7つの特徴には、とても大事な点が紹介されていました。?明日につながる支援ー緊急支援から自立支援へ ?モノ、カネではなくチャンスを提供する ?ビジネスの手法を使う社会的企業 ?ホームレスはビジネスパートナー ?問題の当事者を問題解決の担い手にする ?ボランティアが参加するハイブリッドな会社経営組織 ?NPO法人と両輪の活動
30才代の男性がホームレスになっている現実、労働環境は本当に厳しくなっています。
住所や保証人がなければ、就職活動もできない。結局ホームレス状況から抜け出せない。
ビッグイシューを路上で販売することによって、壁はいろいろありますが、自立へと・・・
さらにビッグイシュー基金としてプログラムが様々に用意されています。
月に2回の発刊の冊子です。1冊300円。大阪教組も協賛団体となっています。 

分科会「貧困・社会的排除と学校教育ー排除する学校から排除に抗する学校へ」大阪府立大学准教授 西田芳正さん からお話を伺いました。
貧困の現実、「排除型社会」としての現代日本 のことを述べられるのに、NHK「ワーキングプア」(2006年放送)で紹介されたホームレスの若者を取り上げられました。
学歴・資格・住居・保証人のない者は不安定な仕事にしか就けず、容易にそこからも追い落とされてしまう。
親がしっかりしていないせいだから、と問われることもあるが、安心して働き暮らしていくための支え(社会の仕組み)とつながりを欠いているために生み出された貧困・不幸だと考えるべきではないか、と述べられ、今日の社会は、労働、福祉両面の支えが弱くなり、失われ、多くの人々がはじき出されつつある「排除型社会」となってしまった。
学校で何をなすべきか。学校でしかできないこと。
それは、子どもたちに身につけさせるべき力を学校でとりくんでいくことです。
教科の知識のみではなく、「狭い世間」から脱却するための多様なモデルの提示、男女が対等に関係を結ぶ姿を示すことが有意義である。
また、「こんなひどい時代」を「生き延びる」ために必要不可欠な知識として、労働者の権利、職業紹介や労働者を保護する制度、福祉に関する知識などが伝えられるべき。と・・・
そして学校の果たすべき使命とそれを実現するための支援として、困難を抱える子どもを見つける、学力を定着させ、つながりをつくることで支える、他機関との協力でつなぐ・・・
時間の制約もあり、多くの調査資料とともに急いで述べられました。
講演に引き続きの、貧困に関する話で、よりよく理解することができ、学校での取組に以前からの人権教育が基本になることを確認することができました。


2日目は・・・
講演?「大阪と問題を考える」大阪市政調査会 別当良博さん    橋下府知事による大阪都構想を詳細に説明していただきました。
「府市再編」と呼ぶのは不正確で、府による大阪市の吸収合併であり、大阪市が消滅することだということだそうです。
東京都23区の抱える課題も述べられ、大阪都と東京都とは、23区が東京都で占める人口の割合と大阪市が大阪府で占める割合とでは、全く異なるので、本質が異なるということも強調されました。
秋の大阪市長選挙が、ダブル選挙となるのか・・・大阪の行方をしっかりと考えていかなければなりません。


他に、大阪教組の秋の取り組みなども提示され、盛りだくさんの内容となりましたが、例年行われる夏季セミナー、私にとっても楽しみな行事の一つです。